二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語【完結】
日時: 2020/09/25 22:01
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: b92MFW9H)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1440

どうもです、灯焔です。
遂にキリのいい数字を迎えた逃走中#CR05。前回エクラが捕まったり道化師側で大きな動きがありそうだったりと波乱の展開を迎えたコネクトワールド。世界の行方はどうなる…?
今回の舞台は、2回目の舞台『渋谷』があった時代から約5000年後の世界『エデン』が舞台と言われている『セブンスドラゴン』『セブンスドラゴンⅢ』より『学都プレロマ』。数々の木々に生い茂られた廃墟と化した学術都市を舞台に、逃走者達とハンターによる5回目の逃走劇が今、幕を開ける―――!


遂に本格的に動き出したメフィスト率いる道化師達。本部を襲うだけでは飽き足らなかったのか、他の支部で暴動を起こし始めました。そして、本部の面子もメフィストを叩こうと本格的に動き始めます。
そんな中、道化師一味にも何か動きが。前々回から様子がおかしかった『あの人物』の記憶が…?さて、運命はどう転がるのでしょうか。

<ルール>
逃走エリア:『学徒プレロマ』
かつて隆盛を誇った古代文明の研究者である学士たちが集っていた学術都市。
技術力の高さは『エデン』の中でも群を抜いていたが、現在は魔物の巣窟になっており、廃墟と化している。かつてこの地で、13班の意志を継いだ者が『真竜』を退治した伝承が伝えられている。ゲームではドラゴンによって木々が生い茂っていたが、今回は木々が生い茂っている様子は無く、廃墟であること以外は広い逃走エリアだと思っていいだろう。
エリア紹介 >>1




逃走時間:90分

賞金:54万(1秒100円)

ハンター:初期4体(OPゲームで1体起動。ゲーム開始後に3体追加で起動)

自首方法:後程通知にて発表


<参加者>

【逃走中#CR01 成績優秀者】 (3人) 詳細>>2
エーデルガルト=フォン=フレスベルグ
芽兎めう
ミミ

【逃走中#CR02 成績優秀者】 (3人) 詳細>>3
七海千秋
キュベリア
タイマー

【逃走中#CR03 成績優秀者】 (3人) 詳細>>4
アルル・ナジャ
クレア・スチーブンソン
ジャック

【逃走中#CR04 成績優秀者】 (3人) 詳細>>5
天海蘭太郎
クリス
むらびと

【作者枠】 (4人) 詳細>>6
YUMA
ゆめひめ
おろさん
葉月

【作者推薦枠】 (4人) 詳細>>7
サタヌ
左右田和一
霜月凛
イヤミ


計20名


○逃走中#CR06 シード枠争奪アンケート実施中
※締め切りました

○逃走中#CR06 次回参加者募集中!
※締め切りました
次回参加者 >>105
作者枠発表 >>120

※『お手伝い』として参加してくださる方向けの案内※
 版権キャラ応募用紙 >>121 ※9/24(木) 20:00まで



◎AfterBreakTime

 ①『更に集う仲間たち』 >>8
 ②『赤色が抜けた景色』 >>33
 ③『折りに折られぬ心意気』 >>39
 ④『光と開く世界』 >>49
 ⑤『スーパースターは彗星の如く』 >>68
 ⑥『音無町の真実』 >>95-96
 ⑦『打ち上げ』 >>125-126 >>129-131



以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。

ABT③『折りに折られぬ心意気』 ( No.39 )
日時: 2020/08/15 22:12
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: UruhQZnK)

本部の皆さんがプレロマでメフィストの場所まで急いでいる最中―――。
メインサーバでも色々と動いていました。そんな中、ノルンはサクヤに『とある頼み』をするのです。

------------------------



~メインサーバ~



サクヤ「成程。プレロマの全域が少しずつ分かってきました。彼奴等、北エリアに障壁を張ってこちらが近付けないようにしているみたいですね」

ヴィル『あぁ。しかもだ。障壁がどうやら『自然の魔力』を応用して創られている厄介なものでな。読み解くのに少々時間がかかりそうだ。…彼奴等、あんなに私を散々コケにしておいて私の創り出した魔法を利用しているではないか!』

