二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【オリキュア】メモリアルプリキュア!
- 日時: 2017/08/01 23:00
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。
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- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.12 )
- 日時: 2017/08/11 16:13
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第2話「過去を束ねろ!キュアパースト誕生!」6
「キュア……パースト……?」
変身を終えた私は、そう呟きつつ自分の手を見つめる。
なんだろう……不思議と、力が溢れ出てくる。
私は拳を握り締め、真っ直ぐ化け物を見た。
今の私なら、戦えるッ!
「はぁぁぁぁぁぁッ!」
私は叫び、一気に駆け出す。
化け物の攻撃を躱し、蹴りを放った。
すると、化け物が杏を掴む力が弱まり、彼女の体が宙に投げ出される。
私はすぐに体を捻り、落下する杏の体をしっかり抱き止めた。
「ッ……前原さんッ……!」
「杏……!」
私は一度地面に下ろし、杏の顔を見つめる。
良かった……特に怪我も無さそうだし、無事で……。
「前原さん……やっぱりそれ、本物だったんだ……」
「なんかよく分かんないけど……一緒に戦おう!」
私の言葉に、杏は笑顔で「うんっ!」と頷いた。
そして、二人で化け物を見る。
私は手探りで杏の手を探し、握る。
こうしていないと、彼女がいなくなってしまいそうな気がして。
「行くよ、杏!」
「うんっ。前原さん!」
そう言いつつ、二人で化け物に向かって突っ込む。
すると、化け物は私達に腕を振り下ろしてくるので、慌ててそれを躱す。
体が軽い。いつもの十倍以上、体が早く動く。
ジャンプすると、少し跳んだだけで、数メートルくらい余裕で跳べてしまう。
「「はぁぁぁぁぁぁッ!」」
私達は叫び、化け物に向かって同時に蹴りを放つ。
すると、化け物の体は揺らぐ。
「今だよ! 前原さん!」
「うんっ! ……って、どうすれば良いの?」
私が聞くと、杏が説明してくれる。
ふむ……この腕時計のネジを引っ張れば良いのか。
説明を受け、私は早速引っ張ってみる。
すると、針が高速で回転し始めて、脳裏にフレーズが過る。
「過去を束ねろ! プリキュア! パーストドリーマー!」
そう叫び、手を上空に掲げた瞬間、手に何か光の輪のようなものが纏う。
その手を化け物に向けると、化け物の頭上から五線譜のような物で出来た輪が降って来て、化け物の動きを固める。
やがて、その五線譜は化け物の体を締め付けて、化け物の体を消し去って行った。
「何……この力……」
「前原さんすごいよ!」
驚いていた時、杏がそう言って抱きついてきた。
……まぁ、みっちゃんや杏を守れたから、いっか。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.13 )
- 日時: 2017/08/11 17:21
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第2話「過去を束ねろ!キュアパースト誕生!」7
「んぅぅぅ……ハッ!」
目を覚ましたみっちゃんは、素早く体を起こす。
ここは保健室。先ほどまでと違う場所にいるからか、彼女はキョトンとした表情で、ベッドの横に並んで座る私と杏の顔を見る。
「えっと……あれ、さっきまで……てか、女の人が……」
「え、何言ってんの。そんなのいなかったよね? 杏」
「う、うん……変な夢見てたんじゃないかな」
杏の言葉に、みっちゃんは「なんだぁ。夢かぁ」と残念そうに呟く。
本当のことを言っても、多分信じてもらえないだろうから。
それなら、夢で済ませた方が早い。
そう思っていた時、みっちゃんは頭の後ろで手を組んだ。
「まぁでも、あれは夢って言われた方が納得するかなぁ」
「え、どういう意味?」
「んー? いや、夢の中の瑞樹がかっこよかったからさー」
「へ?」
つい聞き返すと、みっちゃんはクスクスと笑った。
「夢の中で変な女の人が現れた時にね、瑞樹ってば、すぐに私達の前に出て、私や今行さんを庇ったの」
「へぇ……」
「カッコよかったなぁ……正直、ちょっと見直した。でも、夢かぁ……」
