ダーク・ファンタジー小説
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- 逆十字の聖魔戦争
- 日時: 2017/04/30 01:07
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
吸血鬼、人間の血を飲む怪物と呼ばれる生き物。耳が尖っており、吸血鬼かどうかはすぐ見分けられるが人間はごくまれに耳が尖っているものを産む。その人間は迫害され、捨てられ、最終的に魔術師になるケースが多い。
魔術師、元人間や吸血鬼など、様々な種族が魔力をもち不死身になった生き物をまとめてそう呼ぶ。元人間、と言うのは魔力をもった際に人間の記憶を忘れる為。吸血鬼はそうならない。他に精霊族や人狼族など色々な種族がいる。
聖戦士、神と人間によってつくられた通常の人間より遥かに強力な術を手に入れた吸血鬼と魔術師を消す為だけに存在する部隊。
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初めまして!そーれんかです。去年から妄想してたやつを小説書く練習がてら書こうかなと思ってます。語彙力のない中学生なので至らぬ点が多いだろうとは思いますがアドバイス等宜しくお願いします_(:3」∠)_
追記
宗教に対する批判的なセリフがありますが、決して実在する宗教を批判する意図で作った訳ではありません。そこはご理解頂けると幸いです。グロテスクな所も少なからず登場します。苦手な方はお控え下さいm(*_ _)m
登場人物を移動させました。そして題名もはっきり決まったので変更しましたヾ(:3ヾ∠)_
登場人物
>>66 異端側
>>67 聖戦士側
- Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.16 )
- 日時: 2017/01/19 23:46
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
シルバーラビットさん
└(:3」┌)┘))うわぁぁぁ!!コメありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです!!!頑張ります!!
- Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.17 )
- 日時: 2017/01/20 01:07
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
武器が当たる音がする。部屋に穴があく。
「ったく!部屋を直すのは誰だと思ってるんだ!」
「あら〜?そう言いながら師匠もばんばん壊してるじゃな〜い?」
「黙れ」
チキ達は攻撃を避けるので精一杯だというのにアピクとルアイリは余裕そうに話していた。
「魔術師!そう話せるのも今のうちだ...!」
女はどこに持っていたのか大きな銃を取り出す。
「おいおい、そんなの使えば下っ端も巻き込まれるじゃないか。」
「あぁ...それは必要な犠牲って奴だ。ふふふ...この銃は聖騎士になった時に神から授かったもの。神の武器で死ねるなら兵士達も本望でしょう?さぁ!死ね!」
眩い光が部屋中に広がる。あまりの眩さに敵味方全員目が眩んでしまう。
「師匠!」
銃から出た玉はアピクの体を貫通した
「っ!?」
はずだった。
「.......着替えたばかりなんだから勘弁してくれないか。」
大きな玉は地面にゴトリと音をたてて落ちる。ほんの少し汚れた服をはたく。体に傷は殆どなかった。
「ぐ...何故...!?」
「教えない。」
チラリと床に転がった死体に目をやる。原型をとどめているもの、ただの肉塊としたもの、塵になっているもの。様々だった。
「ふぅ...実験体にすらなりゃしない。」
「も、もう一発...!」
「させないよ〜?」
ルアイリは瞬時に女の目の前へ行き、顔を踏みつけた。
「ぷぎゅっ!?」
「庭にあった植物の生命、償ってちょうだいね〜?」
「いたた...くっ、なんで喋れもしない感情もない植物に!」
踏まれたことで鼻血を出す女にルアイリは哀れみの目を向ける。
「はぁ...植物に感情がない...ですって〜?植物は大切に育てられると綺麗な花や美しい形で育てた主に嬉しさを伝えるの。逆に粗末に扱ったり、今みたいに不必要にちぎったりすると...枯れる事で怒りと悲しみを表すの。...見えない?今殺された植物の怒りが、悲しみが!」
