ダーク・ファンタジー小説
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- Nem・e・sis -ネメシス- [気付いたら1200参照]
- 日時: 2016/03/19 23:43
- 名前: NATTU (ID: qQixMnJd)
こんにちは! NATTUというものです!!
実は小説書くの初めてでして、まるるるっと初心者だす!
なので、暖かい目で見てくれたら助かります(汗)
あと、アドバイスがあったら、遠慮なく言ってください! 助かりますから。
ではでは行きましょう! 楽しく書けるかな〜?
- Re: Nem・e・sis -ネメシス- [300参照感謝!] ( No.78 )
- 日時: 2015/07/05 01:17
- 名前: NATTU (ID: eineYqmO)
「んなっ!?」
棺田は驚愕する。
刺当は宙に浮いていた。まるでホバーをからだ中についているように、体が宙から離れていた。
「何、膨大な量の静電気を一斉に操れる。お前は俺が静電気の量だけしか操れないとでも思っていたのか?
俺は量、質、向きや、至ってはその静電気に存在する電磁界すら操る。それが"操作"というものだろう?」
刺当はそのまま右手に持っていた杭を投げ捨てる。静電気で生成していたソードは消え、ただの杭となったそれは、地面にカランッと音を立てて転がっていく。
「あの時は衝撃が大きかったからな、油断しちまった、でも・・・」
そして刺当が右手を広げ、開いた掌を棺田に向けた。
「今回は、全開だ!!」
気付かなかった。いや、気付けなかったのだ。
一瞬。ほんの一瞬だった。
気づいた時には、棺田の目の前に、掌を前に突き出している刺当がいた。
「はっ!!?」
なんだこれっ!! こいつ、何しやがった!!?
そしてこれも一瞬。刺当の左手から、いや、左手に握っている杭ソードから光るものが伸びる。それは一直線に棺田の顔に飛んでくる。
「くっそ!!」
棺田はしかし、その物体を体制を低くすることでかわす。
「甘々だなっっ!!」
すかさず刺当の右から拳が振り下ろす形で棺田の頭部目掛けて飛んでくる。
「どっちがっっ!!」
しかし棺田は右手に握っていたサバイバルナイフを左手に持ち替え、襲い掛かる右拳を右手で受け止める。バシィッと音を立てた後、棺田は刺当の右拳をしっかりと握りこむ。
「捕まえたぞっ・・・!」
そのまま棺田は左手のサバイバルナイフを刺当に向かって刺突する。
「てめぇ、この状況・・・、自分だけ有利だと思うなよっ!!」
その時、棺田の顔目掛けて杭が飛んできた。刺当の左手首についているブレスレットから飛び出してきた杭だったのだろう。棺田は刺当の右拳を離し、横に大きく飛ぶ。
くっそがっ!! あいつにはあれがあった!!
そのまま二回ほど前転を繰り返し、棺田はそのまま片膝をつく形でストップをかける。
「あのブレスレット、まずいな・・・。」
棺田は立ち上がり、刺当から視線を放さぬように警戒する。
もし近づいたらブレスレットから杭が飛んできて、中距離はソード。その気になれば遠距離も杭で代用が効く。隙がねえぞちくしょう・・・。
棺田は左手に握っているサバイバルナイフを強く握りなおす。
「おい棺田、そろそろ出してもいんじゃあないのか?」
急に刺当がそんなことを言い出した。
「今のままじゃお前、勝てないぞ?」
そして刺当はまたしても右掌を棺田に向ける。
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こんちはです! NATTUですよー!!
ひっさしぶりに出しましたよ!? なんかもう、色々忙しかったですよ! ま、単元テスト終わったので投稿しました!
というわけで、久しぶりにこれを投稿しましたが、一言でいうと、「こんなん書いてたっけ?」です。どわすれですねwww
ま、これからもっと忙しくなる(主に部活でちゅ)みたいなので、出せる頻度ももっと減るかも? ですね! ま、暇を見たらかきますねっ
というわけで今回はここまでです。それでは〜、ばいちゃ!
プログラミング言語やってるとTabキー押しちゃう癖ついちゃうから、なんかいちいち飛び飛びになって出しちゃってます。ごめんなさい〜、ほんとは一発で全部出すはずだったんです。
・・・ほんとですよ?
- Re: Nem・e・sis -ネメシス- [300参照感謝!] ( No.79 )
- 日時: 2015/07/06 18:56
- 名前: NATTU (ID: AJl9c6xx)
またかっ!!
