複雑・ファジー小説

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復讐 5年の歳月を経て……
日時: 2011/07/28 17:45
名前: コーダ (ID: n/BgqmGu)

 え〜…皆様初めまして!!コーダと申します!!

 このたびはこちらの小説カキコで私のオリジナル小説を投稿していきたいと思っております。しかし、過度な期待はしないでください。あっ、こんな小説かぁ…程度の期待で良いです。

 小説の内容は刀と魔法のファンタジーだと思います。(私でもジャンルが少々わかっていない。)時にはこれファンタジー?という物もありますがそこは温かい目でスルーしてください。

 小説に登場する人は人間や獣人、巫女などさまざまです。

 それでは、これで長ったらしい挨拶を終了します。小説のほうは編集が終わり次第投稿いたします。

 それではまた〜!!

 なんと参照が400を超えました!なんという出来事……これは、夢?幻?読者様!ありがとうございます!

謎の企画へ→>>91

※お知らせ

 これから、大規模な文章訂正を行います。なので、いつもの書き方から、一気に変わります。
 しかし、更新も同時並行に、行っていきますので、ご安心ください。

※お知らせ2

 そろそろ、溜まっていた小説のコピーが終わりそうになってきました。
 なので、これからは地道に作成作業もしていくので、更新速度は遅くなりますことを、お知らせします。

※お知らせ3
 突然ですが、私小説を掛け持ちしました。なので、こちらの小説はとんでもなく更新が遅くなると思います。

※追記1

 私の小説は戦闘描写が多いので”血”や”死”などの表現が多少ありますのでご報告いたします。

※追記2

 秋原かざや様に私の小説を宣伝していただきました。本当にありがとうございます!!

      宣伝文章を下記に記します。


————————————————————————

 もう、今となっては過去になるが、俺は昔、復讐しか頭になかった男だった。
 これから話すことはウソ、偽りは全くない……復讐のきっかけ、復讐符の終止符、これからについて……隠さずにここに記すとする。

「東牙(とうが)殿!! 今日はお祭りですぞ!!」
「騒がしい爺さんだな……どうせ規模の小さい夏祭りだろ?」
 屋根が全て瓦で覆い尽くされ、玄関の正面には立派な門構え。
 外から見ると、縁側にたくさんの襖が見えた。

 始まりは、その小さな夏祭りでの出会い。

「だーかーらー!! なんでこの商品は、何度撃っても倒れないのよ!? おかしいでしょ!?」
「おかしいたってお嬢ちゃん? 倒れないもんは倒れないんだよ」
「いーや!! 絶対なにか細工しているに違いないよ!!」

「おい……俺は女だからって手加減はしないぞ……」
「そっちこそ覚悟は出来てるの!? 私に逆らったことを深く後悔させてあげるんだから!!」

 そういって、少女は。

「グリモワールオブエレメント・サラマンド、第1章「バーンストーム」!!」
 東牙の足下に現れたのは、六角形の魔法陣。そこから激しい炎が噴き上げた!!


 ————ひとつ、話をしよう。
 ある家に決まりがあった。
 それは、破ってはならぬ厳しい掟。
『他人に振り回されず、自立して生きる』
 その家の者を勝手に振り回すことは、斬られても文句は言えない。
 また、自分から振り回されてしまえば、自分が死刑となる。
 そんな厳しい掟があった。
 そう、俺がいた鞘嘉多家は、そんな厳しい掟があったのだ。


「一体どうしたんですか?」
「それがですね……今日の朝、蓮花お嬢様が誘拐されてしまったんです! 犯人は、確か……“鞘嘉多”と言ってましたね」

 幼い俺が彼女、蓮花(れんか)に振り回されてしまったことがきっかけで……。


「ちょっとそこの爺さん!! 私をどうするつもりなのよ!?」
「おやおや……お嬢ちゃんは、自分がどんな状況か分かっていないようですな。……我々鞘嘉多家後継者、鞘嘉多 東牙殿を引き連れたという罪で、公開処刑ならぬ公開死刑になろうと」
「!!」