ルアイリは涙を浮かべ女に問いかける、が女は半笑いを浮かべたままだった。
「...わからない?じゃあ私がかわりに教えてあげるわね〜。」
スッと手を上げる。するとルアイリの背後から花吹雪が舞い始めた。
"死刃千華"
花吹雪は一瞬にして細かい刃となり女に狙いを定め襲いかかった。
女は何故か笑顔が増していた。
「チキ!!」
声をかけたがもう遅く、男の弓矢がチキの胸元に深く突き刺さっていた。
- Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.18 )
- 日時: 2017/01/21 01:22
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
100閲覧感謝です。・*・:≡( 「ε:)ノ
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私は何もかも中途半端。魔術師としての力も、吸血鬼としても中途半端。毎日毎日練習しているのに一向に強くなれない。
お父さんは四大魔術師の一人だった。ずっとお父さんの魔術を見て、目を輝かせていた。いつか自分も素敵な魔術師になりたいと。お母さん達もそれを応援してくれた。
現実は厳しかった。
みんな応援してくれるのに、全然強くなれなかった。教えてくれるお父さんに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。自分の弱さが憎くてたまらなかった。
数十年練習してようやく身についた魔術が"血醒月光"。ただ自分の血を使って攻撃するだけ。威力も低くて到底使い物にならなかったけど、お父さんとお母さんは褒めてくれた。
同時に聖戦士が窓を割って入ってきた。
混乱した。どうして?なんでここに聖戦士が?足がすくんで動けなかった。
混乱している間にも、お父さんとお母さんは敵を殲滅していく。
でもどんどん数の差で追い詰められてしまった。どんどん傷も蓄積していて、苦しそうだった。
私は何も出来なかった。
ぼろぼろ涙を流す私を見て、お父さんは抱きしめてくれた。
「泣くなよ。お前は四大魔術師と高貴な悪魔である吸血鬼の子供なんだからな。ミサとスオ...そして他の魔術師達と協力したらきっと生きていける。」
「お父...さん?」
「ごめんね。チキ。今度の紅い月の日...一緒に見れそうにないわ。」
「お母さん...?」
ドン、と思い切り押された。バランスを崩し外へ出されてしまう。
扉は閉まり二度と開くことなく燃え尽きてしまった。
「!!」
気を失っていたのだろうか。ミサとスオは半泣きになっていた。胸部に深々の刺さっていた矢を抜く。頭から血を流しているのか、すこしクラクラする。が、今はそんな事どうでもいい。
「私は...」
ギラリと紅い眼を聖騎士の方に向ける。
「私は!四大魔術師と高貴な悪魔吸血鬼の血族...チキだ!!」
鋼でできた矢をへし折ってチキは叫んだ。
- Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.19 )
- 日時: 2017/01/22 00:58
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
「ハハ...四大魔術師と吸血鬼の娘...?足でまといの雑魚の癖に!」
刃が所々に刺さってても笑みを崩さない女を見てチキはぐっと言葉に詰まる。何も言えないでいるとミサが前に出る。
「お嬢様は...今は弱くても...主が絶対強くなるって言ってたんだ!」「そーだよ!チキは主が強くなるって言ってたから強くなるんだよ!」
「はっ、だから何だ?今強くなければ意味がない...明日もし覚醒すると決まっていても今日ここで私達が殺してしまえばその明日は永遠に来ないのよ!」
女は銃を乱射しはじめた。既に壊れた床や本棚が粉々になっていく。
「だーかーらー!俺の屋敷を壊すな!」
魔術で壁をつくり弾をある程度はじき返すものの防ぎきれない壁外は穴があき、床は崩れ落ちてしまう。
壁外にいた兵士達の断末魔でチキ達は頭が痛くなった。
「チッ...おい糞女!この屋敷をボロボロにした落とし前はつけさせてもらうからな!」