棺田は咄嗟に横に飛ぼうとする。刺当がもし一瞬のうちに自分の懐に潜り込むのなら、その場から即座に移動すれば対策もできると踏んだのだろう。
しかし、
「おせえよ!!!」
またしても、目の前には少し距離を取っっていたが、確実に近づいている刺当の姿が映し出される。
「んなっっっ!!?」
驚いている棺田に向かって、刺当はすぐさま左手に持つ杭を横に振る。それと同時に、棺田の目の前に白い光が走る。
「くっそ!!」
しかし棺田は無理に膝をくの字に折り、リンボーダンスをする時のような体勢をさせて回避する。顔を上に向けて体制を取ったので、鼻先を掠める。ソードはそのまま棺田の目の前で光の軌跡を残して通り過ぎた。
「てめぇの回避能力もそこまで行くと化け物だなっ!」
刺当はそのあとすぐに棺田の無理な体勢に向かってソードを振り下ろす。
「ッッ!!」
しかし棺田は左手のナイフを後ろに投げ、そして体制をあえて利用し後ろに体重をかける。そのまま後ろに倒れこむ勢いに任せ、両掌を床につけてそのまま体を丸めた状態の後ろ回りをする。
あえて体を丸めることでソードの当たる範囲を狭めたのだろう、掠りはしたがYシャツが破れただけのとどまる。
棺田はそのまま後ろに投げたままのナイフがある場所まで転がっていき、ナイフが置いてあるところでちょうど体を起き上がらせる。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
棺田は荒い呼吸を整えると同時に、床に置いてあるナイフを左手で握る。
「わかった・・・、お前の技の一つ。
あの瞬間移動、・・・あれは瞬間移動じゃない。俺を引き寄せているな?」
棺田はまっすぐ刺当を見る。それに刺当は口端を歪ませて答えた。
「・・・やっぱりか。」
しかし、棺田には一つの疑問が残った。
なんで・・・その技を俺はかわせなかったんだ?
相手が何かをしてくるなら、俺はそれがどんな攻撃であっても自分の行動できる範囲でなら回避できるはずなのに・・・。
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こんちはー、NATTUでーす(棒)
なんか疲れましたので、こんくらいで勘弁ちてくだちい。
明日単元テストの結果帰ってくるので、爆死してきますー。
それではみなさん、今日はこの辺で。見てくださってありがとうございます!!
ばいちゃ。
- Re: Nem・e・sis -ネメシス- [300参照感謝!] ( No.80 )
- 日時: 2016/03/19 03:42
- 名前: NATTU (ID: gG5ipZbC)
刺当は両方から杭を放とうと、両手のひらを棺田に向けて広げた。
杭は大丈夫だ。心配しなくても俺は無意識の内に避けてくれることはわかっている・・・。もうこの能力について考えるのはやめる!
当面の問題は・・・。
棺田は刺当の両手首から放たれた杭二本を、重心を左にずらして全身を回転させることで流す。
・・・当面の問題はあの瞬間移動だ。なんであの瞬間移動をかわせなかった? 俺が攻撃行為だと察知できれば、それは俺の管轄外であったとしても全て避けることが出来るはずだ・・・。現にあいつは、俺に対して全て殺気を帯びさせて戦っているはずだ。それが攻撃に繋げるための連携動作ならなおさらそうだ。ならば何故・・・?
そこで棺田は何かに気付いたような、しかし納得のいくようないかないような複雑な顔をしていた。
・・・まさか、前提が間違ってる・・・?
それで考えられる可能性は二つ。
一つ目は、本当は俺を引き寄せてるんじゃなくて、あいつの身体的能力によるもの。しかしあの速さ、どう考えても人間に出せる速さじゃない・・・。
二つ目、この部屋の壁。見るとこの壁の色的に、コンクリートではなく金属系統のものを使用している。こいつが床から伝わせてこの部屋全体の壁という壁に磁力を展開している? 俺を引き寄せてるように見せて、実は俺の後方の壁の磁力と、あいつ自身の体内磁力を操作して反転させてるのか・・・?
「いいかげん、ちょこまか鬱陶しくなってきた。一気に肩を付けようか・・・。」
刺当はそう言うと、両手首につけている2つのブレスレットから大量の杭を、床に連続発射させる。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッ!!!
床にまばらに刺さり続ける杭は、その数を増やしていき、40ほどになろうかというところでその勢いをやめた。
「これで少しは軽くなっただろう。・・・行くぞっ!」
刺当は体制を若干低くする。
ここだっっ!!
