コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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短・中編集(参照3200突破感謝!・お知らせ)
日時: 2017/04/05 18:01
名前: 夕陽 (ID: cyfiBIbN)

こんにちは!
夕陽です。
アドバイス、感想など言ってくれるとうれしいです。
書いてほしい内容等を言ってくれればがんばって書きます。


目次
ボケ役しかいない話>>3
演技している女の子と男の子>>4>>7-9
あいうえお作文>>10
三題噺 野菜 妖精 最弱の城 ジャンル童話>>11
ラブコメ>>12
三題噺 夕陽 タンス 人工ガエル ジャンルギャグコメ>>13
三題噺 空 絨毯 穏やかな剣 ジャンル指定なし>>14
捨てられた少年とロボット>>15-19
80文字以内で小説を書いてみる>>21
グルグル回る話>>24
これ、時間の無駄だよね?>>25
100文字以内で小説を書いてみる>>26
あいうえお作文2>>27
不思議な町の恋の話1〜4>>34-37
ライバル!!1〜2>>38-39 ライバル!!3>>43
参照100突破企画!!1〜3>>40-42
私のクラスには学校で有名な双子がいるっ!1〜8>>44-51
たい焼き>>52
雨宮姉妹といとこ>>53

ことわざ
悪事千里を走る>>54
朝起きは三文の徳(早起きは三文の徳)>>55
頭隠して尻隠さず>>56
雨降って地固まる>>57
案ずるより産むがやすし>>58
石の上にも三年>>59

頭痛が痛い>>60
私はあと顔と性格と頭と運動神経と口調がよかったら完璧だったと思う1〜3>>61-63
昼寝>>64
二次元に行きたい少女、三次元に行きたい少年1〜5>>65-69 6・7>>72-73
ハロウィンパーティー1〜4>>74-77
三題噺「扇風機」「コスモス」「土砂降り」ジャンル「ラブストーリー1・2」>>83-84
カキコ1年突破記念>>85
私の覚えている限りのキャラにフリートークのさせる!〜新年版〜>>86
「言う」を使わないで短編!>>89
間違った敬語>>90
それでも私は……。>>91
猫の日>>92
空色日記>>93-94
エイプリルフール>>95
帰り道>>96
想いを届ける店>>97
小さくても>>98
     〜彼女視点〜>>99
青ずきん〜ほぼ原文〜>>101
青ずきん〜改良〜>>102
青ずきん〜もし今書いたら〜>>103
月が綺麗ですね>>104
月が綺麗ですね〜三上視点〜>>105
馬鹿は風邪を引かない>>106
占いの館>>107
新年企画!>>108
Disturb his sleep(彼の眠りを妨げる)>>109
Be exposed to danger(危険にさらされる)>>110
A game manufacturing company(ゲームを製造する会社)>>112
Time heals all wounds.(時は全ての傷をいやす)>>113
Truth is stranger than fiction.(事実は小説より奇なり)>>116
cherish a dream(夢を胸に抱く)>>117

<お知らせ>
参照100突破記念(投票)>>20
コメ100突破感謝!>>100
「これってラブコメ?」リメイク>>118

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Re: 短・中編集(参照300突破感謝!) ( No.49 )
日時: 2014/07/21 12:22
名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)

私のクラスには学校で有名な双子がいるっ!6

「あ、いたよ!」
 私は妖精を見つけたので喜びの声をあげる。
「ほんとだ」
 和人君もほっとしたように笑った。
「とにかく聞くわよ」
 和歌奈ちゃんはさっさとその家に向かったので私もその後をおった。

 家は予想通りしまっていた。
「どうすれば良いと思う?」
 私は二人に聞く。
「ここは和人に任せるわ。なんとかして」
 和歌奈ちゃんは和人君に命令する。
「はいはい。まあ梨依ちゃんもわかも頼ったしね」
 和人君は頭いい。だからこそ、和歌奈ちゃんも彼を頼ったんだろう。
「とりあえず、チャイム鳴らしてみるか」
 和人君はそういってドアを見る。しかし、そこにはチャイムっぽいものはない。
「ないわよ」
「そうだね……」
 和人君は少しがっかりした顔だ。
「中に誰かいる……」
「それはいるだろうね」
 私の言葉に和歌奈ちゃんが反応する。
「妖精じゃなくて、人間が」
「「人間!?」」
 学校で有名な双子は同じ反応をした。
「そう。私達の知らない人。でも、聞いたことある人」
「どういうこと?」
 私の言葉に和人君は首をかしげる。ちょっと可愛らしい。
「直接会ったことはないけど話だけは聞いたことある、みたいな感じだと思う」
 私も占いの結果をしゃべっただけなので説明はしにくい。
「あんまり騒ぐとばれるんじゃ——」
 和歌奈ちゃんがそういったとき、家のドアが開いた。
 私は本能で危機を察し、二人を連れて木の影に隠れる。
「あれ? 誰かいたはずなのに」
 出てきたのは小学生くらいの容姿の少年。でも大人びているから高校生といわれても納得できる。
「とにかく早く妖精捕まえるか」
 その少年は私達に気付くことなく家から去っていった。
「あいつ、敵か?」
 和人君は私が思っていたことを口に出した。

