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シノビ~空姫忍法帖~(完結)
作者: ロストメイドウィン&彩都  (総ページ数: 152ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン オールスター 先にロスヒ、ピースフル推奨 大長編 
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柚葉
「一つだけ、と」

空丸
「そうだ、これでいい」

空丸は柚葉から姫を1人もぎ取って離れていく
この赤子こそが後の【うつほ姫】となり、数年後に対面することになるとは、お互いに気づきもしないし思いもしないだろう


柚葉
「残りはどうすればいい?」

空丸
「適当に処理しておけ」

柚葉
「‥‥‥‥‥」

柚葉といえど愚かではない、後のサムライとして、ダイミョーとして、そして‥‥‥女として、何かしら思うことはあった

そして言葉に出た



柚葉
「それでもお前は父親なのか?」


空丸は振り向かず、突き放すように冷たく答える

空丸
「本当はたった一人の子の父親になる予定だったのだ」


柚葉
「‥‥‥‥‥‥‥‥」

‥‥‥‥


柚葉
「どうした、ものか」


柚葉
「この2つの命、私に扱い切れるか」



柚葉
「‥‥‥‥‥女中としての生活も、悪くはなかった、だが」


柚葉はどうしようもなかった、柚葉は男を山に送り、女を里に置いていった




「待て」

柚葉
「む」

しかし、女を捨てる時‥‥‥扇に呼び止められた


「一体なんのつもりだ」

柚葉
「姫の忘れ形見を置き去りにするのみだ、私にはもう、何も出来ない」


「‥‥‥‥あの城の人間か、姫ということは」

柚葉
「姫の子だ、城を抜けて初めて教養的なものを振り替えてみて‥‥‥死を実感して」

柚葉
「この赤子の重みにようやく気付いた」


「そうか」



「その血筋‥‥‥‥我らに託させてはくれないか」

柚葉
「いいのか?」


「野道に追いやるよりは、ずっといい」


柚葉
「それもそうだ、その赤子を託そう」


「待て、お主名は?」


柚葉
「私はそいつとは無関係だ、名乗る必要も無い」


‥‥‥‥これからのことを語るまでもない

城は数年で元通りとなって姫が育ち

女は忍びの里で加護を受け、男は人知れず山の中で生きてきた



だが、柚葉は二度とこの世界に姿を現すことは無かった‥‥‥‥

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空姫
「‥‥‥‥!」

ここで空姫は長い夢から覚める‥‥‥そして、全てを思い出した


空姫
「私が姫‥‥‥そして、あれが、お母さん‥‥‥」

エボルト
「そうだ、それがお前だ」

空姫
「‥‥‥‥柚葉さん、私のこと覚えていたのかな」

エボルト
「さあな、ハグレは元の世界の記憶が無くなっていくからな」


空姫
「‥‥‥‥皆、皆いなくなった」

空姫
「だけど、私は‥‥‥」







「‥‥‥‥‥‥‥!!」


空姫
「‥‥‥‥まさか、貴方は!」


朝日が照らす森の中、ひとつの影が現れる
青い髪は綺麗に揺れ、泥で汚れた衣類は
‥‥‥‥




青い刃が、光ってる

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