ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Peace Keeper
日時: 2011/03/24 22:40
名前: 朱音 (ID: z1wKO93N)

自己紹介、ですかね。

どうも初めまして。初めましてじゃない人は二度目まして。朱音と申す者です。
二次の方で小説を書いておったのですが、どうも自分でも話を一から作りたいなという変な欲求というか衝動というかに駆られまして。で、小説を立ち上げさせていただいた所存でござりまする。
え? ふざけてるようにしか見えないって? ふざけてるようで真面目なんです。実は。なにぶんB型なもんで。(全国のB型に謝れ

・更新は遅いです。キッパリ言います。遅いです。
・荒らし……まぁ、来ても私は気にしませんけどね、多分。
・ザ・ベスト・オブ・駄文なんで読みにくいです。あしからず。

それでも読んでくださるという方、係員の指示に沿って、あせらず奥のほうへお進み下さい↓↓↓

「様」とか「さん」づけされるのは苦手なんで、呼ぶときは「朱音」でいいです。タメ口でもかまわぬ。というかタメ口でお願いします!




キャラ紹介 >>7 絵>>31
序章 >>1
第一話 「最強meets最恐」>>2-19
第二話 「最恐アゲイン。」>>20->>47
第三話 「紅色サマーバケーション」>>55-109
第四話 「本格始動」>>110-

★番外編 >>48-54

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第三話 「紅色サマーバケーション」 01 ( No.55 )
日時: 2011/03/16 11:03
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)
参照: まぁまぁまぁまぁまぁまぁにしないで

 あれから二週間と少し。
 日向は日差しのよく当たる窓際の席で、まるでスルメにされたイカのようにしなびていた。
 時間は午後一時。最も暑い時間帯である。

 「暑い」

 ポツリと少女は呟き、机にくっつけていた頬を離して前を向く。日直が消し忘れているのか、黒板に書かれている文字は四時間目の数学のときの物だった。
 日向はゆっくりとした動作でカーテンを閉め、窓を開ける。
 昼休みの教室は、生徒の数もまばらだ。今この教室には日向と、女子が二人、男子が一人だけだった。
 昼休みのクーラーの使用はなぜか禁止されている。どうやら節約のためらしいが、一番暑い時間帯にクーラー禁止ってどうっスかね、と日向はたまに思う。否、いつも思う。

 「暑い」

 「日向、聞き飽きたって」

 「悪ィ」

 日向の後ろで、塾の宿題をしていた女子生徒が、若干キツめの口調で言った。
 ぬるい風が、教室の空気をかき回す。

 あれから、
 赤沼の襲撃を受けてから、もう二週間以上が過ぎた。
 傷はもうすっかり癒え、体調もメンタル面もベストに戻った。

 (…………見つかってねーとか、マジかよ)

 この二週間、一度も赤沼は東区に現れなかった。

第三話 「紅色サマーバケーション」 02 ( No.56 )
日時: 2011/03/16 11:04
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)
参照: とんとんとんとんとんとんといかないで

 嵐の前の静けさ、という表現が一番正しいだろう。
 何か引っかかる。悪い予感が何度も何度も日向の胸をよぎる。

 だから、行ってみた。

 一週間ほど前のことである。日向は単身、赤沼の通う高校−−私立悠ヶ谷高校(ゆうがだにこうこう)へと乗り込んだ。
 高校の判別はそう難しくなかった。
 あの日、赤沼の着ていたワイシャツに縫いつけられていたワッペン。その紋章は、誰もが知る有名私立校の物だったからだ。
 乗り込んだ、と言っても、校内に入ってバットを振り回して暴れたわけではない。そもそもその高校があるのは北区であり、管轄外であるため、いかに風紀委員長の日向でも手を出せない。
 少しでも赤沼の情報を得る。そしてあわよくば戦線布告。
 無謀で突拍子もない計画。彼女の性格をよく表していた。
 相手は限りなく恐ろしく、危険。仲間をそんな危険にさらすわけにはいかない。だからこそ日向は、この計画を一人で実行したのだ。

 (……にしても、まさかな……)

 そこで得られた情報は、あまりにも意外だった。




 七月十日、午後四時半。異ノ国市北区。

 「……うわ」

 悠ヶ谷高校を見たときの、日向の最初の感想がこれだった。

第三話 「紅色サマーバケーション」 03 ( No.57 )
日時: 2011/03/16 11:05
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)
参照: でゅっおでっしむ! でゅっおでっしむ!