Re: 短・中編集(参照300突破感謝!) ( No.50 )
日時: 2014/07/22 16:39
名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)

私のクラスには学校で有名な双子がいるっ!7

「あの人倒せば、帰れる」
 私は二人にそう言った。
「倒す? どうやって?」
「私達には武器、ないのに」
 二人はそれぞれの反応を示す。確かに私達には武器がない。
 私は、占う事にした。
「奇襲は失敗。……遠距離も失敗。……仲間の振りをしても見抜かれる……」
「全部だめじゃない!」
 私の思い浮かぶ攻撃法を考えても全部失敗だ。
「なんかいい案ない?」
 私は困って二人に助けを求める。
「妖精に協力してもらうのはどうかな?」
 和人君の言葉に私は首をひねる。
「ああ、確かに彼は妖精を捕まえるのが目的って言ってたもんね」
 和歌奈ちゃんが私に説明してくれた。
 けど、私にはよく分からない。
「妖精が捕まえるのが目的なら、妖精を使えばいい。だってそうすれば妖精に引き寄せられてくるからそこを捕まえる」
 な、なるほど。流石頭がいい和人君。
「じゃあ、早速実践よ」
 和歌奈ちゃんがそう言って妖精探しが始まった。

「案外簡単に見つかったわね」
 和歌奈ちゃんがそういって私の隣を見る。
 私の隣には妖精がいた。
 100センチくらいの小さめな背丈。
 赤く光輝く瞳には相当な覚悟が秘められている。
 肩に届くくらいのピンク色の髪は下ろされていてとても可愛い。
 私達はただ今、妖精をスカウトしてきた。
 私の能力によって妖精を見つけて敵を倒すために力を貸してくれと頼み込んだ。はじめは渋っていたが、私の占いの結果を聞かせると簡単に了承してくれた。
「いいか、相手が現れたらすぐに君の魔法……確か雷だっけかな? を落としてくれ。それだけで十分だ。あとは僕達が何とかする」
 和人君は彼女と念入りに打ち合わせしている。
 彼女も必死に和人君の話を聞き漏らさないように頷いたりしていてたまに言葉を発している。
 なんかすごく仲良さそうだなあ……。
 べ、別に和人君が好きなわけじゃないけどなんかすごく胸にもやもやする気持ちが湧き上がってきた。
「もしかして和人のこと好きなの?」
「ひゃあ」
 いきなり声をかけてくるなんて和歌奈ちゃん意地悪だな。
「べ、別にそんなわけじゃ……!」
「まあ、違うならいいけど。もし好きなら協力してあげてもいいなと思っただけで」
 それは魅力的な提案……じゃなくて、
「そういうわけじゃないから。とにかく早くもとの世界に帰ろう?」
 私は取り繕った笑顔で返す。嘘、ばれてないかな……? いや、別に嘘じゃないけど。
「じゃあ、よろしくお願いします」
 妖精の彼女がはにかんで笑った。その笑顔はとても可愛くて、和人君が好きになるんじゃないかってそっと顔色を伺ってしまった。
 しかし特に変化はないので安心……って何で安心してるんだろう?
「やっぱり好きなんじゃないの?」
 和歌奈ちゃんがそうからかってくる。
「そ、そんなんじゃ……!」
 和歌奈ちゃんは笑って「分かったわよ」といったがあの顔は絶対分かってない!
「そろそろ作戦開始だよ」
 和人君の声に我に返った。
 とにかく今は、この世界から帰るんだ!

