ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

逆十字の聖魔戦争
日時: 2017/04/30 01:07
名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)

吸血鬼、人間の血を飲む怪物と呼ばれる生き物。耳が尖っており、吸血鬼かどうかはすぐ見分けられるが人間はごくまれに耳が尖っているものを産む。その人間は迫害され、捨てられ、最終的に魔術師になるケースが多い。

魔術師、元人間や吸血鬼など、様々な種族が魔力をもち不死身になった生き物をまとめてそう呼ぶ。元人間、と言うのは魔力をもった際に人間の記憶を忘れる為。吸血鬼はそうならない。他に精霊族や人狼族など色々な種族がいる。

聖戦士、神と人間によってつくられた通常の人間より遥かに強力な術を手に入れた吸血鬼と魔術師を消す為だけに存在する部隊。


ーーーーーーーーーー
初めまして!そーれんかです。去年から妄想してたやつを小説書く練習がてら書こうかなと思ってます。語彙力のない中学生なので至らぬ点が多いだろうとは思いますがアドバイス等宜しくお願いします_(:3」∠)_
追記
宗教に対する批判的なセリフがありますが、決して実在する宗教を批判する意図で作った訳ではありません。そこはご理解頂けると幸いです。グロテスクな所も少なからず登場します。苦手な方はお控え下さいm(*_ _)m
登場人物を移動させました。そして題名もはっきり決まったので変更しましたヾ(:3ヾ∠)_

登場人物
>>66 異端側
>>67 聖戦士側

Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.51 )
日時: 2017/02/25 02:07
名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)

扉から静かに出る。扉を消し、あたりを見回すと薬品臭くハサミや包帯などが無造作に置かれていた。どうやらここは救護室のような場所のようだ。
「ここはへぶぅ!?」
チキは顔に何かを投げつけられる。
「...輸血パック?」
「ほとんど飲んでないだろうが。吸血鬼の血が混ざってんだから血液不足で倒れられても困る」
チキは早速パックを開け、少しずつ飲んでいく。何とも言えない味がする。新鮮な人間の血とはまた別の味が口の中に広がっていく。
「.....!」
アピクが何かに気がつきチキの腕を引っ張る。その拍子にパックの中身をこぼしてしまった。

"次元変更"

「ローへ、怪我は大丈夫?」「うん。たいした怪我じゃないんだからユエラの怪我を先に治してね」
雑に扉を開け入ってくる修道女の一人は腕を押さえ、一人は頭から血を流している。
『兄様...気がつかれてない?』
『いや...すぐ気がつかれる』
『え?』

「.....臭う」「誰かいるの?」
ローへと呼ばれる女は頭に包帯を巻き、鼻をスンスンと鳴らす。
「これは異端の臭い...こんな神聖な場所に異端が入り込むなんて最悪ね...ユエラ、ランプを」「うん。分かった」
ユエラは手に持っていたランプに火を灯す。
「見つけた、異端」
にっこりとローへが笑いさっと銃を取り出す。

"聖弾銃"

『一時しのぎにすらならなかったな。想定内だが』

"宵闇楽園"

次元を元に戻し魔壁をはる。銃弾が敵を貫くことなくポトポトと地面に転がる。
「バカ娘、もう一人頼んだ」
「任せて!」

"血醒月光"

槍先に自分の血をつけ一時的に熱を帯びる。
「わわわっ!こ、こないでー!」

"聖殿の灯火"

ユエラは驚きどこからか取り出した別のランプを投げる。
「きゃっ!?」
ランプは脆くすぐ割れ破片がチキの体に突き刺さる。
「お前の仲間が怪我してるわよ。いいの?」
ローへは意地が悪く笑い尽きることの無い弾が入った銃を撃ち続ける。
「別に。こんな簡単にくたばるはずがないからな」
「そう。なら別にいいの.....ねえ魔術師。ここに今何人いると思う?」
ローへが不敵に笑う。
「...何だ突然?四人じゃ...ないみたいだな」
「そうね。あと二人追加させてもらおうかしら」

ドカンと壁を破ってヒューイとスレイが入ってきた。

Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.52 )
日時: 2017/02/26 02:07
名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)

