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シノビ~空姫忍法帖~(完結)
作者: ロストメイドウィン&彩都  (総ページ数: 152ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン オールスター 先にロスヒ、ピースフル推奨 大長編 
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‥‥‥部屋の先には大声で泣く赤子が‥‥‥二人いた
部屋に座る豪華な服を着た女性の手に‥‥‥しっかりと抱えられていた

空姫
「‥‥‥2人の、赤ちゃん‥‥‥‥これは、一体」


空姫
(それに‥‥‥片方はどこかで見たような‥‥‥)

空姫は赤子を抱えている女性の顔を覗いた‥‥‥彼女もまた何処か、記憶の片隅に残っていたような、見覚えのある顔をしていたが空姫は思い出せなかった
隣にも赤子を抱えている女性が座っていた‥‥‥先程の女性とは顔つきが似ていたが、どこか雰囲気が違っていた

空姫
「これは、一体‥‥‥」

エボルト
「お前の過去を調べあげた」

空姫の後ろから影が生まれ、影は形を変えてエボルトになっていく

空姫
「貴方は‥‥‥確か、あの時の!」

エボルト
「そうそう、俺だけ置いてかれたものだから仕方なくお前の肉体に入り込んだのさ」

空姫
「あの、これは?」

エボルト
「これはお前の忘却していた過去だ」

空姫
「私の過去?」

エボルト
「そう、お前は扇心算に拾われ忍びとして生きているが、それより前の過去は一切知らない」

エボルト
「だがこれは実際にお前がその目で見た景色だ、間違いない」

空姫
「‥‥‥この景色を、私が」


エボルト
「ああそうそう、今はちょっとフィルターを掛けているが、この時は危険な状況なんだよ」

空姫
「ふぃ、ふいる‥‥‥?危険な状況って」

エボルト
「見たいか?」

空姫
「‥‥‥‥‥はい」

エボルト
「よし分かった、大事な部分を省いたが実はこんなことになっていた」

エボルトが指を鳴らすと景色に乱れが入り‥‥‥周囲が炎に包まれ、辺り一面が火の海と化していく
女性二人がいるこの部屋も、今にも燃え尽きてしまいそうな勢いだった

空姫
「こ、これって火事!?どうしてそんなことに!?」

エボルト
「それは俺にもお前にもわからない、この夢の景色はあくまでお前が見たものを再現したに過ぎないからな、分かることは‥‥‥ここが燃えていた、それだけだ」

空姫
「‥‥‥‥‥どうして?どうしてあの二人は逃げないの?」

エボルト
「声を聞きたいか?覚えていなくとも話していた内容は過去に聞いていたからこれも再現度ができる」

空姫
「‥‥‥‥聞きたい!」

エボルト
「よし分かった、じゃあ少しだけ時間を戻して声を追加してやる」

エボルトは時の流れを戻して火の音を消し、指を慣らして人間の声が聞こえるようにした

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