複雑・ファジー小説
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- 復讐 5年の歳月を経て……
- 日時: 2011/07/28 17:45
- 名前: コーダ (ID: n/BgqmGu)
え〜…皆様初めまして!!コーダと申します!!
このたびはこちらの小説カキコで私のオリジナル小説を投稿していきたいと思っております。しかし、過度な期待はしないでください。あっ、こんな小説かぁ…程度の期待で良いです。
小説の内容は刀と魔法のファンタジーだと思います。(私でもジャンルが少々わかっていない。)時にはこれファンタジー?という物もありますがそこは温かい目でスルーしてください。
小説に登場する人は人間や獣人、巫女などさまざまです。
それでは、これで長ったらしい挨拶を終了します。小説のほうは編集が終わり次第投稿いたします。
それではまた〜!!
なんと参照が400を超えました!なんという出来事……これは、夢?幻?読者様!ありがとうございます!
謎の企画へ→>>91
※お知らせ
これから、大規模な文章訂正を行います。なので、いつもの書き方から、一気に変わります。
しかし、更新も同時並行に、行っていきますので、ご安心ください。
※お知らせ2
そろそろ、溜まっていた小説のコピーが終わりそうになってきました。
なので、これからは地道に作成作業もしていくので、更新速度は遅くなりますことを、お知らせします。
※お知らせ3
突然ですが、私小説を掛け持ちしました。なので、こちらの小説はとんでもなく更新が遅くなると思います。
※追記1
私の小説は戦闘描写が多いので”血”や”死”などの表現が多少ありますのでご報告いたします。
※追記2
秋原かざや様に私の小説を宣伝していただきました。本当にありがとうございます!!
宣伝文章を下記に記します。
————————————————————————
もう、今となっては過去になるが、俺は昔、復讐しか頭になかった男だった。
これから話すことはウソ、偽りは全くない……復讐のきっかけ、復讐符の終止符、これからについて……隠さずにここに記すとする。
「東牙(とうが)殿!! 今日はお祭りですぞ!!」
「騒がしい爺さんだな……どうせ規模の小さい夏祭りだろ?」
屋根が全て瓦で覆い尽くされ、玄関の正面には立派な門構え。
外から見ると、縁側にたくさんの襖が見えた。
始まりは、その小さな夏祭りでの出会い。
「だーかーらー!! なんでこの商品は、何度撃っても倒れないのよ!? おかしいでしょ!?」
「おかしいたってお嬢ちゃん? 倒れないもんは倒れないんだよ」
「いーや!! 絶対なにか細工しているに違いないよ!!」
「おい……俺は女だからって手加減はしないぞ……」
「そっちこそ覚悟は出来てるの!? 私に逆らったことを深く後悔させてあげるんだから!!」
そういって、少女は。
「グリモワールオブエレメント・サラマンド、第1章「バーンストーム」!!」
東牙の足下に現れたのは、六角形の魔法陣。そこから激しい炎が噴き上げた!!
————ひとつ、話をしよう。
ある家に決まりがあった。
それは、破ってはならぬ厳しい掟。
『他人に振り回されず、自立して生きる』
その家の者を勝手に振り回すことは、斬られても文句は言えない。
また、自分から振り回されてしまえば、自分が死刑となる。
そんな厳しい掟があった。
そう、俺がいた鞘嘉多家は、そんな厳しい掟があったのだ。
「一体どうしたんですか?」
「それがですね……今日の朝、蓮花お嬢様が誘拐されてしまったんです! 犯人は、確か……“鞘嘉多”と言ってましたね」
幼い俺が彼女、蓮花(れんか)に振り回されてしまったことがきっかけで……。
「ちょっとそこの爺さん!! 私をどうするつもりなのよ!?」
