二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

フェイタル・バレット 〜運命を貫く弾丸〜
日時: 2022/11/15 22:17
名前: イナ (ID: 8GPKKkoN)


注意!!!
読むのが最初の方へ
ページが増えています。このままだといきなり1話のあと6話になるので、最後のページに移動してから読み始めてください。



※これは《ソードアート・オンライン フェイタル・バレット》の二次創作です。
イツキと主人公を恋愛でくっつけるつもりです。苦手な方はUターンお願い致します。
原作を知らない方はちょっとお楽しみづらいと思います。原作をプレイしてからがおすすめです。
どんとこい!というかたはどうぞ。


「―――また、行くんだね。あの“仮想世界”に。」

《ガンゲイル・オンライン》、略して、《GGO》。それは、フルダイブ型のVRMMOである。
フルダイブ型VRMMOの祖、《ソード・アート・オンライン》、《SAO》。
私は、そのデスゲームに閉じ込められたプレイヤーの中で、生き残って帰ってきた、《SAO帰還者サバイバー》である。
《SAO》から帰還して以来、私はVRMMOとは距離をおいていたが。

『ねえ、《GGO》って知ってる?』

私、神名かみな 凛世りせは、幼馴染の高峰たかみね 紅葉もみじの一言によって、ログインすることになった。
幼い頃に紅葉が引っ越してから、疎遠になっていた私達。その紅葉から、毎日のようにVRで会えるから、と誘われたVRMMO。行かないわけにはいかないだろう。大好きな紅葉の誘いとあらば。
ベッドに寝転がって、アミュスフィアを被る。
さあ、行こう。
“仮想世界”…………もう一つの現実に。

「―――リンク・スタート」

コンソールが真っ白な視界に映る。
【ユーザーネームを設定してください。尚、後から変更はできません】
迷いなく、私はユーザーネームを【Linose】……【リノセ】にした。
どんなアカウントでも、私は大抵、ユーザーネームを【リノセ】にしている。
最初にゲームをしようとした時、ユーザーネームが思いつかなくて悩んでたら、紅葉が提案してくれたユーザーネームである。気に入っているのだ。
―――でも、《SAO》では違った。
あの時、【リノセ】にしたくなかった理由があり、《SAO》では【リナ】にしていた。
凛世のりと、神名のなを反対に読んで、リナ。それが、あそこでの私だった。
でも、もういいんだ。私は【リノセ】。

コンソールがアバター設定に切り替わった。
普通の人なら誰?ってほど変えるところだけど、私は《SAO》以来、自分を偽るのはやめにしていた。とは言っても、現実とちょっとは変えるけど。
黒髪を白銀の髪に変え、褐色の瞳を紺色にする。おろしていた髪を編み込んで後ろに持っていった髪型にした。
とまあ、こんな感じで私のアバターを設定した。顔と体型はそのままね。
…まあ、《GGO》に《SAO帰還者サバイバー》がいたらバレるかもしれないけど…そこはまあ大丈夫でしょ。私は、PKギルドを片っ端から潰してただけだし。まあ、キリトがまだ血盟騎士団にいない頃、血盟騎士団の一軍にいたりはしたけれども。名前は違うからセーフだセーフ。
ああ、そういえば…《SAO》といえば…懐かしいな。

     
―――霧散むさん

それが、《SAO》時代に私につけられていた肩書だった。
それについてはまた今度。…もうすぐ、SBCグロッケンに着く。
足が地面に付く感覚がした。
ゆっくり、目を開く。
手のひらを見て、手を閉じたり開いたりした後、ぐっと握りしめた。
帰ってきたんだ。ここに。
「―――ただいま。…“仮想世界”。」