「聞け貴様ら!! 俺は鞘嘉多の決まりを反対する!! そして俺は自分の名字を捨てて完全に鞘嘉多の縁を切る事にする!!」

 家との縁を切る事を決意した。

「ああもう!! じれったいわね!! この際、敵か味方かとっとと決めちゃいなさいよ!! せっかく東牙は覚悟決めて、ここに殴り込んでいるのよ!? あんたも覚悟くらい持ったら!?」
「……ふふ……わたくしとしたことが子供に説得されるとは思いもしませんでしたわ」

 ————そして、5年の歳月が経った。
 俺の視力は落ち、眼鏡をかけることとなったが、ここから、俺の復讐が始まる。

「(一体どうなっているんだ……北の都会街と言っていたが……ちっ、早いとこ解決しないとな……)」

「佐々凪(ささなぎ)殿!! 反対関係者が守りの姿勢に入りました!!」

「科門奥義第伍目『円斬刀(えんざんとう)』……!!」

「こんなんじゃぁ、東牙に顔見せられねぇよ……」

「世の中何が起こるか分からない……だから勝つまで絶対油断はするな。良いか?」

「佳恵……さん? もしかして佳恵さんですか!?」

「その声、私が忘れるはずありません……東牙……東牙—!!」

「……ふんっ、さすがだな、鞘嘉多四天王の1人……」

「もう少し違う形で出会っていれば仲良くできたのにな……」

「四天王だから? 四天王だからという理由で、東牙は人を平気で殺すのですか!?」

「おい、指示が出てないのに、長距離狙撃銃を撃つ馬鹿がどこ居る?」

「み、見たのか……私の体を……」

「おっ……これはなかなかの味……」

「だろ? この味を分かってくれる人が居て俺は嬉しい」

「……すまなかった……まさか東牙がその……そういう人だと知らず……そして私を敵としていたなんて……」

「(ちっ……動け……動けよな……)」


「そこにいるのは誰だ……」
 —————————————————————チリリン。


 オリエンタルな東方風世界を舞台に、刀と魔法が彼らの運命を斬り開く!!
 剣戟あふれる復讐劇の先に、辿りつく未来とは……。
    【復讐 5年の歳月を経て……】
 現在、複雑・ファジースレッドにて、好評連載中!

「あ〜あ……自分も警視みたいに綺麗で家庭的な人欲しいですよ〜〜」
「そんなもん俺に相談すんな……自分の花嫁くらい自分で探せ……」

————————————————————————


         宣伝文章終了。


・読者様
 ステッドラーさん(【★】アーマード・フェアリーズ【★】を執筆している方です。)
 琴月さん(*鏡花水月に蝶は舞う*を執筆している方です。)
 龍宮ココロさん(白ずきんちゃんと。〜ワンダーランドの住人童話〜を執筆している方です。)
           (同時に、ゴッド・コードウルフ。という小説も執筆している方です。)
 水瀬 うららさん(Quiet Down!!を執筆している方です。)
 長月さん(神王サマは15歳!を執筆している方です。)

・絵を書いてくれた方々
 しかやんさん(美しい、柊 樅霞さんを描いてくれました!ありがとうございます!)

・評価をしてくれた方々
 緑月華さん(評価ありがとうございます!そして、蓮花を好きと言ってくれて、嬉しいです。)
 水瀬 うららさん(とても詳しい評価、感想をありがとうございます!私からは感謝の2文字しか出てきません!)

・鑑定をしてくれた方々 
 秋原かざやさん(非常に丁寧な鑑定、ありがとうございます!私の弱点を教えてくれて、本当に嬉しいです。)

・宣伝をしてくれた方々
 秋原かざやさん(とてもドキドキするような宣伝、ありがとうございます!そして、楓のことを好きと言ってくれて、嬉しいです!)

壱目 出会いと別れ
>>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7
>>8 >>9 >>10 >>11

弐目 再開、そして別れ
>>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 
>>18 >>19 >>20

参目 新たな仲間と敵
>>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26
>>27 >>28

四目 裏切り裏切られ
>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34
>>35 >>36

伍目 城内戦争
>>37 >>38 >>39 >>40 >>41 >>42

六目 巫女と鈴と刀と……
>>43 >>44  >>45

七目 衝撃の事実
>>46 >>47 >>48 >>49 >>55

八目 過去よりも今
>>58 >>59 >>60

九目 雪月花解禁
>>64 >>66 >>71 >>72 >>73 >>79
>>80 >>81 >>83 >>84 >>85 >>86
>>87

拾目 活動、反省、計画
>>90 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98
>>99 >>106