棺田はそれを見逃さなかった。刺当が瞬間移動を行うと断定した瞬間を狙っての左へ思い切り横っ跳びをする。その判断は正しかったらしく、先ほどまでに棺田がいた場所に、次の瞬間には刺当が立っていた。
ビンゴだっ! これでこの瞬間移動の秘密を暴いた。この意味は大きい!
それは、自分の能力が看破されかけていたことを否定できる判断材料になりえるということを指していたのだ。
「ふぅ・・・、これはからくりがばれた。と、考えていいんだな? 仕方ないか・・・、じゃあ」
刺当は言葉を止めると、右腕を高く上げ、指を鳴らす。
パチンッ!
そして二度目。
パチンッッ!!
三度目と。
パチンッッッ!!!
そして刺当は口元をにやけさせて、盛大に棺田に言う。
「第二波、だ。」
その時、先ほどまでに床に打ち付けられていた杭約40本は、全てその姿を消していた。
「・・・?」
棺田は疑問を感じていた。なぜ杭が消えたことではない。そこまで目が言っていないので気づいていないのだ。問題は別だった。
なんで右に避けただけのはずなのに・・・、
棺田の体は、勝手に右方向に飛んだ後、一拍置いてさらに後方に大きく飛び退っていたのだ。
・・・まさかっ!!
その時、棺田が横に飛び着地した床から、大量の杭が抜き出てきた。それらは一直線に上方向に飛んでいき、天井に突き刺さっていく。
「あの飛んできた杭は・・・、さっきの大量の杭か!!」
そして多分、天井に刺さった杭は全部違う天井付近から降ってくるはずだ。・・・大丈夫、この程度なら
「無意識に避けてくれる、とでも言いたいか?」
棺田が目を見開く。刺当は、体ごと強引に突っ込んでくる形で、棺田の目の前にいた。というよりは、飛んできたのだ。
くそっ、さっきの疑似瞬間移動かっ!
「第三波っ! 雷の一本槍(シンセ・シャスフォティア)!!」
刺当はそのまま、突っ込んでいく体を利用して、右手の指を全て立て、突きをするときの形にする。その右手からは電流が流れ、まるでそれは、落雷を落とした一本槍を彷彿とさせる。
「こいつは1分間に60〜80回の電気的興奮を繰り返している心臓内の洞結節を、電気信号を目印にして追う射出型雷撃槍。これをこの右手から発射したら、お前の心臓の洞結節を穿つまで決して消えることなくお前を追い続ける!!」
刺当は、右手を勢いよく棺田に向かって突き出した。
「っっっ!!??」
まずいっっ!! ただでさえ心臓に当たるまで追い続けるなんて変な規定ついてる技っ。最強の矛と最強の盾をぶつけるようなもんだ、本当にかわせるか分かったもんじゃないってのに、ゼロ距離で撃たれるのはっっっ!!!
刺当の右腕から放たれた雷槍は、ゼロ距離で棺田に向かっていく。
- Re: Nem・e・sis -ネメシス- [気付いたら1200参照] ( No.81 )
- 日時: 2016/03/20 00:27
- 名前: NATTU (ID: qQixMnJd)
ドシュゥゥゥッ!!!
棺田は目を瞑っていた。恐らくは、無意識の内に体が動き、このシンセ・シャスフォティアを目を瞑っていたとしてもかわし続けるだろう。しかしこの目を瞑るという動作もまた、同時に無意識の内に行っていたのだ。
「・・・え??」
しかし棺田は違和感を覚え、ゆっくりと閉じていた目を開けてみる。すると、棺田は、目を瞑った場所から、一歩も動いていなかった。
それでも、棺田が驚いたのはそこではなかった。
「おいおい、これはどういうことだ!?」
刺当は怒声を飛ばした。
刺当が放ったシンセ・シャスフォティアは、確かにほぼゼロ距離から棺田を狙っていた。しかし、そのシンセ・シャスフォティアは、刺当の右手から放たれて約三センチほどで空中に静止し、留まっていた。
「こ、これは・・・。」
棺田は一回呼吸を整え、再度シンセ・シャスフォティアを見る。空中で静止しているため、はたから見ると浮いて見えるが、棺田(恐らく刺当にも)には、シンセ・シャスフォティアの切っ先と柄に、何か透明な小さな壁のようなものが貫通しているように見えた。
「角蜜さんっ!! 何故邪魔をしたっっ!!?」
棺田は、角蜜のいる方向に視線を向けた。
これを、角蜜さんがやったのか・・・?
