二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- イナズマイレブン×REBORN! 神の復活 完結
- 日時: 2012/02/20 23:28
- 名前: しろお (ID: 1SYkI3To)
- 参照: http://www.nicozon.net/watch/sm7616140
↑ メインテーマ
アフロディのキャラソン(イメージです)
アフロディ空白の歴史を考察しました。
大まかな話の流れを説明すると、神のアクアというクスリを使って廃人と化したアフロディっつー少年がREBORN! のキャラクターたちと出会い、
いろいろな出来事に触れて成長し、そして復活する話です。
テニスの王子様とかもで(る予定)ます。
メインはイナズマイレブンGOとのコラボです!
おもしろさは保証できません。
あらすじ
ダークエンペラーズ(イナズマイレブン最大の汚点・黒歴史)の結成を阻止するために、神を自称する少年は時空を越えて、日の目を見ることのない世界の影の部分で暗躍する。
……多分。
はいはい、目次ですよー
第一幕 神の復活
act.1 ささやき
>>1 >>2 >>3 >>4
act.2 家庭教師
>>5 >>6 >>9
act.3 中華料理店 楽々軒
>>11 >>15 >>17 >>19
act.4 おまけ
>>22 >>23 >>25 >>26
act.5 かてきょーチャラ男内藤ロンシャン!
>>30 >>31 >>33 >>34 >>35
act.6 ボンゴレの右腕
>>37 >>38 >>39
休憩所
>>40
第二幕 十年後の世界で
act.7 イナズマイレブンGO
>>50 >>51 >>53 >>55
act.8 茶色のチョココロネ
>>55 >>59 >>60
act.9 サッカー
>>63 >>69 >>70
act.10 調査
>>73 >>74
act.11 その頃
>>75
act.12 十年の歳月
>>76
act.13 不吉な予感
>>80 >>83 >>84
act.14 犯人
>>89 >>90 >>91 >>92
act.15 泡
>>93
休憩所
>>94
第三幕 使った物・後書き
act.16 夢
>>103 >>104
act.17 仲間
>>106 >>107
後書きV2・V3
>>110
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- Re: イナズマイレブン×REBORN! 神の復活 ( No.31 )
- 日時: 2012/01/15 15:12
- 名前: しろお (ID: xnzmqlIT)
アフロディとロンシャンが河川敷を歩いていると、川辺でシャドーボクシングに励んでいる青年に会った。
「極限極限!」
という言葉を何度も発しながら拳で空気を切っている。
「あの芝生頭は笹川了平。超天然で、ボクシング以外のことは何もかんがえてない! おーい笹川先輩ー!」
「む! お前は……ボクシング部入部希望者か!? 大歓迎だぞ!」
「こんな芝生頭だけど、いちおー晴れの守護者なのさね。じゃ、次行こうか次」
「ねえロンシャン、晴れの守護者って言うのはなに?」
「まあ、ツナがボスになったときのボンゴレの幹部みたいなもんさ! はいはい、レッツゴー! 合い言葉はー!?」
「…………は?」
「だから合い言葉はって! さっき説明したっちょー!?」
「え、あ、ああ。ら、ラブ&ピース……」
「違う違う! もっと気持ち気持ち! お手本見せっから! いいか、こうやるんだ。……ラブ&ピースだぜフウー!!」
「……え? それ僕もやんの? 僕もやんの?」
「テンション足りないんですけどぉ! ちょっとちょっとさ、もっと熱くなれよぉ!?」
「松岡修造!?」
「オッスオラ内藤!」
「な……あ、うん。そうだね」
「あーもうダメ。あーもうほんとむり。昆布があったら食べたい」
「おっ! 昆布なら、俺が持ってるぞ。昆布やるから、ボクシング部入れ」
「やなこった! でももらう!」
「食べたな!? 食べたら入部する約束だったな!?」
「おい照美ちゃん、3,2,1,で煙幕投げるから一緒に逃げるぞ。いいな?」
「え? お、ああ、あ、わかった!」
「よし行くぞ! ……1,0!」
「3と2は!?」
煙が辺りを覆う。
「ごほっごほっ。あっ、こら待て! ボクシング部はいつでも極限に新入部員大歓迎だからなー!」
町を歩いていると、ランボがいた。何もしておらず、いつもの間の抜けた顔で変てこりんな歌を歌いながら雑踏の中を歩いている。
「僕は誰だいー。僕はランボー。君は誰だいー。君はランボー」
そして何もないところでこけた。
「が・ま・ん……」
「あ、えっと、あのアホ牛はランボっていうんだけど……」
「あの子の説明は大丈夫。アホなのはよくわかってるから」
「ああ、そう? んじゃ次いこー!」
そんなこんなで、アフロディとロンシャンは何日かの間、二人で並盛観光していた。リング争奪戦はちょうどこの頃に行われていたらしい。
- Re: イナズマイレブン×REBORN! 神の復活 ( No.32 )
- 日時: 2011/12/26 22:14
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
初めまして、夜桜と申します
タイトルに惹かれて読んでみたらとても面白いです!!!