「おやおや……お嬢ちゃんは、自分がどんな状況か分かっていないようですな。……我々鞘嘉多家後継者、鞘嘉多 東牙殿を引き連れたという罪で、公開処刑ならぬ公開死刑になろうと」
「!!」
「聞け貴様ら!! 俺は鞘嘉多の決まりを反対する!! そして俺は自分の名字を捨てて完全に鞘嘉多の縁を切る事にする!!」
家との縁を切る事を決意した。
「ああもう!! じれったいわね!! この際、敵か味方かとっとと決めちゃいなさいよ!! せっかく東牙は覚悟決めて、ここに殴り込んでいるのよ!? あんたも覚悟くらい持ったら!?」
「……ふふ……わたくしとしたことが子供に説得されるとは思いもしませんでしたわ」
————そして、5年の歳月が経った。
俺の視力は落ち、眼鏡をかけることとなったが、ここから、俺の復讐が始まる。
「(一体どうなっているんだ……北の都会街と言っていたが……ちっ、早いとこ解決しないとな……)」
「佐々凪(ささなぎ)殿!! 反対関係者が守りの姿勢に入りました!!」
「科門奥義第伍目『円斬刀(えんざんとう)』……!!」
「こんなんじゃぁ、東牙に顔見せられねぇよ……」
「世の中何が起こるか分からない……だから勝つまで絶対油断はするな。良いか?」
「佳恵……さん? もしかして佳恵さんですか!?」
「その声、私が忘れるはずありません……東牙……東牙—!!」
「……ふんっ、さすがだな、鞘嘉多四天王の1人……」
「もう少し違う形で出会っていれば仲良くできたのにな……」
「四天王だから? 四天王だからという理由で、東牙は人を平気で殺すのですか!?」
「おい、指示が出てないのに、長距離狙撃銃を撃つ馬鹿がどこ居る?」
「み、見たのか……私の体を……」
「おっ……これはなかなかの味……」
「だろ? この味を分かってくれる人が居て俺は嬉しい」
「……すまなかった……まさか東牙がその……そういう人だと知らず……そして私を敵としていたなんて……」
「(ちっ……動け……動けよな……)」
「そこにいるのは誰だ……」
—————————————————————チリリン。
オリエンタルな東方風世界を舞台に、刀と魔法が彼らの運命を斬り開く!!
剣戟あふれる復讐劇の先に、辿りつく未来とは……。
【復讐 5年の歳月を経て……】
現在、複雑・ファジースレッドにて、好評連載中!
「あ〜あ……自分も警視みたいに綺麗で家庭的な人欲しいですよ〜〜」
「そんなもん俺に相談すんな……自分の花嫁くらい自分で探せ……」
————————————————————————
宣伝文章終了。
・読者様
ステッドラーさん(【★】アーマード・フェアリーズ【★】を執筆している方です。)
琴月さん(*鏡花水月に蝶は舞う*を執筆している方です。)
龍宮ココロさん(白ずきんちゃんと。〜ワンダーランドの住人童話〜を執筆している方です。)
(同時に、ゴッド・コードウルフ。という小説も執筆している方です。)
水瀬 うららさん(Quiet Down!!を執筆している方です。)
長月さん(神王サマは15歳!を執筆している方です。)
・絵を書いてくれた方々
しかやんさん(美しい、柊 樅霞さんを描いてくれました!ありがとうございます!)
・評価をしてくれた方々
緑月華さん(評価ありがとうございます!そして、蓮花を好きと言ってくれて、嬉しいです。)
水瀬 うららさん(とても詳しい評価、感想をありがとうございます!私からは感謝の2文字しか出てきません!)
・鑑定をしてくれた方々
秋原かざやさん(非常に丁寧な鑑定、ありがとうございます!私の弱点を教えてくれて、本当に嬉しいです。)
・宣伝をしてくれた方々
秋原かざやさん(とてもドキドキするような宣伝、ありがとうございます!そして、楓のことを好きと言ってくれて、嬉しいです!)
