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死神は君臨する【リメイクバージョン作ります!】
日時: 2012/04/30 13:23
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)

こんばちはございます、萌恵です。
ちなみに、『こんばちはございます』とは、『お早う御座います・今日は・今晩は』が混ざった究極の単語です。
この単語を使って、人生、手間を省きましょう(ぇ
「死神は君臨する」、目次は>>263です。
あッ、(宣伝・中傷等含む)荒らしの方はさっさとUターンして下さいね。

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2011/08/09/12:59 スレッド設立記念日

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Re: 死神は君臨する【参照1000突破★】 ( No.235 )
日時: 2011/11/25 21:20
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)
参照: http://www.facemark.jp/facemark.htm

それでも闇の表情は変わらない。無表情で、目の前に立つ沙羅を見据えている。
「や……やめようよッ、喧嘩は……」
美砂が不安げな表情で、二人の間に割って入る。闇の顔が少しだけ曇り、沙羅が攻撃的な目で美砂を見つめた。空気が、絃のように張り詰める。
「…ッ!?」
ドタドタと騒がしい足音、それに続いて、男の物らしい怒号が沈黙を破った。
「この辺りに居るはずだッ、探せええええええええええええええええ!!」
「ヤバい、あれはさっきの兵士たちの声……何十人いるのか、見当もつかない……!!」
闇が珍しく、焦ったように叫んだ。
「早く逃げないとッ!! どこか隠れる場所は?」

Re: 死神は君臨する【参照1000突破★】 ( No.236 )
日時: 2011/11/26 09:11
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: m3TMUfpp)

ぎゃっ! 隠れなきゃ隠れなきゃぁ〜!
……はっ。取り乱してしまった……
沙羅たちはつかまってしまうのかな? 頑張って〜!

Re: 死神は君臨する【参照1000突破★】 ( No.237 )
日時: 2011/11/26 12:40
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)
参照: http://www.facemark.jp/facemark.htm

大丈夫、捕まらせないつもりです!!
本当かどうかは…

Re: 死神は君臨する【参照1000突破★】 ( No.238 )
日時: 2011/11/30 21:20
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)
参照: http://www.facemark.jp/facemark.htm

「……こっち!!」

 誰かが叫び、皆の手を強く引いた。
「わああああああああああああああああああああああああ!!!!」
落ちる、と思った瞬間、少年少女の体は物凄い勢いで落下していった。周りを見渡す余裕も無い。色々な不安が波のように押し寄せてきて、沙羅はがむしゃらに腕を広げた。
「——あッ」
広げた右手に触れる、柔らかい感触。それは誰かの手のようだった。沙羅がその手を握ると、手の主も強く握り返してきた。
「痛ッ!!」
急に堅い地面が現れて、沙羅だけでなくみるくや恵美までそれに打ちつけられる。しかし、その堅さは同時に沙羅を安心させた。
 沙羅達が落ちたそこは、狭い、どことなくメルヘンな空気が漂う空間だった。そして、何気なく周囲を見渡した時、沙羅の目が驚愕に見開かれた。
「レイカッ……それに、正樹まで!!」
そう、そこにいたのは紛れもない、レイカと正樹の姿だった。

第十一章・完

Re: 死神は君臨する【参照1000突破★】 ( No.239 )
日時: 2011/11/30 21:08
名前: 萌恵 ◆jAeEDo44vU (ID: amGdOjWy)
参照: http://www.facemark.jp/facemark.htm

—第十一章 紅い涙— 第十一章をまとめ読み★

 エリカの言い放った一言に、金髪少女はびくりと大きく身体を震わせた。
「…ッ!!死にたくなィ…ッ、マリーゴールドはまだ、死にたくなィ…ッ」
金髪少女——マリーゴールドは目に大粒の涙を溜め、エリカに訴えかけるように言った。しかし、エリカはマリーゴールドのすぐ横を通り過ぎ、まっすぐ勇樹のもとへ走り寄った。
気付けばもう、兵士のほとんどが起き上がり、少年少女を囲むようにして迫ってきていた。
「勇樹さん…大丈夫ですか?勇樹の腹の辺りにあるであろう傷口を探した。すぐにTシャツをめくると、脇腹と背中の境目辺りに大きな打撲傷があり、血が滲んでいた。
「うっ…」
あまりの酷い怪我にエリカは息を呑み、それからハッとしたように傷口の手当に取り掛かった。まず、マリーゴールドの持っていたバッグからタオルとアイスパック、包帯を取り出し、勇樹の脇に座りこんでまず、タオルを損傷部位に置いてから更にアイスパックを乗せ、包帯でややきつめに巻いていく。
「お姉ちゃん…」
急にエリカが弱々しく言ったので、これまで茫然としていたレイカは、驚き交じりに答えた。
「何?」
「私は、勇樹さんに付き添ってる。お姉ちゃんは先に行ってて」
「…!そんなッ、エリカも一緒に——」
「そんなの駄目よ、お姉ちゃん」
エリカは強い口調で言うと、ついさっきマリーゴールドを切り裂いたばかりの鉈を握り締めた。
「安心して。私ね、もう、『ひ弱な』女の子じゃないから」
「…?」
エリカはレイカが驚くすきも与えないうちに、勇樹以外の全てのメンバーを、兵士の輪の隙間へ吹っ飛ばした。