イナイレとリボーンの大ファンです
テニスの王子様はよく分からないのですが………
時々コメントにくるかもしれませんがよろしくお願いします
応援してます
頑張ってください。
- Re: イナズマイレブン×REBORN! 神の復活 ( No.33 )
- 日時: 2012/01/24 10:22
- 名前: しろお (ID: zfUJEuV5)
夜桜さんはじめまして 読んでいただいて光栄です!
感想ありがとうございます! 夜桜って、かっこいい名前ですね。僕なんてしろおですよ……
おもしろいと言ってくれて嬉しいです! テニスの王子様は、簡単に言ってしまえば超次元テニスです。もう少しでまたREBORN!のメインキャラ達が戻ってくるんですが、その時おもしろいのが書けるよう頑張りますんで、よかったらまた読んでほしいです。
つうかロンシャンのテンションがよくわからない……! 口調とかこんなキャラだったっけ…。ま、まあ、今のところつっこまれてないし! 大丈夫だよね…うん。
今回の更新話は作者の趣味要素が大きいので注意
いつもと同じように二人で散策していると、ロンシャンが急に「河川敷に行こう」とアフロディに言い出した。
アフロディはたまたまその時、家からボールを持ってきていたため、当然サッカーをする流れになる。
「ロンシャン、サッカーできるの?」
「まったくできない!」
「うん、なんかそんな感じする」
「ひでーなー。へい、パス、パス!」
パスを求めるロンシャンに、アフロディはとりやすいゆっくりとしたパスを出す。
「うまいなやっぱ! リボ山先生から聞いたよ! 照美ちゃん、今スランプなんだって!? サッカーの」
「うん、そうなんだ。前から思ってたんだけどさ、リボ山先生って誰?」
「え!? リボ山先生知らないの!? あ、普段はリボーンって呼ばれてるのか!」
「リボーンのことね……。知ってる? このリボン、リボーンがくれたんだ」
「リボ山先生が? リボーンだけにリボンって……相変わらずセンスありすぎ! つーかリボ山先生が誰かにプレゼントするなんて、よっぽど気に入ったやつじゃなきゃしないよ! 照美ちゃん、かなり期待されてるってことだよ! よかったじゃん! ピースピース!」
「そっか……。でも、僕はやっぱり全然……」
「はいはい、そうやって自分を卑下しないしない! なんくるないさフウー!」
「う、うん……」
「もー。じゃあ、物知りな俺が、特別にいろんな話してあげるっちゃ! トマゾファミリーはイタリアのマフィアだから、俺はイタリアのサッカーしかくわしくないけど、知ってるイタリアのいい話教えてあげるね! じゃ、まずイタリアサッカー界の英雄、ロベルト・バッジョの名言から行こう!」
「ロベルト・バッジョ……伝説のファンタジスタだね? サッカーやってる人ならみんな知ってる。僕が尊敬する選手の一人だ」
注意 作者はサッカー大好きですが未経験者です
「バッジョ。もしくはバッジォ。超越したサッカーセンス、視野の広さ、テクニック・・・決してスピードがある選手ではなかったけど、ボールを持てば何かをしてくれる、そんな選手だね。引退するときは、チケットを取れなかった人たちが スタジアムの外で応援してたって言う逸話のある選手だよ。信じられないことに、サッカー生命、むしろ日常生活ですらままならないケガ、両膝の靭帯を断裂したりしたことがある選手なんだ・・・ でも、本人はそれにもめげず、復帰してファンタスティックなプレーをしたんだ。そのロベルト・バッジョが残した名言。『瞬時に、思いついたプレーの中で、一番難しいものを選択している』……まさにファンタジスタだよねー! ピースピース!」
