コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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記憶をなくした少女*
日時: 2015/07/27 15:23
名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: bOX/HSBq)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi











こんにちは!移転しました。





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Re: 記憶の無い少女へ ( No.2 )
日時: 2014/05/31 19:39
名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: jyOVwInT)

∮——————登場人物——————∮

此花 蓮 コノハナ レン
中学二年生で気配りが得意で優しく、マイペースな性格で、クラスでも人気が高い。整った顔立ちだが、地震大嫌いで実はカナヅチで泳げないということについてはパー

アオイ (竜胆 葵 リンドウ アオイ)
高校生の美少女。社交性で全く人見知りをしない明るい性格。蓮と同じで墓参者で、お墓で出会った。記憶がほとんど無く、学校も不登校である。

此花琴 コノハナ コト
既に故人である蓮の妹。二年前に、地震でなくなっている。

斌沢中学校

黒本優希  クロモト ユウキ
佐川隆志 サガワ タカシ
月代志乃 ツキシロ シノ
清水あい子 シミズ アイコ
近江春遥 コノエ ハル


——
限定メンバー


此花陸
蓮の弟

飯川あゆ
沙和の大親友。
中学生からの友で、高校も同じ。

遊沢海斗
沙和の彼氏。


椎名美雨 通称ミウ
近江の親友。蓮と同じクラス。

蓮実愛・蘭
同じく近江の親友。クラスは蓮と同じ。
双子 愛が姉で蘭が妹。

青澤桃香
同じく近江の親友、蓮と同じクラス。

Re: 記憶の無い少女へ ( No.3 )
日時: 2014/04/07 15:37
名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

 第一話 揺れた時刻 to1 透明な世界
∮———————————————————∮

窓の外はキラキラと太陽の日に透かされて輝いていた。

「よし、じゃあこの問題解けるヤツいるかー?……そうだな、じゃ、佐川」
先生が言った。

「はーいはーい——…って、隆志さっきも当たったよね…、この問題自信あったのに。」
僕は、向こうの席の隆志が当たったことに、挙手をやめ、ぼやいた。

自信満々に隆志は立ち上がると、正解を言ってやがる。

(ちぇ。)

と、横で肩をツンツンと押された。

「なんか揺れてない?いや…地震かな。」
授業中の話だった。

隣のあい子が急に話しかけてきた。
社交性な性格で、いろいろあれば話しかけてくるような人で、冗談もよくあることなので、何も気に留めることはなく言った。

「そうかな。」

「いやあ、どう考えても「——地震?えっ!う、うそだろ…うそだろ!」
僕はあい子の言葉を遮ると、そう言いながら机の下に潜り込んだ。

近くの席の人がクスクス笑う。
僕の地震嫌いは尋常じゃない。と自分でも思う。

「地震なんてないよ。」
後ろの席の志乃がニッコリ笑う
出来れば、前のこと、が思い出されなければ、地震なんて別に良いが。

「だよね」
でもなんとなく 机の下から出れずに居た。
通路を挟んだ横の近江も、僕に言った。

「大丈夫?地震は起きてないから、もう机から出たら?「志乃も近江ちゃんも言ってる。」
と、誰かも僕を推進した。

「……!待って 本当に地震なんじゃ——。」
僕は、机の下から なんとなく目を窓の外に泳がせて、そう言った。
運動場で体育をしている人の姿が、左右に軽く揺れているような気がした。

「ほ、ほらー!やっぱりでしょ?。」
あい子が大声で自慢げに言う。

「う、ん…」
僕が返し黒板に目を向けようとしたとき、目の前に仁王立ちになった先生が居た。

「どうした?そんなにしゃべりたいか。それにおまえ、なんで机の下に居るんだ?さっきまで真面目に授業聞いていただろう。」
そう先生が言った瞬間に、みんなの目線が集まり、笑いの渦に包まれる。

「は、はい!すいません!」
気をつけろ。と軽く笑う先生。

「はー…」
あまりの恥ずかしさに顔を赤面させつつ、先生に目を向ける

「特に、清水。どうせまたおまえが話しかけたんだろう?」
先生が、あい子をあきれたような双眸で見下ろす。

「は、はい!。わたしです!!わたしが悪いです。」
と立ち上がってあい子が ぺこりとお辞儀する。

なんだか申し訳なくて、僕も立ち上がろうとしたとき、

ゴンッ

「痛てっ!」
ゴンっと鈍い音を立てて、机に頭をぶつけてしまった。

「はははは…!」
さらに教室は笑いの渦に包まれる。

「すみません」

「おまえ、頭 たんこぶ出来てないだろうな。大丈夫か?まあ反省しているなら、いいだろう、気を付けるように。」
先生が僕らを一瞥すると、教壇に戻るため 背中を向けた時、「でも」と横であい子が言った

