複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

触れられない花。
日時: 2016/11/18 22:27
名前: @メンタル (ID: gdK5hR0W)

Character

〈神シン〉
限られた者。
炎・水・大地・雷・闇・無・愛
の7つに分けられた能力を操る。

〈鬼キ〉
神の使い魔。人外。
大抵は、1つ。多くても2つの能力しか使えない。
しかし1鬼だけ7種類の能力を操ることができる。

〈鄙ヒ〉
人類の敵。人外。
神と能力は、変わらない。見分けは、ほぼつかない。
破壊と絶望。そして憎悪を愛する。狂気殺人をする。

〈契チギリ〉
神が鬼と契約するときの事。
契を交わした神は、外れないピアスや体に紋様が刻まれる。
鬼には、自身の決められている名が体に刻まれる。

〈破ハ〉
鬼との契約をなくすこと。
鬼の体に刻まれた名を傷つけると契約は、無くなる。

〈神聖学院付属強化学園〉
神の能力があるもののみが通う学園。
初等部4年中等部3年高等部3年神聖学院3年
があり定期的に行われる実技テストのランクが
ABCDEの中でDとEになると普通科の学校に落とされる。
全寮制。中等部からは、週に一度だけ学園の外に行くことが許されている。







Re: 触れられない花。 ( No.147 )
日時: 2018/05/26 17:49
名前: @メンタル  (ID: gdK5hR0W)

「奈緒いる?この幽翠様が戦況報告しに来てあげたんだけど。いないわけないよね?」
幽翠は翠雨と分かれ、巨大な花園を訪れていた。低木の迷路の中央で声を出すと、幽翠の前に光術で移動してきた奈緒が立っていた。
「居るわよ。本当に見た目がチビだから余計にむかつくのよねその態度。」
「はいはい、単細胞だなぁ。これだから上司ってやつは嫌い。」
「早く、報告しなさいよ。私もいつ出るか分からないんだから。…ていうか、翠雨はどうしたのよ?」
「翠雨なら、女神像の所に行ったよ」
いつも通りの調子で幽翠が答えると、奈緒は一瞬固まってから、その美貌を強張らせた。
「今、女神像の前にあの、クズス…じゃなかった、黒翠が居るのよ!」
強く訴えかけるように言うと、幽翠は何も言わずに一目散に女神像へと走り出し、奈緒もそれに続いた。
「翠雨っ!!」
女神像につくと、女神像の前に立ったまま水鏡を眺めて居る黒翠の少し離れた処に、額から血を流して倒れている翠雨の姿があった。
「翠雨っ!大丈夫!?今、治療するからっ」
いつもの様な飄々とした彼女の姿は無く、幽翠は術で翠雨の額のけがの治療をした。
「ん?…あぁ幽翠じゃないかぁ。お前は能力が高く愛らしい。俺の誇りの一人娘だ。…だから、その汚いのから離れなさい。」
最後は吐き捨てる様に言い切った黒翠の方を術の終わった幽翠は振り返り、冷めきった瞳で黒翠を睨みつける。
「あんたの誇り?埃の間違いでしょ。あんたこそ、汚い手で幽翠の大事な家族を触らないで。自意識が固まっただけの愚図が」
同様に吐き捨てると共に、幽翠は奈緒と翠雨を連れて出て行った。

Re: 触れられない花。 ( No.148 )
日時: 2018/06/24 16:01
名前: @メンタル  (ID: gdK5hR0W)

皆さま
一か月ほども投稿を休んでしまい申し訳ありませんでした。
テストやってました。結果が…(チーン)
そんなことはどうでもいいんです。長く投稿をお休みすることを予告せずに休んでしまってごめんなさい。
今日からまた、投稿していこうと思います!

本編
「未築館、俺がセンタービルを通して正面に見えているか。」
宇塚のいるビルからももっと遠くまで離れ、静まり返った町のビルの屋上で時雨は小さくつぶやく。右目には肌に触れるか触れないかの距離で薄い水膜が作られている。
『確認しました。』
時雨の脳内に直接未築館の声が響く。続いて少し斜めの方向を向く。
「斉木、千里、正面に互いの姿を確認できるか。」
『おっけ、確認できた。』『確認できました。』
「では始めるぞ」
全員の準備ができたのを確認し、それぞれが屋上のアスファルトに人差し指を触れさせた。
「『闇術』」
指先が紫に光る。光る指でアスファルトの上に様々な紋様が組み込まれた陣を描き始める。屋上地面全体にかかるほどの大きさの陣が完成すると4人はそれぞれが描いた陣の中心に立ち、正面に見える相手に手の平を向ける。
「『巨大監獄陣っ発動!!』」
四人の声が大きく響く。すると紫色の陣を角にした正方形の巨大な『監獄』が出来上がった。


