完結小説図書館
作者： ロストメイドウィン＆彩都 （総ページ数： 152ページ）
関連タグ： メイドウィン小説 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン オールスター 先にロスヒ、ピースフル推奨 大長編
10～ 20～ 30～ 40～ 50～ 60～ 70～ 80～ 90～ 100～ 110～ 120～ 130～ 140～ 150～
＊147＊
柚葉
「姫、要件は？」
癒栖姫
「そなたは上女中として誰よりも若かった、だがよくここまでわたしの為に尽くしてくれた」
柚葉
「‥‥‥‥有難き、言葉」
癒栖姫
「貴方にこの2つの命を託す」
癒栖姫は震えながら赤子を持ち上げ、柚葉に抱えさせる
柚葉はよく分かっていなさそうな顔をしながら2人を背負い込む
柚葉
「これは？」
癒栖姫
「大事なものよ、絶対に落とさないように‥‥‥‥」
癒栖姫
「行きなさい柚葉、必ず誰かが、誰でもない貴方達を待っているわ」
柚葉
「ここインドでは無いのだが」
癒栖姫
「インドも日本も似たようなものよ(適当 )」
柚葉
「分かった(納得)この柚葉、上女中として生かすことを約束する」
癒栖姫
「そなたもよ能生、その子を連れて早く行きなさい」
能生姫
「‥‥‥本気？」
能生姫
「いや、本気よね‥‥‥バカみたい、ふざけないで」
能生姫
「母親だってのに、まだ何も出来てないじゃない」
能生姫
「何か、何か‥‥‥‥本当に何か一つでも出来たはずじゃないの！？」
能生姫の声は届かず、炎は広がり‥‥‥城は崩れ始めようとしている
周囲から木の破片が落ち、いまにも倒壊しそうな城に空姫は手を伸ばすが、エボルトは冷静に、落とすように重く語る
エボルト
「残念だがこれはお前がみた景色であって過去じゃない、それに夢だ」
エボルト
「お前はこの光景に変化を与えることは出来ない」
空姫
「で、でも‥‥‥！！」
癒栖姫
「‥‥‥‥何か、1つ‥‥‥そうね、じゃあ、一つだけ」
癒栖姫
「能生、柚葉‥‥‥‥空(そら)と空(うつほ)を、よろしく」
癒栖姫が言い終えた途端天井は真上に落下して、そのまま潰れ落ちる
血飛沫は少しだけ床にこびりつき、炎が
癒栖姫を破片ごとやき尽くす
空姫
「‥‥‥‥そら、うつほ‥‥‥‥じゃあ、あの人が‥‥‥‥‥」
エボルト
「‥‥‥‥そういうことだな、そしてあの姫君は」
空姫
「わたしの‥‥‥‥」
能生姫は立ち尽くしながら燃え盛る木の破片を見る‥‥‥思考が追いつかないのか、それとも‥‥‥人が死ぬということを理解していないのか、柚葉は赤子と共に不思議そうな顔をして姫を見る
能生姫
「‥‥‥‥柚葉」
柚葉
「何か？」
能生姫
「あんたってさ‥‥‥‥赤子を3人持てたり、出来る？」