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作者: ロストメイドウィン&彩都 (総ページ数: 152ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン オールスター 先にロスヒ、ピースフル推奨 大長編
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*146*
空姫
「!!!」
その瞬間響き渡る‥‥‥数多くの声。
逃げ惑う声、叫び声、何かが燃えながら薄れていく声‥‥‥空姫の周りにある声が皆耳元まで響く
今、城は地獄絵図のまっ最中だったのだ
空姫
「こ、これ‥‥‥」
エボルト
「ああ、死と隣り合わせだからこうもなる、人間ってのは脆い生き物だからな」
空姫
「だから‥‥‥こんなにも声が響くの」
空姫
「‥‥‥‥なのに、どうして」
空姫
「あの人は‥‥‥死にそうなのに、平然としていられるの」
エボルト
「そうでもないぞ?聞いてみろ」
空姫は2人の声に耳を澄ます
‥‥‥
「‥‥‥なぁ、能生、そなたはどうするつもり?」
能生姫
「‥‥‥あんた、何言ってるの」
能生姫
「こんな所に居る場合じゃないでしょ、今でもたくさんの人間が死んでんのよ」
能生姫
「さっさと脱出しなさいよ、癒栖」
癒栖姫
「‥‥‥‥無理ね」
能生姫
「はあ?なんで?どうして?」
癒栖姫
「‥‥‥‥私の体は、もう限界よ」
癒栖姫
「いつ消えるかもわからない灯火のような命‥‥‥それが私だった」
癒栖姫
「そんな私でも‥‥‥‥二つ、命を宿してしまった、灯火を彼女たちに分けてしまったの」
癒栖姫
「火の無い蝋燭は、意味もない」
能生姫
「‥‥‥‥じゃあ、貴方はここで死ぬと言うの?」
癒栖姫
「そう、わたしは少々生きすぎた、この炎は私への迎えなのよ」
能生姫
「‥‥‥その子はどうするつもりよ?」
癒栖姫
「この2人?生まれてきた命自体に罪はない、尽きるのは私だけでいい」
癒栖姫
「‥‥‥‥‥居るのでしょう、柚葉」
空姫
「えっ‥‥‥!!?」
癒栖姫に呼ばれ、炎の中襖を開けて飛び出したのは‥‥‥齢十代後半間近程度の、空姫が見てきたものより少し背の小さい柚葉だった
衣類こそ違うが濃い色をした青い髪と‥‥‥刀がそれを証明している
空姫
「柚葉さん!?何故彼女が‥‥‥‥」
エボルト
「‥‥‥ああ、そうか!そうだったのか!奴は理由もなくこの世界に降り立ったわけではなかったのか!」
エボルト
「奴は【ハグレ】と言ってな、別世界に送られ置き去りにされた末路がお前の見てきたもの」
空姫
「じゃあ、柚葉さんって‥‥‥‥」
エボルト
「お前の世界出身ということだ!」