アピクの様子を見てルアイリはちょんちょんとチキ達の体をつつき少し離れさせる。
「怒った師匠は...怖いわよ〜?」
ふふふと口に手を抑え笑いながらルアイリは言った。
「っ...」
弾切れになった空の銃が女の手からするりと落ちる。もう、弾がない。
男は援護してくれていたものの先程乱射したせいで片手片足が使い物にならなくなってしまっていた。
兵もほぼ全滅。まともに戦えるのは女のみ。
「ぁ...」
真っ暗で光のない眼で見つめられる。まるでメデューサに見つめられたかのように体が固まってしまう。
「屋敷だけじゃない...弟子もだ...お前の身体だけじゃあ足りるまい?」
動けない女のもとに静かに近づいていく。
「いや...屋敷は再建可能だ。永遠にな。...が、弟子は二度と戻ることは無い。さ、この落とし前をどうつける?」
「な、なんでもする!だから...命は...!」
さっきとうって変わって命乞いをする女にアピクは殺意が芽生える。元々命は取るつもりではなかったが。
「フ...フフフ...あぁ面白い!ならいいだろう。男と女...殺し合え。生き残った方は見逃してやるよ!」
「なっ!?」
「嫌ならここで死ね。生きて帰って報告するんだろ?お前達の言う神様ってのに。」
女は黙り込む。
「.....母さん...父さん...」
ヒューイは呆然とする。自分は親が殺し合う姿を見るのが、怖かった。
小さなつぶやきに反応したのか、アピクはヒューイの方を向く。
「止めないのか?」
「っ...」
「クク...そうだよな!お前が撒いた種だ!お前がここにこなければ!お前が逃げ出さなければ!こうはならなかったかもしれないもんなぁ!ハハハハハ!!!」
狂気を孕んだ笑いで周囲を恐怖に陥れる。
「師匠...たまに制御が効かなくなるのが玉にキズね〜。顔はいいのに。」
ぽっと顔を赤らめながらルアイリは空気を読んでいるのか読んでいないのかよくわからない発言をする。
「兄様...」
「形勢逆転だ。さぁ、殺し合え。」
女は震えながらそばにあった短刀を手に取った。
- Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.20 )
- 日時: 2017/01/23 01:14
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
「さぁ早く。死にたくなけりゃ殺せ。」
カタカタ震える女を見て急かすアピク。
女は震えつつアピクの方を向く。
「悪魔め...」
「あぁそうだ。俺はお前達の言う悪魔だ。だからその想像を裏切らないように、きっちりと悪魔の役をやらせてもらおうか?」
ニタリとアピクが笑う。女は背筋が凍りつき、力強く握っていたはずの短刀がするりと落ちてしまう。
「...なぁ女。コピーって知っているか?」
「は...?」
「後ろだ。」
「!!」
いつの間にか女の背後は捨てたはずの銃で囲まれており男は既に死んでいた。音もなく。
「な...なんで...!?」
「殺し相手がいなくなったな?」
「ぁ.....」
死体達をかき集める。静かになった部屋で。
誰も喋らない。重苦しい空気だけが漂う。
だがヒューイだけ魂が抜けたように血だまりに膝をついている。
「...ぅ」
「兄様...その...やりすぎじゃ...」
小さな声でチキはアピクに問いかける
「やりすぎ?どこが?」
「目の前で...殺すなんて...」
はぁ、とアピクはため息をつき軽蔑したような目でチキを見る。
「流石お姫様は考えが違いますね。親を殺された敵に同じことをしても可哀想と思えるんだから。」
皮肉った発言でチキの神経を逆撫でする。
チキの中で何かがはじけた。アピクを壁に押し付ける。
「...今ここで血液を吸い尽くしてもいいのよ...」
「お好きにどうぞ。」
ギリ、と歯ぎしりをする。押さえつける力を徐々に強めていき腕をへし折らんばかりの力でアピクの片腕を押さえつけていた。
「...」
無抵抗。いつもなら投げ飛ばすのに。今のチキにはその無抵抗がありがたくも恐ろしくも思えた。
「さーん...」
アピクが呟く。
「にーい...」
「兄様...?」
チキの言葉は無視される。
「いーち...」
「ぜーろ...」
アピクが指を鳴らす。
「お嬢様!」
ミサが叫ぶと、チキは先程の女みたいに銃で取り囲まれていた。
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