「俺は言ったはずだぞ? 刺当君。
「あ!?」
刺当はどのことを言っているのか見当がなく、荒々しい声のトーンになっていた。
角蜜は頭をがりがりと掻く。
「”致死性でない一撃”と、俺は忠告したはずだけどな??」
「「・・・・・・あ。」」
棺田と刺当の声が重なる。
「刺当君。君の”雷の一本槍(シンセ・シャスフォティア)”は確か、『電気的興奮を繰り返す心臓内の洞結節という部分を直接穿いて相手に致命傷を与える、疑似ゲイ・ボルグだ!!』と、刺当君本人がそうウキウキしながら俺に大声で説明してくれたよね?」
刺当の額に丸い形をした汗が大量に出てくるのを、棺田は目撃していた。
「い、いや・・・、あのぅ」
「言った、よね?」
角蜜は再度、今度は威圧を含めて笑顔で質問した。
「あ、はい、いいましたはいそうです疑似ゲイ・ボルグですはい。」
刺当は、完全にやっちまった、という顔を浮かべていた。
人間、本当にやっちまったって思った時って言葉が早くなるんだな・・・。
「ならこれ、どういうことかな? 説明。」
「あはいそうですね興奮の至りといいましょうか私も我を忘れてしまってですねそれでちょっと出しちゃった的なテンションあげぽよ的な感じな理由ですはい。」
・・・あげぽよは流石に古いでしょ刺当さん・・・。
「そうかそうか、まぁ熱くなったらそういうことあるもんな。わかるよその気持ち。・・・な?」
角蜜のこの言葉に、棺田は、刺当の背中が総毛だっているのを肌で感じた気がした。
「あひゃい! そ、そうですね、あはは・・・。」
この人、角蜜さんと一体何があったんだ・・・?
棺田は首を傾げて一部始終を観察する。
「でもな刺当、勝負は勝負なんだわ。反則をしたらその時点で終わり。・・・わかるだろ?」
「・・・はい。」
その言葉に、角蜜は優しい笑顔を浮かべた。
「なら、わかってるよな?」
「で、でも!」
そこで刺当は、角蜜に左肩をつかまれ、そして笑顔でもう一度。
「わ・か・っ・て・る・よ・な?」
刺当の顔は、最早意気消沈だった・・・。
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こんちはNATTUです!
いよいよ! なんか!! 復帰です!!!
いやぁ、なんでこんなに長引いたのでしょう。きっと忘れ去られていたのが悪いんだと思うんですよねw
というわけでまた書き始めたんですが、まさかこの長い間に参照数が1200を超えているとは思わなくて、昨日友達の家で泊まってる途中に見て若干引いてました。あはは・・・。実を言うと、昨日から書き始めた顛末が、友達に言われて思い出したからです。
ま、これからまたこんな変な休載にならないとも限らないんですが、けんせか同様、ネメシスタソを、これからもよろしくお願いします!
- Re: Nem・e・sis -ネメシス- [気付いたら1200参照] ( No.82 )
- 日時: 2016/03/21 23:07
- 名前: NATTU (ID: jSS95WES)
16
ミーニャは、棺田の家に帰る最中に寝落ちしていた。
「全く、器用な奴だな・・・。歩きながら寝るかよ・・・。」
棺田は、寝てしまったミーニャをおんぶして運んでいる。
あの戦いの後、反則を刺当が使ったということで、勝敗は棺田に挙がっていた。刺当は角蜜を見つめ少し青ざめたあと、棺田を見て少し複雑な顔をして去っていき、角蜜は棺田に対して今日はもう帰るように促し、この後の詳細な予定はミーニャに伝えるという旨を残し角蜜も帰っていった。
「ん、んむぅ・・・。」
ミーニャが背中で動く。どうやら寝返りを打とうとしたようだった。
「・・・勝手な眼帯っ子だな全く・・・。」
棺田は街灯が光る真夜中の道路を歩く。そんな中、棺田は思う。
今日一日がかなり濃厚な一日になってる気がするな。・・・というより、この一日で一週間ぐらいの日にちが経過したような錯覚が・・・。
棺田は夜空を見上げる。星は燦々と空で輝いてるが、心なしか、空が少し明るんでいるのが、よくよく見るとわかった。
「ておいもう朝になんのっ!? 俺学校あるんだけど!!?」
「う、うん・・・?」
すると、棺田の声に反応して、ミーニャが起きだす。
「あっ、すまん。起こした?」
「? ううん、大丈夫・・・。」
そう言って、ミーニャは棺田の背から降りる。
「ごめんね正臣。なんか、おんぶしてもらっちゃって・・・。」
「いや、俺的には歩いてる途中で突然寝落ちしてコンクリに頭を直でぶつけたお前が心配なんだが・・・?」
ミーニャは自分の額に手をあてがう。すると、しっかりとしたたんこぶが出来ていることを確認できた。
「あぇ!? わ、私のおでこがぁ〜・・・。」
ミーニャはそのままその場で屈んでしまう。
「えっと、その、ミーニャさん? 俺としては、こんなとこで時間使わずにそのまままっすぐ家に帰りたいんだけど・・・、ん? ちょっと待て・・・。」
そこで棺田は思った。
あれ・・・、こいつ、どこで寝るんだ・・・?
