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作者: ロストメイドウィン&彩都 (総ページ数: 152ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン オールスター 先にロスヒ、ピースフル推奨 大長編
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空姫
「えっ‥‥‥」
柚葉
「3人?」
能生姫
「あんた1人に頼むのも申し訳ないけど、他に女中が残っているか分からないのよ‥‥‥どう、出来る?」
柚葉
「‥‥‥ふむ、そうだな、首に」
能生姫
「分かった」
能生姫は立ち上がり、柚葉の後ろから赤子を乗せ、首を掴ませ‥‥‥‥柚葉が右手で赤子ごと首を抑え込む
能生姫
「落としたら許さないから」
柚葉
「はい‥‥‥ところで、そなたはどうなさるつもりで」
能生姫
「そうね‥‥‥‥後から行く、さっさとその赤子達だけでも救うために行きなさい、柚葉」
能生姫
「悪人に育てたら呪うから」
柚葉
「分かった、すぐに向かう」
柚葉は刀を口で挟み、襖を防ぐ燃え盛る木片を切り取り爽快に走り抜けていく‥‥‥
柚葉は気付いてもいなかったが、能生姫の衣類には火が移っていた
能生姫
「癒栖さぁ‥‥‥‥いつも、勝手にひとりでどこか行っちゃってさぁ‥‥‥あたしが居なければ、どこにも行けずに止まることしか出来ないのに」
能生姫
「しょうがないから、迎えに行くよ‥‥‥‥待ってな、今行くから」
能生姫
「だって私ら、双子だもんな」
‥‥‥‥‥
能生姫の最期は空姫さえも目撃してはいない
しかし、よくよく考えると確かに【最期】だと察せるような言葉を呟いていた
空姫
「‥‥‥‥‥‥‥」
エボルト
「あ、ここから少し暇になるな、一気に時間を飛ばす」
‥‥‥‥
そして、倍速ビデオのように景色は移り変わる、炎はどんどん広がり城は少しずつ崩れていくが、柚葉は忍者のように走り抜け‥‥‥3人の子供が怪我ひとつ無い状態で城から脱出した
城の焼け跡からは無数の焦げた死体が見つかったが当時も城主であった空丸が存命していただけでも当時は万々歳であった
柚葉は顔をつねられながら空丸を探す
柚葉
「いてぇ」
空丸
「‥‥‥‥なんだ、お前は」
柚葉
「女中だ、だが将来の夢はダイミョーだ」
空丸
「ああ、上女中の1人か‥‥‥‥生き残りがいたか」
空丸
「何か用か、手短に話せ」
柚葉
「赤子、姫の残したものだ」
柚葉は2人の赤子を持ち上げて空丸に見せる
空丸
「‥‥‥‥‥一つだ」
柚葉
「何?」
空丸
「ここに留めるのは1人だけで充分だ」
柚葉
「‥‥‥‥‥‥」