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シノビ~空姫忍法帖~(完結)
作者: ロストメイドウィン&彩都  (総ページ数: 152ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン オールスター 先にロスヒ、ピースフル推奨 大長編 
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【第10巻】
「そしてまた最初へ」

空姫
「…………………」


「…………柚葉さん」



「なぁ、カーレッジ、自分はどうすりゃいいんだ?」



「結局、結局、自分は………こんな調子だよ」


「シーズンが変わっても、小説が変わっても!!こんな調子だよ!!なんでだよ!!」


「守りたいのに………もっと、力があれば!!もっと!!」



「柚葉さん………!!」

陸人
「なぁ、たくっちスノー、空姫も」


「…………何?」

陸人
「立てるか?ずーっと座り込んでいたからなお前ら」

空姫
「………んん」

陸人
「ま、分かるよ………たくっちスノーだって大事な国の住民を守りたかったし、空姫なんて家族を失ってる」

陸人
「俺にはまだそこまでの存在はいないけどさ………それでも、後ろを見るだけじゃなく残った命を大切に守って欲しいんだ」

空姫
「………でも、でも」

陸人
「………なぁ空姫、実は俺も捨て子なんだよ」

空姫
「………え?」

陸人
「あいつの世界の………人間達が逃げていってゴーストタウン、まぁ無人の集落みたいになった俺の故郷」

陸人
「赤ん坊の頃の俺はそこで捨てられた」

陸人
「俺はその時今にも崩れそうなビルに」

陸人
「たった1人で」

陸人
「泣くことしか出来なかったんだ」

陸人
「………俺の命を救ったのは、今の俺があるのは、戦場海斗が俺を見つけて、たくっちスノーの仲間が遠くにやってくれたからだ」

陸人
「あの世界の戦いでたくっちスノーは多くの仲間を失ったかもしれない、でも俺はあんたのおかげで生きていられるんだ」

陸人
「犠牲者にばかり目を向けるのはやめろ………監理局なら………今、生きている命を、必死に守れ」

陸人
「まだ、諦めるな…………!!」


「…………強いなぁ、陸人君は」

陸人
「伊達に1人で生きてきてねーっての………」

リクヤ
「………」

海斗
「………」

陸人
「どの道俺たちがやるべきことは一つだけ、Dと戦うことだ」

陸人
「正確には、もっと強くなるべき………ってやつか」

リクヤ
「………ああ、そうだな、今はこの里を離れよう」


「………待って、柚葉さんの墓に手を合わせていいかな」

海斗
「いつの間に墓なんて………」


「柚葉さんだけじゃない、空姫さんに教えて貰って里のみんなの墓を作ったんだ」


「そこに、あの人はいたという証明だけは遺したかったんだ………」

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