「すごい……かっこいいなあ」
「じゃ、次行くね! ラツィオにガスコインが移籍してきた時の話。世界有数の選手であるガスコインが移籍してきたことによりクラブ側もサポーターも『今年こそは!』と色めき立っていた、けどガスコインが練習中に若手選手の激しいタックルを受けて負傷しちゃう。 困ったのはその若手選手だよね。世界的スターでクラブ期待のエースを負傷させてしまった、しかも気性が激しい事で有名なガスコイン、若手選手は後悔と不安で泣き出しそうになっちゃった。覚悟を決めてガスコインに謝罪に行った若手選手、でもガスコインは予想に反してにこやかな表情でこう応えたんだ! 『気にするな、お前のタックルが素晴らしかったから俺は避けられなかった、それだけのことさ』そして自分のスパイクをその若手選手にプレゼントしたんだ。 この一件の後から、その若手選手はがむしゃらな守備じゃなく鋭い読みと的確なプレッシングで勝負するプレースタイルに切り替え大成することになるんだ。
この若手選手が、後の『世界の壁』と称されたイタリアの鉄壁DF、ネスタだっち!」
「ネスタ……! あのイタリアDFの至宝だね? 世界的なスターだ。もっと話はないのかい?」
「じゃ、次は俺が個人的に大好きなサッカー選手、トッティについて話すよ! 長くなるから、よく聞いててね!」
「ローマの貴公子、トッティ!? 僕の大好きな選手だ! 史上屈指のダイレクトパスを出せる選手で、カッサーノとの連携は夢の競演だったよね!」
「はいはい、話すよー」
トッティはローマの財政難の時、
給料が遅配される若手のために食事代を出してあげたりしていた。
ある日、
若手のためのバーベキューパーティを開いて、
トッティ自ら肉を焼いたりしたんだけど、
あんまり張り切りすぎてぼや騒ぎになり、
消防車や警察が駆けつけたあげく、
警察に怒られた。
「っていう話」
「……え? それだけ? あ、いや、トッティが後輩おもいないい人っていうのはわかったけど……」
「まだまだ続くよ!」
- Re: イナズマイレブン×REBORN! 神の復活 ( No.34 )
- 日時: 2011/12/31 11:32
- 名前: しろお (ID: 5Yz4IUWQ)
結婚して、孤児を養子に取ることに決めたトッティと彼女は、
カンボジアに行って生後数カ月の赤ちゃんを引き取ることにした。
イタリアに戻って、すぐナポリの東洋語学学校に出向いたトッティと彼女は、
学院長に会い、クメール語(注:カンボジアの言葉)のコースに加入したいと申し出る。
学院長「しかし、どうしてクメール語を習いたいのですか?」
トッティ「いや、カンボジア人の赤ちゃんを引き取ったんスよ。で、やがて喋り始めるだろうから、 やっぱり何を言ってるのかわかってやりたいな、と思って…」
アフロディ「いやトッティ馬鹿でしょ! 赤ちゃんの時点でカンボジア語覚えてる訳ないでしょ! 普通に育ててりゃイタリア語使うに決まってるでしょ!」
「まあまあ。トッティはたしかにちょっと天然なところあるけど、トッティのかっこいい話はこれからさ」
トッティ「オレって天才だよ。たった3カ月で完成させたもんね。
普通にやれば、3年はかかるヤツなんだぜ」と友達に自慢したトッティ。友人がジグソーパズルの箱をみると「3years(3歳児用)」。
イタリアで話題の「アナタの悩みの50%が解消できる本」を購入したトッティ。
胸を張って友人にこう言った。
