ダーク・ファンタジー小説
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- 逆十字の聖魔戦争
- 日時: 2017/04/30 01:07
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
吸血鬼、人間の血を飲む怪物と呼ばれる生き物。耳が尖っており、吸血鬼かどうかはすぐ見分けられるが人間はごくまれに耳が尖っているものを産む。その人間は迫害され、捨てられ、最終的に魔術師になるケースが多い。
魔術師、元人間や吸血鬼など、様々な種族が魔力をもち不死身になった生き物をまとめてそう呼ぶ。元人間、と言うのは魔力をもった際に人間の記憶を忘れる為。吸血鬼はそうならない。他に精霊族や人狼族など色々な種族がいる。
聖戦士、神と人間によってつくられた通常の人間より遥かに強力な術を手に入れた吸血鬼と魔術師を消す為だけに存在する部隊。
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初めまして!そーれんかです。去年から妄想してたやつを小説書く練習がてら書こうかなと思ってます。語彙力のない中学生なので至らぬ点が多いだろうとは思いますがアドバイス等宜しくお願いします_(:3」∠)_
追記
宗教に対する批判的なセリフがありますが、決して実在する宗教を批判する意図で作った訳ではありません。そこはご理解頂けると幸いです。グロテスクな所も少なからず登場します。苦手な方はお控え下さいm(*_ _)m
登場人物を移動させました。そして題名もはっきり決まったので変更しましたヾ(:3ヾ∠)_
登場人物
>>66 異端側
>>67 聖戦士側
- Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.26 )
- 日時: 2017/01/29 01:58
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
縛られている。神は全てを許してくれると言ったのに、拘束され、牢屋に入れられている。
...終わりなのか?自分の人生は縛られること無く歩みたいなんて思ったせいで、親は殺されて、こんなふうになってしまった。
「愚か...」
涙を流す気力も残っていない。
自分の行いがどれだけ軽率だったかが嫌という程胸に突き刺さる。もう、父さん母さんは戻ってこない。いくら後悔してももう遅い。スレイも巻き込んで。
「スレイ...ごめんね...ごめんね...」
「...ヒューイちゃん、スレイね、ずっと気になってたの。親の人形みたいに操られてて、ひとりぼっちのヒューイちゃんを助けたくて...でも、やっぱり、神様に背くことなんて出来ないからね。魔術師を信用しようだなんて......言ってることめちゃくちゃだね、ごめんね。」
そうしてまた二人は無言になる。一人は涙を流し、一人は涙を流さないように上を向いて。
コツコツコツ...
足音だ。一人じゃない、三人程の足音が聞こえる。
「でて...今からこの人が詳しいお話してくれる...」
月星隠者は牢屋の鍵を開ける。
「あっ、あっ、僕、ですよね!初めまして。神徒の聖人です...あっ、あの、こっち、談話室なので、話しましょ...う。」
青色の髪の毛をした青年はおどおどしながら自己紹介する。
「...神徒?」
「あなた達聖戦士はまだ教えられてないのでしょうけど、ここにはグレードがあるのよ。まずは聖徒。一般的な修道士とほぼ変わらないわ。次に聖戦士。次は聖騎士。ここまでは知ってるわよね?その次...神徒。聖騎士が十五人なのだけど神徒は四人だけ。極秘部隊ね。」
体が戻ったネメシスはすらすらとあたかも神徒の一人のような口ぶりで話す。
ヒューイ達は談話室へと入る。ひんやりとした空気が石造りの床を冷やす。靴越しでも微かに感じとれるような冷たさである。
「そ、それで話なんですけど、えっと、その、逃げ出したことについて、なんですけど、神様が許してくれるのことに、なりました。」
「.......神様は何もかも許してくれるのよ.....」
月星隠者は相変わらず目を閉じたまま椅子に座り聖人に言う。
「ひ!は、はい、あのですね、そして神様が、言ってくれたんです。神徒の、グループに入れてもいいって。」
ビクビクしながら重大な事を聖人は告げる。
「え...?」
「あ、あの...わからなかったですよね...神徒の枠に入れるんです...勿論正式な神徒ではありません、別枠として、編入する感じです。」
「なんで...?」
罪を犯したものに罰を与えるどころか上のグレードとされる神徒と同じグループになるなど、正気の沙汰ではないとヒューイは考える。