「地震かも、って言ってたんです!。だから蓮も机の下に居たわけで!——……あ、あ、ほら!今」
教室の掲示物のひとつである習字の紙が 窓を開けている訳でもないのに、パタパタと揺れる。

「え……?。地震?」
「—あ、揺れてる!」
「ほんとだ!」
と、周りの生徒たちも気づき始めるとがやがやし始めた。
僕と一緒で机の下に隠れる人も居た。

「蓮が謝ると、先生も怒んないー!真面目にやってるヤツは良いねー」
とあい子が僕を小突いた。

(……今日もか——)
僕は、使い古してもうすぐ壊れそうになったブルーのお気に入りのケータイを取り出すと 机に隠して文をうちはじめた。

∮∮∮∮∮

放課後——

「おーい、蓮!これから隆志と一緒にそこの焼きそば食いに行こうと思ったんだけど おまえも行こうぜ!」
僕に向かって、優希と隆志が手を振ってきた。

「あ、悪い!今日は、無理〜」
普段から部活にも入ってないし、さほど用事があるわけでもないので たいていは二人と遊びに行くか、勉強しているか、幼い弟と遊ぶかくらいなのだが、

今日は、*あれ*が起きてしまったから。
それは出来ない。

「そっかー!」
残念そうに隆志が言う。
幸い、僕の友達は深い詮索はしてこなかった。

「また誘ってよ〜!」
僕はそう言うと、手を振った。

Re: 記憶の無い少女へ*.。・゜*.。・゜*.。・゜ ( No.4 )
日時: 2014/03/23 10:59
名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

 第一話 揺れた時刻 to2 花の咲く道
∮———————————————————∮

「この電車は、池沢、推名、花の瑞方面、飯花区役所行きです。」
車内アナウンスがかかった。

ガタン——。

リズムよく揺れていく鉄道に揺られながら、僕は窓の外を見ていた。 

どちらにしろ僕が今利用しているのは地下鉄なので、窓の外に何か映っているわけでもないのに。
廃墟のような壁一点を見つめていた。


キーッ!!

「…」
耳を掠めるような音をたてて、どんどん行く。

「本日は、市営地下鉄  桜咲線をご利用いただきまして、ありがとうございます。お年寄りや、身体の不自由な方に、席をお譲りください」
アナウンスが流れる。 
(何度も何度も 解ってるよ。)

地下鉄なので、ここの線はほぼ一分置きに駅へ到着しすぐに発車する。

「———軽い地震なんて、いつでもあるんだ。」
僕はひとりごとをつぶやく。
気にかかっているのは、先ほどの地震のことだった。

「まもなく、葵咲、葵咲。お出口は右側です。市立大学病院、葵咲歯科方面は、ここでお降りください。和咲線ご利用の方は、お乗り換えです。」
僕の隣の席の人が立った。

大体、席も埋まってきて そばで立っていた社会人も、開いたのがわかると、僕の横に座る。

ただ、僕は終点まで乗っていなくてはならない。

∮∮∮∮∮

ほぼ空っぽになってしまった車内にアナウンスが流れた。

「みなさま、ご乗車、ありがとうございました。次は、飯花区役所、飯花区役所、終点です。」
僕はケータイの着信に気付き、ケータイを開く。
このケータイは、中学になって、琴とお揃いで父からもらったものなんだけど、マリンブルーがお気に入りなんだ。

でもこのケータイも、そろそろ寿命だと思う。

「—・・・」
了解、今日家に居ないから、ご飯作って食べてね。の二言だけ。

別にそれだけで十分だ。

「まもなく、飯花区役所、飯花区役所。終点です。お忘れ物のないように願います。お出口は右側です。」
僕を急かす用に、アナウンスが流れると ゆっくりと立ち上がった。

「ふー!」

ココへ来るまで四十分もかかってしまった。

そうまでして 来たかった場所—…


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