壱目 出会いと別れ
>>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7
>>8 >>9 >>10 >>11
弐目 再開、そして別れ
>>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17
>>18 >>19 >>20
参目 新たな仲間と敵
>>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26
>>27 >>28
四目 裏切り裏切られ
>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34
>>35 >>36
伍目 城内戦争
>>37 >>38 >>39 >>40 >>41 >>42
六目 巫女と鈴と刀と……
>>43 >>44 >>45
七目 衝撃の事実
>>46 >>47 >>48 >>49 >>55
八目 過去よりも今
>>58 >>59 >>60
九目 雪月花解禁
>>64 >>66 >>71 >>72 >>73 >>79
>>80 >>81 >>83 >>84 >>85 >>86
>>87
拾目 活動、反省、計画
>>90 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98
>>99 >>106
拾壱目 柊樅霞の呟き
>>107 >>108 >>109 >>112 >>113 >>114
>>115
拾弐目 それぞれの思惑
>>116 >>121 >>124 >>125 >>126
拾参目 城外大戦争
>>128 >>131 >>133 >>137
- Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.18 )
- 日時: 2011/06/26 00:44
- 名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)
「佐々凪殿、只今、南へ全員向かわせています。」
「南?おい。それはまずい……今ここはお前と俺でたった2人だ……なにかあったら……。」
「じゃあ、何か起してやろうか?佐々凪 九寺……!」
「何!?おわぁ!」
九寺が、ガラ空きだと言った瞬間、不意に男の声が聞こえた。
思わず辺りを見回したが、どこにも人影はなく、とても警戒している九寺の懐に、いつのまにか、先ほど声を出しただろうと思う男が居て、そこからすぐさま刀を振られる。
しかし、九寺も迅速な判断で、刀を抜き、ガキンと刀と刀がぶつかりあった。
「……ふんっ、さすがだな、鞘嘉多四天王の1人……。」
「貴様は……その姿……まさか侵入者か?」
「侵入者?なるほど……ここでは俺のことを、侵入者と扱っているのか……だが、分からんのか九寺?昔、護衛をした偉い男を……。」
男は、刀を持つ力を弱め、すっと横に刀をずらす。
そして、少し距離を取り、九寺の顔を見ながらその場で、メガネを外す。
すると九寺は「お、お前は……。」と、とても動揺した。
どうやら、やっと侵入者を昔、護衛した東牙と判断したのだ。
「俺の名前は科門 東牙……宣言通り、鞘嘉多の名は捨てた……今となっては、お前との関係は全てチャラで敵同士だ……。」
「まさか裏切り者が、自らやってくるとはな……だが、俺は鞘嘉多の四天王……一筋縄ではいかないが?」
「それは承知済みだ……だが、ここで戦わなければ、いつ戦う?いくぞ……!」
東牙は、メガネを速攻でかけ、九寺の懐に迅速に入った。
しかし、九寺は右手の刀で、ガキンと東牙の刀を止めた。
お互い押しあうが、ピクリとも動かず、これではらちがあかないと判断した東牙は、一旦、作用反作用の法則で後ろへ跳んだ。
そして、そこから今度は、少し飛翔して、脳天から刀を降ろすが、もちろん、九寺の右手の刀で止められ、また後ろに跳んだ。
「ちっ……やはり小細工しないと勝てなさそうだ……。」
「どうやら、この5年間の間に相当な鍛錬をしたみたいだな……だが、俺に勝つにはまだまだ遠い話……次はこちらからいくぞっ!」
今度は、九寺が東牙の懐に迅速に入り、右手刀を真上から振る。
もちろん、東牙は両手で刀を持ち、ガキンと止めた。
しかし、その瞬間、九寺の左手刀が、右から迫ってきたのだ。
これには思わず、東牙は例の法則で後ろに跳んで、なんとか回避した。
「二刀流だったな……少し忘れていた……。」
「忘れていた?よくこの状況でそんな事が言える……一瞬の油断が……!?……はぁ!」
「うっ……完全に気配を消したのですがね……さすがですわ……。」
九寺が、東牙に警告している途中に、ふと後ろから、わずかな殺気を感じ、右刀でそれを止めた。
不意を突いたのは、佳恵だったが、見事に見切られ、思わず九寺を褒め称えてしまった。
「貴様は……まさか、あっちのリーダー佐奈観 佳恵か?」
「そうですわ……今までずっと指揮をしてた佐奈観 佳恵ですわ……!」
佳恵は、右手に持っていた刀を、左手に持ち替えて、また迅速に動き、九寺の懐へと向かい、斜め左下から刀を振った。
しかし九寺は、すっと右に体を傾け、簡単に佳恵の一撃を回避する。
そしてさらに、その影響で背中がガラ空きとなった所を、九寺は右手の刀で一閃するが、佳恵も一瞬で体勢を立て直し、くるっと、反時計回りに180度回り、ガキンと刀と刀がぶつけた。
「くっ……やるな……さすがはあっちのリーダーと名乗るくらいか……。」
「うふふ……褒め言葉を言っていられるのも、今のうちですわよ……。」
佳恵は、東牙と同じく、作用反作用の法則で後ろに少し跳び、刀を鞘に戻した。
そして、腰を低くして、そのままピクリとも動かなくなった。
「……そうか、ではこちらからいくぞっ……!」
九寺は、佳恵がいったい何をやっているのかをすぐに見通したが、なぜかそのまま刀を構え、佳恵の懐へ向かった。
————————————ガキン、ガキン!