「...神様...気まぐれなの...。」
「それじゃ、案内しようかな。あと二人の神徒に。」
階段を上がりに上がり、小さな個室へと到着する。
「ヴィシャ!再興天使!」
ネメシスは大きな声で二人の名を叫ぶ。
「うるしゃぁい...ヴィシャは今お疲れモードなの...」
つやつやな赤色の髪、緑色の目をした少女は眠たそうに大あくびをしながら個室へと入ってくる。
「ヴィシャ様、新入りだそうですよ。歓迎いたしましょう。」
後に入ってきた白い髪に金色の目をした女は背中に羽があり、空中に浮いていた。...と言っても5cmほどだが。
「ふぁぁぁ、...わたしヴィシャ。よろしくねー。」
適当な挨拶を済ませるとどこからか枕を取り出し眠ってしまう。
「全くヴィシャ様は...ああいや失礼。私は再興天使。見ての通り、天使です。これからよろしくお願い致しますね、ヒューイ様、スレイ様。」
にっこりと笑顔を見せる。照明光相まってか、とても輝いて見えた。
「よ...よろしく...お願いします。」
ヒューイとスレイ達は握手を交わす。
「ここに居るものはね...」
ネメシスが急に口を開く。
「全員脱走経験があって、それから信仰心が人一倍強い者達だけなんだ。勿論、身近な人は殺されてるよ。」
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追加登場人物
聖人
神徒の1人。信仰心は誰よりも強いがヘタレ。ビビり。ネガティブ。
再興天使
神徒の1人。唯一の天使。性格も天使で死人を生き返らせる事が出来るが、あまり戦場に出ない。
ヴィシャ
神徒の1人。寝ることと祈る事がが何よりも好きでたまに聖母像に寄りかかって寝ていることがある。
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そろそろキャラが増えてきた...纏めないといけないですね()
- Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.27 )
- 日時: 2017/01/31 00:45
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
太陽がささない薄暗い森。風がたまに吹きその度にガサガサと音がするのが気味が悪い。
「も〜師匠がいないと〜力が出ないわ〜」
ぶうぶうとルアイリは顔を膨らませながら異界への道をつくる。長く、長く、長く。青白い道が先も見えないほどの長さになる。
「夢幻白昼屋敷...そんなに遠いの?」
「遠いって言うか...別の次元ね。今私達が立ってる道と、このつくりだしてる青白い道は同じ場所にあるようで別の次元なの。だからこの青白い道を踏んで歩まない限り、絶対にその屋敷にたどり着くことはないわ〜。って、私説明苦手なのよね〜...」
ルアイリはぽりぽりと頭をかく。
「よ〜し!できた。」
チキ達は青白い道に立つ。すると、先程までの景色と打って変わった景色へとなる。日が眩しい、明るい景色に。
「ここは決して夜になる事はないの。精霊族の魔術師だからね。精霊族は日がさす森でしか生きられない種族なのは知ってたかしら〜?だから屋敷も自然たっぷりよ!」
ルアイリは先程の面倒くさそうな顔とは一変、明るい顔になっている。
「ん...あそこですか?なんかあそこだけ膨らんでる...」「花もちらほら咲いてるねー。」
「そうそうあそこ!」
チキ達は駆け足で屋敷に向かう。屋敷に近づくにつれ緑の芝生、色とりどりの花、様々な木、竹、緑が美しい場所になっていく。
「着いたっと...」
ルアイリは戸をノックする。見た目は屋敷と言うよりは木で出来た家の様だった。
「〜〜〜♪アーピークー♪ようやくきてくれたのねっ...てあら?ルアイリちゃんじゃない。...んと、そこにいるのはチキちゃんかな?」
銀色の足まであるとても長い髪に特徴的な長く尖った耳。そして...服を着ているのか着ていないのか分からないくらい透けたローブを着ていた。
「!」
ルアイリ以外顔を真っ赤にし叫ぶ。精霊とルアイリは首を傾げていた。
「ふ、ふ、ふ、服を着てください!」「え?来てるじゃない」
「そうじゃなくて!もっとましなのをー!!!」
とりあえず真っ黒なローブを着せる。精霊は不服そうな顔をしていた。
「〜〜〜。自己紹介がまだだったね。私はジンリン。夢幻白昼屋敷の魔術師だよ。喋る時最初精霊語が出ちゃう癖があってさ...な、何て言ってるかは聞かないでね!」
精霊族は謎の発音で喋る。はっきり聞き取れても何故か発音できない、謎の言語である。
「〜〜〜。アピクはいないの?」
