ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Peace Keeper
日時: 2011/03/24 22:40
名前: 朱音 (ID: z1wKO93N)

自己紹介、ですかね。

どうも初めまして。初めましてじゃない人は二度目まして。朱音と申す者です。
二次の方で小説を書いておったのですが、どうも自分でも話を一から作りたいなという変な欲求というか衝動というかに駆られまして。で、小説を立ち上げさせていただいた所存でござりまする。
え? ふざけてるようにしか見えないって? ふざけてるようで真面目なんです。実は。なにぶんB型なもんで。(全国のB型に謝れ

・更新は遅いです。キッパリ言います。遅いです。
・荒らし……まぁ、来ても私は気にしませんけどね、多分。
・ザ・ベスト・オブ・駄文なんで読みにくいです。あしからず。

それでも読んでくださるという方、係員の指示に沿って、あせらず奥のほうへお進み下さい↓↓↓

「様」とか「さん」づけされるのは苦手なんで、呼ぶときは「朱音」でいいです。タメ口でもかまわぬ。というかタメ口でお願いします!




キャラ紹介 >>7 絵>>31
序章 >>1
第一話 「最強meets最恐」>>2-19
第二話 「最恐アゲイン。」>>20->>47
第三話 「紅色サマーバケーション」>>55-109
第四話 「本格始動」>>110-

★番外編 >>48-54

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下手絵晒しちゃいますぜ? ( No.31 )
日時: 2011/03/15 09:42
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id=172.jpg

キャラ絵はっつけ。日向ちゃんの設定画っぽいものです。色々とアレだけど突っ込んだら負けなのよさ。

追加→★tt★://loda.jp/kakiko/?id=274
赤沼君の絵。所詮私が描けるイケメンなんてこの程度さ。

第二話 「最恐アゲイン。」 05 ( No.32 )
日時: 2011/02/06 11:56
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)
参照: 美丘かわいいよね。トリスのCM超かわいい。

 日がようやく西に傾きだし、辺りがだんだんオレンジ色に染まりだした。校庭からは陸上部と野球部の威勢のいい声が聞こえてくる。
 風紀委員としての仕事を終えた日向は、鞄を肩にかけて校舎を出た。表情は、重い。
 日向がきぃ、と重い扉を閉めると、後ろから沙羅が急ぎ足で駆け寄ってきた。

 「ひーなたっ! 一緒に帰ろ!」

 そう言って、沙羅は日向の肩をぽん、と叩いた。日向は無表情のままこくりと頷き、すたすた歩き出す。

 「じゃな、沙羅。日向がどっかに頭ぶつけないようしっかり見てるね」

 オレンジに染まった下駄箱から、開封がばいばいと手を振る。沙羅は苦笑し、

 「そ、だね……」

 開封は今日残業がある。残業といっても普通の会社のような本格的な物ではない。ただ単に「李先輩、経理ちょっと手伝って下さい」と後輩の風紀委員に頼まれた開封が「アイヤー」と答えただけなので、残業と呼べるかも怪しい。カイ、今日夜勤だよと沙羅が聞くと、人数もわりといるし、ま、すぐ終わるねーと彼はけらけらと笑っていた。

 と、いう訳なので日向と沙羅は今日は非番。風紀委員は特例を除いて部活に入ることができないので、彼女たちは今や帰宅部と呼んでも差し支えない。
 広い運動場を横切り、二人は校門へと向かう。すたすたと沙羅の前を歩いていた日向の足が、ふと止まった。

 「……どしたの? 日向」

 同じように足を止めた沙羅が聞く。日向の視線は、彼女の左側の運動場へと向いていた。
 
 そこにあったのは、汗を流しながら練習に励む野球部たちの姿。
 
 悲しみとも何ともとれない表情で、日向は野球部を見ている。何を考えているのか、その表情からは何もわからなかった。

 「新島センパイ、だいじょぶだよ、きっと」

 無表情な日向の後ろで震える沙羅の唇が言葉を紡いだ。

 「きっと、」

 「………………ああ、そう、だな」

 沙羅の言葉を途中で遮るかのように、日向は呟いた。まるで己に言い聞かせるように、その目はどこでもないところを見つめていた。

 「仮にも、野球部のエース、だもんな。やられるわけねっつーんだな。……そうだ、そうだよ」

 口の中で言葉を転がすように、日向は言う。

 「沙羅」

 日向は沙羅の方へ振り返って、


第二話 「最恐アゲイン。」 06 ( No.35 )
日時: 2011/02/06 11:58
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)
参照: 美丘かわいいよね。トリスのCM超かわいい。