「悩みを100%解消したいと思ったから、迷わずに2冊買ったよ」
トッティの彼女が「アナタの頭の悪さをバカにした話がはやってる。
本でも読んで教養を身につけましょう。手始めにシェークスピアは?読んだことあるでしょ?」
「もちろん読んだことあるさ。ただ、作者名がちょっと思い出せないんだよな」
国際電話をかけようとしたトッティ。かけ方をオペレーターに聞いた。
「それではまず、10番を押してください」
「あのー、悪いんだけどオレの電話、9番までしかないんだけど……どうしたらいい?」
彼女が猫を抱いてトッティ宅に。
「ねぇ、この子猫ちゃん、オスだと思う?それともメスだと思う?」
「バカだな、ヒゲが生えてるからオスに決まってんだろ」
トッティが朝練に参上。しかし、その姿を見たチームメートは笑い始める。
「なんだよ。何がおかしいんだよ。キャプテンに対する敬意のかけらもねぇのか、おめぇら」
笑いが止まらないマルコ・デルヴェッキオが、事情を説明しようとする。
「フランチェスコ、ごめん。でもさぁ、気がついてないんだろうけど、あんた、片っぽがアディダスで、
片っぽがナイキのシューズ履いてるんだよ。家帰って、履き替えてきたら?」
「マルコ、おめぇは本当にアホだな。家にも、片っぽがアディダスで、片っぽがナイキのシューズがあるんだ。
だから、履き替えに帰ってもしょうがねぇだろう!?」
アフロディ「つっこみどころ多すぎて一人じゃ捌けないでしょうが! いやいやいやたしかにトッティは天然イケメン王子で有名だよ!? でもなんかもっとこう……さっきまでのやつみたいないい話はないの!?」
「だーっわーったわった! 今から! 今から話すから!」
東日本大震災時のトッティのコメント。
「今日、おそらくは最も大きな地震が日本を襲った。地震と、家や車、船を襲う津波の映像を見て、心から悲しんでいる。 この悲劇的な事態の被災者たちすべてのそばにいたいと感じている」
「……え? あ、うん、たしかに、日本に住む僕としてはすごい嬉しい言葉なんだけど、けっこう凡庸的な言葉じゃないかな」
「ちっちっち……。ここまで照美ちゃんは、俺の話でトッティがどれほど天然なスターかわかったよね? そんなおとぼけちゃんが、こんなに立派な文章を書いたんだ。彼はこの文を書くために、いったいどれほど苦労したんだろう? きっとかなり大変だったと思うよ。考えて考えて考え抜いて、彼が苦手であろう文章をここまで書いたんだ。彼がどれほど日本の人のことを思ってくれていたのか、そう言われなきゃわからないでしょ?」
「そっか……トッティ……。やっぱり、やっぱり彼はスーパースターだね! 僕が思っていた通りの最高にかっこいい人だった!」
「じゃあ、彼の経歴について話そうかな。ファランチェスコ・トッティ。クラブ、ローマFCに入団。2006年にイタリアを世界一の座に導いた天才ストライカー。サッカーの王様ペレには、『今もっとも最強に近い選手の一人』と評された。当時のローマの監督には、『トッティにボールを預けることは銀行にお金を預けるのと同じくらい安全』とまで言われた……。どうだいどうだい? ちょっと、サッカーやる気でてきたっしょ!?」
「うん、出てきたよ! よっし、ロンシャン、サッカーの練習つきあってよ!」
「へっへー! これでも俺、イタリアではトッティ二世って呼ばれてたらいいのになー」
「ってそれじゃただの願望でしょ!」
「じゃ、蹴るよーそれっ!」
ロンシャンの蹴ったボールはアフロディの頭を大きく越え、明後日の方へ飛んでいった。
「あーあー。どこ蹴ってるのさ。それにしてもすごいキック力だな……」