「お待たせっ。」
前方から声をかけられた。
「イベントの参加登録が混んでて、参っちゃった。」
ピンクの髪に、ピンクの目。見るからに元気っ子っぽい見た目の少女。
その声は、ついこの前聞いた、あの大好きな幼馴染のものだった。
「問題なくログインできたみたいね。待った?」
返事のために急いでユーザーネームを確認すると、少女の上に【Kureha】と表示されているのがわかった。
―――クレハ。紅葉の別の読みだね。
紅葉らしいと思いつつ、「待ってないよ、今来たとこ。」と答えた。
「ふふ、そう。…あんた、またその名前なわけ?あたしは使ってくれてるから嬉しいけど、別に全部それ使ってとは言ってないわよ?」
クレハは、私の表示を見てそう言った。
「気に入ってるの。」
《GGO》のあれこれを教えてもらいながら、私達は総督府に向かった。
戦闘についても戦闘の前に大体教えてもらい、イベントの目玉、“ArFA system tipe-x"についても聞いた。
久しぶりのVRMMO…ワクワクする。
「あ!イツキさんだ!」
転送ポート近くにできている人だかりの中心を見て、クレハが言った。
「知ってるの?」
あの人、《GGO》では珍しいイケメンアバターじゃん。
「知ってるっていうもんじゃないわよ!イツキさんはトッププレイヤーの一員なのよ!イツキさん率いるスコードロン《アルファルド》は強くて有名よ!」
「…すこーど…?」
「スコードロン。ギルドみたいなものね。」
「あー、なるほど。」
イツキさんは、すごいらしい。トッププレイヤーなんだから、まあそうだろうけど。すごいスコードロンのリーダーでもあったんだね。
「やあ、君たちも大会に参加するの?」
「え?」
なんか、この人話しかけてきたよ⁉大丈夫なの、あの取り巻き達に恨まれたりしません?
「はい!」
クレハ気にしてないし。
「クレハくんだよね。噂は聞いているよ。」
「へっ?」
おー…。トッププレイヤーだもんなあ…。クレハは準トッププレイヤーだから、クレハくらいの情報は持っておかないと地位を保てないよねえ…。
「複数のスコードロンを渡り歩いてるんだろ。クレバーな戦況分析が頼りになるって評判いいよね。」
「あ、ありがとうございます!」
うわー、クレハが敬語だとなんか新鮮というか、違和感というか…。
トッププレイヤーの威厳ってものかね。
「そこの君は…初期装備みたいだけど、もしかしてニュービー?」
「あ、はい。私はリノセ!よろしくです!」
「リノセ、ゲームはめちゃくちゃ上手いけど、《GGO》は初めてなんです。」
「へえ、ログイン初日にイベントに参加するとは、冒険好きなんだね。そういうの、嫌いじゃないな。」
うーん。冒険好き、というよりは、取り敢えずやってみよー!タイプの気がする。
「銃の戦いは、レベルやステータスが全てではない。面白い戦いを―――期待しているよ。それじゃあ、失礼。」
そう言って、イツキさんは去っていった。
「イツキさんはすごいけど、私だってもうすぐでトッププレイヤー入りの腕前なんだから、そう簡単に負けないわ!」
クレハはやる気が燃えまくっている様子。
「ふふ、流石。」
クレハ、ゲーム好きだもんなあ。
「さあ、行くわよ。準備ができたらあの転送ポートに入ってね。会場に転送されるから。」
―――始めよう。
私の物語を。