脱落者二人、残り八人——。

そんな言葉が、レイカの脳を稲妻の様に駆け巡った。『脱落者』のエリカと勇樹は、辺りを囲む兵士のせいで見えない。
「…エリカッ!!」
「勇樹!!」
レイカと正樹が呼びかけるが、二人の返事は返ってこなかった。聞こえるのは兵士たちの叫び声。その身体は血に塗れ、紅く染まっていた。
「レイカ、聞いて…」
なおも叫び続けるレイカに、沙羅がきっぱりと言った。
「私達は先に行きましょう」
「!!…なんで、エリカを、勇樹を、置いて行かなくちゃいけないの!?」
「エリカちゃんが、望んだからよ。まだ先に進むことが出来る私達に、進んでもらうことを望んだのよ」
沙羅は静かに言いきると、恵美や美砂を従えて先に歩き始めた。
「あんたは…行くの?」
闇は妙に落ち着きはらった声で呟くと、レイカを冷たく見据えた。
「妹の願いも叶えられないなんて、呆れたよ」
そして、茫然としているレイカに背を向けて、沙羅の後を追っていった。レイカは、しばらく動くことが出来なかった。
 動けないレイカと正樹を後押ししたのは、他ならぬ勇樹の声だった。
「北……城……正樹……」
「……ッ!?勇樹?」
「勇樹……気絶してたんじゃ……」
途切れ途切れではあるが力強い勇樹の声に、二人は息を呑んだ。
「先に…行け!!」
勇樹はそう叫ぶと、また血を吐いて倒れてしまう。「……ガハァァッ!!」
「勇樹ッ……」
正樹が近寄ろうとするが、今度はエリカが制した。
「早く——行って!!お願い!」
…。レイカは静かに、涙を流した。透明の涙は頬を伝い、顎から滴り落ちる。
「——行こう」
意を決したように囁き、正樹の腕をギュッと強く握り締める。
「痛ッ…痛い…」
正樹が訴えかけるように言うが、その声はレイカの耳に届いていなかった。

 そのころ、古森沙羅チームは——。
北城アカデミー本部の広々とした玄関を通り抜け、一階から二階へと通じる階段を探していた。廊下は薄暗く、壁にかかった灯りが時折、ちかちかと点滅している。壁は灰色のコンクリートだ。『普通の』部屋らしきものは見当たらない。だけど、この殺気…。沙羅の洞察力が鋭く光る。
「どうかした、古森ちゃん?」
恵美が聞いてくる。沙羅はそれには答えず、辺りを注意深く観察し続けた。——外観から察するに、この建物は十階建てだろう。それにしても…。人が一人もいないなんて可笑し過ぎる。普通なら廊下でバッタリ遭遇した、なんてことは充分有り得ることなのに。…誰にも会いませんように。ついさっきまでそう祈っていたはずなのに、逆に、誰にも会わないという事実を認めたくないような気がした。
「誰も…居ないんだな」
ふいに背後で声がして、沙羅はびくりと振りむいた。
 そこに建っていたのは闇だった。
「闇…いつの間に?」
「あッ、闇っちだぁー」
今まで後をひっそりと歩いてきたみるくが、嬉しそうな声を出す。しかし、闇の態度は冷たかった。
「お前等、まだこんなトコに居んの?」
…。
ここに居た闇以外の四人は、ほんの一瞬、固まってしまったように動きを止めた。——こんな状況でも、闇は、猛毒の舌を存分に使っているのだ。感心、感心。
「って、ふざけるんじゃないわよッッ!!」
そう叫んだのは、顔を信じられないほど真っ赤に染めた沙羅だった。それでも闇の表情は変わらない。無表情で、目の前に立つ沙羅を見据えている。
「や……やめようよッ、喧嘩は……」
美砂が不安げな表情で、二人の間に割って入る。闇の顔が少しだけ曇り、沙羅が攻撃的な目で美砂を見つめた。空気が、絃のように張り詰める。
「……ッ!?」
ドタドタと騒がしい足音、それに続いて、男の物らしい怒号が沈黙を破った。
「この辺りに居るはずだッ、探せええええええええええええええええ!!」
「ヤバい、あれはさっきの兵士たちの声……何十人いるのか、見当もつかない……!!」
闇が珍しく、焦ったように叫んだ。
「早く逃げないとッ!! どこか隠れる場所は?」

「……こっち!!」

 誰かが叫び、皆の手を強く引いた。
「わああああああああああああああああああああああああ!!!!」
落ちる、と思った瞬間、少年少女の体は物凄い勢いで落下していった。周りを見渡す余裕も無い。色々な不安が波のように押し寄せてきて、沙羅はがむしゃらに腕を広げた。
「——あッ」
広げた右手に触れる、柔らかい感触。それは誰かの手のようだった。沙羅がその手を握ると、手の主も強く握り返してきた。
「痛ッ!!」
急に堅い地面が現れて、沙羅だけでなくみるくや恵美までそれに打ちつけられる。しかし、その堅さは同時に沙羅を安心させた。
 沙羅達が落ちたそこは、狭い、どことなくメルヘンな空気が漂う空間だった。そして、何気なく周囲を見渡した時、沙羅の目が驚愕に見開かれた。
「レイカッ……それに、正樹まで!!」
そう、そこにいたのは紛れもない、レイカと正樹の姿だった。


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