ボールは弧を描いて遙か彼方まで飛んでいく。河川敷が続くどこまでも先へ、もうアフロディが視認できない距離まで。
「わりわり! これがトマゾの本気ってやつ? なんちゃって、なはははー!」
悪びれる様子のないロンシャン。天然な友人を持つとき、普段つきあう分には退屈しないで済むが、こういう時になると無性に人の腹を立てるのがうまい、憎たらしい存在となることが多い。
「み、見えないところまで飛んでいったね……!」
- Re: イナズマイレブン×REBORN! 神の復活 ( No.35 )
- 日時: 2012/01/03 11:13
- 名前: しろお (ID: Yr.T0v.g)
その頃。アフロディ達のいる遙か遠く。
「んんー! 青空の下って気持ちEー!! ちょっとここらで昼寝でも……んがっ痛っ!」
天然パーマの少年が寝そべった途端、サッカーボールが彼の顔の上に落下してきた。
「痛っつー! なんだこれ? ……なんだ?」
少年はサッカーボールのことを知らないのか、ボールの外側をつついたりなでたりしている。頭の中も天然のようだ。
「あっ。これわかった! 卵割り機だ! やった超うれC!! 前から欲しかったんだこれ! 氷帝のみんなにも見せてやろーっと!」
彼の中で卵割り機のイメージがどうなっているのか全く持って不明であるが、とにかくそうだと勘違いした少年は陽気にスキップでその場を去っていく。
アフロディとロンシャンがその場にかけつけた時にはもう、ボールもその少年の姿も残っていなかった。
「おかしいな、このあたりに落ちたと思ったんだけど……」
「ちゃったらもうあきらめて、ピースピースってな具合で新しいボール買いに行こうー!」
「そうだね……。きっと、ボールを見つけた少年が、遊びや練習に使ったりしてくれるはずさ。そう考えたら、あんまり気にならないしね」
「おっとっと! 照美ちゃんの思考、ばりばり明るくなったんじゃないのー!?」
「そ、そうかな。……僕、昔から貧乏だったからさ。よく落ちてたサッカーボールを拾って、うちに持って帰ったりしたんだ。人の物を勝手に持ってくるなって母さんには怒られたけどさ、父さんはそのボールを使って一緒に遊んでくれたんだ。……」
「なるへそねー。そういや、照美ちゃんがサッカーやりだしたのって、パピーの影響が強いんだったよねー!」
「そうだよ。僕が小さいときに、父は亡くなってしまったけど」
「ふーん。じゃあ大変だったんだ。ボンビーはつらいねー! じゃ、最後にアルゼンチン代表のテペス選手について話すよ!」
「テペス……。アルゼンチンの代表チームの中では、メッシに次ぐスター選手だね」
ロンシャンの話。
テベスが少年だった頃、当時ボカFCにいたに居た当時のスーパースター、リケルメからサインを貰った。
そのリケルメはスラム街出身ではなかったが、テペスはスラム生まれの自分にも分け隔てなくサインしてくれたリケルメに大感激し、憧れた。
リケルメのサインがプロ選手への夢を膨らませ、支えるものの1つにもなったので、ファンサービス熱心なことで有名になり、スーパースターになった今でもファンのサイン要求には必ず応じるテベスなのでした。ちなみに、テベスの首と胸にある傷は、子供の時、あやまって熱湯を被ってしまったときに火傷を負った跡。無知な母親が火傷した患部を毛布のようなものでくるんで病院に行ったので、跡が酷くなってしまった。貧乏だったので最低限の治療しかできなかったせいもあるが。