大会開始後、20分くらい。
「リノセ、相変わらず飲み込みが早いわね。上達が著しいわ!」
ロケランでエネミーを蹂躙しながらクレハが言った。
「うん!クレハのおかげだよ!」
私も、ニコニコしながらエネミーの頭をぶち抜いて言った。
うん、もうこれリアルだったら犯罪者予備軍の光景だね。
あ、銃を扱ってる時点で犯罪者か。
リロードして、どんどん進んでいく。
そうしたら、今回は運が悪いのか、起きて欲しくないことが起きた。
「おや、君たち。」
「……イツキさん。」
一番…いや、二番?くらいに会いたくなかったよ。なんで会っちゃうかな。
…まあ、それでも一応、持ち前のリアルラックが発動してくれたようで、その先にいたネームドエネミーを倒すことで見逃してくれることになった。ラッキー。
「いくわよ、リノセ!」
「うん!」
そのネームドエネミーは、そんなにレベルが高くなく、私達2人だったら余裕だった。
うーん…ニュービーが思うことじゃないかもしれないけど、ちょっとこのネームド弱い。
私、《SAO》時代は血盟騎士団の一軍にも入ってたし。オレンジギルド潰しまくってたし。まあ、PKは一回しかしてないけど。それでも、ちょっとパターンがわかりやすすぎ。
「…終わったわね。」
「うん。意外と早かったね?」
「ええ。」
呆気なく倒してしまったと苦笑していると、後ろから、イツキさんが拍手をしてきた。
「見事だ。」
本当に見事だったかなあ。すぐ倒れちゃったし。
「約束通り、君たちは見逃そう。この先は分かれ道だから、君たちが選んで進むといい。」
え?それはいくらなんでも譲り過ぎじゃないかな。
「いいんですか?」
「生憎、僕は運がなくてね。この間、《無冠の女王》にレアアイテムを奪われたばかりなんだ。だから君たちが選ぶといい。」
僕が選んでもどうせ外れるし。という副音声が聞こえた気がした。
「そういうことなら、わかりました!」
クレハが了承したので、まあいいということにしておくけど、後で後悔しても知らないよ。
「じゃあリノセ、あんたが選んでね。」
「うん。私のリアルラックを見せてあげないと。」
そして私は、なんとなく左にした。なんとなく、これ大事。

道の先は、小さな部屋だった。
奥に、ハイテクそうな機械が並んでいる。
「こういうのを操作したりすると、何かしら先に進めたりするのよ。」
クレハが機械をポチポチ。
「…え?」
すると、床が光り出した。出ようにも、半透明の壁のせいで出れない。
「クレハ―――!」
「落ち着いて!ワープポータルよ!すぐ追いかけるから動かないでー!」
そして、私の視界は切り替わった。

着いたのは、開けた場所。戦うために広くなっているのだろうか。
「………あ。」
部屋を見回すと、なにかカプセルのようなものを見つけた。
「これは…」
よく見ようとして近づく。
すると。
「―――っ」
後ろから狙われている気がしてバッと振り返り、後ろに飛び退く。
その予感は的中したようで、さっきまで私がいたところには弾丸が舞っていた。
近くのカプセルを掴んで体勢を立て直す。

【プレイヤーの接触を確認。プレイヤー認証開始…ユーザーネーム、Linose。マスター登録 完了。】

なんか聞こえてきた気がした機械音声を無視し、思考する。
やっぱり誰かいるようだ。
となると、これはタッグ制だから、もうひとりいるはず。そう思ってキョロキョロすると、私めがけて突っ込んでくる見知った人物が見えた。
キリト⁉まさか、この《GGO》にもいたの…⁉ガンゲーだから来ないと思ってたのに。まあ、誰かが気分転換に誘ったんだろうけど。ってことは、ペア相手はアスナ?
うっわ、最悪!
そう思っていると、カプセルから人が出てきた。
青みがかった銀髪の女の子で、顔は整っている。その着ている服は、まるでアファシスの―――
観察していると、その子がドサッと崩れ落ちた。
「えっ?」
もうすぐそこまでキリトは迫っているし、ハンドガンで攻撃してもどうせ弾丸を斬られるだろうし、斬られなくてもキリトをダウンさせることは難しい。
私は無理でも、この子だけは守らなきゃ!
そう考える前に、もう私の体は女の子を守っていた。
「マスター…?」
「―――っ!」
その女の子が何かを呟くと、キリトは急ブレーキをかけて目の前で止まった。
「…?」
何この状況?
よくわからずにキリトを見上げると、どこからか足音が聞こえた。
「…っ!ちょっと待ちなさい!」
クレハだ。
照準をキリトに合わせてそう言う。
「あなたこそ、銃を降ろして。」
そして、そんなクレハの背後を取ったアスナ。
やっぱり、アスナだったんだね、私を撃とうとしたのは。
一人で納得していると、キリトが何故か光剣をしまった。
「やめよう。もう俺たちは、君たちと戦うつもりはないんだ。残念だけど、間に合わなかったからな。」
「間に合わなかった?何を言っているの?」
クレハが、私の気持ちを代弁する。
「既にそこのアファシスは、彼女をマスターと認めたようなんだ。」
………あ、もしかして。
アファシスの服みたいなものを着ているなーと思ったら、この子アファシスだったの?
というか、マスターと認めた…私を?
あー…そういえば、マスター登録がなんとかって聞こえたような気がしなくもない。
うん、聞こえたね。
あちゃー。