Re: 短・中編集(参照300突破感謝!) ( No.51 )
日時: 2014/07/23 22:11
名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)

私のクラスには学校で有名な双子がいるっ!8

「意外とあっけないなあ」
 私は捕らえられた敵をみてそう呟いた。
「まあ、そんなもんでしょ」
 和歌奈ちゃんははき捨てるようにいう。

 ちなみに妖精をおいてしばらく待ったら出てきたのでそこを取り押さえただけだ。特に作戦はない。

「で、アンタなんでこんなことしたの?」
 和歌奈ちゃんが訊ねた。
「うぅ、ごめんなさい、ごめんなさい……」
 しかし彼は懺悔の言葉を呟くばかりだ。
「もうっ、使えないわね」
 そういって彼女は
「和人、何とか聞き出してよ」
 と和人君にパスした。
「もう、わかちゃんったら。……落ち着いて、君は何でこんなことしたの?」
 和人君はゆっくり言い聞かせるように話しかけた。
「ひっく、うぐっ……」
 彼にもそれが伝わったようで少しずつ落ち着いてきた。
「あのね、僕のお母さん病気なの。だから妖精さんに聞けば薬の作り方がわかるから聞こうと思ったら逃げられて……。それで捕まえちゃったの、ごめんなさい」
 ペコリと頭を下げる彼に
「まあ、そういう理由なら……」
 と引き下がった。
「よかった! 確かあなたたちは元の世界に帰りたいんだよね? だったらこれ使って!」
 押し付けられたのは15センチくらいのステッキ。
 一番上に星がついていて子供のおもちゃみたいな感じ。
「これをもって帰りたいっていいながら円を描くように振ると戻れるよ」
 彼が使い方を説明してくれる。
「ありがとう」
 彼にお礼の言葉を言って私はその通りにステッキを使った。
 何か変な感覚がして私は目を閉じた。

「戻ってこれたね」
 和人君がほっとしたように言う。
「うん、よかった」
 私もそういって微笑む。
「一時はどうなるかと思ったわ」
 和歌奈ちゃんも少し楽しそうだ。
 私達の秘密が巻き起こした冒険。
 そう思うと胸がわくわくしてくる。

 楽しかったな。

 素直にそう思えた。
「そういえばさ」
 和歌奈ちゃんが今思い出したと付け加えて言った。
「あの少年、誰だろう?」
 この謎は次の日明かされることとなった。

「皆、せきついてー。面白いニュースがあるわよー」
 先生の言葉はまるで転校生を紹介するような口調だ。
 皆が席に着いたのを確認してから先生が言った。
「今日からこのクラスに新しいメンバーが加わるわよー。加わるっていうより元に戻るって感じだけど」
 先生の意味深な一言に教室中がざわつく。
「皆、静かにして。じゃ、福井君入ってきてー」
 先生の言葉に合わせるように一人の少年が入ってきた。見た目は小学生だが大人びた雰囲気を持つ少年。
「福井君は今まで家庭の事情があって欠席してたけど、家庭の事情から解放されたので来れるようになったのよー。皆仲良くしてねー」
 先生の言葉にペコリと頭を下げる。
「席は、梨依さんの隣ねー。そこしか開いてないし」
 福井君は黙って頷き私の隣に来た。
 席に着いて朝の会が始まった時、彼が小声でこう言った。
「あのときはありがとう」
 一瞬何のことか分からなかったがすぐに昨日のことを思い出して
「うん」
 と笑った。
 きっと彼のお母さんは助かったのだろう。彼がここにいるのが証拠だ。
「あと、お願いがあるんだけど……」
 彼がためらいがちに言葉をつむぐ。
「朝の会終わったら言うね」
 しかしそれは無理だった。
 人気になった福井君は他のみんなに囲まれてしまったから。

 結局聞くのは帰りの会の後になってしまった。
 帰りは双子と一緒に帰るので双子とも一緒に聞く事になった。
 彼は
「まあ、あの二人にも関係あるし……」
 と呟いて一緒に聞く事を了解してもらえた。

「あのね、僕を仲間に入れてほしいんだ」
 放課後の玄関で彼はそういって頭を下げた。
「仲間に入れてほしいってことは、友達になるってことでいいかな?」
 和人君が戸惑い気味に返すと
「はい!」
 と晴れやかな笑顔で返してくれた。
「私は別にいいけど二人は?」
 私が聞くと
「いいと思う」
「別にいいんじゃない?」
 二人なりの肯定の返事が返ってきた。
「じゃあ、改めてよろしく」
 そう笑って握手を求めると彼は笑顔で握り返してくれた。

—END—
あとがき
何とか終わった……。
次は何かこう?