「!?……まさか、わたくしの居合抜きを全て見切るなんて……。」
「これくらい見切れなくて何が四天王だ……ふっ……。」
そう、佳恵は居合抜きの態勢に入っていたが、九寺はあえて、そのまま向かったのだ。
そして、佳恵の1回目の居合抜きを右手刀で弾き、2回目の居合抜きを左手刀で弾いたのだ。
この結果に、思わず佳恵は、表情を崩して驚いていたという。
「……なるほど、伊達に四天王とは言われてないか……面白い、そろそろ本気を出すか……。」
のんびり観戦していた東牙は、この光景を見て、やっと四天王の恐ろしさを知ったようだ。
だとすると、今まではあまり四天王とは意識しないで戦ったことになる。
そして「佳恵さん。下がってくれ。」と、一言言って、刀を正面に構え直立しながら目を閉じた。
「なんのつもりだ東牙……精神統一したところで、俺には勝てんぞ?いくぞ!」
「(……科門奥義第七目……。)」
九寺は、東牙の行動がわけわからず、そのまま、まっすぐ懐に向かった。
そして、右刀を、斜め45度に、上から振りおろした。
——————————————ガキン!
刀と刀が、触れ合う音が聞こえた時には、東牙は九寺の真後ろに居た。
佳恵は、一体何が起こったのか分からず、とても戸惑っていたが、5秒後に、突然、九寺の右刀が、見るも無残に折れ、本人も上半身から、大量に血を噴き出したのだ。
そして、バタリとその場に倒れ、東牙はそれを確認すると、刀を鞘に戻し
「もう少し違う形で出会っていれば、仲良くできたのにな……。」と一言呟いた。
佳恵は、突然の状況に絶句してしまい、その場でペタリと座り込んでしまった。
- Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.19 )
- 日時: 2011/06/26 00:56
- 名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)
「あ〜……もしもし……なんだ、佐々凪と行動していたやつらかぁ?用件は一体なんだ?はぁ!?本当かよそれ!?」
同時刻。
薄暗い部屋で、1人の男が、通信機かなにかで、連絡していると、突然、大声で驚いていた。
どうやら、佐々凪という男と、関係がありそうだ。
「……何?東牙と名乗るものが、佐々凪を、今、殺しただとぉ?分かった。お前らも殺されないように、頑張るんだなぁ!」
通信機を乱暴に、ガチャリと切り「所詮は、頭だけの四天王だったなぁ!」と、高笑いをし始めた。
すると、ガチャッと、扉が開く音が聴こえ「どうした?なにかあったのか。」と、2人ほどの女性が、入ってきた。
「聞いてくれよぉ……佐々凪の奴が、今、くたばったんだぜぇ!?」
「何?あの佐々凪がか……一体、どれくらい腕が立つ者にやられたのだろうか……。」
「でも、四天王が1人倒れるなんて、けっこう大変よ?これは。」
どうやら、この女性たちも、佐々凪と面識があるようだ。
1人は、倒した人を気にしだし、1人は、心配をしていた。
しかし男は「何を心配しているんだよぉ?俺たちが東牙を殺せばいいだろぉ!?」と、単刀直入に言う。
すると1人の女性が「えっ!?九寺を倒したの、あの東牙!?」と、驚き、1人の女性は「むっ?なんだその者は?」と疑問に思った。
「あぁ、楓(かえで)は知らないんだよね……東牙って言う人は、昔、鞘嘉多の後継者だったのよね。」
女性は、楓と名乗る者に、東牙について、簡単に説明した。
すると「なぜ後継者が仲間を殺す?」と、また疑問に思ったが、男は「あいつは裏切ったんだよ。鞘嘉多からなぁ!」と、また簡単に説明した。
「なかなか気になる者だ……一戦してみたい所……。」
「おっ?なら次の派遣は楓で良いかぁ?姫狗(きく)?」
男は、姫狗と名乗る女性に、了承を得ようとした。
すると、あっさり「まぁ、良いよ。たぶん、楓くらいじゃないと太刀打ちできないし。」と言った。
「という事だ、頼んだぜぇ楓ぇ!」
「任せろ。」
そして、部屋から楓は、出て行った。
すると男は「獣の力で東牙は倒れるかぁ?」と笑いながら言った。
「意外と倒しそうじゃない?楓は、狼の血をひくんだし……いざとなったら本当に狼になるしね……。」
「いや、ありゃ犬って言った方がいいぜぇ……。」
そして、男は立ち上がり、黙って部屋から出て行った。
残された姫狗は、ふと、大事なことを思い出した。
