二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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花火 【BLEACH】
日時: 2010/01/19 21:23
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: HFyTdTQr)
参照: http://gekkouhoujyu.holy.jp/page008.html

hello☆ 凛と申します
新スレです

*注意*

+中傷・荒らし・偽・チェンメ厳禁
+有り得ない事ありまくりです。あと意味不です
+文章の基本がなってないと思います
+更新激遅です
+何かと似てたらすみません

*prologue*

空に咲く大輪の花火
 水に映る大きな蓮の花

淡く儚く優しく包み込む

      たとえ 2人の仲引き裂かれようとも

  心は共に在る

願わくば、最後の一輪となっても
願わくば、最期の一片となっても



 私達は皆を護ろう———

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Re: 花火 【BLEACH】 ( No.112 )
日時: 2010/06/19 22:36
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: zTJIAtHn)

第32話

けれど、全ての謎が解かれた訳ではない
未だに黒雲の中に包まれた真実がある

「緋奈……アンタも、遠くに行くのね」

ポツリと乱菊が呟いたのを日番谷は聞いた


緋奈は走っていた
息を切らし、目的地も無いまま
森の奥へ奥へと走る

「———良かったのですか、余命のことを話してしまって」

ふわり、と何の前触れもなく紅花火が姿を現す
紅色の髪が風に靡く
鮮やかな着物が眩しい

「……煩いわね」

「けれど、告げなかったとしてもあの2人なら察してしまうでしょう。鋭い方ですから」

そうね……と、小さく答えてから傍にあった木に寄りかかる
本当、鋭いものね
藍染たちの裏切りの時も気付いたそうだし……
知らず知らずのうちにフッと微笑んでいた

「緋奈、よくお聞きください」

「何よ」

「本当に、此処まで来たら回避は出来ません。それでも、抗いますか」

真剣な眼差しで問う
そんなの……
そんなのもう……決まってるじゃない


「ええ、抗うわ」

「そうですか」

満足そうに微笑んで、紅花火は消えた

「今宵は満月か……」

ポツリと呟いた

Re: 花火 【BLEACH】 ( No.113 )
日時: 2010/06/22 16:56
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: zTJIAtHn)

第33話

「緋ぃー奈ぁーーーー!!!! 早く寝よっ」

「梨ぃ……隊員たちに迷惑するよ」

はしゃいでいる梨奈に向かって緋奈は尤もな事を言う
そして布団を敷き、布団の上に座った

「今日はね! 甘味処行ったんだ〜そしたらね、雛森副隊長に会ったんだよ!」

嬉しそうにその日のことを話す梨奈
その笑顔には、影が無くて
それが少し羨ましかった

「緋奈は何かあった?」

ドキリ、と胸が波打つ
まさか日番谷と乱菊に知られた、なんていえない
言ったら絶対にこの子は落ち込む
精一杯の作り笑いをして、緋奈は嘘を語った

「今日はお仕事終わった後に森でお昼寝してたですよ〜気持ちよかったです」

「そっかぁ……楽しそう!」

幸い、梨奈は嘘に気付いてはいない
ホッとした

「じゃぁ、寝ようかっ」

「うん、おやすみー」

「おやすみ」

明かりを消し、布団の中に潜る

「ごめんなさい……」

緋奈の小さすぎる呟きは誰にも聞かれずに消えた



満月が、綺麗な夜だった

Re: 花火 【BLEACH】 ( No.114 )
日時: 2010/06/22 17:10
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: zTJIAtHn)