MZD『突っ込むところはそこじゃないでしょー?逃走者側にジャックがいるから、誰かと連携して障壁のことを伝えてられればいんだけど…。ま、そこは逃走者の判断に任せるしかないからな』

ニア「こちらも神の行動に変化が無いかを察知中ですわ。…今のところはなんともありませんが…。エクラ様を『邪神』にする可能性がある以上、彼らの介入がないとは思えません、わ」

サクヤ「エクラさんを救出するにも、メフィストを叩くにもまずは障壁をどうにかしないとお話にならない、ということですか…。分かりました、ありがとうございます。こちらでも何か策を練ってみますので、とりあえずは道化師を逃走者の皆様に近づけさせないよう動いてください」

MZD『おっけー。また何か分かったら連絡する。こんだけ骨が折れるんだったら終わったらみんなでパーッとマリパでもしたいよなー』

ヴィル『こちらでも障壁の魔力の解読を進めてはいく、が…。ニアの言っている通り『神の力』が混ざっている可能性も無きにしも非ぬ。時と場合によっては『永久』も使用させてもらうぞ』

MZD『あ、暴走しそうになったら殴ってでも止めるから!安心して!』

サクヤ「安易に殴らないでくださーい。…まぁ、それだけ緩い会話が出来るなら大丈夫でしょうね。それでは、一旦通信を切りますね」



 メインサーバでもプレロマで今何が起こっているのかが少しずつ分かってきていますね。しかし、メフィストが張った障壁が中々厄介なものらしく。魔力の解読にはもう少し時間がかかりそうだとヴィルヘルムは答えました。魔力が魔族のものの為、やはり繊細に解読するには彼の力が必要不可欠みたいです。
 彼が『もう少し時間が欲しい』と言っているのならば仕方がありません。解読は彼に任せ、とりあえずは道化師の魔の手から逃走者達を守るようにと指示し、通信を切りました。どうにかゲーム中には解読が終わってほしいものですが。



サクヤ「彼がかつて魔族の頂点に立った男なのは立証済みです。大丈夫ですよ、彼を信じましょう」

ニア「それにしても…サクヤ、貴方は随分と雰囲気が変わりましたのね…。昔はもっと…荒々しく、破壊衝動に満ちていたお方だったでしょう…?」

サクヤ「龍本来の衝動のようなものですからね。私にも守るべき世界が出来たことで、色々と心変わりがあったんですよ」

ニア「うふふ…。思考回路も随分と成長したものですわね…?やはり、社長が貴方を『おきにいり』としたのは間違っていなかったようですわ…」

サクヤ「後はアシッドさんの腹の中を読めるようになればいいんですがねぇ。笑いながら無茶入ってくるんですよねぇあの人」

ニア「神様って、そもそもそういうものではないのですか…?」

ノルン「あ、あの!お話中すみません。今いいでしょうか?」



 あらら、仕事中に私語ですか?しかし、ニアからしてみれば今のサクヤは随分と『雰囲気が変わった』とのこと。成長したとでもいうのでしょうか。昔は破壊衝動に満ちていたんだとか。おー怖。…種族や部族によっては元々備わっていたりするので、それをコントロールできるようになったといえば成長なのでしょう。
 そんな雑談を続けている最中でした。ノルンがトコトコとこちらにやってきて、サクヤに声をかけてきました。ちなみにカノンは戦闘ができますが、ノルンは自分を『戦闘音痴』と名乗るくらいには戦闘が苦手です。なので、今回もメインサーバでサポートを担当。…クッパ軍団で何をしていたんだか。



サクヤ「ノルンさん。どうかしたのですか?はっ、まさかここに来て日が浅いから緊張しているとか。それは大変です、すぐにリラックスさせなくては」

ニア「あら…そうなんですの?それではわたくしがとっておきのゲームをご用意しますw『SAN値を削りにかかる行動はおやめください』…つまらないですわ」

ノルン「いえ!来たばかりなのでちょっと緊張はしてますけれど…。皆さんいい人ですし、大丈夫です。お気遣いありがとうございます。それで…気にしているのは他のことなんです」

