二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【オリキュア】メモリアルプリキュア!
- 日時: 2017/08/01 23:00
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。
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- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.57 )
- 日時: 2017/10/04 23:06
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第10話「転校生は危険な香り?セフトと紫音の急接近!」2
「それじゃあ、今日は転校生が来てくれています」
先生の言葉に、教室が僅かにざわつく。
博人のおかげでそれを知っていた僕は、特に気にすることなく、窓の外の景色を眺めた。
学校は……つまらない。
特に面白いと思えることがない。
まだ家にいれば、妹が突然気持ちを昂らせながらピアノを弾いていたり、その友達が下手くそな子犬のワルツを披露してくれたりと、中々愉快なものを見せてくれるのだが……。
そう思っていた時、教室の扉が開くので、僕は眼球を動かしてそれを見た。
「では、今日からこのクラスの仲間になる芹谷 風斗(せりだに ふうと)君です」
「芹谷 風斗です。今日からよろしく」
そう言って笑みを浮かべたのは、綺麗な金髪の男子生徒だ。
かなり整った顔立ちに、女子生徒達が顔を赤らめている。
結局は、顔が良ければ全て良し、か……。
「それじゃあ芹谷君の席は……前原君の隣で良い?」
「へ……?」
突然名前を呼ばれ、僕はつい呆けた。
その間に芹谷君は僕の隣の席まで来て、椅子に座った。
「フフッ。今日からよろしくね、えっと……前原君?」
「あ、あぁ……」
笑顔でそう言われ、僕はそう返事をすることしか出来なかった。
それから芹谷君との学校生活が始まった。
と言っても、彼は転校初日から人気者で、色々な生徒———主に女子———から話しかけられていた。
気さくな性格で、男子からの人気も中々高い。
おまけに、午前中だけ見た感じ、成績優秀で運動神経も抜群だ。
正直言って……胡散臭い。
人間臭くないというか、完璧すぎる気がするのだ。
顔も性格も良い人間なんて、存在するわけがない……と僕は思う。
博人に前にそれを言ったら、顔も性格も良いお前が言うなと一蹴されたが。
僕の性格は良くないと思うけど。
「っと……」
そんな風に考え事をしていた時、廊下で女子生徒がノートを運んでいて、落としてしまっているのを見つけた。
僕は慌ててそこに駆け寄り、拾ってやる。
「ハイ、大丈夫?」
「えっ、あっ……ありがとうございます」
落としたことによる羞恥心か、顔を赤らめる女子生徒。
しかし、それでも笑顔を浮かべているので、まぁ良いか。
そう思い顔を綻ばせつつ、残りのノートを拾って渡す。
重いだろうから半分持って行こうかと思ったが、拒絶された。
フラフラと覚束ない足取りで歩いて行く後ろ姿を見送ってから、僕は音楽室に向かった。
完璧な転校生と違って、僕には……ピアノしか無いから。
しかし、そのピアノも、妹に抜かれつつある。
最近瑞樹がピアノをまた弾き始めた。
彼女の演奏は好きだが、兄として、抜かれるわけにはいかない。
とにかく時間がある時は練習したかったので、先生に頼み込んで、昼休憩だけ鍵を貸してもらったのだ。
鍵を開けて中に入ると、奥の壁にある音楽家達の肖像画が僕を見ていた。
小学生の頃だと、よく七不思議とかあったっけ。
そんな風に不思議に思いながら扉を閉めて、早速ピアノの前に座る。
指をポキポキと鳴らして、ひとまず子犬のワルツを弾いてみた。
最近、瑞樹や杏奈ちゃんが家でたくさん弾いているから、頭の中をいつも流れているのだ。
最早、一種の洗脳だ。
とはいえ、この曲は僕も好きなので、嫌な気はしない。
軽やかな、明るいメロディ。
指が鍵盤の上で跳ねて、心地よいメロディが響く。
自分で奏でているにも関わらず、綺麗なメロディに酔いしれていた時、失敗した。
そういえば、ここ、よく杏奈ちゃんも間違えていたな。
素人と同じ所でミスをするとは……僕もまだまだだな。
そう思っていた時、拍手が聴こえた。
「……!」
