コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 記憶をなくした少女*
- 日時: 2015/07/27 15:23
- 名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: bOX/HSBq)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi
こんにちは!移転しました。
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- Re: 記憶の無い少女へ*.。・゜*.。・゜*.。・゜ ( No.15 )
- 日時: 2014/04/02 11:37
- 名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
第二話 黄昏の波乱 to13 すれちがい
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よくわからないが、休み時間も特に優希や隆志としゃべってもらえない。
というか、近づきにくい雰囲気で自分からしゃべりかける勇気もないし、しゃべろうとも思わない。というか。
さっきからこっちをちらちら見ては、笑い合っている。
悪口でも言っているのだろうか。
人ってどうしてか、人のことを言っていると、その人がそばに居ないか探すからか、わざわざその人に向かって目線を送るんだから。
とっつっきにくい時は自分の想いに沿って、独りで勉強していると、僕は話しかけられた。
「蓮ー…昼休み、いつもンとこ来いよ。来ないと怒る。」
隆志が遠目に言った。
「あ、ああ——……」
僕はノンビリと返事を返す。話しかけられて嬉しかったのか——…。
いつもンとこ。とは、僕と隆志だけが知ってる秘密の場所で、優希が居ないときはそこで昼食を摂っていた。
今日は優希が休みでもないのに誘われたことに少し驚く。
が、これは行かないとそれこそ友情破壊しそうだ。
∮∮∮∮∮
「———よ…っ」
行くとすでに隆志が待っていた。
「——よっ。……待たせた・・か?」
僕は、横に座る。
ここは、学校の校舎裏で、それも一輪車倉庫の裏だった。
日陰だから 夏で暑い気温から逃れられる。
人の目が通らないので、学校としては悪いところだと思うが、サボりには最適な場所だ。
大体、僕はサボろうという考えさえないので、普段は使わないが、こうしてサボりの常連の隆志と共に、ゆっくりとなんでも気兼ねなく話せる場所だった。
「いや。俺が早く来ただけだ。」
と言う。
「で、なんだ。優希は?」
僕から話すことは、特にない。
「教室。話すと長くなるんだけど食べながら聞いてよ。」
「あ、ああ……」
結構深刻そうなので、僕は梅干しを崩しながら聞いた。
「まず聞くけど、おまえ、なんで音信不通になってんだ。」
「音信不通?」
「だって、おまえだって俺たちよりはメールの回数ハンパなく少ないけどさ、放課後、何回かは返信出してくれたろ?おまけに何回電話かけてもつながらない。つながったと思えば切られる。どうしたんだ?」
真剣な隆志に、僕は言った。
「———ああ、ケータイが壊れたんだ。前言ってただろ、もうボロいから、そろそろ壊れるって。」
あまりに平行線な会話だ。
「ケータイが壊れた?」
隆志が聞き返してきた。
「いや嘘つけ。——……。そうだ。おまえ、電話の着信の音楽設定してる?」
僕を疑わしそうに見ると、隆志はスマホを取り出した。
「あ、ああ。知らないだった気がする。」
僕が言うと、隆志はまた疑わしそうな目を向ける。
「知らないだと?おまえ自分のケータイのことくら「あ、いやいやいやいや!「知らない」っていう曲なの!」
「ふーん。」
隆志は、また疑ってるのか、僕を見咎めると、スマホを操作し始める。
「———……あ、もしもし?優希?。今からそっちで、ケータイの音楽流れたら教えてよ。」
そう言うと、隆志は
「その証拠に、おまえのケータイにかけてやる。」
「はあ!」
かけたって繋がらないんだが…。
ケータイは、琴のお墓に置いてきたのだから。
でも、隆志は僕に琴という妹が居ることさえ知らない。
知ってるのは、姉さんと行方不明の陸だろう。
たぶん、隆志はこの場で音が鳴ればケータイを持ってる。スクールバックのある教室でケータイの音が流れれば、ケータイ所持ということになると推測したのだ。
「———もってないのか。」
優希から連絡がないことを踏まえ、僕がケータイを持っていないことを分かったようだった。
「…たまたま忘れたとかないだろうな。」
「いや———だから墓に置いてき・・・」
僕は思わず口を押えた。
(言っちゃった!どうする…)
とりあえず向こうの出方を考えることにした。
「なんだよ。墓って?やっぱお前怪しいだろ、いいから話せ。」
「い、いやあ——…」
僕が戸惑っていると、隆志が呆れたように言った。
「おまえ、そんな俺たちに話せないことなの?」
「そういうわけじゃないけど……」
(な、なんか面倒なことになってない——?)