「そういえば楓って、東牙がどんな姿しているか知っていたっけ?まぁ、良いよね……ジュピターに伸びる手?……これはちょっと怖いわね……。」
姫狗は、重大な疑問を丸投げにして、ふと、ポケットからカードを取りだした。
すると、それを見てぶつぶつ呟き、最後に「楓……心優しい人だからって、付いていっちゃだめよ……。」と、一言言って、部屋を出て行った。
○
「おっしゃぁ!やっとこの戦いに終止符をつけた!」
「皆さん……東牙に感謝してください……。」
一方、北の都会地では、反対関係者の歓声が、大きく響いていた。
なにせ、長かった戦いに、やっと、終止符をつけられたのだから。
しかし、佳恵は心の底から、嬉しいとは思っていないらしい。
「ありゃ?肝心の東牙はどうしんだリーダー?」
「……ごめんなさい。気が付いたら、居なくなっていましたわ……。」
佳恵は、なぜかその言葉を言うと、いきなり涙を流して、泣き崩れてしまった。
これには、反対関係者も唖然として、あたふたしていた。
○
「おい。貴様何か知っているんだろ?残った四天王の居場所を……!」
「ひ—!分かりました!だから、刀を降ろしてください!」
東牙は、賛成関係者の残党1人を脅して、情報を聞き出そうとしていた。
もちろん、賛成関係者は、必死に情報を言うと約束して、命乞いをした。
「で?残りの四天王はどこだ?」
「えっとですね……ここから西に50kmくらい行ったところに、とても大きな町があるんですよ!そこの城下町に3人が居ます!詳しくは知りませんが、絶対に居ます!」
賛成関係者は、あたふたしながら、東牙に情報を言った。
抽象的なものだったが、情報を言ったことには変わりないため、無事に解放されたという。
「ちっ……また遠くまで歩くのか……だが、今度は本当に、人がたくさん住んでいる場所だろう……さて、とっとと行くか……。」
東牙は、早速情報を頼りに、西へ向かって歩き出した。
そして、都会街を出る手前で足を止め「すまない佳恵さん……もう俺は、昔のように可愛い子には戻れない……今はただ、復讐のために動く……男だ。」と、かなり意味深なことを呟き、再び足を動かした。
歩いている途中、なぜか「やはり痛いな……。」と、わけわからないことを呟いていた東牙だったが。
どんどんファンタジーとは思えないものが出てきますねぇ…まぁ、良いでしょうw
- Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.20 )
- 日時: 2011/06/26 01:10
- 名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)
「ふ〜……やっと着いた〜!」
都会地の、東入り口で、1人の少女が伸びをしながら、ここへたどり着いた事に喜んでいた。
全身が紅い服装、魔道書と杖を持っていて、見た感じ明るい人。
そう、ここに来たのは、木葉 蓮花だったのだ。
「あいつは確か、この都会地に行った……だけど、ここ都会地かしらね?むしろ、廃墟地といった方が良くない?」
周りを見ながら、矛盾に突っ込んでいた蓮花。
どうしてここに来たのか?というと、理由は一言で済む。
東牙を、見つけるためだった。
「……血の臭い、所々にある死体……これはなにかあるわね……。」
そう言って、蓮花は警戒しながら、都会地を歩く。
進むにつれて、血の臭いがきつくなり、死体の量も多くなってくるなか、少女はただ黙って、前進していった。
すると、遠くの方から人の声が、微かに聞こえてきた。
これを、聞き逃さなかった蓮花は、先より警戒しながら、その方向に進んだ。
そして、だんだんとその声は、大きく、はっきりしてきて、蓮花の警戒心は、どんどん強くなる。
この先、どんな人が居るのか、という興味と、恐怖が、少女を動かす動力でもあった。
「誰だてめぇ……ここに何か用かぁ!?」
突然、後ろからガラの悪い言葉が聞こえた。
どうやら、誰かに、見つかってしまったようである。
蓮花は、心の中で「あちゃ〜……。」と呟き、恐る恐る、後ろを振り向く。
「見ねぇ顔だな……何者かは知らねぇが、お譲ちゃん早く帰んな。ここは危ねぇぞ?」
意外と、優しい心の持ち主と判断して、ほっとした蓮花は「嫌よ。私はある人を探しに、ここまで来たんだから。」と言った。
すると、なぜかガラの悪そうな男は「う〜ん……。」と悩んだ。