拾壱目 柊樅霞の呟き
>>107 >>108 >>109 >>112 >>113 >>114
>>115

拾弐目 それぞれの思惑
>>116 >>121 >>124 >>125 >>126

拾参目 城外大戦争
>>128 >>131 >>133 >>137

キャラ設定など。 ( No.13 )
日時: 2011/06/25 20:17
名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)

 え〜…非常に遅くなりましたがここでキャラ設定です。

 第1話は本編の時系列的に前だったので、非常につじつまが合わなくなると判断して設定を遅らせていただきました。
 ここでやっと簡単な設定ですw



名前:科門 東牙(しなかど とうが) 

性別:男 

種族:人間

年齢:18歳 

血液型A型

身長・体重:171cm・61kg

得意な戦術:刀


名前:木葉 蓮花(このは れんか)

性別:女

種族:人間 

年齢:17歳 

血液型:O型

身長・体重:161cm・51kg

得意な戦術:裁判式魔法


裁判式魔法

 蓮花が得意(正確にいえば木葉家)とする裁判式魔法は非常に異色である。

 普通の魔法は火、氷、雷、水、大地、風の6属性しか使えないのに対して、裁判式魔法はそれらに加えて神聖、暗黒属性も使える。

 詠唱方法は作中にも書いたとおり”グリモワールオブエレメント・○○。第○○章、○○”と非常に長く、早口言葉みたいな感覚で詠唱している。

 そして、裁判式魔法は単独属性詠唱の他に複合属性詠唱もできる。簡単にいえば2つ以上の属性をミックスした魔法が可能ということ。

 このことから裁判式魔法はとてもレパートリーが多い。しかし、使える魔法はけっこう限られる。

 なお、作中にも書いたとおり”サラマンド”や”リョスアルプ”は属性の意を表している。

火:サラマンド

氷:レーシー

雷:マルト

水:ウンディーネ

大地:ノーマ

風:シルフス

神聖:デクアルプ

暗黒:リョスアルプ

 余談だが、木葉家一族以外が裁判式魔法を詠唱すると問答無用で逮捕される。




 今回はここまでです。他のキャラや設定は作中に出たときに随時説明していきます。

 それではまた〜!!

Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.14 )
日時: 2011/06/25 20:46
名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)

 北の都会地。
 ここは、都会地と名が付いているのにもかかわらず、治安がとても悪く、道端に死体が転がっているのは、日常茶飯事である。
 むしろ、都会地という面影はなく、廃墟地といった方が、分かりやすいだろう。
 別名、死の都会地と言われ、犯罪者にとっては、絶好の隠れ場なのだ。
 もう、誰からも干渉されないという事で、ずっと訂正されず、都会地と言われているので、それを知らない人が、ここへ訪れて帰ってこないなんてことは、普通らしい。
 その街の一角に、鞘嘉多関係者の一部と、鞘嘉多反対関係者が居た。
 一向に勝負がつかず、一時期停滞したが、最近また勝負が始まったらしいと、ごろつき共から声が聞こえたのだ。


                ○


「そうですか……これは参りましたわね……。」

 1人の女性が、眉間にしわを寄せて悩んでいた。
 彼女は、都会街の南に拠点を置く、鞘嘉多反対関係者のリーダー的存在、佐奈観 佳恵だった。

「だめだ……こっちも手が回らねぇ……。」

 反対関係者の1人が、自分の額を右手で叩いて、今の状況を辛く受け止めていた。

「さすがは鞘嘉多四天王の1人だ……じわじわとこっちの戦力を削っていくぜ……。」

 反対関係者は、あまりにもあっちの作戦が上手くて、感心までもしてしまった。
 それに佳恵は、少しばかり頷き、自分の指揮に自信をなくしたという。

「だがよぉ、俺たちはまだまだ戦える……だろ?リーダー。」
「はい……無理をなさらない程度に戦ってください……1人でも減ると危機的状況に陥るので……と皆に伝えてください……。」