「墓とかよくわかんねえけど、昨日の夕方、優希から電話かかってきたんじゃないのか。」
「あ、そうだよ。五分置きに来たんだ。」
僕は、何について隆志が怒っているのかわからないまま、夕方のことを話し始めた。
「僕は、用事があったから地下鉄乗ってたんだけど、降りて歩いてた時、いきなり優希から着信が来た。」
あまりにショックなケータイを落とすという出来事があったのでばっちり覚えている。
「で、なんかいきなり「蓮か? だからお前、弟とどうなってんだよ」みたいなこと言われて、優希が五分刻みに電話かけてきてるのが分かった。」
僕はそう言いながら、昨日のことを思い出す。
「で——。僕、家は共働きで、あんまり家のこと話すの嫌いだし、弟のこと言ってなかっただろ。だから優希から弟って言われるのびっくりして、ケータイ落とした。」
ああ、悲しいと額に手を当てながら、唐揚げを口にはこぶ。
秘密持っていたら逆に嫌われてしまうかもしれない。もう何でもかんでも話せば終わりだ。
(……なんで話したくなかったのかな)
拒絶されると思ったのだろうか。
色々面倒だったから?
「———どうした?落とした後、」
急に黙った僕を隆志が見上げた。
「——なんでもない。僕も慌てて拾い上げたんだけど、画面が暗転して——…。あのケータイ、僕ン家の思い出が結構記録されてるんで、微妙に気を失ってたんだよ」
隆志は何も言わずに弁当を食べている。
「で、なんだかんだ話の途中だったから電源入れなおしたんだけどまあ、画面がチカチカとしたっていうかそんな感じでそのままフリーズ。」
「ああ。」
隆志が聞いている。
「もう一回入れなおしたらついてもう一回 優希に電話かけた。つながらなかったから、もう一回かけて、つながったから さっきはゴメン、ケータイ落としたんだって言おうとしたら、向こうがしゃべろうとしたんで黙ったら、ケータイが本当に壊れた。」
- Re: 記憶の無い少女へ*.。・゜*.。・゜*.。・゜ ( No.16 )
- 日時: 2014/04/19 16:36
- 名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
第二話 黄昏の波乱 to14 揺らぐ人瞳
∮—————————————————∮
「——たぶん、一回目かけてつながらなかったのは、優希が俺にかけてたせいだな…」
隆志はそうつぶやくと、僕に向き直った。
「おまえのその言葉、本当だと信じたとして俺は一個きく。」
「なに?まだ疑ってん「おまえ、優希と俺のこと嫌いになったの?」
「…え?。嫌いになったのって、隆志と優希が僕のこと嫌いになったんじゃなくて??」
朝から少し避けられていたような気がしたので、僕がそう思っていたし、嫌われたのかと落胆はしたけど、あの様子じゃ修復できそうにないので諦めていたのだ。
「は?おまえが嫌いになったんじゃないの?」
僕は真顔でそう言われ、逆に混乱した。
「いや、よくわかんないんだけど。」
僕が言う。
「———いや、だからさ、昨日、俺にこんな電話が来たんだよ。優希から」
その内容は、まとめると
1、俺、ついに恋に愛想つかされた
2、俺はもう、蓮と仲良くできない
3、それにオレ今まで、結構蓮に頼ってたんだな。あいつ居なきゃ、今度のテスト赤点だ
「それってどういうこと?蓮が僕に嫌われたとでも思ったの?」
僕はさっぱり意味が分からなく。
「今日の朝聞いた内容だと、電話で切られたから、嫌われたと思ったらしい。「そ、それ速く言えよ!!僕、避けられてる感じだから嫌われてると思った」
僕は言い捨てる。
「あーもう洒落になんない。」
隆志はそう言うと、弁当箱を投げ捨てて行ってしまった。
「おい!隆志ー!!おまえ、ちょ、誘っといてどこ行くんだよ!!」
僕は叫ぶが、全く聞こえた様子がない。
隆志の弁当箱を握ると、まだ卵焼きが残っている自分の弁当箱を閉じて、僕は壁に背を預けた。
∮∮∮∮∮
バ——————ン!!