一体、何に対して悩んでいるのか、分からなかった蓮花だが、続けて「あんたに言っても分からないと思うけど、私は科門 東牙を探してるのよ。」と言う。
すると「何!?あの、東牙を探してるだとぉ!?」と大きな声でかえってきた。
そして「お譲ちゃん。東牙とどんな関係だぁ?」と、間を開けず問い詰めてきた。
「まぁ、5年間くらいの付き合いね。」
この発言に、男はまた「何—!?」と叫んだ。
そして「これはリーダーに会わせるしかねぇ。」と言って、蓮花の柔らかくて、少し細い腕を強引に引っ張った。
もちろん「ちょ、ちょっと!どこ触ってるのよ!痛いってば!」と、少女らしい声が、聞こえたのは言うまでもない。
○
「……復讐のためなら俺は殺しもする……東牙、その言葉、本当に言っているのでしょうか……。」
顔を、少し下げながら、呟くのは、戦いに終止符を打ったのに、一切喜びもしなかった佳恵だった。
どうやら、東牙がその原因らしい。
「……もう、昔のような東牙は居ないのでしょうか……。」
この話は、九寺との戦いが終わった時に遡る。
○
「さて……行くか……。」
「……東牙、どうしてこんなことをしたのでしょうか……?」
東牙が、刀を鞘に戻して、佳恵に行ったが、彼女は、どうして九寺を殺したのかを、声を低くして尋ねる。
そして、東牙からは「鞘嘉多の四天王だから。」と、一言で終わる言葉が出てきた。
すると、佳恵は一気に顔色を変えて。
「四天王だから?四天王だからという理由で、東牙は人を平気で殺すのですか!?」
あの、いつもおっとりしている佳恵が、今だけは、怒りをあらわにして、このセリフを言った。
そして、東牙は「そんな考えでは、復讐なんてできん。」と、佳恵に強く言う。
—————————————————パチン!
佳恵は、東牙の右頬に思いっきりビンタをする。
その音を、聞く限り、思わず声を出してしまうくらい痛いはずなのに、東牙は黙っていた。
そして佳恵は「もう……東牙なんて知りません!」と、涙を流しながら、この場から去った。
「……すまない佳恵さん……本当にすまない……。」
そして、東牙は佳恵と逆方向に、歩いて行った。
○
「どうしたらいいのでしょうか……このままでは、復讐のために動く東牙になってしまう……そんなの嫌ですわ……。」
佳恵は、また、涙を流しながら、東牙のことを考えていた。
「リーダー!東牙を探している女が居るぜぇ!」
この一言を聴いて、佳恵は目に溜まった涙を、腕で拭き取り、反対関係者の方へ向かう。
すると、思いもよらぬ、客人が彼女の眼に映った。
「えっ……あ—!?あの巨乳女!?」
「もしかして……あの時の?」
2人はしばらく、唖然としていた。
一方、反対関係者の1人は、また、頭がごちゃごちゃになったという。
- Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.21 )
- 日時: 2011/06/26 08:32
- 名前: コーダ (ID: 46ePLi3X)
〜参目 新たな仲間と敵〜
北の都会地から、西に行った城下町。
その名の通り、ここは、城と町があり、かなりの人口を、誇る場所である。
治安もよく、表通りでは、隙間なく、商工業や家があり、老若男女が、ガヤガヤとしていて、とても町として発達していた。
しかし、これは表向きの話で、裏では、ごろつき共の巣穴で、よく一般人が、そこを通って恐喝されているのも、日常茶飯事だ。
だが、人々から聞いた話だと、一度でいいから、ここに住みたい、と言う人が多い。
そんな城下町の夜、屋根の上に、1人の女性が居た。
「風が騒がしい……今日は良いことがなさそうだ……。」
小声で呟き、眼を徐々に開ける。
着物を着ていて、一応肩まで長く、艶やかで、やや黒髪に、茶色成分が含まれた髪。
そして、なぜか頭の上には、ふさふさした2つの耳。
よく見なくても、動物のような尻尾があり、足元には、自分の身長と同じくらいの、長い刀が置いてある。
極めつけに、人間ではありえない、おぞましい眼光を、持っていた。
「こういう日は、黙って寝るのが1番……ん?なんだあの人だかりは……。」
女性は、どこを見ているのか分からないくらい、遠くの方に、人だかりがあるのを見つけた。
どうやら、彼女は、視力がとても良いと伺える。
そして、置いている刀の、丁度、真ん中部分を持って、その場から、飛翔して、屋根をどんどん巡っていった。
○