「ええええ⁉」
この子がアファシス⁉と驚いて近づいてきたクレハ。
「ねっ、マスターは誰?」
「マスターユーザーネームは【Linose】です。現在、システムを50%起動中。暫くお待ち下さい。」
どうやら、さっきカプセルに触れてしまったことで、私がマスター登録されてしまったようだ。やっちゃった。……いや、私だってアファシスのマスターになる、ということに対して興味がなかったといえば嘘になるが。クレハのお手伝いのために来たので、私がマスターとなることは、今回は諦めようと思っていたのだ。
―――だが。
「あんたのものはあたしのもの!ってことで許してあげるわ。」
クレハは、からかい気味の口調で言って、許してくれた。
やっぱ、私はクレハがいないとだめだね。
私は改めてそう思った。
クレハに嫌われたらどうしよう、大丈夫だと思うけど万が一…と、さっきまでずっと考えていたからだ。
だから、クレハ。自分を嫌わないで。
クレハもいなくなったら、私―――
ううん。今はそんな事考えずに楽しまなきゃ。クレハが誘ってくれたんだから。
「私はクレハ。よろしくです!」
「リノセ。クレハの幼馴染です!」
「俺はキリト。よろしくな、リノセ、クレハ!」
「アスナよ。ふたりとも、よろしくね。」
自己紹介を交わした後、2人は優勝を目指して去っていった。
きっと優勝できるだろう。あの《SAO》をクリアした2人ならば。
私はその前に最前線から離脱しちゃったわけだし、今はリナじゃないし、2人にバレなくて当然というか、半分嬉しくて半分寂しい。
誰も私の《SAO》時代を知らないから、気付いてほしかったのかもしれない―――
「メインシステム、80…90…100%起動、システムチェック、オールグリーン。起動完了しました。」
アファシスの、そんな機械的な声で私ははっと我に返った。
「マ、マスター!私に名前をつけてくださいっ。」
「あれ?なんか元気になった?」
「えっと…ごめんなさい、そういう仕様なんです。tipe-xにはそれぞれ人格が設定されていて、私はそれに沿った性格なんです。」
「あ、そうなんだ。すごいね、アファシスって。」
じゃあ、このアファシスはこういう人格なんだね。
「名前、つけてあげなさいよ。これからずっと連れ歩くんだから。」
「うん。」
名前…どうしようかな。
この子、すごく綺麗だよね…綺麗…キレイ…レイ。レイ…いいじゃん。
「レイ。君はレイだよ。」
「レイ...!登録完了です。えへへ、素敵な名前をありがとうございます、マスター。」
アファシス改め、レイは嬉しそうに笑った。
「…リノセ、あんた中々センスあるじゃん。あのときはずっっと悩んでたっていうのに。」
クレハが呆れたように言った。まあ、いいでしょ。成長したってことで。
「えと、マスター。名前のお礼です。どうぞ。」
レイは、私に見たことのない銃を差し出した。
「ありがとう。これは何?」
受け取って訊いてみると、レイはニコッとして答えた。
「《アルティメットファイバーガン》です。長いので、《UFG》って呼んでください。」
《UFG》……何かレアそう。
また、大きな波乱の予感がした。

次へ続く

フェイタル・バレット 〜運命を貫く弾丸〜2 ( No.1 )
日時: 2022/11/16 16:05
名前: イナ (ID: F5B8s22.)