咄嗟に顔を上げると、そこには……転校生の、芹谷君が立っていた。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.58 )
- 日時: 2017/10/05 20:34
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第10話「転校生は危険な香り?セフトと紫音の急接近!」3
「芹谷君……」
つい名前を呼ぶと、芹谷君はハッとした表情をしてから、恥ずかしそうにヘラッと笑った。
「あはは、ごめんね。邪魔するつもりは無かったんだけど、つい……」
「わざわざ音楽室まで、何の用?」
僕の言葉に、芹谷君は「ん〜」と言って顎に手を当ててしばし熟考。
やがて、ニマニマと笑いながら、「ちょっと散歩」と言った。
「散歩?」
「そ。ホラ、転校してきたばかりだし、この校舎のことをもっと知っておこうと思って」
そう言って肩を竦める芹谷君。
外人のようなその動作も、顔の良い彼がすると、なんだか様になっている気がした。
「校舎案内……人気者の君なら、声掛けてくれる人も多かったんじゃないの?」
「人気者だなんて……まぁ、声は掛けられたよ。全部断ったけど」
なんで、と聞こうとした時、彼は続けた。
「自分の目で、自分の足で……自分の感性を使って見たかったんだ。その方が、新しい発見があると思って」
そう言って僕の隣まで歩いてきて、椅子に腰かける。
おもむろに右手を伸ばし、一つの鍵盤を指で押した。
トーン……と、綺麗な音がする。
「ホラ、実際にこうして、君の素晴らしい演奏という発見が出来た」
「……そう」
苦笑混じりにそう言って見ると、芹谷君は頷き、微笑んだ。
それから両手の指を鍵盤の上に置き、弾き始める。
一瞬、ピアノを弾けるのか、と驚いたが、それは何の曲でもなかった。
ただ、滅茶苦茶にピアノが音を鳴らしているにすぎない。
醜い不協和音が、音楽室にひたすら響く。
「……見てのとおり、僕はピアノは弾けないんだ」
そう言って笑う芹谷君。
よく分からない状況に面食らっていると、彼はクスクスと笑った。
「だからね、俺は君が羨ましいよ。あんなに真っ直ぐで、素敵な演奏が出来る君が」
「そう言ってもらえると嬉しいよ」
つい口から、そんな言葉が出た。
いや、つい出た割には、強がっていたかもしれない。
正直言うと、物凄く嬉しい。
完璧だと思っている芹谷君から、小さい頃から頑張ってきたピアノを褒めてもらえたのだから。
しかし、なんとかにやけるのを堪えながら、僕は言葉の続きを待つ。
「ははっ……それに、折角隣の席なんだし、俺はもっと前原君と仲良くなりたいな」
「僕と?」
「うん。ダメかな?」
そう言って顔を覗き込んでくる芹谷君。
僕はそれに、咄嗟に首を横に振った。
「ダメなわけないじゃないか。勿論、良いよ」
「やった!」
拳をつくり、嬉しそうに笑う芹谷君。
……へぇ、こんな風に笑うのか。
普段、他の生徒に向ける笑顔とは少し違って見えて、なんだか新鮮だった。
「あ、そうだ……仲良くなったばかりで何だけど……」
芹谷君の言葉に、僕は首を傾げた。
すると、彼は少し視線を逸らしてから、僕を見て、一瞬、陰鬱な笑みを浮かべた。
しかし、すぐに普通の笑顔になり、言った。
「今日、前原君の家に遊びに行っても良い?」
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.59 )
- 日時: 2017/10/05 21:41
- 名前: 時雨 ◆lX/3zqtk/U (ID: 66mBmKu6)
こちらでは初めまして、時雨ですー。早速お邪魔してしまいました。
まだ一話しか目を通していませんので、短い感想ですみません。
プリキュアらしい明るく可愛い雰囲気と日常を脅かす敵の雰囲気と。とても上手に表現されていて、物語に入り込んでしまいました(^_^)
主人公の杏奈ちゃん、友達のために戦おうとする強さがとても好きです。リコルン、一話だけだと結構ツッコミ役?な印象を受けます。結構大人な妖精かな、と勝手に思いました(違ったらすみません
それでは、乱文失礼しました!これからも、更新楽しみにしています!
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.60 )
- 日時: 2017/10/05 22:28
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
感想ありがとうございます!