 佳恵はとりあえず、今の戦いは守りの姿勢で戦うことにした。
 しかし、守ってばかりでは、いずれ負けると心の底から感じていたという。


                ○


「佐々凪(ささなぎ)殿!反対関係者が、守りの姿勢に入りました!」
「ほう……とりあえず守りに入り、隙を見つけ攻める戦法か?これは油断できんな。」

 1人の男性が、腕組みしながら、今の状況を分析して、どう対処するかを考えていた。
 見た感じ、30代前半で目まではかからないが、首元まである黒い髪。かなりツリ目で深紅の瞳をもち、やや動きにくそうな和服を着て、腰には2本の刀があった。
 男の名前は、佐々凪 九寺(ささなぎ きゅうじ)。別名、四天王の中で1番冷酷な男と言われる。
 今は、都会街の北に拠点を置く、鞘嘉多賛成関係者のリーダーという使命を果たしている。
 この男は、鞘嘉多四天王の1人であった。
 詳しく説明すると、鞘嘉多家には、本当に強敵が襲ってきたときにしか、戦いを許されない四天王を秘密で採っていたのだ。
 とても厳しい試験に、合格した者が集まったので、腕は相当良い。
 そんな四天王の1人が、ここで鞘嘉多反対関係者と戦っていたのは、よっぽど状況が危ないという証拠だろう。

「佐々凪殿。どうすれば良いでしょうか?」
「あっちが何を考えているのか少々分からないからな……一時攻めるのをやめよう。」

 四天王の中では、腕より知識で勝負する方なのでこういう判断をした。
 賛成関係者は「しかし、絶好のチャンスなのに……。」と言って、どうしてこんな命令をするのかがわからなったのだ。

「絶好のチャンスは、時として逆にもなるのだよ。だから油断してはいかんということで、一時引くことにした……この命令は不服か?」
「い、いえ、そんなことありません!今すぐ伝えに行きます!」

 賛成関係者は、急いで全員に知らせに行った。
 それを見ながら、九寺は一手、二手、三手と作戦を考えていた。


               ○


「ここが北の都会街か?……ずいぶん、治安が悪いみたいだな。」

 都会地の、東入口で、木葉家から1週間かけて歩いてきた東牙が居た。
 着く途端に、街を見て一言つぶやいていた。

「だが、明らかに鞘嘉多の関係者が戦っていそうな雰囲気を出している……っと、のんびりしている猶予はなさそうだ……。」

 東牙は、腰にかけている刀を、今すぐにも鞘から抜けるように、右手で準備をしてそう呟く。

「隠れてないで出てきたらどうだ?殺気を丸出しにしているごろつき共が……!」

 東牙は、そう言って刀を腰から抜く。
 すると、崩れた建物の陰から、どんどんごろつき共が現れた。
 そして、気がつくと東牙は、囲まれており、一気に危機的状況になった。

「ふんっ……腕慣らしには丁度よい相手だ……しかしこれだけの人数だと、少々厄介だな……。」

 東牙は、今の状況を瞬時に把握して、どうするかを考えた。
 そして刀をぐっと、力強く握り。

「科門奥義第伍目『円斬刀(えんざんとう)』……!」

 勢いよく、その場で回る。
 すると、しばらく何も起こらず、ごろつき共は頭の中がクエスチョンマークでいっぱいだった。
 そして、そこから5秒後、一気にごろつき共は倒れていった。

「刀を回した時にできた細い風圧に、斬られたなんて誰も気づかないか……先を急ごう……。」

 東牙は、刀を鞘に戻し、急いで、都会地を進んでいった。

Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.15 )
日時: 2011/06/25 21:27
名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)

「リーダーどうする?先の戦いは運が良かったかもしれねぇが、今度はやばいぞ?」
「ええ……確かにそうですわ……。」

 鞘嘉多反対関係者全員が、今後について会議をしていた。
 先ほどの戦いは、情けを食らって無事だったので、次はないと判断したのだ。
 佳恵は、本当にどうすればいいのか、心の中で焦っていた。

「こんなんじゃぁ、東牙に顔見せられねぇよ……。」
「(こういう時、東牙はどうするのかしら……。)大丈夫です……なんとかすれば……なんとか……。」

 佳恵から出る言葉が、どんどん追い詰められてるんだなと、周りの人でも分かるようになってきた。
 それを聴いてしまった鞘嘉多反対関係者の士気は、どんどん下がり始める。
 そして、それをさらに追い打ちをかけるかのように。