 大学並に広い校舎を、煉瓦造りの壁が取り囲む。校舎は外から見ているだけで五棟もあり、体育館もばかでかい。
 校庭もだだっ広い。サッカーのゴールや野球のバックネット、陸上のトラックなどが並んでもまだ余裕がある。
 芝生の敷かれた中庭にはたくさんのベンチ。周りには青青とした葉を茂らせる木が規則正しく並び、マイナスイオンや何やらがここまで漂ってくるような錯覚を覚える。

 「……うわ」

 もう一度、日向は呟いた。
 とりあえず来てはみたものの、日向は本当にここが赤沼の通っている高校なのかと不安になってきた。

 「イメージ、違いすぎだろ……」

 この高校と赤沼を一本の線で繋ぐことは、日向には難しかった。というか、できなかった。

 どうしようか、やっぱ帰ろうか。日向が悶々と悩んでいた矢先、不意に女の子の声が聞こえた。
 日向は顔を上げる。黒髪セミロングとツインテールの二人組が、日向に近づいて来ていた。どうやら帰るところらしい。

 「あ、あのっ」

 「んー?」

 少し慌てたような声を日向がかけると、二人は同時に日向の方を向いた。不思議そうな顔をしたツインテールは日向に近寄り、年下だと認識したのか、

第三話 「紅色サマーバケーション」 04 ( No.58 )
日時: 2011/03/16 11:06
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)
参照: でゅっおでっしむ! でゅっおでっしむ!

 「どうしたの? 迷っちゃった?」

 と、少し舌ったらずな声で聞いた。セミロングも近づいてくる。

 「あ、いや……ちょっと聞きたいことがあるんスけど……」

 「なになに? どしたん?」

 セミロングが明るく答える。日向は少しどもりつつ、覚悟を決めたように、



 「赤沼……って、知ってますか……?」



 日向は二人の目をしっかりと捉え、聞いた。
 二人は顔を見合わせ、少しばかり目をぱちくりさせた。急に何? とでも言うような顔で。
 ぶおん、と風が吹いた。なかなかに気まずい沈黙である。

 「……えと、知らなかったら別に−−」



 「もしかして、あなたも赤沼君のファン!?」



 はぁ? と。
 日向は一瞬、自分の耳を疑った。とりあえず頬をつねってみる。
 痛い。夢ではない。
 夢ではないのが未だに信じられない。今度は日向が目をぱちくりさせた。が、目の前の二人は霞のように消えたりはしなかった。夢ではないと、日向は再認識する。

 「赤沼君、人気だねぇ。アイドルみたい」

 「…………赤沼が、人気?」

 酸欠の魚のように口をぱくぱくさせながら、日向がかすれた声で聞く。

第三話 「紅色サマーバケーション」 05 ( No.59 )
日時: 2011/03/16 11:09
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)
参照: でゅっおでっしむ! でゅっおでっしむ!

 いやいやいや、と日向は心の中で否定する。あの赤沼が人気者? アイドル?
 日向は、この学校では「人気者」や「アイドル」という言葉を「危険人物」や「変人」という意味で使うのだろうか、とさえ思った。それほど、ツインテールの言葉は衝撃的だったのである。

 −−とりあえず、落ち着け俺

 日向はとりあえず深呼吸をする。そして「赤沼がアイドルに匹敵するほどの人気者である」というなかなか受け入れ難い現実を無理矢理脳味噌にインプット。
 覚悟を決めて二人に聞く。

 「…………えっと、人気……って?」

 かすれた声しか出なかったがどうにか伝わったらしい。そう、伝わった途端にツインテールは真っ赤に染まった頬に手を当て、

 「そうだよ〜。バスケ部のエースでねぇ。それはそれは格好良かったんだよ」

 「運動もできて成績もいいし、顔はカッコいいし、おまけにすごく優しいし! そりゃ人気出るよねー」

 セミロングも、ツインテールと同じように頬を真っ赤に染めている。暑さのせいではないことは一目瞭然だった。
 魂が抜けたように呆然とする日向を差し置き、二人は話を進める。

 「確か、バスケの特待生で入ってきたんだよね?」


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