※これは《ソードアート・オンライン フェイタル・バレット》の二次創作です。
イツキと主人公を恋愛でくっつけるつもりです。苦手な方はUターンお願い致します。
原作を知らない方はお楽しみづらいと思います。原作をプレイしてからがおすすめです。
どんとこい!というかたはどうぞ。


《UFG》の説明が終わったところで、大会は終了。予想通り、キリトたちが優勝したようだった。流石は《黒の剣士》と《閃光》。…いや、2人はこの通り名は嫌いかな。
総督府に戻ってきた。
なんか、長かった。色々ありすぎてちょっと長く感じる。
そんなことを思っていると。
「やあ、君たちも生き残っていたんだね。」
イツキさんに声をかけられた。
「はい。」
クレハが返事し、視線で私に続きを促した。続きを言えってことだろう。
「私達の行った先にはワープポータルがあって、その先に…」
私は、レイを見てニコッと笑い、イツキさんにレイを紹介した。
「アファシス…レイがいたんです。」
イツキさんは、クレハがアファシスと知った時くらいに目を開いて言った。
「まさか…それが、アファシス⁉」
「は、はい!私はArFA system A290-00、レイです!」
あ、個体番号ってそんな感じだったんだ。初めて知った。長いね。アファシステムエーツーナインゼロゼロ。正式名称、アーティーファイナンシャルアドバイザーシステム、だっけ。ってことは、本当はアーティーファイナンシャルアドバイザーシステムエーツーナインゼロゼロ?だったら短い方なのか。
「ああ…何故僕の落としたパンはいつもバターを塗ったほうが下になるんだろうか。」
イツキさんは心底残念そうにそう言った。やけに具体的な比喩だな、経験済みか?と思っていると、また誰かから後ろから声をかけられた。
「おーい、3人とも!」
「リノセちゃん、クレハちゃん、アファシスちゃん!」
キリトとアスナだ。……あれ、私一応さん付けしたほうがいいのかな?いらないかな?自己紹介したし、いいよね、もう。
「あれ、あんたは…」
「さっきはどうも。時間切れになってなければやられてたよ。僕はイツキ。よろしく。」
へー。2人とも、最後まで戦ってたんだ。
「俺たち、これから仲間とパーティーを開くんだ。よかったら君たちもどうかなと思って。」
キリトの誘いに、すぐクレハが目を輝かせた。
「行きたい!ねっ、リノセもいいわよね!」
「レイがいいなら、喜んで。」
「はい、私も行きたいです!パーティーは初めてなので、楽しみです!」
2人とも楽しそうで何より何より。
「そうか。イツキはどうだ?」
「悪いけど、遠慮しておくよ。スコードロンの仲間に奢る約束をしているんだ。」
「そうか、わかった。」
そうして、私達は、キリトの仲間たちのところに行くことになったのであった。
キリトの仲間たち………キリト達がいるなら、当然いるよね。
かつての戦友たちが―――

キリトたちが借りて使っているというホームのアドレスをもとに、キリトたちのホームに着いた。そこには、沢山の料理が並んでいる。
「キリト、アスナ!大会優勝…」
「「「おめでとー!!」」」
パーティーが始まった。
「ありがとう。でも、今日は俺たちが主役じゃないんだ。今日の主役は…」
キリトが私を見る。
「ゲーム初日でアファシスを手に入れた、幸運なニュービー、リノセが主役だ!」
「「「おめでとー!!」」」
やっぱり、この人達は、平等に人の幸せを喜んでくれる。
優しいね。そして、暖かいね。
クレハも楽しそうに話している。レイも早速打ち解けたみたいでよかった。
自己紹介を交わして、《GGO》に来ているメンバーを把握した。
キリト、アスナ、クライン、シリカ、リズベット、エギル、ユイちゃん。
この7人は、私のかつての戦友だ。
ユイちゃん以外はそれぞれ、何回かは同じボスやダンジョンに挑んだことがある。と言っても、接点とか話す機会とかは滅多になかったけど。
まあ、一緒に戦ったことがないユイちゃんのことも、噂で耳にしたり、キリトたちと一緒にいるのを見たりして知ってたから。
そして、リーファ、シノン、フィリア、ストレア、プレミア、レイン、ユウキ。
この7人は、今回知った、新しい仲間。
リーファはキリトの妹らしい。で、ストレア・プレミアはAIだそうだ。
AI仲間的な感じで、レイ、ユイちゃん、ストレア、プレミアが和気あいあいと話してたから、仲良さそうで良かったなーと4人を眺めていた。
―――気付かないんだね、やっぱり。
安心したけど、どこか寂しい。
あの事件のことをクレハ達、《SAO》部外者たちに知られたくない。けど、一人で抱えたくない。
どっちを優先すればいいかわからないから、あっち側から《SAO》の話のトリガーを引いてほしかったんだと思う。
でも、気付かないならいいや。私からは話せない。
それが、自分の中で出した結論だった。
それに、私は決めたんだ。
《SAO帰還者サバイバー》リナとしての自分ではなく、《GGO》のニュービー、リノセとしての自分でキリトやVRMMO、そして《GGO》と向き合うと。
だから、いいんだ。
…久しぶり、キリト、アスナ、クライン、シリカ、リズ、エギル、ユイちゃん。
心の中で、呟いた。

