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ぼくらのいるばしょ。
日時: 2010/01/06 00:40
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

この小説は、軽く読んでください。何か、「子供って残酷だなぁ」って思うような感じになってしまってます。汗

■登場人物■

広瀬トモ(ひろせとも)
11歳 みんなより年が1つ上なため、お兄ちゃん的な存在。愛称は「トモくん」「トモ」。妹の楓が純粋に好き。

広瀬楓ひろせかえで
10歳 可愛らしい顔立ちでモテる。クラス委員。兄であるトモの事が恋愛的に好き。

宮岡マコト(みやおかまこと)
10歳 楓のクラスメイト。 ヤンチャでムードメイカー。虫を食べ、人間に興味がある殺戮好き。

石垣青いしがきあお
10歳 常に音楽を聞いており、あまり騒がない。人の体の部分をコレクションしており、切った爪やかさぶたまで収集している。

竹内裕也たけうちゆうや
11歳 2年前に引っ越してきた金髪の少年。耳にはピアスまでしてある。人が苦しんでいる姿に快感を覚えている。

桜崎庵(さくらざきいおり)
18歳 アパートの住人で一人暮らし。具沢山のラーメンを作ってくれる。人間、特に大人が嫌い。

画像>>78   現在の登場人物>>89

イメソンhttp://www.youtube.com/watch?v=qHJa3mKeoKg

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Re: ぼくらのいるばしょ。 ( No.13 )
日時: 2009/12/26 00:22
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

山で遊ぶの禁止令が出て、僕らはめっきり退屈になった。 何もない公園で、グダグダと汗を流す事に精を出す。
「なーんかねーかなー」 さっきから同じ事ばかり言っているよね、キミ。 麦藁帽子を深く被って、マコトが直射日光を遮ろうと奮闘する。
「どっかに、何か落ちてないかな」 もうその髪の色が麦藁帽子のような裕也が、青ちゃんとヘッドフォンを共有しながら呟いた。
「・・・・・・・・・・引っ張らないで」
「あ、ゴメン」
楓も退屈そうに欠伸をしている。
「ね〜、もう行かない? お母さんの言う事なんて、どうでもいいし」
悪い子だ。 小悪魔だ。
「ね、トモくん」 「うん、そうだね。 行ってみようか」
マコトが顔を上げる。 「おー、親に内緒でっつー事だよな! おもしろそー」
「じゃあ、決まりだね」
青ちゃんと裕也も賛同なのか、ヘッドフォンをつけたまま立ち上がる。
「・・・・・・・・・・トモ、怒られない?」
「怒られても、平気だし」
青ちゃんは、何故かものを言うときに一度躊躇って、間を空けてから発言する。
何でだろう。
言葉を選んでいるのかな。
「・・・・・・っ、裕也。 耳痛いから、返して」
「あ、悪ぃ」
両耳にヘッドフォンを入れて、ようやく落ち着いたのか、長く息をつく。
ボサボサの金髪を掻き揚げながら、裕也が眠そうに欠伸をした。



と、言う訳で。 僕らは山の方へレッツラゴー。
やっぱり坂道は青ちゃんが一番最初に登った。
「おま・・・・・っ、体力ありすぎだろー! 分けろー」
「・・・・・・・・いいけど、分けれないでしょ」
ごもっともな突っ込みを返しながら、汗一つかかずに選曲する。
この前人間様のお陀仏を見つけた所まで行く。
すると、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
と、とととととととと??
男がいた。
「あちゃぱー」 楓が意味不明な声をあげる。
男は、見るからに不潔で髪もヒゲも伸び放題で、臭かった。
そして、僕らがこの間見つけたお陀仏様をビニール袋に入れている。
解体、して。
お互いに、どうしてよいのか判らず、時間がそのまま流れる。
「あの、すみません」
仕方ないか。
「安東さんでいらっしゃいますか?」
「トモ、こいつ知ってんの?」
マコトが聞いてきた。

「昨日のニュースで、木下さんと安東さんっていう二人のホームレスが行方不明って言ってて・・・・。 亡くなった人の格好がホームレス風で、二人の年から言えば、安東さんが30代ごろだから・・・・・・そうかなって」
「トモくんかしこいっ!」
楓に頭を撫でられた。 うきゃー幸せ。
んで、推定安東さんはしばらく僕を見ていたけど、急に笑って、
「トモくん? かしこいっ!」
楓のまねをした。・・・・・・いや、楓のまねって言ったら楓に失礼極まりない。 悪寒が走るほど不快だ。
「そ、俺がアンドーさん♪ アンドーさんだよ」
「・・・・・・・・2回も、言わなくていい」
青ちゃんが静かに言った。 安東さんには聞こえなかったみたいだけど、僕ら全員には聞こえていた。
「何してるんスかー?」
「ん? えっと、俺この人ちょっと殴っちゃったからね、隠してるの」
マコトが感心したように口笛を吹く。
つまりはー、アレね。 殺人事件。 僕らもまたとんでもない事に。