ざわざわとしていた教室が、一騎に隆志に注目を帯びた。
「優希!!」
「あ。隆志。どうしたの?」
他の男子グループと昼食を摂っていた優希と、いきなり入ってきた隆志に注目が集まる。
「隆志どうしたの?心臓に悪いよ。」
横からあい子が冷やかす。
「おまえも来い!!」
「ぎゃー!」
隆志がいきなり優希の服の袖を引っ張って、教室の外へ引きずり出していく。
「まだ俺、大好きなタコさんウインナー食って無ーい!!」
と騒ぐ。
「じゃーなー黒本!」
「さよならー優希!」
「黒本またなー!」
一緒に食べてた男子にも、笑顔で送られる優希だった。
- Re: 記憶の無い少女へ*.。・゜*.。・゜【オリキャラ募集】 ( No.17 )
- 日時: 2014/03/25 15:24
- 名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
オリキャラ募集をしたいと思います!!
ですが私
オリキャラ募集は大っ嫌いです。
自分で考えろよ。って思いました。
でも今、やってみることにします。
あまりに「うわー」ってなったり、一杯投稿されて来たら、作品に採用できない場合もあります。
オリキャラ募集用紙
∮—————————————————∮
名前/読み
【】
性別
【】
年齢(中学生で)
【】
性格(詳しく)
【】
容姿(詳しく)
【】
家族合成
【】
過去の出来事
【】
サンプルボイズ
【】
備考
【】
- Re: 記憶の無い少女へ*.。・゜*.。・゜【オリキャラ募集】 ( No.18 )
- 日時: 2014/03/25 20:29
- 名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
第二話 黄昏の波乱 to15 夢をさす日
∮—————————————————∮
僕は、額に手を当てた。
少し気分が悪い。
(陸・・・どこ行ったのかな。)
こんなに探してもいないなら。
これだけ探してもいないのなら。
僕も最近は、登校下校と言い、家の周りや保育園の周りまで遠回りして帰ったりして、陸を少しでも見つけられないかとやっていた。
でもそれは…結果的に、何も変化なしというところで。
なんとなくお弁当を食べる気にもなれない。
プ———ッ!