「ようやく着いたか……しかしここは人が多いな……。」
城下町の南部分で、黒い男がようやく、ここにたどり着いたことに、ひとまず安心する。
そして、たくさんの人ごみに、少し溜息をしていたのは、そう、東牙だった。
「だが、こんな場所に四天王が居るとは……世の中、何が何だかわからんな……。」
そして、腑に落ちない感じで、人ごみの中に、入る東牙。
しかし、ものの3分で、彼は人ごみに酔い、表通りの陰で、休んでいたという。
○
「全く……なにかと思ったら、表通りに出たごろつき共が、騒いでいただけか……あまり人に迷惑をかけては、だめだぞ?」
城下町の、だいたい東辺りで、とても長い刀で、表通りに現れた、ごろつき共を成敗した、女性が居た。
野次馬は「おお—!」などの、歓声で彼女を見ていた。
しかし、誰も彼女に、耳や尻尾が生えていることに、突っ込みはしなかったという。
「これからは人のために行動してみるんだな……さて、行くか……。」
捨て台詞をはいて、女性はすぐさま、路地裏に姿を消した。
風のように現れ、風のように去っていく、かのように。
○
「やはり、人通りのない路地裏が、落ち着くな……。」
のんきに、路地裏を徘徊していた東牙。
黒マントという、服装のせいか、路地裏の暗さと、保護色になり、とても目立たなかった。
「これから、どうする……?情報屋でも探して、聞き出す方が早いか?」
腕を組みながら、1歩1歩進み、これから、どう行動するか、考えていた東牙。
—————————————————バンッ!
突然、どこからともかく、銃声らしきものが、聞こえてきた。
「……なんだ?誰か撃たれたか?」
普通なら、焦るはずなのに、この男は、本当に落ち着いて、冗談半分で、この言葉を言う。
そして、なぜか東牙の足は、銃声の聞こえた方向に、向かっていたという。
○
「俺の計算だと、ここら辺だと思うのだが……。」
東牙は、たぶんここらへんで、誰かが撃たれただろう、という計算をして、ここを歩いていた。
しかし、手がかりは、何もつかめず「もしかして、間違ったか?」と、珍しく失敗した、と感じる東牙。
そして、諦めようとした瞬間、目の前に、なにやら犬のような生物が、倒れているのを見つけた。
東牙は、少し小走りして、その倒れている犬を見た。
なぜか、犬には着物がかけられており、口には、とても長い刀が咥えられていた。
そして、腹部からは、銃で何か撃たれたかのような傷。
わずかながら、息をしているが、とても危ない状況。
よく見ると、わずかながら無茶をして、歩いた形跡もあった。
東牙は「撃たれたのは犬か……しかし、これは見事に危ない、早くしないと……だが、面倒なことに巻き込まれるのは……。」と、助けてやりたい気持ちと、それを、拒否する気持ちが葛藤していた。
すると、倒れている犬は、近くに居る東牙見ては、じっと見つめ、咥えていた刀を落とし、助けてと言わんばかりに、鳴き始める。
さすがに、東牙は「あ〜……そんな声で鳴くな……仕方ない奴だ……。」と、言って、倒れている犬を、なんと、抱きかかえたのだ。
そして、刀と着物も持ち、この傷をなんとかできるのは、表通りしかないと、すぐに考えた東牙は、颯爽と、人ごみの多い表通りへ向かった。
- Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.22 )
- 日時: 2011/06/26 08:55
- 名前: コーダ (ID: 46ePLi3X)
「おい、指示が出てないのに、長距離狙撃銃を撃つ馬鹿が、どこに居る?」
「も、申し訳ありません鉈崎警視!」
城下町から、少し離れた平野で、20人くらいの、団体が居た。
その中で、1番服装として、目立つ男は、仲間が勝手に、発砲したことを、注意していた。
目立つ男の見た目は、28歳くらいの男で、灰色のスーツを着ているが、上のボタンを、全てつけていない状態で、Yシャツが見えるという特徴。
髪の毛は、前髪が目の上半分が、かかるくらい長いが、首まではいかない。
目は、黒一色で、とてもガラが悪そうに見えた。
この男性は、鉈崎 諺瑚(なたざき げんご)という名前で、職業はなんと刑事。
そう、この団体は、刑事たちだったのだ。
「ったく……これから、仕事のためにあの城へ、行くってのに、変な噂が流れたらどうすんだ……しかも、その処分は、誰に回るか、わかってるのか!?」
「……申し訳ありません。」
