ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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ジャージさん。
日時: 2011/01/05 16:59
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

.


一時のテンションで書いています。
……うーむ。

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Re: ジャージさん。 ( No.180 )
日時: 2011/03/14 12:42
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)



告白しておけばよかったと、思ってる。
どうせ振られると分かっていたのだから、玉砕覚悟でサッパリしたかったと、今更ながら後悔する。
一人暮らしのアパートに戻って、テレビをつける。
一日一回は必ず人が殺されているのね。 みんなどうして学習しないのかしら。
人を殺しても、得るものはその一瞬の満足感だけ。

「あとに残るのは、むなしさだけ」

あの日から一度、あの子と再会した。
と言っても、遠くからチラッと見ただけで、あちらは気付いていないだろうけれど。
ジャージを着た女の子と、何かを話していた。
数年前に見た光景と同じ。

「早く別れてくれないかなー、なんてね」

笑えない冗談を言えるくらいには、私も成長したのね。

Re: ジャージさん。 ( No.181 )
日時: 2011/03/14 13:06
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)



               番外編
            『なるせといちほ』



夏休み。
父方のばあちゃんのお盆かなんかで、おれは田んぼしかない田舎にいた。
ぬー、セミの鳴き声がまじでうるさい。
しかも暑い。 ここ、クーラーきいてないんじゃないかな。
親せきのみんなはバタバタ忙しそうで、おれは一人、縁側でボケーと庭をみていた。 あ、セミのぬけがら発見。

「冷たいモン、いるか?」

後ろから声をかけられて、てっきり父さんかと思ったけど、ちがった。
しらない男の人だ。

「えっと…………けっこうです」
「あっそ。 おまえ、水色の従弟だろ?」

水色さんは、おれが生まれるまえに殺された従姉の人だ。
写真でしか見たことないけど、キツい目をしていたという印象しかない。

「そうですけど」
「俺、水色のアホ兄貴なわけよ」
「………………へえ」

どうリアクションすればいいんだろ。
でも、あまり顔にてないな。

「父親は違うけどな。 今は母親がおまえの父親の籍になってっから、俺も来てるわけだけど」

聞いてないことをベラベラ喋り、その男の人は思い出したように。

「おまえ、コイツと遊んでやってくれねえ?」
「……………………へ?」

今まで気づかなかったけれど、男の人の後ろに、女の子がいた。
ていうか、めちゃくちゃ怪我してる。

「なるせ、挨拶しろよ」
「こ、こんばんわ」
「バカか、お前は。 今は昼だろーが」

ほうたいで両腕グルグルだし、足とか痣いっぱいだし。 
これってどう見ても……………ぎゃくたいっぽいけれど。

「お、おはよう」
「昼だからコンニチハだろうが。だから学校行かせろって言ったのに……。 南里のヤロウ」

男の人の足にギュッとしがみついているその子は、特におびえてもいなかった。
うーん、だけどこの場合おれってどうしたらいいんだろう。 怪我いっぱいしているから、走れるのかな。

「こいつ、成瀬って名前だから。 俺の弟のガキ。 仲良くしてやってくれ」
「…………………いいですけど、だいじょうぶですか。 怪我、してるけど」

男の人は苦笑いして、なるせちゃんの頭をなでる。

「まあ、だいじょうぶだ」

Re: ジャージさん。 ( No.182 )
日時: 2011/03/14 18:48
名前: 氷兎 (ID: 8hgpVngW)

真夜きゅんがいてくれるだけでアタシはお腹いっぱいです^^
えへへ……((

Re: ジャージさん。 ( No.183 )
日時: 2011/03/14 22:31
名前: アキラ (ID: xDap4eTO)
参照: 只今コメできない状態



けっきょく男の人になるせちゃんを押し付けられてしまった。
ものすごく気まずい。
おれの隣に座って、ほうたいが蒸れるのか手首を爪で掻いている。

「……………………………」

きれいな子だと、おもった。
おれのクラスにもここまできれいな子はいない。少しきんちょうしながら、声をかけることにした。

「…………………………………」

だから、なんか話しかけろよ。
………なにを?

「さっきの人、かっこいいね」
「しんやお兄ちゃんのこと?」

不透明な声がした。 なんだか人形のような子だなぁ。
それにしても、さっきの男の人はしんやって名前なのか。

「すごくなるせに優しいんだよ。なるせ、しんやおにいちゃん大好きなの」
「へぇ」

お気に入りのオモチャを自慢するような表情だな。

「怪我ばかりしてるけど、どうしたの?」
「え? お父さんがやったんだよ」

サラリとなるせちゃんが告白する。
ん、おとうさん?

「きみのほうこそ、どうして怪我してないの?」
「どうしてって……」
「おとうさんから殴られたりしないなんて、ふつうじゃないよ」

ちがう。
なるせちゃんはどこかおかしい。
だって普通じゃないのはなるせちゃんのほうだから。

「いちほくん、変なの」

なるせちゃんが笑う。
目を細めて、口もとをゆるめて。
笑ったときの八重歯が、かわいいと思った。












Re: ジャージさん。 ( No.184 )
日時: 2011/03/15 09:16
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

真夜くんは健在です!
>氷兎さん


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