「でさ、今気づいたんだけど。 この人、目が一個無いんだけどね。 誰が取ったのかなぁ〜」
撫でるように僕らを見てくる。
青ちゃんをチラッと見たけど、表情一つ変えずに音楽を聴いている。
「悪い子だねぇ」 お前ほどでもありませんが。
男の手を見る。 ナイフが握られていた。
楓だけは守ろうか、うん。
僕は楓だけのナイトだから! 阿呆か、僕は。

Re: ぼくらのいるばしょ。 ( No.14 )
日時: 2009/12/26 11:14
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

明らかにヤバめなこの状況。 考えろ、考えろ。 楓を後ろに隠す。
「悪い子は、いねがー」 何だ、コイツ。 頭おかしいんじゃねぇの?
安東さんがこっちに向かって走ってくる。
逃げ出した。
僕らはもうタヒぬ気で逃げ出した。
おっと、やばっ! 転びそうになった! 楓の手を引いて、一心不乱に逃げ出す。
一番後ろから来ていたはずの青ちゃんが、先頭の僕を追い越した。
そして何故が立ち止まり、ポケットから素早く何かを取り出した。
「・・・・・・・先、行ってて」
すれ違うとき、そう青ちゃんが呟いた。
振り返る。 青ちゃんの手にペーパーナイフが握られていた。 それを狙い定めて投げる。 見事安東さんの足に刺さった。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!」
転倒し、安東さんが痛さで身悶える。
そこら辺りで僕は前を向いた。 坂道を駆け下りて、細い道を走り、やっと山から抜け出せた。
少し遅れて、青ちゃんも降りてくる。

「凄いな・・・・・・・。 あいつさ、殺.人犯じゃねぇの!?」
マコトが興奮してそう言った。 楓はもうばててヘナヘナと座り込んでいる。
「青、凄かったね」 裕也が青ちゃんのナイフ技に感心してそう褒めた。 それには答えず、青ちゃんは少しだけご立腹そうに、
「・・・・・・ナイフ、また一本捨てちゃった」
足元を小石を蹴る。
小石はかなり遠くに跳んだ。
「わ、私・・・・もう疲れちゃったぁ」
「だ、大丈夫!? ごめん、僕早かったね」
「うーんうん。 トモくんのせいじゃないから」
ハハハと笑いながらピース。 こっちもピース。
マコトが麦藁帽子を脱いで、それで自分を仰ぐ。
「これからどーする? 絶対今戻ったらアイツいるよな」
「公園に行く?」 ありきたりだけど言ってみた。
「それぐらいしかないよねぇ」
楓がウダウダと立ち上がる。
ぬー。 パンツが見えそうになった。 今度お母さんに長いスカートを買ってもらうように言おう。
それは置いといて。

「よし、じゃあ公園に行こうか」
 

Re: ぼくらのいるばしょ。 ( No.15 )
日時: 2009/12/26 20:24
名前: ラビ ◆bIXnO7zfJs (ID: QxM43kDI)

こんばんわー(゜×゜*)
また中毒性の高いものを書いてくれてうれしーです。
「お気に入りのページ」が疾風サンで埋まってますー。
無理しないていどにがんばってくらさいー。

Re: ぼくらのいるばしょ。 ( No.16 )
日時: 2009/12/27 11:47
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

お気に入りのページを「疾風ワールド」にしてください。 真顔ですよ、私。
いや〜、しかしそう言ってくれると嬉しいですね。
何か、書くぜ!!って気になりますよ。

Re: ぼくらのいるばしょ。 ( No.17 )
日時: 2009/12/27 11:54
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

夏休みが終わる頃、山で二人のホームレスの遺体が発見されたってニュースで流れていた。
「いやー、犯人のホームレスさんは何でタヒんじゃったのかなぁ」
他人事のように、お母さんが呟くのが聞こえた。 まあ、実際他人事だけど。
そして、ぼくは殺人犯だ。
だって、ホームレスの安東さんを刺したんだから。
もう、あの名前を封印しよう。 忘れよう。
安東さん………? 誰それ。 はい、リセット。
警察の人も、まさかこんな子供が犯人だって思わないデショ。
だから僕は今も家で、楓と楽しく遊んでいる。

「トモくん、お菓子あーん」 「あーん」
ワガママな妹に育ったものだと、今更ながら実感する。
「トモくん? どこ見てるのー? わたしを見なさい!」
「…………楓」 「あにゃ?」 「大好き」
素直に直球で言ってみた。
楓が呆けた顔をする。
でも、だけど、それでも、
「わたしも、トモくんむっちゃ好きだよ!!」
満面の笑顔でそう答えてくれる。
だいすき。
ダイスキ。
アイシテル?
愛してる。

多分、これからも、ずーぅっと

だいすき。

だから、ぼくが犯人として捕まっても、傍にいてください。
よろしくね。


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