諺瑚は、隊員に、こっぴどく叱った。
しかし、この男が刑事だなんて、とても信じられないが、こう見えて、実績はかなり残しており、刑事の、最終兵器だ、と言われるくらいである。
だが、1度堪忍袋が切れると、手に負えないという。
「……さて、どんな仕事が引き受けられるのか……。」
諺瑚は、上のスーツを風で、たなびかせながら、城下町へと向かった。
○
「くっ……参ったわねこれは……。」
「ええ……打つ手がないですわ……。」
その頃、北の都会地では、なぜか反対関係者と、蓮花が、たくさんの人たちに、包囲されていた。
その数は、ざっと200人くらいで、反対関係者の、何人かが、この人達にやられたのが、垣間見える。
「どうだぁ?諦めて俺たちの言うことに従えよなぁ!そうすりゃぁ、命だけは助けてやるよぉ……。」
包囲している人の中に、1人だけ、黒いローブを着て、先が折れた、黒いとんがり帽子をかぶった男が、反対関係者にこう言った。
明らかに、他のものと違う、オーラを持っており、この男が、リーダーだというのは、すぐに分かった。
「ふざけんじゃねぇよ!誰が、お前達なんかに従うかよぉ!」
反対関係者の1人が、反発した態度を取って、男に言った。
すると「へぇ〜……お前は、命を粗末にすんのかぁ……。」と、言って、右手に持っている魔道書をパラパラと開き、なにやらぶつぶつ呟く。
すると、男の足元に、八角形の魔法陣が現れた。
これを見た蓮花は「この力……だめ!こいつに逆らっちゃだめよ!」と、大声で叫ぶ。
そして佳恵も「やめてください!今は、命を粗末にしないでください……。」と、反対関係者に告げた。
男は、詠唱を中断して「良い判断だなぁ……ボイン姉ちゃん……。」と、言って、反対関係者を捕まえろと、命令する。
「ちょっと!もうちょっと、優しく扱いなさいよ!」
「うっ……すみません……こんなことに、なってしまって……。」
反対関係者は、ただ黙って、腕に縄を縛られていった。
そして、1列に並ばされ、歩き始めた。
すると、列の後ろに居た佳恵が。
「あなた達の目的は、なんでしょうか?」
と、いつもトロンとした目を、今だけは、キリっとさせて、男に一言尋ねる。
すると「知らねぇな……俺たちは、ただ協力しているだけでよぉ……あいつの考えることは、わからねぇ。」と、男は事情を言った。
これに佳恵は「あいつ?」と呟いたが「おっと……それ以上は、聞かせられねぇよ……。」と拒まれた。
「柿崎(かきざき)殿!反対関係者は、全員既定の位置へ、向かわせました!」
「ごくろうさん……さて、後は城下町で、邪魔が入らなければいいのだがねぇ……。」
男は、ひとまず最初の仕事を、終えたことに、ほっとしたが、また、新たに第2の仕事ができて、かったるそうにしていた。
そして「姫狗(きく)……てめぇもしくるなよぉ……。」と、小声で呟き、反対関係者の後を、ついて行った。
○
「一時はどうなるかと思ったが、3日もすれば治るか……3日?あの傷でか?」
城下町の賑わいが、ピークに達する夜。
東牙は、宿泊している部屋の窓から、そんなセリフを言っていた。
どうやら、銃に撃たれた犬は、無事、獣医に見てもらえることができ「傷が治るまで、あなたが見守ってください。」と、言われたのだ。
そして、寝てるのか、気を失っているのか、分からない犬を抱え、そのまま宿泊場に行き、従業員に説得し、動物プラス料金で、なんとか、2階の部屋を取った東牙は、とりあえず最初に、抱えている犬を、ベッドの上に乗せ、近くの椅子に座った。
着物は、従業員にお願いして、洗濯してくれて、刀は、物騒だから、自分自身が持っていた。
「この犬、どうすればいいんだ……面倒は見きれないし……はぁ……。」
東牙は珍しく、大きなため息をして、この犬をどうするか考えていた。
しかし、一向に良い案が思いつかず、気がつくと、東牙は目を閉じて、夢の中に行ってしまった。
だがおかしい、東牙ぐらいなら、どうして、着物と刀があるのか、という疑問を、すぐ思いつくはずなのに、今回それがなかった。
もしかすると、単に疲れが蓄積されて、思っていないのかもしれないし、何か、考えがあるのかもしれない。
どちらにせよ、この犬は、ただの犬ではないことに、薄々気づいているのかもしれない、ということだ。
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