Re: 短・中編集(参照300突破感謝!) ( No.52 )
日時: 2014/07/27 11:41
名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)

たい焼き

 皆は、たい焼きはどこから食べるのかな?
 私は温かいを通り過ぎて熱い焼きたてのたい焼きを見つめつつ思った。
 頭から、尻尾から、真ん中からなどいろいろなところから食べるだろう。
 ちなみに私は尻尾派だ。
 だって、
「ことりはそんなに足速くなりたいの?」
 一緒にたい焼きを食べてる梨恵が聞いてきた。
「あったりまえでしょ? もう、頭がよくなるのは諦めているから」
 私は梨恵に言い返す。ししゃもにもあるけどこういう伝説は信じるタイプだ。勿論占いも。
「まあ、私も信じているけどね。でも全然頭よくならないんだよなあ……」
 頭から食べている梨恵が言う。でも、平均点を軽々上回るのは“頭が悪い”とは言わないと思う。私は平均点より少し低いくらい。
 しばらく無言でたい焼きを冷まし口に運ぶ。
「やっぱり、あんこはおいしいなあ」
「え? クリームでしょ」
 私はあんこ派、梨恵はクリーム派だ。
「あんこの方がおいしいよ! だってこしあんと粒あん二種類あるし、そっちのほうが“たい焼き”っぽいじゃん!!」
「そんなことないよ。クリームのほうがたい焼きに合うよ?」
 それぞれが自分の好きな味のいいところを言う。
「まあ、どっちもたい焼きだけどね」
 梨恵がそういって締めくくる。
「そうだね」
 私は頷いた。
「やっぱりクリームおいしい〜」
「いや、あんこだしっ」
 このあと二時間ほどけんかして「どちらもたい焼き」と言う結論にたどり着いた。

—END—
あとがき
あなたはどっち派ですか?
ちなみに私は頭から派です。味はどっちも好きですが。(誰も聞いてない)

Re: 短・中編集(参照300突破感謝!) ( No.53 )
日時: 2014/07/28 16:10
名前: 夕陽 (ID: KVjZMmLu)

なりきり掲示板で自分の演じているキャラがあまりに楽しかったのでそのキャラで物語書きます。
設定はなりきりと違います。キャラは一緒ですが。

雨宮姉妹といとこ

「おっはよ!」
 朝六時。元気そうな声と共に一人の少女がみなづきの部屋に飛び込んできた。
「おはよう、さつき。急にドア開けないで」
 さつきと呼ばれた少女は黒い肩につくくらいの髪の毛をおろしている。窓から入ってきた朝日の光にキラリと反射する。
「いいじゃん。っていうかお姉ちゃん起きてたなら早く朝食食べようよ! 今日はむーの家行くんでしょ?」
 さつきにお姉ちゃんと呼ばれた女性はみなづき。さつきとは二歳しか違わないがどうしても彼女は大人という感じだ。落ち着いた雰囲気や凛々しいたたずまいがそのイメージをさらに増強させている。
「はいはい。ご飯はまだ作ってない?」
「大丈夫! もう作ってあるから」
 さつきは早く早くというようにみなづきを引っ張っている。

「美味しい」
 みなづきがさつきの料理を口にした感想はこれだった。
「いつもやらないから出来ないのかと思ってた」
 食卓に並んでいるのはご飯、わかめと豆腐のみそ汁、焼き魚、おひたしと和風のものだ。
「ふふふ……、お姉ちゃんこれで私を見直した?」
「あと数学と社会と理科と英語が出来るようになったら見直すよ」
「それ、絶対無理だし!」
 さつきは国語以外の五教科は苦手だ。国語は九割の点数は必ず取れるがそれ以外は右手だけで数えられる点数。

「ごちそうさまでした」
 みなづきが食べ終わったのを見計らったようにさつきは
「じゃあ、食器洗ったらすぐ行こう!」
 と食器を洗うために食器を持っていく。

「むーの家行こう!」
 さつきはそう宣言して自転車で15分くらいにあるいとこの家を目指した。みなづきと一緒に。

 むーことむつきの住む家にやってきた二人はチャイムを鳴らす。
「誰?」
 機械越しだがむつきの声だと二人はすぐ分かった。
「みなづきとさつき」
 みなづきが代表して名乗る。
 そうすると声が返ってくる代わりにドアが開いた。
「入って」
 むつきはそう言って自分は中に入る。

 むつき、フルネームで言うと村雨むつきは雨宮みなづき・さつき姉妹のいとこに当たる。気だるそうな態度やほとんどしゃべらない(ただしゃべるのがめんどくさい)人だがそこそこ容姿はいいのでそれなりにはもててる。