サクヤ「成程。『他のこと』とは?」

ノルン「ボク、本当に『本名を教えてしまって大丈夫だったのかな』と…」



 ノルンが気にしていたのは『本名を教えてしまって本当に良かったのか』ということでした。最初にアイラやヴィオラと一緒に自己紹介をした際は、アクラルの背中を押す言動もありつい言ってしまったわけですが。やはり彼はクッパ軍団に所属する一兵のノコノコ。クッパ軍団に向けての罪悪感があったのでしょう。
 しょぼんと眉を下げるノルンに、サクヤは優しく甲羅をさすりながらこう返します。



サクヤ「ノルンさん。最初に兄貴が言っていたことは、私も同じことを思っています。ここはクッパさんのお城ではないんです。私も貴方のことは『クッパ軍団の一兵』としてではなく、『1人のノコノコさん』として認識しています。ですから、自分のやりたいようにやっていいんですよ?」

ノルン「でも…クッパ様怒ってないかなぁ…」

ニア「あら?心配成されていますの…?ならば、クッパ様にご連絡してはいかがでしょうか。ここに電話もございますので…」

サクヤ「随分用意がいいですね?―――およ、留守電が入っています。誰からでしょうか?」



 アクラルの言ったことにはサクヤも同意見。そのことを伝えますが、ノルンはまだ不安そうに眉をひそめています。ならばクッパに直接聞けばいいとニアが電話を取り出します。彼女も上司の口から直接聞けば気が晴れるだろうとニアの提案に乗ろうと用意してもらった電話を取りますが、そこには留守電が。一体誰からでしょうか。
 通話ボタンを押してみると、ノルンにとって聞き馴染みのある声がその受話器から聞こえてきたのです。



『サクヤ!電話をしたから出ないぞ!カメックが『留守電』を使えと言ったからメッセージを残すのだ!ノルンよ!カロンよ!別に本名のことで悩む必要はない!あれは部下達が勝手にやっていることだからな!ガッハッハ!寧ろワガハイも本名で呼びたいと思っているから、お前達がこっちに帰って来たら思う存分本名で呼んでやるのだ!!ワガハイや軍団のことは気にせずそっちで頑張るのだぞ!それではな!!』



ノルン「クッパ様…」

サクヤ「さてと。『暗黙の了解』というものは、部下達が勝手にやっていたとご本人からの証言がありましたね?悩みの種、最初から悩む必要が無かったということになります」

ニア「あら…なんともつまらない顛末です、わ?わたくし…もう少し面白い展開を期待しておりましたのに…。例えば…ルイージ様に植物が寄生しておられますとか…」

サクヤ「絵本の世界のマリオさんの物語を滅茶苦茶にしないでください。ノルンさん。クッパさんがこう言っているのですから。悩む必要はないのではないですか?」

ノルン「…ボク、みんなが黙って掟を守っているから『クッパ様が作られたんだ』って思い込んでました。でも、違うんですね。これをみんなに言ったら…あっちでも本名で呼んでくれるのかな?」

ニア「それは分かりませんわ…?長年根付いた習慣というものは、中々抜けないものですの…。ですが、貴方様がそれを『解消する』第一人者には、なれますわよ…?」



 留守電の主はなんとクッパ。ノルンの気持ちを察していたようで、本名で活動することを気にするな、と。あれは部下達が勝手にやっていることだと言って自信を付ける為に電話をかけようとしていたようです。最後には彼とカノンを激励する言葉まで。なんて理想的な上司なのでしょうか。
 悩みの種が消えましたね、と彼を勇気づけるサクヤ。長年根付いた習慣は中々直らないとは言いつつも、背中を後押ししてくれるニア。彼女達の言葉を聞いたノルンは、『とりあえずやってみよう』と自信をつけたのでした。



ノルン「ボク、頑張ります。いつか部下達も本名で呼べる世の中にする為に、まずはここから頑張ってみます!1人のノコノコとして接してもらえるなら、ボクも精一杯こっちでのお仕事も頑張ります!いや、もとから頑張るつもりでしたけど…」

サクヤ「それは頼もしいですね。悩みは解決できましたか?」

ノルン「はい、1つは!…実は、もう1つ悩み、といいますか…。『お願いしたいこと』があるんです」

ニア「お願いしたいこと…?なんですの、それは…」



 悩みの1つは解消したみたいでしたが、彼はそれとは別にサクヤに『お願いしたいこと』があるとういうのです。質問を投げ返してみると、ノルンは少し下を向いて考えた後、ぽつぽつと話し始めました。