「リーダー!あっちの関係者が攻めてきました!」
「!?……皆さん、持ち場についてください!」

 佳恵の慌てた指示に、皆も慌てて持ち場に向かった。


                ○


「佐々凪殿!やはりあちらは、一時休戦して作戦を考えていたようです!」
「だろうな。守りの姿勢をして2時間も経っているときたら、もう作戦会議しているしか言えんよ。」

 どうやら、あっちが作戦会議していると読んだ九寺は、どんどん戦力を投下したという。

「さて……これで敗れてくれればいいのだが……。」
「佐々凪殿!何を言っているんですか?もう勝ったも同然じゃないですか!」

 九寺の言葉に関係者は前向きに返す。
 確かに、関係者の言っていることは正しく、このまま攻めていけば、勝てるくらいなのに、九寺は眉間にしわを寄せて心配していた。

「世の中何が起こるか分からない……だから、勝つまで絶対油断はするな……良いか?」
「は、はい!」

 この男、一筋縄ではいかないようだ。
 どんなに有利な状況でも、決して油断はせず、作戦を立てているのだから。

「(実際に、あちらのリーダーである佐奈観 佳恵の実力が分からないからな……だから油断するなというのだよ……。)」


                ○


「ん?なんだこのおびただしい数の殺気は……あっちか?」

 東牙は、だんだん殺気が強くなっていくのを感じて、どんどん先に進んでいった。
 そして、やっと殺気が出ている場所まで、わかる程度の距離に詰めていく。
 すると、東牙の目の前には、たくさんの人が左から右に向かっていくのを見たのだ。
 そして、一瞬の判断で「これは危ない。」と悟った東牙は、刀を抜き人ごみの中に入って行った。


                ○


「くっそぉ……あいつら、本気だしやがったな!」
「くっ……はぁ!……ついにこちらまで来てしまいましたか……。」

 佳恵は、流れ込んできた賛成関係者を、刀で一閃しながら状況判断をした。

「こりゃぁ、腹くくって特攻しかねぇか!?」
「それはだめですわ!決して諦めなければ希望はあります!」

 だが、この言葉は今の佳恵が言ってもあまり説得力はなかったという。
 すると、このセリフを言った途端、賛成関係者の1人が「おい!大至急戻れ!」と叫んで、なぜかこの場を引いたのだった。

「はぁ?なんだこりゃ……。」
「一体何が起こったのでしょうか?少し、私が見てきますわ……。」

 この突然の出来事に、疑問を感じた佳恵は、自ら様子を見に行った。
 他の反対関係者は、ただ唖然としているだけだったが。


                ○


「佐々凪殿!侵入者が我々の邪魔をしております!現在こちらに応援を呼んで、対処しているのですが手が全く回りません!」

「……だから言っただろ?最後まで、何が起こるか分からないと……侵入者の数は?」

 九寺は、こんな事態になっても、大変落ち着いていた。
 まるで、この状態が起こるのを想定しているかのように。

「えっと……1人です!」
「1人?……それはなにかの間違いではないのか?」
「いえ!本当に1人です!」

 賛成関係者の言葉に、少々動揺した九寺。
 しかし、すぐに息を整え、いつもの落ち着きに戻り。

「とりあえず、全員ここに戻れと伝えておけ……決して侵入者とは戦うな……と。」
「は、はい〜!」

 九寺は堂々と構えていたが、実は、心の中では若干の焦りがあった。
 どうして、侵入者は戦うのか?その侵入者の目的は?など、色々考えないと、作戦が立てられないからだ。





キャラ紹介…


名前:佐奈観 佳恵(さなみ かえ)

性別:女

種族:人間 

年齢:23歳 

血液型:A型

身長・体重:166cm・54kg

得意な戦術:刀

Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.16 )
日時: 2011/06/25 21:58
名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)

「おいおい……いきなり逃げるのか?目の前に鞘嘉多の裏切り者が居るっていうのにな……。」

 東牙は、賛成関係者がどんどん逃げ出していくのに対して、あまり納得いかず、隙があれば、不意を突いて逃げる賛成関係者を、居合抜きしていた。
 しかし、気がつくと、辺りはもぬけの殻になっていて東牙は「このまま攻め入れるがどうする?」と誰も居ないのに質問した。
 たくさんの返り血を浴びているためか、今の東牙は純粋に怖かった。