「…うるさーい…」
学校の柵の少し向こうの方で、車がクラクションを鳴らしたようだった。
鳴らす方に怒りをぶつけたいところだけど、鳴らさせた方——鳴らす原因となった人間——が悪いのが事実だ。
「……」
ふとゴミ収集車が、前を通っていく
「左へ曲がります、ご注意ください」
誰も人いないけどな。一応、忠告してくれるなんていいよな。
でも、街中の車が いちいち左に曲がりますとか言われたら、街荒れるし防音対策しなきゃならないんだろうけど。
「はぁ……」
どうやら僕らの間には 誤解というものが存在していたらしい。
僕がグッタリとしていると、騒がしいヤツらが来た。
「全てはお前の勘違いのせいで、俺は ともかく。蓮まで悩むハメになったんだぞ。」
「だからさっきから言ってるじゃん、ゴメンって」
「おまえのゴメンはアテになんねー、今度おごれーー!」
「はーい!!御代わりは無しね!」
隆志と優希だ。
隆志と言えば、優希の服の袖掴んでいて、掴まれている優希は、バツが悪そうな顔で謝ってばかりだ。
「あ・・・・・」
優希が気まずそうに僕から目をそらした。
別に、疎遠時間が長かったわけじゃないから、僕と優希の間の壁はきっと薄い物なのだと思う。
「おまえ。全部じゃないかもしれないけど、おまえのせいだぞ」
隆志が、優希を小突いた。
「なんか…。ごめん…。俺、てっきり自分が嫌われたからおまえに電話切られたかと思ったんだよ。さっき隆志から聞いたんだ。電話が壊れただけって。ごめんなさい!勝手になんか…変な捉え方して、さ。」
拝むような様子の優希に噴き出した。
「あ、いいよ!!。」
僕が思わず笑った。
ああよかったと、優希が胸をなでおろす
「ほら、」
僕が弁当箱を、隆志に投げた。
「一個聞きたいんだけど」
「なに?」
優希が目をキラキラさせてきた。
「なんでおまえ、額に絆創膏貼ってんの?結構ダセ—よ!」
「バッサリ言うなー。このまえ急に膝かっくんされて倒れたら顔面と地面が衝突したんだよ。」
僕が額を軽く撫でた。
「あと——…隆志から、聞いたんだけど、おまえ本当にケータイ無いの?!」
優希に言われ、僕は言った。
「まー。そう。この機会だから話すか。僕まだ食べ終わってないし、お昼休みまだ五分だけあるから、ちょっと話したいことあるから、ここ座って。」
僕は思った。
(この二人になら。いい。)
「優希も隆志もさ、志乃から、陸のこと聞いたんだろ?」
「そうだけど。」
「ああ」
優希と隆志がそろって頷いた。
「僕の、妹の琴のことは聞いた?」
「は、おまえ妹居んの?「初耳!」
「————そっか、じゃあ話す。」
- Re: 記憶の無い少女へ*.。・゜*.。・゜【オリキャラ募集】 ( No.19 )
- 日時: 2014/03/26 12:00
- 名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
第二話 黄昏の波乱 to15 真実の告白
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琴のことを、誰かに自分から話すのは、初めてかもしれない。
志乃みたいに状況を知っている人はいたとしてもね。
——なぜか。
故人のことを話したって、僕が拒絶されるだけって思ったし・・、第一、僕の地震嫌いを話すことになるんだから。
「僕さ、元は四人兄弟で、高校一年の、姉と、保育園の六歳の弟と、二年前まで、居た、生きていれば小学五年生の妹居たんだよね。」
「生きていれば?・・・・・・」
優希が、身を乗り出す。
「そう。僕の妹は、二年前に、地震でなくなったんだ。」
「———えっ!」
「——そうなんだ……」
二人とも、目をぱちくりさせる。
「で、僕は地震が嫌いになったわけ…。で、地震が起きたら大体、琴の墓にお参りに行くんだけど、そこにケータイ置いてきたんだよ。」
「マジで——。おまえだから墓って言いかけてたのか。」
僕の言動に、これこそ本当だと思った二人は、言った。
「———あ、もう行かないと。」
僕が、もう五分は立ったかなと立ち上がったが、
「———サボろうぜ。俺らはサボり常連かもしれねーけど、真面目専属の蓮が居ればサボりもOKだろ「いや、そういう問題か?」
僕が、のんきな隆志に言う。
「良いんだよ。おまえの成績、こんぐらいで下がらねーし「それがやばそうなんだよ。」
僕は、教室に真っ直ぐ戻る。
「おまえー!ケータイ早く治すか買ってもらえよー!「俺はサボるぞ」
二人が後ろから投げかける声も、僕には聞こえていなかった。
(陸居たりしないかな)
きょろきょろと、周囲を見渡すと、校舎に向かって歩き出す。
僕は一瞬、視界が揺らいだような気がした。
「———お、おい!!蓮!」
「どうした!。しっかりしろっ!!」
「蓮!!?」
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