第34話

あたし、毎日楽しそうに笑えてるかな?
布団の中でふと、そう思った
その後何となく眠れなかったあたしは、こっそり布団を抜け出してその辺をぶらぶら歩いてた

蒼蓮花が言ってた。最期が近いって
その顔は、酷く歪んでて
哀しそうで、淋しそうで
自分達を責めてて

「どっちも悪くないんだけどね……」

苦笑しながら歩く
久し振りに蒼蓮花と普通の会話をしてみようかな
余命の事なんか話さず、極々普通の

「よーしっ! そうと決まれば……」

「あら? 何やってんの梨奈、こんな所で」

不意に声をかけられ、「ぎゃぁっ!!」という情けない悲鳴を上げて慌てて後ろを振り返った

「お、おおお脅かさないで下さいよ乱菊さん!!」

若干涙目になりながら、目の前の金髪の上司に向かって叫んだ
相手は笑いながら、「脅かす気は無かったのよ?」といってきた

「にしても珍しいわね、あんた達いっつも早めに寝ちゃうから」

「……たまには夜の散歩もいいかなぁって」

これは単なる言い訳
でも外れてる訳でもないと思う
まぁ、当たらずも遠からずってやつ? よく分かんないけど

「それより最近気になってたんだけど」

「何ですかー?」

「あんた、何か最近笑顔が無理してるように見えるわよ?」

絶句。身体が強張るのが分かった
嘘……ちゃんと、笑顔のつもりだったけど
緋奈とならちゃんと笑えるんだけどな

「そんなこと、無いですよ?」

「……ハァ、あんたと緋奈。変なところで頑固ね」

「? どういうことですか?」

「何でもなーい。じゃ、また明日ね!」

残された梨奈は、暫くポカンとして突っ立っていた

Re: 花火 【BLEACH】 ( No.115 )
日時: 2010/06/23 21:31
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: zTJIAtHn)

第35話

「おはようございまーすっ」

「おはようございますです」

「梨奈、緋奈おっはよ!」

今日は珍しく乱菊が朝から居た
普段はもうちょっと遅いのに

「乱菊さん、珍しく朝から居ますね!」

「ちょっとー! どーゆー意味よぉ!」

聴こえる笑い声。梨奈と乱菊の笑い声が緋奈の耳に入った
———幸せそうね
思わず顔が綻ぶ
余命は1月半。それを感じさせぬ笑顔が梨奈にはあった
自分は、今笑えているのだろうか

「……御影、大丈夫か?」

「えっ? 何ですか?」

急いで返事をする
日番谷が此方を真っ直ぐ見ていた

「余命、後どんくらいだ?」

緋奈は俯いた
……1月半なんて、言える訳ないじゃない
だから、精一杯の笑い顔を作っていった

「大丈夫です! まだまだ先ですからっ」

それは嘘
もう、私と梨奈の未来は残り僅かだ
だから、言えない
隊長は優しすぎるから
いつも眉間に皺を寄せてるけど、隊長は誰よりも優しい隊長だ
だから、言えなかった

「……そうか」

一瞬の間があいてから、この会話は終わった

「……」

今日の空は、憎らしいほど蒼かった

Re: 花火 【BLEACH】 ( No.116 )
日時: 2010/06/26 19:08
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: zTJIAtHn)

第36話

「じゃ、書類届けに行ってきます♪」

ニコッと笑って、梨奈は出掛けた

「じゃ、あたしも行って……」

「てめぇはダメだ」

そろそろと執務室を抜け出そうとした乱菊に、日番谷の容赦ない言葉がかけられる
その後幾らか言い合いが続き、日番谷がほんの少し目を離した隙に乱菊は瞬歩で逃げていた

「……あんの野郎ォ」

「みー、乱菊さんのサボり癖は治らないですね」

ふるふると怒りに震える日番谷、そして苦笑気味の緋奈
そして、さらさらと慣れた手つきで筆を滑らせる
それすらも緋奈には楽しいと感じる事が出来た

「……隊長」

「あ? 何だ?」

「梨奈には、余命に関する話は振らないでください。出来れば、私が話したことも、全て」

切ない表情をしていた
自分も哀しい筈なのに、こうして妹の心配までする
強い、と日番谷は思った

「———ああ」

その言葉をきくと、緋奈は儚げに笑った


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