「お前達どこからでも来るんだな。虫みたいだ」
アピクは鼻で笑う。
その間チキは刺さった破片を払い落とす。ジャリジャリとしたガラス片が擦れる音が痛みを増幅させている気がする。
「ふん、笑える余裕はあるのね…そこの二人、避難しなさい。私達が何とかする」
「は、はいっ!」
ローへとユエラは部屋を後にし二対二の戦闘となる。
「やれやれ、親が嫌だ魔術師側に寝返ると言ったのはどこのどいつやら。まぁ、俺も長く住まわせるつもりは無かったからほぼ変わらないんだろうがな」

"魔像・黒腕"

巨大な魔像の腕が魔法陣を破る勢いで出現する。魔像一体分の魔力が全て腕のみに注がれている為床は亀裂が走り物凄い熱を放っていた。
「熱...っ」
スレイは近くにあった温度計を見る。先程の温度は18℃だったが魔像が出現してから途端に上がり、40℃を超えようとしていた。
「スレイ、爆弾貸して」
「え?あの魔像に効くのはないけど...」
「なんでもいい。私に考えがある」
スレイは困惑しつつもぶら下げていた爆弾を一つヒューイに手渡す。

"氷結・聖冰"

ヒューイは爆弾を投げ銃で撃つ。その弾丸は氷となり周囲を冷ましていく。爆弾は氷で覆われたあと爆発し氷の破片が四散する。
「.....あぁ、そう言えばここは屋敷から離れてるんだよな...」
「...?」
アピクは杖を地面に投げる。
「加減する必要が無いのはいいな!」

"法皇の焔術"
"暗夜黒月"

「...」
アピクは一瞬魔術を詠唱するのをやめ、何かを考えるがすぐにまた詠唱しだした。

"花言葉・黒百合"

「花言葉...?」
チキははっと気がつく。花言葉はルアイリが使っていた魔術の種類の一つだった。ただこの黒百合は使ったことがなく、アピクがアレンジした魔術だろう。チキはそう思った。
魔像の片腕に"法皇の焔術"、もう片腕に"暗夜黒月"の力を宿しヒューイ達を狙う。
黒百合は花弁の一つ一つが刃となり無差別に飛んでいく。
「バカ娘、黒百合の花言葉を知っているか?」
「花言葉は...あんまり知らない」
「黒百合は...呪いと愛だ」
「...!」

「くっ、スレイ!爆弾頂戴!」
銃で一定時間は魔像などを凍らせることが出来るが熱もありすぐ溶けてしまう。数秒しか持たなかった。
「OKヒューイちゃん!」

アピクが壁の穴からニヤリと笑っているような気がした
ーーーーーーーーーー
黒百合の花言葉、ここでは呪いと愛にしてますが呪いと恋って言う人もいるみたいですね(っ´-`c)

Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.53 )
日時: 2017/02/27 02:12
名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)

300hit感謝です!いつも閲覧ありがとうございます(*’ω’*)
ーーーーー

"聖歌・爆裂色"

「あぁぁぁぁぁぁぁ!!」
銃の照準を投げた爆弾にあわせ外すことなく弾を当てる。
「元気な奴だな。さっきあんなに避けておいてまだそんなに動けるのか?」
アピクは魔壁で攻撃を抑えつつ魔像で攻撃する。ただ本来攻撃と防御は同時にする事が出来ないためその分攻撃のブレが激しく壁などをひっちゃかめっちゃかにしている。
「にい...ん?」
チキはアピクのポケットからひらりと落ちた紙を手に取る。小さな紙にびっしりと文字が詰まっていた。
アピクはどうやら気がついていないらしく、攻撃と防御を続けている。
紙には数個の魔術が書かれてあり、その中で一番短い魔術は"法女王"という魔術だった。
「血醒月光だけじゃ弱いなら...!」
そう言ってチキは詠唱を始める。

"血醒月光・法女王"

ぽたぽたと自分の血を床に落とす。血は長いリボンのような形になりチキの体をゆっくり包んでいく。
「...お前何した?」
ようやく気がついたアピクは深刻な表情でチキを見る。
「兄様が落としたこれ...」
「...あぁそうか。これ一番簡単だからな。一つ言おう、簡単だからってノーリスクとは限らない...むしろリスクが多いとな!覚えておけバカ娘!!」