ノルン「カロンくんの記憶喪失を元に戻してほしいんです」

サクヤ「カロンさんの?」

ニア「そういえば…最初に『記憶喪失だ』と、貴方様は仰っておられましたわ、ね?」

ノルン「はい。まず、カロンくんは他のカロンとはちょっと違うんです。カロンって普通、『カタカタ』と身体の骨を揺らして、自分の感情や気持ちを伝えるんですけど…。カロンくんみたいに喋ることが出来ない種族なんです。
    でも…サクヤさん達も知っての通り、カロンくんはつたないながらも『普通に喋ることが出来る』。だから、サクヤさん達に記憶を取り戻してもらったら…もしかしたらカロンくん、普通に喋ることが出来るようになるかもしれません!」

サクヤ「成程。カロンという種族を私はよく知らないのですが、ポケモンの皆さんやヨッシーさんのように鳴き声で意志や気持ちを伝える、という解釈でよろしいのですね?」

ノルン「はい。それで合っています。本当はボク達の世界でのことなので、ボク達自身が解決すべきだとは思っています。でも、カロンくんはいつまで経っても記憶が戻らなくて…。こんなに実力者が集まる場所なら、何か解決の糸口が見つかるんじゃないかなって思うんです。だから、お願いします!カロンくんの記憶喪失を元に戻してください!!」

サクヤ「うーん…」



 目の前で深く頭を下げられたサクヤは困ってしまいました。そりゃそうです。突入し礼をする前、彼女はその『カロン本人』…。カノンに『自分は記憶喪失ではない』と言われていたのですから。そして、それを周りには黙っていてほしい、とも。
 いずれクッパに話を聞かなければならない案件だとは思っていましたが、まさかノルンから頭を下げられてしまうとは。…まぁ、勘の鋭い輩にはすぐに気付かれてしまいそうですが。
 
 頭を抱える彼女に、ニアは不思議そうに…いや、『心を見透かしたように』こう助け舟をしました。



ニア「…うふふ。心配なさらなくても大丈夫ですわ。ここにはクッパ様のように人外染みた強力な力を持っている輩が多く在籍しておりますの。ですから…今すぐに、とは無理ですが…。いつか、記憶を戻る手立てはきっと見つかるでしょう、とだけ申し伝えておきますわ…」

ノルン「本当ですか!」

サクヤ「ニア…。分かりました。私達も出来るだけのことはやってみます。けれど…いくら『神』なる我々でも、流石に異世界の事柄までに深く首を突っ込むことは出来ないのです。ですから…あまり期待をしないで待っていてほしいのです」

ノルン「はい!ボク、カロンくんともっと色んなお話がしたいんです!だから、いつまでも待ちます!だってカメですもん!ありがとうございます。本当に、本当にありがとうございます!!」

ニア「それにしても…貴方様は随分とあのカロン様を気にかけていらっしゃるのですわね…?お友達、なのですか?」

ノルン「そういう訳ではないんです。何というか…『死んでしまった親友』に雰囲気が似ていて。放っておけないというか…」

サクヤ「(『死んでしまった親友』ですか)」

ノルン「あっ!こっちの話なのであんまり気になさらないでください!それじゃボク、まだ仕事が残ってるので夕さん達の場所に戻りますね!それでは!」



 サクヤは今精一杯言える言葉でノルンの気持ちを落ち着かせた後、彼が自分の持ち場まで戻っていくのを見送っていました。しかし…『死んでしまった親友』に雰囲気が似ているカロン、ですか。
 これからどうしたもんかと頭に手を置くと…ニアが薄ら笑いをしながらこちらににじり寄ってきます。彼女が問い詰める行動に出るのは火を見るよりも明らか。サクヤは諦めたように『口外しませんね?』とだけ尋ねました。