落胆したような様子で言うみっちゃんに苦笑していた時、脇腹を誰かに突かれた。
見ると、そこには優しく笑う杏の姿があった。
「杏……」
「……やったね」
そう言って歯を見せて笑う杏に、私も釣られて笑う。
そんな私の笑顔に、杏は「前原さん。今一番、輝いてる」と呟いた。
それから、みっちゃんと一緒に三人で帰り、途中で彼女と別れた私達はそのまま杏の家である時計屋『Adesso』に向かった。
どうやら、プリキュア? が増えたことを報告しなければならない相手がいるそうだ。
杏に案内されて、彼女の自室に入る。
「リコルン。帰ったよ」
誰もいないハズの部屋で、杏はそう言う。
一瞬誰に話しかけてるんだと思った時、ぬいぐるみの一つがピクッと動き、フワフワと浮かぶ。
「うーん……退屈だったリコ」
「ぬ、ぬいぐるみが喋ったぁ!?」
そう叫びながら後ずさると、ぬいぐるみの方も「人間リコッ!?」と言う。
しかし、杏が「大丈夫だよ!」と言って、私の腕を掴んで、腕時計を見せる。
それを見て、ぬいぐるみはキョトンとする。
それから、杏は、私がプリキュアになったことを含めた今日の出来事を話した。
それを聞いて、ぬいぐるみはすぐに怒鳴り声をあげた。
「おまッ……プリキュアのことを人に話したリコッ!?」
「だ、だって……しょうがなかったんだもん!」
杏がそう不満を口にすると、ぬいぐるみは私を見た。
そして、「まぁその子もプリキュアになったなら良いリコ……」と漏らす。
「えぇっと……」
「早く説明しておけば良かったリコ……プリキュアをしていることは、誰にも内緒リコ」
「え、なんで?」
私がついそう聞き返すと、ぬいぐるみはムッとした表情をした。
「プリキュアのことを知っている人間は、襲われやすくなるリコ。そうしたら、危険な目にも遭いやすくなって、すごく危ないリコ」
「へぇ……まぁ、そういうことなら、内緒にせざるを得ないのかな……」
私はそう言いつつ杏に視線を向けた。
杏もそれは理解したようで「そうだねぇ」と言う。
私達二人の反応に、ぬいぐるみは「分かってくれて良かったリコ」と言う。
「それで、その……プリキュアっていうのは、一体何なの?」
「よくぞ聞いてくれたリコ! プリキュアっていうのは……———」
それから、ぬいぐるみ……もといリコルンとやらが、プリキュアについて説明する。
まぁ、簡単に言うと、ロブメモワールとやらから人々の記憶を守る伝説の戦士、のようだ。
「なるほど……分かった。私も戦うよ。杏を一人で戦わせるわけにもいかないしね」
「前原さん……うんっ!」
嬉しそうに言う杏に、私も笑う。
それに、リコルンも「仲間が一人増えて心強いリコ!」と嬉しそうに言った。
これから何が起こるかは分からないけど、きっと、杏と二人なら大丈夫。
なぜかは分からないけど、そんな、謎の自信があった。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.14 )
- 日時: 2017/08/12 21:18
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第3話「瑞樹のコンプレックス?イケメンお兄さん登場!」1
<杏奈視点>
「しっかし、未だにプリキュアなんて信じられないなぁ……」
リコルンと前原さんを会わせた帰り。
外が薄暗くなっていたので、私は前原さんを家まで送ることにした。
二人で並んで歩いている中、前原さんはそう口を開いた。
「私も信じられない……でも、事実だから、仕方無いよね」
「そうリコ。全部嘘偽りのない事実リコ」
私の言葉に続くように、リコルンが言う。
現在、リコルンは私達に付いてきている。
理由は、私達がプリキュアについてばらさないように監視するため。
信用されてないなぁ、と文句を言いたいところだが、実際、前原さんに平気でプリキュアであることをばらした前科があるため、致し方ない。
「ははっ……まぁ仕方ないねぇ」
「うーん……ところで、前原さんの家ってどの辺りなの?」
「ん? あぁ、割とすぐ近くだよ。正直、付いて来る必要なんて無いくらい」
そう言って前原さんはスッと指を前に向ける。
顔を上げると、そこには、割とお金持ちそうな綺麗な家が一軒あった。
「わ……綺麗……」
「そう? そうだ。良かったら今度遊びに……」
「あれ、瑞樹。今帰ったのか?」
その時、前からそう声を掛けられ、前原さんは体を強張らせる。
私はそれに立ち止まり、顔を上げた。