この作品では少なくとも初期メンバーの子達はボケ中心でやってもらおうと思っているので、リコルンはツッコミキャラみたいになりますかね(;^ω^)
キャラクター自体はノリと勢いで決めているので、正直言うと皆曖昧な感じだったりしますw
だから、読者様からのイメージがそのキャラの中身と言っても過言ではないので、間違いなど無いですよ!w
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.61 )
- 日時: 2017/10/08 12:55
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第10話「転校生は危険な香り?セフトと紫音の急接近!」4
<セフト視点>
思いのほか簡単に、前原紫音に近づくことが出来た。
彼のメモリアから、彼がピアノに思い入れがあることは知っていたので、それを突いた。
なんとか友人関係を結び、この学校と前の学校とやっている場所が違うという理由で、勉強の約束を取り付けた。
「なんか……視線を感じるね」
紫音の言葉に、俺は辺りを見渡した。
恐らくその視線の主は、女子がほとんどだろう。
当然か。噂のイケメン転校生と、この学校で一番のモテ男が一緒に歩いているのだから。
この学校の生徒のメモリアを使い紫音のことを調べたところ、この男は女子生徒にかなりの人気があるらしい。
正直、紫音の人気っぷりは計算外だった。
計画が狂うほどのレベルではないが……変に注目を浴びてしまうのは、なんだか不快だ。
「そうだね。まぁ、前原君は人気者みたいだから、慣れているんじゃないの?」
「僕は人気者じゃないよ。あぁ、でも、芹谷君は転校生だし、顔も良いから、目立つのかもね」
……この男、無自覚か……。
俺の見た目が良いことは分かっている。
しかし、この男の鈍感っぷりはどうにかならないものか。
心の中でそう呟きつつ、俺は口を開いた。
「そうだね。ははっ、前原君に褒められるとなんだか照れるなぁ」
「はぁ……?」
呆れたように聞き返す紫音に、俺は笑って見せる。
それからくだらない雑談をしながら、俺達は前原家に出向いた。
扉を開くと、ぎこちない感じの演奏が聴こえて来た。
「これは……?」
「あぁ、妹とその友達かな。あ、遠慮なくどうぞ」
紫音の言葉に、俺は「お邪魔します」と言いつつ靴を脱いで玄関に上がる。
それからリビングを覗いてみると、そこには、グランドピアノの前に座るプリキュア二人の姿があった。
「ちょっと杏。またここでミスってんじゃん」
「怒らないでよ〜。ここ難しいんだよ?」
「それは分かってるけど、もう少し気をつけたりすればさぁ」
キュアパーストの説教に、キュアアデッソはシュンとした表情を浮かべる。
そんな二人の様子に、紫音はクスクスと笑った。
「ただいま。……二人とも、頑張ってるね」
「おっ! おかえり兄貴〜……と、誰?」
紫音に向かって手を振り、俺を見て首を傾げるキュアパースト。
「あ、紫音さん。お邪魔してます。えっと……その人は?」
ペコッと頭を下げてから、そう聞いてくるキュアアデッソ。
彼女の言葉に、俺は笑ってから口を開いた。
「今日から転校してきた……」
「芹谷風斗です。今日からよろしく」
軽い感じの笑みを顔に貼り付けてみると、二人はしばらくポカンとした後で、突然「ぁあッ!」と声をあげた。
「どこかで見覚えがあると思ったら……今朝の人だ!」
「えっ、会ったことあるの?」
紫音の言葉に、俺は考えるような素振りをしてみせる。
まぁ、悩むほどのことでも無いのだけれど。
もちろん覚えている。
プリキュアがどんな奴等なのか、最初に少し接触してみたのだ。
「んー……あ、今朝の!」
まるで今思い出したかのようにそう言って見せると、キュアアデッソはコクコクと頷いた。
すると、キュアパーストはハッとした様子で俺とアデッソの間に立ち、両手を広げる。
「ははっ、別にその子に危害を与えるつもりはないから安心してよ」
俺がそう言って見せると、未だに警戒しているキュアパーストは、渋々と言った様子でキュアアデッソの隣に座る。
しかし、やはり俺の言葉を全て信用はしていない様子で、キュアアデッソの腕を抱く。
……まぁ良いか。
「芹谷君ごめんね。人見知りするような子ではないんだけど」
「良いよ良いよ。まぁ、あの二人には二人の時間があるだろうし、俺達は俺達でやることやろうか」
俺の言葉に紫音は笑いつつも頷き、俺を自室に案内してくれた。
部屋に入って目を引いたのは……ガラスケースのようなものに飾られた、トロフィーや賞状の類だった。
「これは……」
「ん? あぁ、ピアノの賞だよ。まぁ、気にしないで」
そう言いつつ鞄を下ろす紫音。
俺はそんな言葉を聞きながらガラスケースの前に立ち、一つずつ見て行く。
「そんなもの見ても、面白くないでしょ」
「ううん。すごく面白いよ。だって……」
そこまで言いながら俺は振り向き、紫音の顔の前で指を合わせ……———
「こんなにたくさんのメモリアが詰まっているんだもの」
———パチンッと鳴らした。
その瞬間、世界は白黒に染まり、紫音は動きを止める。
俺はそれを見ながら変身を解き、元のセフトとしての姿に戻る。
「フフッ。君のピアノへの情熱はすごく伝わっているよ。ピアノに掛けて来た時間が……濃厚なメモリアを育ててくれた」
そう言いながら、俺は紫音の胸元に手を掲げた。
すると、彼の頭上に巨大な時計の針が現れ、ワスレールを出す。
外に飛び出したワスレールを見て、僕は一人笑った。
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