棺田は少々青ざめた顔でミーニャに問うた。
「お前、まさか、俺の家で今日は寝る。・・・とかねぇよな・・・?」
その問に、ミーニャは人差し指を顎先に据えて、首を傾げた。
「え? ダメ??」
「ダメでしょう!!?」
棺田は頭を抱える寸前だった。
こいつを家に!? あ、愛染さんの家に持っていけばいいじゃん! ・・・この疲労感でまたあの道を戻るのは正直嫌だ・・・。で、でもこいつを、家にお持ち帰りしますぅ、みたいなノリで連れてったら、それはそれで貞操の問題が・・・。
「正臣・・・?」
いつの間にかミーニャは、考え込んでた棺田の懐で、上目遣いで棺田を見つめていた。
「お、おうっ!?」
「・・・大丈夫?」
お前がそんなことやるから大丈夫じゃねぇんだよぅ!!!
棺田が心中で毒づくと、ミーニャは棺田から離れると、口をつんととんがらせる。
「角蜜さんに言われたんだもん・・・。」
「え・・・?」
角蜜さん、なんか言ってたのか?
「棺田君とペア組決定だからあとよろ、って。」
あの人すごく唐突だなおい・・・。
「それで・・・、なんでそれが俺の家に行くってことに繋がるの?」
棺田のその言葉に、ミーニャは逆に疑問顔になった。
「え? なんで・・・?」
「ん、なにが?」
「・・・?」
・・・・・・・・・あー、これ話が噛み合ってないぞぉ〜?
首をまたかしげているミーニャを見て、棺田はこめかみを抑える。
「だから、なんでペアを組むことが、ミーニャと一緒に俺の家に行くってことに繋がるんだってこと。」
「え〜一緒になんて、なんかいやらしい響きが・・・。」
ミーニャは腰をくねらせ両頬に両手を添える。
あ〜めんどくせぇ! 眠気があるから尚イライラするっっ!!!
「あのなっ! 男と女が一つ屋根の下だぞっ!? 貞操の問題が」
「私は別に・・・、あなたが望むなら・・・。」
あ!? こいつ正気かっっ!!!?
最早棺田は呆気にとられる顔になっていた。
「冗談よ冗談あはは!!」
ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!???
棺田の正気が怪しくなっていく。もう棺田のイライラは限界を超えそうになっていた。
「でも、角蜜さんの連絡は随時私に伝わるようになってるし、あなたはこの部隊に入ってまだまだ新米だし・・・、だから私があなたと常に一緒にいることでお互いの刺激になれたらなぁって・・・。」
ふむ、そんな狙いがあったなんてな。こいつも色々考えて・・・、ん?
「おいまて! いま常に一緒って言ったか!!? お前今後も俺の家に入り浸る気か!!?」
ミーニャは三度目の首をかしげる動作をした。
「え? 当たり前でしょ??」
「なんでやねんっ!! 愛染さんの家に戻ればええやろっ!!?」
「なっ、急にエセ関西弁!!?
だって、いちいち戻って正臣の家行ってまた戻ってって、面倒なんだもん。」
「そう言って頬膨らませても無駄やっ! もう帰るめんどくせぇ! 明日学校なんだよ! 眠いんだよっ!!」
そう言って、棺田はミーニャを置いて足早に去ろうとする。
「ちょっ! まってよ正臣ーーーーっ!!!」
ミーニャは諦めじと棺田の後を執拗についていった。
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