ニア「…やはり知っておいででしたのね?」

サクヤ「口外しないように言われているのです。ですから、ニアがもし他人へこのことを話すつもりであれば…私は何をされても口を開きません」

ニア「あら、随分と強気に出ますのね…。わたくし、そこまで信頼されておりませんの?悲しいですわ…。ですが、そこまでの事情が彼らにあるのでしょう…?―――口外など致しませんわ。そちらの方が『面白そう』ですもの…」

サクヤ「邪神がにじみ出てますよ、ニア。貴方もそろそろ天界の邪神共に位置が割れるのではないですか?まぁ、それは置いといて。…最初に貴方が危惧した通りです。あのカロンさん…『記憶喪失などではありません』。何らかの理由でクッパさんに口止めを食らっているようなのです」

ニア「あら、そうでしたの…。やけに記憶の回路が正しいのに『記憶喪失』だと言っているのがおかしいとは思っておりましたが…。…しかし、何故クッパ様はそこまでして彼を『記憶喪失』だと思わせているのでしょう…?」

サクヤ「そこまでは分かりません。ただ、『クッパ様に記憶喪失として振る舞え』と、そう言われたと。分かっているのはそれだけです。―――もしかしたら、ノルンさんとカノンさんだけではない。『クッパ軍団』をも巻き込んだ何かが、過去にあの城で起こっていたのかもしれませんね」

ニア「―――うふふ、先程の言葉を撤回いたしますわ…。これは…中々に闇が深そう。面白そうですわ…」

サクヤ「お願いですから首は突っ込まないでくださいね?」

ニア「…………。うふ?」

サクヤ「冗談で言っている訳ではございませんので本当にやめてくださいね?」




 クッパ城で過去に一体何が起こったのでしょうか。こっちも後々一筋縄ではいかない問題になりそうです。
 …いずれ、ノルンとカノンも『覚悟』をしなければならない時がくるかもしれませんね。

Re: 逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語 ( No.40 )
日時: 2020/08/15 22:21
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: UruhQZnK)

【73:27】





~プレロマ塔前広場 猫の溜まり場付近~





サタヌ「はぁ…。キュベリア様はどこに行ってしまったのだ…」



 ため息をつきながらエリア内を散策しているサタヌ。ミッション①には参加せずに、今までずっとキュベリアを探していたようです。
 彼もBEMANI支部で過去2回のキュベリアの活躍を見ていたのですが…。まぁ爆睡していたのもばっちり流されておりまして。このままではBEMANI支部の面目が立たないと、今回は彼女を叩き起こして逃走させようと考えている様子。



サタヌ「当たり前だ!キュベリア様は今や『BEMANI支部』の支部長も兼任しているんだぞ。そんな大事な職に就いているのに、逃走中に至っては寝てばかり…。そのうちの1回は寝ている為に標的を変更され捕まってしまったではないか。そのような屈辱、二度と起こしてはならぬ!」



 彼も苦労しているんですねぇ。まぁ、恐らく今回も既にどこかで爆睡しているとは思うのですが。とにかく起こすなら早めの方がいいですよ。いつ次のミッションが発動するか分からないんですから。



サタヌ「ふん。そんなのはどうでもいい。次も誰かにやってもらえばいいだけの話だろう」



 あらら、そんなこと言っちゃって。同じイラストレーター様の登場人物でもこんなにも違うのですね。というか貴方よりもどこぞのポップン出身の誰かさんの方がイラストが多いような。ねぇヴィルさん。ジャックさん。



ジャック『だからなんで俺に振るんだよ?!サタヌと関わると碌なことがないんだよ!!』

ミミ『それMZDにもヴィルさんにも毎度の如く言ってるよね?…もしかしなくてもジャックって運が悪いのかな?』

ジャック『俺の運が悪いなら上司の魔力のせいだと思っておく』

ヴィル『心外だな。我が魔力を与えていた時代は運も私と同じだったと記憶しているんだが?今の運の悪さは自我を持った故だ。諦めろ』

サタヌ「私を差し置いて話を進めるな!出番が減るではないか!!」

MZD『出番を増やしたいなら積極的にミッション参加しろよ…。言葉がちぐはぐになってんぞお前さん』



 そうですよ。出番を気にするならもっと積極的に動いてください!…そんなやりとりを続けている最中、サタヌは目線の先に明るい色のアホ毛を見つけました。しかも横たわっています。もしや、と思いその方向に足を向けた瞬間でした。






































ハンターDU「…………!!」





ダッダッダッダッダ!!!!!