 「ありがとな。俺、ちょっと揺れてた。新島センパイがあんな奴にやられるわけねーのに、一番しっかりしねーとダメなのは俺なのに」

 そう言った彼女の顔は、いつもと変わらぬ明るさと覇気に溢れていた。安心できる暖かい日溜まり、「日向」のような笑顔。
 いつもと変わらぬ朝岡日向が、そこにいた。

 「……っしゃ! 今日はさっさと課題終わらせて、新島センパイの見舞いでも行くか! もちろん来るだろ?」

 いつもの明るさを取り戻した日向を見た沙羅は、一瞬ポカンとした顔になった。日向の急激な変化に沙羅の表情筋はついてきてないのか、彼女はその表情のまま「あったりまえじゃん」と返す。日向は満足げに頷き、左手に握りしめた鞄と腰に携えた金属バットを揺らしながら走り出す。

 「沙羅! おいてくぞ!」

 「へっ? ……あ、日向! 待ってよー!」

 高台に建つ異ノ国東中学校。校門をでた先には比較的ゆるやかな下り坂が五十メートルほど、カーブしながら続いている。その坂を降りた先に駅があり、それは住宅街へと続いている。日向の家までは十分ほどで着くが、病院までは車で十五分、今は四時半、そして面会は原則五時まで。

 日向の足が速くなるのも無理はないだろう。彼女は後方にいる沙羅をおいて行きつつスピードを上げ、建て前上は校門の二本の石柱から勢いよく飛び出して

 気づいた。

 自分の右後方、石柱にもたれかかってこちらを見ている黒いもの。
 身長は180センチほど。病的なほどに白い肌、それにかかる黒髪をカチューシャでまとめ、左目の下には大きな絆創膏。そして、伏し目がちな漆黒の瞳。
 見覚えのある姿。忘れようとしても忘れられない、心に焼き付く幻影のような青年が、
 赤沼幽人が、立っていた。

 「や」

 親しげに手を振る赤沼。顔こそにこやかだが、その背中からは恐ろしいほどの殺気がたちのぼっている。
 畏怖が、恐怖が、日向の体を蝕んでいく。カタカタとその足は恐怖に震え、じっとりと背中が汗ばむ。

 「昨日はどうも。日向、忘れ物しただろ? だから届けに来たんだ」

第二話 「最恐アゲイン。」 07 ( No.37 )
日時: 2011/02/06 12:01
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)
参照: GANTZ誰か一緒に見に行かないか

 赤沼はそう言い、左手に握った物をひらひらと振る。革のような質感の黒っぽいそれは、日向の生徒手帳だった。
 にこりと笑った赤沼は、それを日向に投げる。二人の距離は三メートルにも満たない程だったので、生徒手帳は問題なく日向の手に吸い込まれた。

 「それじゃ、ボクはもう帰るね。ああ、夜道には気をつけろよ? 最近物騒だしね」

 石柱から背中を離した赤沼は、我関せず、とでもいうような表情で日向の前を横切る。ぬるい夏の風が、彼のネクタイを揺らす。

 「あれ、日向、どうし−−」

 小走りで校門から出てきた沙羅の表情が硬直する。驚愕に見開かれた目から、色が失われていく。

 「あ……赤沼……。どうして……?」

 震える沙羅の声。赤沼はくるりと振り返り、

 「……ボクのこと知ってるの? 嬉しいなぁ」

 にこり、と微笑んだ。珍しいオモチャを見つけた子供のような笑み。それはまるで仮面のように彼の顔に貼り付いた。
 日向の脳裏に、昨日の映像がフラッシュバックする。血の飛び散った塀に、おかしな角度に折れ曲がった不良たちの手足。血の紅と骨の白、そしてドス黒い赤沼の狂気。
 忘れ去ってしまいたい記憶が、じくじくと膿み続ける傷のように日向を蝕む。同時に彼女の心を支配していくのは、自分の大切な仲間を傷つけた、目の前の青年への怒り。