「行きたくないって言ってた〜。」
「〜〜〜!そんな...私に会いたくないなんて...でもそこがいい...!」
ジンリンは顔を赤くする。この時点でたじろいでいたがミサとスオはある質問をする。
「なんで...あの魔術師が好きなんですか?」「気になる気になるー。」
「〜〜〜!!教えてあげるわっ!あの毒舌!蔑んだ目!マッドサイエンティスト!!あの顔立ち!!!踏まれたいっ...!」
ジンリンは鼻息を荒くする。チキ達は本日2度目、顔をひきつらせた。
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追加登場人物
ジンリン
四大魔術師の精霊族。アピクの事が大好きでよく追っかけ回している。魔術師になった後も精霊語を使う癖が抜けず1000年経った今でも使っている。ルアイリ同様、自然大好き。変態。
- Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.28 )
- 日時: 2017/01/31 01:32
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
「あ、あの、その、とりあえず、ヒューイさん達は、えっと...」
「もたもたしない.....あなた達...本当に少しの間だけど...魔黒屋敷に...いたのよね...?」
ヒューイとスレイは頷き、聖人は言葉を遮られたことで部屋の隅でがっくりとしていた。
「うぅ...僕はやっぱりヘタレなんだ...のろまだし...うぅぅ...」
ネメシスはまた始まったと言わんばかりにジトっとした目をしていた。
見兼ねた再興天使は聖人の元に歩み寄る。
「ほら、聖人様。落ち込まないで。君が落ち込むと、私も気分が落ち込んでしまうからな。」
「さ、再興天使...!あ、ぼ、僕ごときが天使様を呼び捨てするなんておこがましいですよね...すみません...すみません...うぅ...」
「そ、そんな事はないさ。天使が空に住んでいるからって、身分は君達と同じなんだよ?」
「...いえ、ぼ、僕は本来こんな綺麗な部屋じゃなくて、さっきみたいな独房がお似合いなんです...うぅぅ...」
「そそ...そんな事はないさ!!君は神様に沢山お祈りしてるだろう?そんなにお祈りしてる人は、君くらいなんだ!ほら、自分に自信を持って!」
「...。そうなんですか?なら...」
ようやく立ち直りかけた聖人。
「せーと...ちょろぉーい...ヴィシャもびっくり...」
ヴィシャはボソッと呟いたつもりだろうが、この部屋にいた全員が聞き取れるほどの声量で、聖人はまたふさぎ込んでしまう。
「ヴィシャのバカッ!」
「すぅ...すぅ...」
ネメシスがそう言った時には既に眠っており悪口を言う為にわざわざ起きたのではないかと思えるくらいだった。
「.......話を...続ける...聖人達は...無視...。」
月星隠者は諦めたのか話を無理矢理戻した。
「ヒューイ.....貴方は力仕事が向いてると聞く...スレイ...貴方は爆弾作りが得意と聞く.....そして...魔黒屋敷でのこと...。私達は...普段あまり戦闘には行かないのだけれど...今回から暫く戦いの先陣をきろうと思うの...。」
「!」
「だから...貴方達も...戦って...くれるかしら.....。復讐...するんでしょう...?」
ヒューイは前まで、吸血鬼や魔術師は何もしてなくて、種族の違いからこんな大事になっているのかと思っていた。でも、今は現に親を殺された。だから...でも聖戦士はその前に沢山殺してきた...。ヒューイはもう何が何だか分からなくなってくる。
「考え...させてください...。今は疲れてて...」
「...そうね。空いてる個室...好きに使っていいわよ...。」
ヒューイはふらふらと部屋をあとにし、個室へと向かっていった。
- Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.29 )
- 日時: 2017/02/01 01:39
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
「〜〜〜♪あ、お茶入れるね。にしてもルアイリちゃーん。来るなら来るって言ってくれればもっとおもてなししたのにー。」
屋敷内は木の匂いが充満している。何せ椅子もテーブルも、床も何もかも木で出来ていたからだ。服に匂いが染み付くのではないかというくらい強い匂いを発しているが不思議と心地よかった。
「いや〜急に来たら驚くかなって〜?」
「〜〜〜。びっくりしたよー。だってチキちゃんも着いてきてるんだもん。」