"理崩壊・時停"

怒り口調でアピクは魔術を使う。周辺の時がとまり石のように動かなくなる。

"強制魔術解除"

リボン状の血は一気に水状に戻り床にびしゃっと音を立てて流れる。
はぁとため息をつくアピクにチキは下を向いてしまう。
「で、なんでこれ使った?」
アピクはピラピラと紙をゆらす。
「そ...それは兄様の手伝いができたらいいのにって...思ったけど...ごめんなさい...」
「はぁ...法女王はさっきのリボン状の血液で詠唱者を取り込んで無差別に攻撃していくんだよ。敵味方関係なくな。単独行動なら使い道がない訳じゃないが...」
アピクは紙を見て難しい顔をする。

"神時一頁"

「!」
時間が動き出す。アピクが解いたわけではなく、この場にいなかった部外者に。
「聖眼一頁...降臨。神聖な場に穢れに穢れた異端が入り込むなどあってはならぬ事だ」
聖眼一頁と名乗る男を始め、ローブを着てフードを深く被っている七人の男女がいつの間にかアピク達の目の前に立ちはだかっていた。

Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.54 )
日時: 2017/02/28 02:19
名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)

「あぁ、あの糞野郎の言ってた人身の部隊ってやつか?」
「知ってるんですの?なら話はしなくていいですのね」
聖心五頁はペラペラと持っていた本をめくる。

"純心の過ち"

聖心五頁の足元に魔法陣が現れる。ダボダボの服が低い音を立てて揺れる。周りにアピクがよく使っている魔壁のようなものがはられる。
「魔法陣...?魔術師狩りの魔術師って奴か?」
「失礼な。私達を魔術師などという下等生物と同じにしないでください。私達は"聖法使い"であり戦士でもあるのです。魔術師は記憶、想像力、魔力が必要ですが聖法使いは神に与えられた力を使っているだけなのですから」
聖骨六頁はメガネを中指でクイッと上げる。カラカラと乾いた音がするが、特に誰も気に止めていないようだった。
「はいはい、そう言う聖の力を使うなんて聞き飽きた。力を使っているのなんて俺達魔術師も一緒だ。同じなのに無理矢理聖と悪にわけるな。中身のない箱に仕切りを入れたって無駄だろうが」
杖ですっと水平に空間を切り裂く。
切り裂いた空間の中には目のようなものが沢山蠢いていた。
「っ...!」
気味の悪さにチキや人身の部隊、ヒューイとスレイが皆絶句する。
「...それを見せてなんになる?」
聖臓三頁がバクバクと心臓の音を鳴らしながら問いかける。
「別に。この空間がなんなのか見てわからないのなら言っても無駄だ」
そう言ってすぐ空間を閉じる。チキは空間を閉じる時にその目達が涙を流しているのが見えた。
「あー気味が悪い。おい魔術師、喋ってないで攻撃しろよ」
聖肉二頁は首をコキコキと鳴らす。
「ハハハ。落ち着きなよ聖肉二頁。焦っていい結果は出ないものだよ?ハハハ。」
聖経四頁は聖肉二頁の頭を笑いながらわしゃわしゃとする。ボサボサになった聖肉二頁の髪型はアフロみたいになっていた。
「簡単に言うと...終わらせたい。だ」
「簡単に言わなくとも十分伝わっているだろ...というツッコミは無しだ。かかれ!」
聖眼一頁の合図で一斉に攻撃を仕掛ける。

「...面白くない。現実...だからか?」
空想煉屋敷で水晶にアピク達を映し出し、ぶつぶつと呟くルナテはニヤリと笑う。そして数秒考えた後水晶を地面に叩きつけ、粉々に砕いてしまう。
「...たまには邪魔をするのもよかろう」
そう呟いてルナテは扉をつくりだす。
扉を開け、笑いながら中へと入っていく。
水晶はその場に置いたまま。

Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.55 )
日時: 2017/03/01 02:06
名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)


"紅符・単眼"