「まぁ、いずれは攻め入るんだが……。」

 東牙は、メガネのレンズについた血を拭き取り、またかけなおして、賛成関係者が逃げた先をずっと見ていた。
 この間、何を考えているのかは、表情から見ても分からない。

「…………誰だ?先から気配を消して、俺の後ろを取ろうとしているのは!?」

 突然東牙は、自分の後ろに人が居る気配を察知して、ふと振り向き、威厳たっぷりにして、セリフを言った。
 すると、そこから出てきた人を見て、東牙は思わず絶句してしまったのだ。

 長い黒髪、目はけっこうタレていて、刀と和服が似合うのに、胸が大きすぎる勿体ない人。
 そう、東牙の後ろに居たのは、様子を見に来た佳恵だったのだ。
 あまりに突然すぎて、どうしていいかわからなかったが、しばらくして東牙が。

「佳恵……さん?もしかして佳恵さんですか!?」
「その声、わたくしが忘れるはずありません……東牙……東牙—!」

 5年ぶりの再会。
 東牙が確認の意味で「佳恵さん。」と呼ぶと佳恵は、嬉しさのあまり、東牙の元まで走り、大胆にもそこから抱きついたのだ。
 彼女の、大きくて柔らかい胸が深く当たり、全国の男性が羨ましがるシチュエーションに対して、東牙は、一瞬うろたえたが、状況が状況なので、引き離そうとする。
 しかし、なぜか佳恵は、涙まで流していたので、離そうにも離せなかったという。
 そして佳恵が、落ち着いた時には、彼女自身から離れて「す、すみませんでした……。」と先ほどの行動に対して謝った。
 東牙は「いや、別に良い……。」と言うべきか「全くだ……。」と、どちらを言えばいいのか、分からなかった。
 どちらを言っても、変な物が生まれてしまう為、ここは無言であたりを見回して、誤魔化したのだ。

「とりあえず、鞘嘉多の反対関係者が居るんですよね?まずはそこで現状分析しましょう。」
「はい!……後、別に良いですわよ?そんな丁寧に話さらなくても……東牙は、東牙らしい言葉でお話しください……。」

 この言葉に、東牙はおもわず拍子抜けしてしまった。
 だが、こんな状況にもかかわらず、東牙は笑って「じゃあ、そうするよ。」と言ったのだ。
 しかし、東牙がこんな状況で笑って返すことは絶対にあり得ない。
 そう、彼は佳恵と会った短時間で「もしかするといままで指揮をして追い詰められていたのか?」と、彼女の1つ1つの行動で、全てを判断したのだ。
 それで、こうやって接したわけである。


                ○


「お、おい……お前ら喜べ!東牙が来たぞ—!」

 反対関係者の1人が、東牙を見て無性に喜ぶ。
 それにつられて、皆は歓声をあげたという。

「……俺はそんなに重要な奴だったか?」
「はい。鞘嘉多を反対する真のリーダーなのですから……。」

 東牙は「そ、そうか。」と、色々複雑な気持ちで言った。
 そして「よし。今の状況を全て教えてくれ。」と、皆に命じた。


               ○


「ほう……とりあえずこちらが不利ということだな……。」
「こっちは40人なのに、あっちはその5倍は居るからなぁ……。」
「ん?その程度なのか?」

 東牙は拍子抜けした声で、皆に言った。
 この余裕は、どこから生まれるんだろうと、関係者の一部は思ったらしい。

「何か策でもあるのですか?東牙。」
「ふんっ……40人も居るなんて豪華すぎるぞ?任せておけ……全員今から俺が言う場所につけ……!」

 腕を組みながら、東牙は反対関係者1人1人に、持ち場を告げた。
 わざわざ個別に対応するのも、作戦の1つなのだろう。






 え〜…今日はここまでにします。コメントなどがあれば是非お待ちしておりますww

 冒頭に言った獣人とかはまだ登場しないのが悔しい…w

 それではまた〜!!