今はお金もあって、傷跡を消すこともできるが、自分がスラム街出身であることを忘れたり恥じたりしない証しとして、手術しないと決めているのでした。ちゃんちゃん。
「そうなんだ。って、ボール無くしたことをいい話でごまかそうとしたって、そうはいかないよ! 天網恢々疎にして漏らさず! 神の目はごまかせないよ」
「げげっ、バレてた?」
「バレバレだよ。まあ、でも許してあげるよ。たくさんいい話が聞けたしね」
「ごめんよー! すっごい高くて性能のいいボール買ってあげるから!」
「普通のでいいよ。普通の、安いやつで」
「え? なんで?」
「今のテペスの話を聞いたら、そう思ったんだ。何故かはよくわからないけれど」
「まあ照美ちゃんがそういうなら、こっちとしても命令に従わないとねえ! ……へへへ、作戦通り」
「ん? 今なんか作戦通りって……」
「空耳空耳! 気にしない気にしない! スポーツショップへ行くぞぉー!」
「そうだね、行こうか」
私立氷帝学園中等部。テニスコート脇。
鳳「ああっ! 宍戸さん! この記事! この記事!」
宍戸さん「んだようるせーな長太郎……ってマジかぁ!?」
忍足「なんやなんや。どないしたん?」
宍戸さん「ああ、忍足。ちょっと見ろよこれ」
忍足「新聞? どれどれ……。『青春学園テニス部大手柄! ひったくりをお得意のテニスで逮捕』……。…………。………………アカン、これはアカン」
向日「なんだよ侑士。つーかお前らまでどうしたよ練習は」
忍足「ええとこきたな岳人。これ、見てみい」
向日「はあ? 何言ってやが……なっ! 青学の奴ら! しかも菊丸じゃねえかよ。ピースしやがってあのヤローむっかつく! このうっぜえ笑顔を見るだけで吐き気がしてくらあ!」
鳳「それにしても青学すごいですね! ひったくり捕まえちゃうなんて!」
芥川「おーいみんなー! 卵割り機ゲットしちゃったー! 嬉Cー!」
忍足「ジロー、それ、卵割り機ちゃう。サッカーボールや」
ジロー「な、なんだって!? か、悲C……」
跡部「何してんだてめーら。練習はどうしたよ?」
忍足「おお、跡部に樺地。おもしれえもんが載ってるさかい、これ、見てみい」
跡部「アーン? ほう、ニュースペーパーか。俺様は毎朝欠かさず、コーヒーを飲みながら全ての記事に目を通してるんだ。そんな俺様に知らないことなどな…………………な、なんだと!?」
忍足「あ、跡部がショック受けとるで。立ったまま気絶しとる」
鳳「青学さすがだなー」
跡部「こうしちゃいられねえ! 青学にばっか良い格好はさせられねえからな! テメーら、俺達もやるぞ!」
宍戸さん「やるっていったって、何やるんだよ」
鳳「あっ、人助けですか!?」
忍足「そんな都合良くひったくり事件が起きるわけないやろ。しょっちゅうひったくりなんて起きてたらたまったもんじゃないわ」
向日「全くだぜ。平和が一番だ」
鳳「そうです! 平和が一番ですよ!」
向日「真似すんじゃねーよ鳳」
鳳「えっ……す、すみません」
宍戸さん「まあ忍足の言うとおり、たまったもんじゃねえよな。たまらんスマッシュだよな」
跡部「破滅への輪舞曲だ、覚えておけ」
宍戸さん「へいへい」
忍足「宍戸……今の狙ってボケたやろ」
跡部「忍足の言うとおり、そんな都合良く事件が起きるわきゃねえ。だが、いつまでも青学のやつらにこの跡部様が遅れを取るわけにはいかねえ。青学のやつらにばっかかっこつけさせられねーよ。なぁ、樺地?」
樺地「……ウス」
跡部「見てろよ青学。俺様達の美技に酔いな」
続く
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