 「…………なんで新島センパイを襲った?」

 ぎろり、と赤沼を睨みつける日向。対して赤沼はきょとんとした表情で、

 「新島? ごめん、誰だか分かんない」

 「とぼけんなッ!!」

 ビリビリと空気が振動しそうな程に、迫力に満ちた日向の怒声。彼女は左手のバットを振りかぶり、赤沼に向かって思いきり振り下ろす。ぶぉん! と鈍い風切り音がした。
 だが、
 不意を突いたはずのその攻撃は、赤沼の脳天ではなく固いコンクリートの地面に当たった。衝撃が日向の感覚神経を通り、秒速何十メートルの速度で脳に達する。痛みに顔をしかめた日向の手から、バットが転がり落ちた。

 「単純なんだよ、日向は」

 顔を上げた日向が見たもの。それは、嘲るような笑みを浮かべた赤沼の顔。
 オレンジの光に照らされ、逆光に顔を蝕まれたその青年は、薄い唇の端を歪めて笑っていた。
 虫けらを見下す人間のように、人間を見下す悪魔のように、嘲笑を浮かべる青年の顔は、少女の逆鱗に触れた。

第二話 「最恐アゲイン。」 08 ( No.39 )
日時: 2011/02/06 12:03
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: JYHezvC8)
参照: インフル流行れ。学級閉鎖かもん!

 漆黒の目が怒りに見開かれると同時に、その華奢な足が地面を大きく蹴った。手首の痛みなど忘れてしまったかのように日向はバットを強く握り締め、赤沼へと突進する。

 「ああぁぁぁぁぁぁっ!!」

 避けられる距離ではない。日向は野球選手に勝るとも劣らないスピードで、ボコボコと凹んだバットを思い切り振る。

 重低な風切り音。確実に当たるはずだったその一撃は、虚しく空を切った。

 「おっそいねぇ」

 どこか楽しげで、どこか退屈そうなその声は、日向の頭上から聞こえた。
 間髪入れずに、日向の身体が衝撃に吹き飛ばされた。後頭部に鈍痛が走り、地面に投げ出された顔面が擦り切れて血が滲む。

 スニーカーの底をならし、赤沼が地面に降り立つ。動きにくい制服であるにもかかわらず、その動きは日向が驚くほど軽かった。

 「…………うそ、でしょ……?」

 沙羅は見ていた。今の瞬間、日向が吹き飛ばされたときの状況を。
 普通の人間なら避けられるはずのない攻撃を、赤沼は避けた。それはもちろん彼がマスターピースであるからだし、沙羅もそのことは開封に聞いていたのでよく分かっている。
 そのことを踏まえても、今の彼の行動は信じがたいものだった。

 日向の攻撃を避けるために、赤沼は二メートルほども飛び上がったのだ。

 赤沼は飛び上がって日向の攻撃をかわし、軽く宙返りをしてその後頭部に踵蹴りを放った。そして日向は顔面から吹き飛ばされた。

 赤沼の能力は「手で触れた物を磁石に変える」こと。少なくとも沙羅はそう聞いた。だが、今彼がやってのけたことはその能力に全く関係のないこと。開封のような能力ならまだしも、彼の能力ではそんなことなど到底出来ないはずだ。

 「日向はシンプルでいいね。光みたいに真っ直ぐだ。ボクとは正反対だよ」

 にこりと笑った赤沼は、倒れた日向へと右手を伸ばす。
 どんな能力を秘めているかも分からない、恐ろしい右手が。

 「……っ、日向に、」

 沙羅の顔が朱に染まる。



 「触るなっ!!」



 沙羅は右のホルスターに手を伸ばし、拳銃を取り出しハンマーを上げて引き金を引いた。その間の時間はわずか0,8秒。サイレンサーで消し去られた三回分の銃声は沙羅の耳にのみ響き、長さ五ミリのゴム弾は青年のうなじ、腰、左腕に、人間が到底目視できない速度で叩き込まれる。

 瞬きすらもかなわないような、そんな時間の中で。

 赤沼はこちらを向いて、笑った。



 「えっ……?」



 瞬間、沙羅の身体にゴム弾が叩き込まれた。
 ゴム弾は風紀委員が使うもので、当たり所がよければアザ程度で済むが、目に当たればもちろん失明。心臓や脳天に当たれば気絶など当たり前ほどの威力を持つ。


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