ROCK ON 【STN】





ピーーーーーーーーーーーー





サタヌ「ぬっ!追うより先に逃げなくては!」



 キュベリアらしき人影を追う前にハンターに見つかりました!今は逃げた方がいいですね!サタヌは素早く方向転換をして逃げ出します!






ハンターDU「…………!!」


サタヌ「視界が悪いがそれはハンターも同条件。死角に逃げ込めばハンターも私の姿を見失うだろう。幸い距離は開いているからな」



 所々ちらりと後ろを見やりハンターとの距離を確認するサタヌ。彼、意外に運動神経がいいのでこのままいけば撒けそうです。



サタヌ「意外とは何だ。私は悪魔軍を束ねる長であるぞ!」



 はいはい。おや、次のエリアが見えてきましたね。



サタヌ「確かこちらには隠れる場所があったな。いやしかし。我の走力でハンターを撒いてみせよう!」



 そう意気込んで次のエリアに足を踏み入ればサタヌ。しかし……



































ハンターSA「…………!!」



サタヌ「な……!挟み撃ち、だと……?!」



 走って来た方向から、別のハンター。








ポンッ







【71:19】
サタヌ 確保 残り16名





サタヌ「何故だ!何故この私がッ…!これではキュベリア様がゲーム終了まで爆睡するではないかーーー!!!」



 気にするのそっち?!流石のサタヌでもハンターを2体相手にするのは無謀というもの。いくら悪魔族最強の男でも無理だったようですね。








ピリリ ピリリ








キュベリア「何だようるせーなー…。『サタヌ 確保 残り16名』 んぁー、あいつ捕まったのか。よーし。これでしばらく眠れるぞ…。それじゃおやすみなさ……ぐがー……」

ジャック「目立とうとして捕まるとか何やってんだよあいつ…。ま、でもこれで不運の種が1つ減ったわけだな。上司見つけたらハンターの囮にして逃げてやる」

ミミ「運営本部のみんなは逃走者じゃないから無理じゃないかな?でも、これでYUMAさんのリクエストした枠も全滅ってことだよね。早くない?!」




 サタヌ確保。キュベリアにとっては朗報です。おおサタヌ。捕まってしまうとは情けない。せめて美しく、儚く散りな。




サタヌ「どこぞの移植したら最強になったあの曲の話をするな!!」

ヴィル『(サイレントルームが嬉しそうにしているだろうな…)』




 面目丸つぶれのサタヌは放置して、そろそろエクラの様子を見てみましょう。そしてミッション②開始!難易度が上がりますよー!覚悟してくださいね。

運営本部の進捗 ② ( No.41 )
日時: 2020/08/16 22:00
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: UruhQZnK)

―――これは、遠い遠い『どこか』の記憶。
『道化』に全てを塗り替えられた、悲しき少女の、儚い記憶。

------------------------



『莉愛。これから出かけるの?』
『うん。学校からの課題まだ完成させられてないから。これから土手まで行って川の写真を撮ってくる』
『そう。でも気を付けなさいよ?最近おっかない人が出歩いてるって噂が流れてるんだから…』



 玄関に立ったあたしの背中を心配そうに見つめながら、ママはそう言った。靴をトントンと鳴らし、改めてあたしはママの方を向く。心配しなくてもすぐ戻るから、そう小さく伝えあたしは家のドアを開けた。

 …『音無町』。音、とついている割には音楽が溢れかえっている訳でもない、ごく普通の街。あたしはそこで生まれ、そこで育った。これからも、何も代わり映えの無い毎日を。生を最後まで謳歌するまで。そう、当たり前のように思っていた。



『川は…確かこっちだったはず。ママもおっかない人が出てるっていうけど…。物騒な事件が起きたのって何年も前の話でしょ?そんな不運の連続みたいに出てくるわけがない』



 音無町では数年前、『ピエロ』による子供の誘拐事件が発生したと噂が流れていた。実際に街の子供達はある時を境に帰ってこず、見つかった時には抜け殻のように血を吸われて倒れていたんだとか。警察が総動員しても『ピエロ』の正体を掴むことは出来なかったらしく、たった1人助かった男の子も『知らない』と事件のことを話さなかった。
 結果、事件は迷宮入り。不気味な変死体事件として、当時の出来事は時と共に忘れ去られていった…はずだった。
 