「―――あのとき、なんでアファシスを庇ったんだ?」
キリトが、訊いてきた。
それと同時に、私は、《SAO》での恩師が言った言葉を思い出した。

『―――助けるのに、理由なんて無いの。本当に助けようと思ったなら、体が自然と動いているものなのよ。それが私達なんだよ』

ああ。確かにそうだった。理由を訊かれても私はわからない。助けなきゃと思ったから体が自然に動いたし、それに理由なんてなかった。
「…理由なんて無いよ。心から助けなきゃと思ったら、体が自然に動いてた。…それだけ。」
私がそう言うと、キリトは頬を緩めた。
「やっぱり。君は、俺と同じタイプの人間だ。あの時、そんな匂いというか…雰囲気を感じたんだよ。君と俺は似ている。」
キリトに似ているなら光栄だよ、と心の中で言っておく。超人の《黒の剣士》様に似ているなら嬉しい限りというか、なんというか。
…でも。仮にも、私達が似ているとしたら。
―――私は、キリトみたいに、誰かの救いになることができるのだろうか。

英雄となることが、できるのだろうか。



翌日、私はリアルで、授業を受けていた。
私は《SAO帰還者サバイバー》。《帰還者学校》の生徒になるべき人だが、《霧散》として顔が知られているので、他の《SAO帰還者サバイバー》に会いたくなくて、解放された中3のとき、死ぬ気で勉強を進めて普通の公立高校に入学した。幸い、家庭教師を雇いながら生活もできるくらいのお金は、毎月、家族から口座に振り込まれる。まあ、訳あって一人暮らしだからね。
「気を付けて帰れよー」
「はーい。」
学校があっという間に終わり、なんとなく空を見上げながら家に帰った。
「……はあ。」
―――《GGO》に行くか。ずっとこうしてるよりずっといい。レベリングとかしたいし。

「リンク・スタート」

ホームに来た。そこにはもうレイがいて、「あ、マスター!おかえりなさい!」と笑顔で言ってきた。
…おかえりなさい…ああ、何年ぶりに言われただろうか。
「…ただいま、レイ。」
この、おかえりなさいという言葉は、なんて温かい言葉なんだろうか。
「今日は何をしましょうか?」
「うーん…みんなログインしてないみたいだし、みんな来るまで2人でレベリングでもしよっか!」
「レベリングですね!わかりました、早速向かいましょう!」
《GGO》はガンゲーだ。銃で戦う物騒なゲームと非難する人もいる。でも、多くの人々にとって自分をやり直せる数少ない場であることは、もう一日目である昨日の時点で気付いていた。
物騒かもしれない。偽りの現実かもしれない。でも、私にとっては暖かくて楽しい、よいゲームだ。
レイも可愛いし。
「レイ、今!」
「はい、いきます!」
レイも背中を預けることを覚え、レベルも大分上がり、残影の荒野のエネミーたちが物足りなくてレベルが上がりにくくなってきた。
「よし、レイ、このダンジョンに入ろうか!」
「はい!入りましょう入りましょう!」
2人で目をキラキラさせて入ると、そこは残影の荒野のボスダンジョンだった。
あれま、と言いつつ攻略すると、あっさり撃破。
次のフィールドの、砂に覆われた孤島に進んだのだった。
残影の荒野と砂に覆われた孤島にあるアファシスパーツを回収してから一回攻略を切り上げ、センターストリートでレイと歩いていると。
「やあ、ログインしてたんだね。」
イツキさんが話しかけてきた。
「イツキさん。」
「イツキでいいし、敬語もいらないよ。多分、年もそんなに変わらないしね。」
「あ…わかった。」
改めて、「イツキ、どうしたの?」と訊いてみると、イツキは質問してきた。
「昨日の大会の録画映像を見て、君に訊きたいことがあるんだ。」