そこには、背が高くて、すごくカッコいい男の人が立っていた。
「うん? 瑞樹のお友達かな?」
そう声を掛けられた瞬間、私は、自分の胸が高鳴るような感覚を覚えた。
白い歯を見せて笑う青年。
髪は青が強い黒髪で、優しい目つき。
高級そうなスーツが、彼の気品を際立たせる。
「あ、は、はい! 昨日引っ越してきた、今行杏奈と言います! よろしくお願いします!」
「今行……もしかして、『Adesso』の?」
「あ、ハイ。祖父が作った店で……今は、父が後を継いでいます」
なんとかそう答えると、青年は顎に手を当てて「へぇ……」と感心したように声をあげる。
その動作一つ一つが上品で、丁寧で、私は自分の体が強張っていくのが分かった。
すると、青年は「おっと」と言い、顎から手を離して、ゆっくりと私に近づいて来る。
そして、私の手を優しく取って、ニッコリと微笑んだ。
「こっちこそ、紹介が遅れたね。僕は、前原瑞樹の兄である、前原紫音と言います。どうぞよろしく」
「あ、ハイ……よろしくお願いしますッ……」
そう緊張しながら返事をした時、お兄さんの腕を掴み、前原さんは強引に私から手を離させた。
そして私の前に立ち、腕を組む。
「ちょっと兄貴。帰って来て早々、妹の友達をたぶらかすとは良い度胸じゃない」
「うん……? たぶらかしたつもりはないんだけど……」
「もう! 良いから早く家戻りなよ!」
「それなら、瑞樹と戻った方が良いだろう」
「それは……! ……そう、だけど……」
結局紫音さんに言い負かされ、不満そうに俯く前原さん。
私はそれに苦笑しつつ、口を開いた。
「それじゃあ、私もう帰るね。また明日。学校で」
「うぅぅ……うん。また明日ね」
「杏奈ちゃん。またね」
優しく笑って手を振る紫音さん。
私も釣られて一緒に笑い、手を振り返した。
なんだか、すごく優しそうな人だな……。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.15 )
- 日時: 2017/08/11 22:44
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第3話「瑞樹のコンプレックス?イケメンお兄さん登場!」2
翌日。学校に行くと、すごくムスッとした表情の前原さんがいた。
「えっと……おはよう。前原さん」
そう挨拶をしてみると、ボーッとした感じで前を見ていた彼女はハッとして私を見る。
バッチリ目があった瞬間、「うわわッ!」と驚いた。
「杏、いつの間に……!」
「えっと、さっき……何か不機嫌そうだったけど、どうしたの?」
そう聞いてみると、前原さんは一瞬驚いたように目を丸くすると、すぐにスッと目を逸らした。
彼女の様子に、私は頬を膨らませる。
「前原さん?」
「……杏には関係ないよ」
目を逸らしながら言われたその言葉に、私は「そんなことないよっ!」と言いながら、机を叩いてしまった。
すると、何人かに視線を向けられ、私はすぐに目を伏せる。
「……杏……」
「ごめん……でも、前原さん、今一番不機嫌で、悲しそうだもん……そんな前原さんの顔、見たくないよ」
なんとかそう言葉にすると、前原さんは少し視線を彷徨わせた後で、「場所変えよっか」と言って立ち上がる。
それから、私の袖を少しだけ掴んで歩き出す。
ひとまず私は彼女に付いて行き、二人で廊下に出る。
やがて、人気のない階段の横の細い通路の中に入ると、彼女は辺りを見渡し、息をつく。
「えっと……」
「……不機嫌な理由は、多分、兄貴のせいかな……」
「兄貴……って、紫音さん?」
そう聞くと、小さく頷いた。
彼女の返答に、私は「え、なんで!?」と、つい聞き返してしまった。
「なんで、って……」
「紫音さん、すごく良い人そうだし、カッコイイし、嫌な所なんて……!」
「———だからだよ!」
彼女はそう叫び、壁をバンッと叩いた。
突然のことに私は肩を震わせ、彼女を見つめる。
最初の方は、彼女が早口で言ったから上手く聞き取れなかった……。
困惑していると、前原さんはハッとして、私を見た。
「いや、これは……!」
「えっと……私なんかに、前原さんの気持ちは分からない……でも、私は前原さんを支えたい!」
なんとかそう言葉にすると、前原さんは驚いたように目を丸くしてから、嬉しそうに笑った。
「ありがとう……」
「えっと……まだ、仲良くなったばかりだし……私、前原さんの役に立てるかは、分かんない、けど……」
「ううん。充分嬉しい。杏は良い子だね」
そう言って前原さんは私の手を握り、ニッと笑う。