どこからか唸り声が聞こえる。その声はだんだんと強くなる。そして、声の主が姿を現した。
「紅翼滅歌...!これは予想外ですの。どうしますの?」
予想外と言う割には大して焦る様子も見せない聖心五頁は聖眼一頁の方をちらりと見る。
「...いや、どうもしない。防御に徹しろ。そこの二人も守りつつな」
「了解です。それでは攻撃を捨て防御に徹します。紅翼滅歌の攻撃に耐えれるよう気をしっかり持ってください。」

"導く者の守り神"

「...だからその名で呼ぶなと言ったはずだが?」
単眼の怪物からストンと降りたルナテは不機嫌な顔をして人身の部隊を見る。
「...チッ」
アピクは舌打ちをし、チキと自身に魔壁をはる。
「...?」
いつになく慎重で、暗い顔をしている。
「興味はないと言ったが...邪魔はしたいね。いや、それだと興味がある事になるのか?...まぁいい」

"ジハティアの鎌"

黒紫で全て染められた鎌は肉だけでなく魂ですらも軽々と切裂く。
歴代四大魔術師、ジハティア・クォートの愛した鎌。
真の悪を自称し様々な魔術を生み出した彼が死した後も鎌は愛する持ち主を待ち続ける為に敵を切り裂き続ける。
「聖なる壁?そんなの魂より軽く切り裂けるんだよ!」
ブンと勢いよく鎌を振り回す。
壁はまるで紙を切るようにすっぱりと切れてしまった。
「っと...残念ながら私は血を飲む時以外は殺さないんだ。これだけをしにきただけさ。十分邪魔はできたからな」

"転送術"

ルナテはそう言い残し魔法陣の中に消えていく。アピクとチキも巻き込んで。
「...消えた?.....腑に落ちませんが、良しとしましょう。そこまでの被害はありませんし」
「この付近くらいだな。直してしまおう」
ヒューイとスレイは呆然と見ている。
「あの...貴方達は?」
「あぁ、自己紹介が遅れたね。簡単に言うとーー」
地べたに座り、休息を兼ねて話し始めた。
ーーーーーーーーーー
忘却の海。
今日はいつになく波が荒れていた。
陸にいる全員を海に引き込もうとしている。
「...何故邪魔をした?」
「そう怖い顔するな。私が気に入らなかったから邪魔をしただけだ」
「はっ、興味が無いのに首を突っ込むのか。興味が無いと言う意味を辞書で調べなおしたらどうだ?」
アピクの言葉にルナテはふぅと息をつく。
「...辞書に書かれている言葉の意味を調べたって無意味よ。あれは勝手に作られた言葉を勝手に意味をつけ勝手にそう定着させただけだ。木の棒を固めて枠にした中に身を詰めただけだ。私は型にハマるのがあまり好きじゃなくてね」
コツコツとアピクの方へ寄る。目の前に来たところでニコリと笑った。
「だから好きにするさ」
そう言ってアピクの左腕をトンと押す。
時間差で腕が跡形もなく吹き飛んでしまう。飛び散った血飛沫は海に入るか陸に染み渡る。
「...!!」
衝撃で身体も壁に打ち付けられる。後少しズレていれば、海の中に沈んでいってしまっていただろう。
「兄様!」
チキはすぐさまアピクの方へ駆け寄る。体を強く打ち意識が朦朧としているようで焦点が合っていなかった。
「元人間というだけあって脆いな。...いや、人間なら肉塊になっているか」
「ど...どうして兄様を!?貴方は仲間じゃ...ないの...?」
チキは震え声でルナテに問う。
「仲間...ねぇ?私は仲間というのは同類の事だと思っているが。私とこいつは同じ魔術師。ほら、仲間じゃないか?」
意味は間違っていないが聞きたかったのはそうじゃないと、チキは歯ぎしりをする。
「...君は前の四大魔術師ロジスタの娘かい?...そうか」
答えを聞かずしてルナテは頷く。そしてチキの方にも歩み寄ってくる。
「ここで仲良く父娘の会話をしていればいいさ」
「えっ?」
ルナテはチキの胸ぐらを掴み、海へと放り投げた。
ドボンと音をたて、チキは海に沈んでいった。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。