『上官部下位4人、俺の部屋に来い。』
幽翠らが帰ろうとしたところ四人の脳に聞きなれたノイズ交じりの声が響いた。
「「………了解しました。」」
それぞれが返事をし、部屋に行くと相変わらず、真っ黒な軍服を着て背を向けて玉座に座り、決して顔を見せないようにしていた。
「幽翠、翠雨、お前らは奈緒を連れて一気に軍を制圧してこい。黒翠、お前は我が軍の指揮をとれ」
背を向けたまま指示をした蘇芳に、黒翠は前に出た。
「!?蘇芳殿っ、なぜ私が軍の制圧ではないのですか!?」
「お前の様な古参には指揮をとらせた方が適役だ、それに彼らの方が若く俊敏性があるだろう。……俺も随時確認しながら参戦する」
「「了解しました」」
黒翠だけが、不服そうに返事をした。



いつか、このお話しをちゃんと考え直して。リメイクをして、
機会があれば再登校したいと思います。
あ、このお話しはこのまま続けて終わったらですので、
結構後の話だと思っていてくださいね。

Re: 触れられない花。 ( No.149 )
日時: 2018/06/26 20:46
名前: @メンタル  (ID: gdK5hR0W)

あれ?再登校!?
学校に行ってますね(笑)
正しくは再投稿です。すみません

Re: 触れられない花。 ( No.150 )
日時: 2018/07/01 21:26
名前: @メンタル  (ID: gdK5hR0W)

「ここは通さないっ!!」
「っまだまだァ!!」
ヨンとミナセ、ウェブライルとミルセイアンが背中合わせに戦っていた。
交戦が始まってから、一時間以上が経過し、二人を含め神鬼達はもう何人を切りつけたかもわからなくなっていた。
「誰を通さないだと?笑えない冗談はよしてくれ。…青臭い若者に何ができる。」
白熱の戦いを彼女らが繰り広げる中、空中に心底不快そうな低い声が響いた。その声を合図に切った鄙の数倍以上の数の鄙が現れ、4人に襲い掛かった。
「我らを侮るな!」
「ぜいあああっ!!」
物理攻撃と共に繰り出される術攻撃に段々と優勢だった形勢も傾いてくる。4人以外の神鬼も多くの怪我をし戦いに悲しくも倒れていくものもいた。
「っく、っあ!!」
何とかせめぎ合う事が出来てもすぐに術攻撃によって体を吹き飛ばされる。すでに100を超える鄙たちを見てヨンは覚悟を決めた。目の前で己に襲い掛かろうとする鄙たちの姿に強く意識を集中させ、ひそやかに息を吸う。
「『Weblisle』」
囁くようにヨンが言うと、ウェブライルの姿は光り輝き、その輝きは鄙が集まっている地面に移る。光る地面に鄙たちが驚いていると、光の中から突如大きな黒蛇が彼らを飲み込んだ。


遠くで戦いを見ていた宇塚は驚きのあまり、咥えていた煙草を落とした。
「あれが…神鬼力開放術…」

数百ほどの鄙を一口にした大蛇は再び光に戻って行った。



短くてすみません。

Re: 触れられない花。 ( No.151 )
日時: 2018/07/14 21:45
名前: @メンタル  (ID: gdK5hR0W)

ウェブライルのヨンが発動させた術の迫力は神鄙ともに一瞬動きが止まってしまうほどで、学園付近警戒役を任された臨とリリックも同様であった。
『太田兄は治癒部隊に入ってもらうとして…妹の方は、ひとまず学園付近警戒しておいて。鄙が接近してきたら交戦せずに仲間を呼んで。鄙が一人でもね』
笹凪の指示はリリックが特殊だからであると共に術を習得できなかった臨が戦力外だという、いわゆる戦力外通告でもあった。
リリックが力を使えば、臨とリリックの寿命は刻々と減ってゆく。おまけに彼は鄙の狙いだときた。足手まといもいいとこだ。
「…リリックの記憶も教えてもらったのにな……何を忘れてるんだろう。」
大蛇に飲み込まれた鄙の叫び声の次にリリックが聞いたのは臨の弱々しい声。
「……それは僕からでも、言えないよ。」


「!?………なんなのだあの術は、地面から蛇だと!?…あのような幼き女にでも使えるのか、ならば…」
先ほどまで余裕の表情で指示を出していた黒翠は、黒い大蛇に軍が喰われたのを目の当たりにし、目を見張っていた。しかしすぐに口角を釣り上げて笑い、己の記憶の中にある顔と神の顔を比べながら眺め始めた。
「!見つけたぞ、小僧。…今すぐに連れて来い。」
ハッキリとした指示ではなく零すような小さな声を発した黒翠の目を黒々と落ち窪んでいた。
「…また何を興奮することがある、翠」
黒翠に声を掛けたのは似た様な体格をした黒いコートを着た男、黒虎≪クロトラ≫だった。
「虎、聞いてくれよ…俺の過去の行動が未来の俺を導こうとしている…これで俺も昇格が出来るぞ…」
虚ろな瞳で天を見上げる相棒の姿に黒虎はそうか、とだけ返した。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。