 ママが言うには、最近子供達が急に行方不明になり、戻ってこない事案が多発しているというのだ。数年前と同じような模倣をするだなんて…。あり得ない。あの時の『ピエロ』が再び戻って来たとでもいうのだろうか。あたしはそんな軽い気持ちで外に出ていた。
 あたしが今気にするのは『おっかない人』への対策ではない。学校からの課題を完成させることだ。その目的を果たす為、あたしは家の近くにある土手へと足を運んだ。









 そよそよと穏やかに流れる川。あたしはそこが昔から好きだった。不機嫌な気持ちも、ここに来るだけで自然と落ち着いてしまうから。だから、学校からの『自然の写真を撮ってこい』という課題も、あたしは川の写真を提出することに最初から決めていた。
 …そういえば、とふとママに前に言われたことを思い出す。



『うちの近くの川ってね?数年前起きた『ピエロ』による子供の行方不明事件。これでたった1人助かった男の子がピエロと出会った川なんですって。でも、その男の子も…2年後、トラックの事故に巻き込まれて亡くなったそうよ』



 この川に『ピエロ』が現れたのか。それはそれで不思議な気持ちになった。こんな穏やかな気持ちになれる場所で、そんな殺伐とした出来事が起こっていたんだなって。その時に助かった男の子は、一体どんな気持ちでこの場所にいたんだろう。
 
 ―――そんなことを考えている暇ではない。あたしがここに来た目的は『川の写真を撮る』こと。遅くなるとママに怒られてしまう。目的を果たして帰ろうと、あたしはいつも座っている木の近くに急いで足を運び、持ってきたカメラを構えた。



 その時だった。





『ねぇ、お嬢ちゃん。この川、好きなのかい?』
『え?』



 不意に背後から掛けられる声。この声には聞き覚えがある。まるで自分の『今の主』みたいだ。
 
 …いまのあるじ?『主』って何?あたしは普通の人間で、普通の女子で、普通の―――。





『―――なァ。お前にとっての『フツウ』って、どっちなんだよ?まさか、俺を裏切るわけじゃあないよなァ?』



------------------------






















べリア「!」



 今度はべリアがはっとして我に返ります。今の記憶は一体何なのだろう。確かに、鏡で見た『黒い髪の少女』が自分の目の前にいました。そして、彼女は自分のよく知る声の持ち主に声をかけられて…そして…。その後に彼女の身に何が起こったのかは分かりませんでしたが、彼女が無事に家に帰れた保証はないことだけは分かっていました。



エクラ「あの…。大丈夫?先程からぼーっとしているように見えるのだけれど…」

べリア「敵の心配するなんて、アンタもよっぽど甘ちゃんナノネ。だから捕まっちゃうノヨ」

エクラ「そう…よね。でも、私とあなた…何となく似ているような気がするの。だから…気にかかるのよ。
    テントさんもフローラさんも、ボロボロになりながら私を守ってくれた。たかが道化師1人なんて力を合わせれば私達の敵ではないことは明白だったわ。それでも…彼らはやられてしまったの」

べリア「無様よネェ。あの『pop'n Masters』と呼ばれるカレらが負けるナンテ。滑稽すぎて笑いたいくらいダワ」

エクラ「でも…。彼が使った魔法の一部…。ヴィルヘルムさんのような魔力を感じなかったの。同じ『魔族』なんだから、使う魔法の性質が同じようなものでもおかしくないのに…」

べリア「…………。ネェアンタ。どうせこれから死んじゃうんだから、良いコト教えてあげるワ」

エクラ「良いこと?」



 ポップン支部で襲撃があった際、テントカントとフローラはエクラを守る為応戦したことが分かりました。しかし、管理者として集う強い力を持つ彼らをもってしてもかなわぬ力…というか、彼女にはメフィストが使っている力が『魔族のそれではない』ことを何となく感じていました。
 そのことをべリアに伝えると、彼女は少しの沈黙の後…『どうせ死ぬのだから』とメフィストにまつわるこんなことを話し始めたのです。