私もそれに釣られて笑いつつ、彼女の手を握り返した。
「えへへ……私にできることがあったら、なんでも言ってね! 私にできることなら、なんでもするから!」
「なんでも……?」
前原さんは、私の言葉に、その目に悪戯っぽい光を宿す。
嫌な予感がしていた時、まるで逃がさないと言わんばかりに手を強く握られた。
「ま、前原さ……!?」
「杏。今日、私の家に遊びに来てよ!」
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.16 )
- 日時: 2017/08/12 21:38
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第3話「瑞樹のコンプレックス?イケメンお兄さん登場!」3
「えっと……お邪魔します……」
「ははっ、そう固くならなくて良いから」
前原さんの言葉に小さく頷きながら、私は前原家に上がる。
清潔感漂う玄関に、どことなく高級そうな雰囲気。
戸惑っていると、前原さんが笑って、私の手を引く。
「えっと……」
「そんなに緊張しないで〜。まぁ、気兼ねなくくつろいで……」
そこまで前原さんが言った時だった。
綺麗な音色が家中に響き渡ったのは。
「これ……」
「……兄貴……」
前原さんはそう呟いて、ズンズンと歩いて行く。
私は慌ててそれを追いかけ、二人でリビングの中に入る。
すると、広いリビングの真ん中に黒いグランドピアノがあり、その前に座る青年……紫音さんが、何やら綺麗な演奏を奏でていた。
「わぁ……」
「あれ、瑞樹。帰ったんだ。……杏奈ちゃん、いらっしゃい」
前原さんに視線を向けていた紫音さんは、私を見て爽やかな笑みを浮かべる。
口の中に見える白い歯がすごく爽やかだ。
つい見惚れていると、前原さんが私の腕を引き、私と紫音さんの間に立った。
「兄貴……なんでここにいんの」
「そりゃあ……ここは僕が住む家だからね」
「そうじゃなくて……学校は?」
「今日は午前中までだったのさ」
「……あっそ」
紫音さんの言葉に、前原さんは不機嫌そうにそう返し、私の手を引いて歩き出そうとする。
ハッ。つい紫音さんに見惚れて我を忘れていた。
なんとか我に返った時には、私は前原さんの部屋にいた。
思いのほかシンプルな部屋で、目を引くものと言えば、せいぜい本棚にある大量の楽譜と……ガラスのショーケースに飾られた、トロフィーやら、賞状だろうか。
「えっと……前原さん……」
「……杏ってさ、兄貴のこと好きなの?」
「へ……?」
つい聞き返すと、前原さんは振り返り、私の肩を掴んだ。
眉をハの字の形にして、不安そうな顔で私を見つめる前原さん。
私はそれに体を強張らせ、前原さんを見つめた。
「まえばら……さん……?」
「杏まで……兄貴の方を見るの……?」
そう言うと、前原さんは私の肩から手を離し、私の体に腕を回す。
強く抱きしめられ、私は、前原さんの肩の辺りに顔を当てる。
「えっと……」
「お願い、杏……杏は、私を見て……杏まで、兄貴の物にならないで……」
不安そうな声。か細い声。
私はそれに何も答えられず、ただ、彼女に抱きしめられ続けた。
それから前原さんが落ち着いたのは、数分後のことだった。
彼女もあれは無意識にやってしまったことのようで、かなり恥ずかしそうにしている。
「えっと、ごめんね杏……急に、あんなことしちゃって……」
「ううん、大丈夫。それより……何かあったの? あんなことして……」
私の言葉に、前原さんは焦るような表情をした後で、目を逸らす。
彼女の反応に私は頬を掻きつつ、ガラスのショーケースに飾られたトロフィーに視線を向けた。
「えっと……あのトロフィーに関係があるのかな……?」
「……前にさ、杏、私にピアノ弾けるのかって、聞いたことあったよね?」
その言葉に、私は前原さんを見た。
彼女は自分の二の腕の辺りを擦りながら、自信無さそうに視線を彷徨わせる。
「えっと……」
「……本当は弾けるんだ……ピアノ……」
その言葉に、私は言葉を詰まらせた。
知っていた。だって、彼女の記憶世界で見たから。
でも、彼女はそれを隠しているようだったから、今の今まで言わなかった。
どう答えれば良いのか分からず困っていた時、彼女は続けた。
「本当は、私はプロのピアニストになりたかったんだ……でも、兄貴がその夢を、奪ったんだ……」
そんな言葉から始まったのは、彼女の、ちょっとした昔話だった。
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