「あ...私のお母さんと親しかったって聞いたんですけど...」
「〜〜〜!うんうん。とっても仲良かったよー。そして...チキちゃーん、敬語なんていいのよ?楽にしちゃってー?」
チキ達は先程からガッチガチに固まっていたのに気がつく。差し出されたお茶を飲むと、ふわっといい香りが広がった。
「こ、このお茶なんていう名前なんですか!?」「お姉さんー私これ毎日飲みたいから覚えてねー。」「スオも覚えるんだっ!」
ミサはお茶に感服し、ずいずいとジンリンの元へ近づく。
「〜〜〜♪このお茶ねー、アピクが作ってくれたんだよねー。だから詳しい事は私もよく知らないのー。」
「「!?」」
チキとミサは顔を見合わせる。スオは聞いていないのかお茶をごくごく飲んでいた。ルアイリは知っていたのか聞いていないのか分からないが植木鉢に植えられた花に夢中になっていた。
「え、に、兄様が...?」
「〜〜〜。うん。昔はしょっちゅう遊びに来てくれてたのに...今じゃ邪険に扱われるのー。だが...それがいいっ...!」
「あ...あの魔術師がこんなことをしていたのですか...」
ミサは特に唖然としている。
「うふふ〜。師匠は可愛いところもあるのよ〜?」
「〜〜〜♪あーあー。私もルアイリちゃんみたいにアピクの弟子になりたいなぁー!」
ジンリンは椅子に腰掛けた途端に何かを感じ取ったのか耳をピクンと動かした。
「〜〜〜。せっかく来てくれたのに悪いんだけどさ、害虫駆除を手伝ってくれないかなー?」
害虫が聖戦士たちを指しているのは、すぐに分かった。
「なんでここにも...?」
「あらあら〜。虫はどこだって湧くものよ?」
ルアイリはふふっと笑いながらお茶を飲み干した。
- Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.30 )
- 日時: 2017/02/02 02:02
- 名前: そーれんか (ID: qESkNdgF)
「〜〜〜。ここの虫はちょっと特別でね。三匹の班で結成されてるのよ。んじゃ、花咲の狼ちゃーん。虫追い払って、花壇の掃除しましょうねー。」
「あまり荒らして欲しくないんだけどね〜。チキちゃ〜ん!後方支援は頼んだわよ〜?」
「う、うん!」
ジンリンは何も持たずに扉を開ける。
「ん、よーやくきましたですか。...おや、きゅーけつきもいるんですねー。こーつごーこーつごー。」
大きく赤いリボンが頭についていた少女は全身が雪で覆われているのかと思うくらい真っ白な髪に肌に服。そのような姿なのでその赤いリボンがひときわ目立っていた。
「〜〜〜。ここは私の屋敷よ。」
「おや、そーでしたね。きゅーけつき、わたしはりょーさんがたの聖戦士だとおもってくれればいーですよー。だってきょーここでわたしのいのちはつきるかもしれねーですからねー。」
三人で結成されてると言われたが見えるのは一人だけだった。
「だっそーですよだっそー。まったくばちあたりなやつでしたよー。まーわたしにはかんけーねーですね。さ、しゃべるならけっちゃくつけましょー。」
少女はふうと溜息をつき、息を止めたかと思うと物凄いスピードで間合いを詰めた。
「脱走って大変ね〜。」
「そーなんですよー。ほーしゅーがふえるんですがリスクがでかすぎるんですよねー。」
少女は息を吐くようにハンマーでガンガン殴る。口と腕が別の糸に操られているようで気味が悪い。
"法陣・獄華"
巨大な魔法陣が現れ花びらをもった竜巻が少女を吹き飛ばす。
ゴォォォォと大きな音を立てる。風が回りの花を大きく揺らしている。
「うわー...っく、これはもろにうけるとミンチになるやつですねー。こわいこわい」
「どうする〜?帰ってもいいのよ〜」
「いやーかえりませんよー。わたしはりょーさんがたでもいちおー聖戦士ですからねー。」
"信心・聖化失格"
真っ白な稲妻が大量にチキ達を直撃する。威力こそ低いものの立て続けに受けると腕などが痺れてくる。
「いたた...びりびりする...」
「お嬢様、大丈夫ですか...?確かに痛いですね...」「うわぁ、手に雷が走った!」「スオは黙ってなさい」
指先に痺れが多少長めに残るものの特に差支えはないように感じた。
「ってて...チキちゃん、大丈夫〜?ジンリンちゃん、魔壁覚えてないからね〜。」
「〜〜〜。どーしてもこれは苦手なの。覚えきれない。」
「うへー。これだけでくたばるとはおもわなかったしー、もうつかれたけどー、もうすこしがんばらないといけないかなー。しぬまでがんばれっていわれたからですねー。しかたないねー。」
少女はとても重そうにハンマーを持ち、再び息を止めた。
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