Re: 復讐 5年の歳月を経て… ( No.17 )
日時: 2011/06/26 00:25
名前: コーダ (ID: 5hG5Ocn3)

「佐々凪殿……どうやら、侵入者は刀を持ち、黒いマントをつけていて、メガネをかけた男だそうです。」

 賛成関係者は、実際に侵入者を見た人から、情報を集め、なんとか特徴を九寺に伝えた。

「……漆黒の侵入者……なるほど、面白くなってきたな……。」

 九寺は、こんな状況になったのに、むしろ楽しさを覚え、侵入者の肩書まですっと言った。

「ですが、侵入者の目的は未だ不明……いつ襲ってきてもおかしくありません。」
「ふむ……まぁ、いざとなったら、この九寺が一閃して差し上げよう……最近ずっと指揮ばかりで、偶には動きたくなるからな……。」

 そう言って九寺は2本の刀を出し、その場で思いっきり振る。
 すると、その場にいた賛成関係者は、思わず身をよろけてしまった。
 どうやら振った際に、強い気を発したのだろう。


               ○


「東牙?本当にこの作戦は、大丈夫なのでしょうか?」
「分からん……ただ、本に書いてあったことを試しただけだからな……。」

 東牙と佳恵は、誰にも見つからない場所を、コソコソ歩きながら、どこかに向かっていた。
 他の反対関係者は、東牙が言われた場所にスタンバイしているのだろう。

「……でもなぜでしょうか?東牙が言うと、根拠も何もないのに賛成できる……やはり、私は指揮には向いていなかったのでしょうか……。」

 佳恵は、今まで指揮していた事を思い出し、やはり本当に向いてない、と判断して悲しく呟いた。
 おそらく、この言葉には、色々な意味が含まれているだろう。

 「私の指揮が良ければ、もっと関係者を死なせずに済んだのに……。」
 「私は、指揮をしないほうが、良かったのかもしれない……。」などの思いが数えきれないくらい。

 東牙はこの言葉を聴いて、すぐに「佳恵さんの苦しい思いがたくさんある一言だな……。」と心の中で呟いた。
 そして「別に、フォローのつもりじゃないが、佳恵さんがいなければ、きっと、関係者全員全滅していただろうな……だから、そんな事を言わないでくれ、せめて後悔するなら、この勝負に終止符を打ったときにしてくれないか?」と、厳しくも優しい言葉をかけた。
 もちろん、こんな発言をしたのも佳恵を思ってこそである。
 用心棒は、情けをあまり受けたがらない、だから一部厳しい反応を取った。
 ただそれだけの理由らしい。
 そして、2人はしばらく、黙って歩いていたという。


               ○


「佐々凪殿—!大変です!異常事態です!」
「どうした?落ち着いて、話を聞かせてもらう。」
「あっちの関係者が全員……終息不明になりました!」
「な、なんだと!?」

 賛成関係者の一言に、思わず驚いてしまった九寺。
 あまりの衝撃に、その冷静さを忘れていた。

「只今、全関係者を探しているのですが、誰1人も見つかりません!」
「くっ……どういうことだ?こんな作戦、いままで見たことないぞ……まさか、佐奈観 佳恵が本気を出したのか!?」

 九寺は混乱しつつも、状況を整理したが、思うようにはいかず、その場で頭を抱えてしまった。

「ど、どうしますか!?」
「……とりあえず、当たり隈なく探すんだ……絶対どこかに居るはずだ……。」

 しかし、この判断が後に、大変なことが起ころうと、九寺はしらなかったのだ。


               ○


「……(やりましたよ!賛成関係者が、バラバラになりましたよ!)。」
「(静かにしやがれぇ、見つかっちまうだろ?後は、あの2人が上手くやればいいんだがなぁ……。)」

 反対関係者は、廃墟の陰に隠れて、賛成関係者を見ていた。
 そう、東牙の作戦は、全員がバラバラの場所に隠れて、相手を撹乱することだったのだ。
 これは、多人数だと極めてやりにくく、すぐに見つかるが、少人数になれば、なるほど見つかりにくく、時間を稼げるのだ。

「(大丈夫ですよ……佳恵さんが負けるわけないじゃないですか!)」
「(お前は東牙を知らなすぎだぜぇ……あいつはなぁ……あの佳恵があこがれる男なんだよぉ……。)」

 こうやって、雑談しながらも、実は真剣にしている反対関係者2人だった。


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