訊かれたのは、キリトと同じ質問だった。
何?そんなに不可解な行動だった?私は咄嗟にその行動をしただけだ。それなら、キリト以外にも同じ人が結構いておかしくないと思うのに。
助けたいっていうのは、当然じゃないのかな…?
それとも、当然だけどできない、ってやつかな…?
まあいいか。私は正しいと思ってるからやってるわけだし。
「ああ、それと。君と友達になりたいんだが、いいかな?」
唐突に、イツキがお友達に勧誘してきた。
「あ、是非!じゃあ、フレンド登録しよっか!……あ、でもイツキのファン軍団には入んないよ?」
「ははっ。勿論、そうしてくれ。」
そして、お互いフレンドとなり、この前大会でイツキと一緒にいた人―――パイソンというらしい―――に連れ戻されていったイツキ。その2人を見送って、また私達はレベリングを再開したのだった。

二時間後にログインしたクレハが私達のレベルを見て、「あんたたち不正した…?」と小声で言ってきたのは、また別の話。

ちょっと…いや大分規格外のレベリングをしてたみたいだけど、過ぎたことなので気にしない気にしない。
そう自分に言い聞かせながら、クレハとメインアームとサブアームの武器を決める。
サブアームは一人で決めた。
「マスター!見てください、クレハに手伝ってもらって、ステータス振りと武器設定が終わりました!」
「おー、いいじゃん。よくできました!」
「えへへ…」
レイはメインアームがアサルトライフル、サブアームがサブマシンガン。支援特化で、回復スキルやバフスキルが多め。アサルトライフルはロバスト。そのうちMk4とかLupsとかにしたいけど、まあ武器はこれから要厳選かな。
私はメインアームがスナイパーライフル。サブアームがガン&ソード。
スナイパーライフルはAMRブレイクスルー2。3,4もあるけどまだステータスが足りない。
チップには爆風、装弾数、オートリロードなど各種。
ガン&ソードのソードはまだ強いものは無く、今はドウジギリヤスツナかな。
ガン…ハンドガンはロングストローク3。まだ4は獲得していない。
スナイパーライフルのスキルにはヒーリングエリア弾2、炸裂弾3、AED弾にアーマーブレイク弾3。まだそれぞれ熟練度が少ない。
ガン&ソードにはタクティカルロール、ダブルサーキュラー、ヴォーパル・ストライク。ソードのときはタクティカルロールがホリゾンタル・スクエアになる。
以上、こんな感じだ。
私は、まあサブアームはいざという時にしか使わないつもりだ。もしかしたら、剣を扱っているところを見せたらバレるかもしれないし。
スナイパーライフルで凌げるかなあと。
「じゃあ、一回戻って休憩しましょ?」
「わかった、そうしよう。」
「はいっ。おやつタイムですっ。」
なんか、レイ、私に似てきた?と思いつつ、レイやクレハとSBCグロッケンに帰還。
カフェでおやつタイム。
なんと、私がカフェオレばっかり飲んでたおかげでレイもカフェオレを飲むようになり、そしてレイもカフェオレ好きになったのである。
「カフェオレ2つ。紅茶1つ。あと、ミルクチョコケーキ2つ、チーズタルトも1つ。」
「かしこまりました。」
チョコケーキは私とクレハ、チーズタルトはレイ。レイ、チーズタルト気に入ったんだって。この前は「美味しすぎてほっぺたが爆発しそうです!」とかちょっとズレたこと言ってたし。あの時は笑ったなあ。
まあとにかく、そうして、私達は規格外のレベリングと武器決めを行ったのだった。
「……え?」
そして、また。
波乱の予感。

下にまだあります。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。