「で、今日は何の用?」
 むつきはめんどくさそうな態度を隠しもせず訊ねる。
「今日はおばさんいないから家事しにきた」
 みなづきは昨日お母さんから聞いていた情報をむつきに伝える。
「そーいや母さんいねーな」
 むつきは今気付いたようで辺りを見回す。
「朝ごはん、食べた?」
 さつきが聞くとむつきは無言で首を横に振る。
「じゃ、作るか」
 さつきは調理するためキッチンに移動する。
 彼女の自分の家の次に慣れ親しんだ家はむつきの家だろう。
「何食べたい?」
 キッチンからリビングでくつろいでいるむつきに声をかける。
 ちなみにみなづきは掃除中だ。
「何でもいい」
 こう返ってくるのは90%予想済みだ。
 残りの10%はサンドイッチなどの好きなものを指定するか何もいらないという可能性だ。
「じゃあ、簡単にトーストにイチゴジャム塗るだけでいいか」
 あまりむつきは食べないので料理は少量でいいかと考えて簡単な料理を作る。

「できたよ!」
 さつきがむつきに持っていく。
「むー、さつき、そこどいて」
 掃除中のみなづきがそう言って移動を促す。
「はあい、ほらむーもどいて」
 どうでもいいがむつきはさつきの一つ上、みなづきのひとつ下の十七歳である。
 つまり、さつきは年上に命令しているようなものだ。
 しかしそれを注意するものはいない。むつきが特に怒らないのもあるが、それが関係性がしっくり来ているのが一番大きい理由だろう。

「よし、掃除終わった……」
 みなづきが掃除が終わりあとは洗濯物だけだがこれが問題だ。
「ねえ、自分の下着くらい干してくれる?」
 下着があることだ。おばさんのものはそこまで躊躇することはないし、おじさんは出張中なのでいないがむつきのものだけは触るのが少し、いやかなり抵抗がある。
「分かった、自分の分だけな」
 そう納得しむつきは自分の分を干す。
「終わった」
 数分後そういい残し去っていく。きっとリビングでだらだらするのだろう。

「ふう」
 姉妹二人が同じタイミングで一息をついた。
「これで終わったし次は昼食作りだ!」

 時間は12時少し過ぎ位。
 タイミング的にもちょうどいいだろう。

「何か私も手伝うよ」
 みなづきがそう声をかける。
 さつきも料理は上手いが、姉であるみなづきもそれなりに上手い。
「じゃあ、サラダ作って。使う食材はお姉ちゃんに任せるから」
 さつきはそう言って自分はサンドイッチ(卵・ハム&レタス)を作っている。

「完成!」
「私のほうも出来た」
 二人ほぼ同時に完成する。
「むー、出来たよ!」
 さつきがむつきを呼びに行く。
「何が?」
「サンドイッチとサラダ」
「持ってきて」
「はいはい」
 いつも通りのやり取りの後さつきがソファに食べ物を置く。
「じゃ、私達は台所で食べるから」
 おばさんに冷蔵庫の中のものは自由に使ったり食べたりしてもいいと許可をもらっているので、みなづきとさつきは食卓に座って食べる。
「お姉ちゃんのサラダもう少し色を加えてもよかったかも。コーンとか入れてさ」
「さつきはレタスが大雑把にちぎりすぎ。こんなにレタスが出てるよ」
 二人はそれぞれだめな所を言い合う。
「味は普通に美味しいね」
「サンドイッチも美味しい」
 味はどっちも美味しかったようだ。

「ごちそうさま」
 二人は声を合わせていい、食器洗いはみなづき、テーブルの上の掃除はさつきがする。

「じゃあ、夕飯はおばさんが作ってくれるから私達はもう帰るね!」
 さつきがそう言い、
「じゃあね」
 みなづきが別れの言葉を言って二人は自分の家に帰った。

「ただいま!」
「ただいま」
 二人は家に着いた。
 両親は仕事中なので誰もいない。
「じゃ、ご飯作るか」
 両親もすぐ帰ってくるだろうということで4人分作る。

 完成したカレーを器によそって食べる。
「ふつう」
「そうだね」
 特に会話もなく黙々と食べる。

「ただいま」
「帰ったよ」
 そのときほぼ同時に両親の声がした。
「お帰り!」
「おかえりなさい」
 二人が席を立ち玄関に行く。
「いいにおいだな。カレーか?」
「みなづきもさつきもいつも料理用意しておいてくれてありがとね」
 お父さんとお母さんがそう声をかける。
「えへへ」
 さつきは嬉しそうだ。
「じゃ、一緒に食べよう」
 もう一度今度は家族全員でいただきますと言う。
「皆で食べると美味しいな!」
 さつきはにっこり笑った。

—END—


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