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死神は君臨する【リメイクバージョン作ります!】
日時: 2012/04/30 13:23
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)

こんばちはございます、萌恵です。
ちなみに、『こんばちはございます』とは、『お早う御座います・今日は・今晩は』が混ざった究極の単語です。
この単語を使って、人生、手間を省きましょう(ぇ
「死神は君臨する」、目次は>>263です。
あッ、(宣伝・中傷等含む)荒らしの方はさっさとUターンして下さいね。

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2011/08/09/12:59 スレッド設立記念日

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Re: 死神は君臨する【更新再開かも…!?】 ( No.255 )
日時: 2011/12/08 19:44
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)

 謎の細菌X——それは、未知の細菌である。この菌が人体に入ったことで起こりうる症状は確定されていない。しかし、摩訶不思議な反応が起こることだけは、解明されていた——。そう、年齢が遡ることも在り得るのだ。そしてそれは、一人の女性に当てはまっていた。
「それが愛理さん……って訳?」
沙羅が、不安げな表情で愛理に問う。愛理は首を縦に振り、「そうよ」と答えた。
「私は、実験台。北城龍之介によって、この細菌の、人体への影響を調べるために、実験台にされたのよ」
そう、あれは夏の日の事だった——
そう言って、藍原愛理は今までの経緯を語り始めた。

 そう、あれは夏の日の事だった。まだ年齢が遡っていない、私がごくごく普通の三〇歳の時だったわ。龍之介に呼び出されたのは。あ、勿論、麗衣も一緒だったわ。私達は、道路近くの杉林にやって来たの。ほら、あの綺麗な花畑があるところよ。そう、そこにいってね……。あの色とりどりの花畑には似合わない、灰色の箱を見つけたの。あの箱は、謎の細菌Xの、増殖にとても良い条件を含んだものらしくて——。あの箱の中にあった注射器を、龍之介が、私と麗衣の腕にブスリと刺したの。すると意識が朦朧としてきて、気が付いたらここに居たの。……え、注射器は何本あったかって?うーん、多分、十本くらいあったんじゃないかな。

Re: 死神は君臨する【更新再開かも…!?】 ( No.256 )
日時: 2011/12/08 19:46
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)

皆さん、読み返してみてください!!
これで、一つ、謎が解けたでしょう?

Re: 死神は君臨する【更新再開かも…!?】 ( No.257 )
日時: 2011/12/09 17:58
名前: 星風 ◆kftSQ9nleM (ID: oylKHb/a)

わぁーーー!!
少し謎が解けました!!

Re: 死神は君臨する【更新再開かも…!?】 ( No.258 )
日時: 2011/12/09 18:11
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)

あれ、さわ子ちゃん……だっけ? どうしたの。顔色が悪いわよ。——ええッ! あなたも、あの花畑で、誰かに襲われたのね……。

 さわ子の「私も、あの場所で誰かに襲われた」という言葉で、藍原愛理は背中からひっくり返りそうになった。
「あなたも、あの花畑で、誰かに襲われたのね……」
「ええ」
相変わらず青ざめた顔で、さわ子が答える。しかし、愛理の方は至って冷静で、「ちょっと考えさせて」と言ったきり、黙り込んでしまった。
 ——数分後。
清々しい顔で、愛理が口を開く。
「さわ子ちゃん、あなた、細菌は投与されてないみたいよ」
「え……襲われたのに?」
「あなたを襲ったのは、きっと、玄次君よ。実はね、玄次君はああ見えて、とっても慈悲深いのよ」
「そうなんですか……」
「多分、あの時まだまだ幼かったあなたを見て、思い直したのね。X菌は投与しないって。だからあの日、玄次君はとても晴れやかな顔をしていたのね——」
「え、でも、だったらなんで今、私達を打ちのめそうとしているんですか?」
「玄次君は、あの日、北城龍之介から、酷い罰を受けたに違いないわ。アカデミーの邪魔をするような人間を、容赦なく殺せと……」
藍原愛理はそこまで言うと、溜息をついた。それから、エレベーターの入り口付近を人差し指で示した。
「あのエレベーターはね、実は、一度に二人しか乗れないの。でもね、このエレベーターは、北城龍之介が入り浸っている秘密の部屋に続いているのよ。さあ——誰が乗るの?」

Re: 死神は君臨する【完結まで猛ダッシュ!!】 ( No.259 )
日時: 2011/12/09 21:48
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)

 レイカは迷った。仲間を捨てて父と対峙するか、仲間に全てを託すか。迷って迷って迷って迷って、迷った。
「レイカ、良い? ちゃんと聞いてね」
沙羅がレイカの肩に手を置いて、言った。
「沙羅……」
レイカが力なく呟くと、沙羅は気合の籠もった声で、レイカの迷いを吹っ飛ばした。
「何を迷ってるの? 行きなさい、このエレベーターに乗って! あなたしか、この惨劇に終止符を打つことが出来ないのよ!」
それから、周囲を見回して、藍原愛理に目を止めた。
「レイカ……藍原さんと行って! 彼女は信頼出来るわ」
「え、私? ……良いわよ、一緒に行くわ」
藍原愛理は頷くと、メルヘンエレベーターのボタンを押した。ウインウイン……という機械音が、静かな空間に響く。
「じゃあ皆……またね」
レイカはそう言って、皆のもとから離れていった。
「レイカ!」
「北城……」
「気を付けてね!」
背後から仲間たちの声が追いかけてくる。レイカはそれを振り切って、愛理と一緒に箱の中に乗り込んだ。ゆっくりと扉が閉まり始める。そして——その、少しだけ開いている扉の隙間から見えた光景。レイカは絶句した。
……その部屋とも言えない空間に残った仲間たちが、いつの間にか兵士によって捕えられていた。

第十二章・完


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