べリア「どうせアンタ達も知ってるとは思うケド?メフィストさまに『強力な後ろ盾』が付いているというコト」

エクラ「『後ろ盾』?―――テントさんが以前仰っていた、『天と地、両方が相手』という言葉でしょうか」

べリア「そう、それヨ。アタシ達末端の道化師は詳しくは知らないことなんだケド…。





    『メフィストさま、単独で神々と繋がっている』噂があるワ」



エクラ「神々と、魔族が…手を組んでいるの?!」

べリア「もしかしたら、アンタが『総督』って言ってるオコサマも敵かもしれないワヨ?」

エクラ「違う!!彼はそんなことをする方ではないわ!!」

べリア「試しに言ってみただけジャナイ、怒らないでヨ…。―――『神々の力』をも手に取ろうとするなんて…。あのお方は何を考えているのカシラ」

エクラ「…魔族と神が、両方敵だなんて…」




 メフィストのやりたいことが読めません。『気まぐれ』。これで片付けてしまってはならない問題です。
 そして…そんなことを口走った彼女の『心』にも、少しずつ変化が起きていたのです…。

------------------------

進捗が一旦切り替わると共に、『とある逃走者2人』のアラームのタイマーが起動した!



ヴィル『障壁の魔力の解読が完了した…が。想定した通りだった。私一人の力では解除できん』

MZD『オレ手伝うけど。それでも無理なの?』

ヴィル『無理、ではないと思うのだが…。障壁の向こうにエクラがいた場合、巻き込む可能性がある。彼女に被害が出る可能性がある以上、無茶をするわけにはいかぬ』

サクヤ「なるほど…。では、逃走者のアラームの力を使って『魔力の循環』を変えてみましょうか。もしかしたら脆い場所が見つかるかもしれません」

ニア「あら…。サクヤ、貴方そんなことをしていたの?」

サクヤ「念には念を、です。逃走者の皆様には単なるアラーム発動ミッションだと思ってもらえるはずです。…さて、ミッションを開始しましょう!」

Re: 逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語 ( No.42 )
日時: 2020/08/16 22:07
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: UruhQZnK)

【65:00】








ピリリ ピリリ








七海「お?次のミッションが来たみたいですな」

イヤミ「『残り65分より、ランダムに選ばれた逃走者2名のアラームのタイマーが起動する。残り55分を経過するとアラームが発動し、逃走者の位置情報がハンターに知られてしまう。』 シェ?!アラームは絶対嫌ザンス!捕まるザンス!!」

クリス「『それを回避する為には、エリア内に2箇所設置されている『アラーム交代装置』に、アラームのタイマーが起動している逃走者の手を認証させる必要がある。』 成程。装置に手を認証させるタイプなんだな。…前回の虹の扉と同じような感じか?」

ミミ「『認証が成功すると、認証させた逃走者のアラームは解除。ランダムに選ばれた別の逃走者のアラームのタイマーが起動する。』 ……って!この書き方だと絶対50分に2人脱落するじゃん!アラーム自体を止める方法はないのー?!」

凛「『アラームを完全に解除する方法は無い為、『アラームを他人に移すタイミング』をよく考えて行動すること。』 アラーム自体の回避方法はないのね…。少なくとも、ミッション②の間は互いを『敵』だと認識しないといけないようね」

葉月「『アラームのタイマーが別の人物に移ったタイミングで通知が流れる為、活用すること。』 アラームはこれだと思うんだけど…。うー。来た時の為に装置を早めに探した方がいいよね?」





 さてさて、次のミッションに行ってみましょう!
 なんと、この時間から逃走者のうちの2人のアラームのタイマーが起動します。そのまま50分を経過してしまうとアラームが発動してしまい、逃走者の位置情報がハンターに知られてしまいます。それを回避する為には、エリア内の2箇所にあるアラーム交代装置』に、アラームのタイマーが起動している逃走者の手を認証させる必要があります。
 ただし!認証が成功すると別の逃走者のタイマーが起動。これを完全に止める術はない為、『55分になったら2名のアラームが起動』することを頭に入れて動かねばなりません。
 アラーム起動で確保なんて絶対に避けたいところ。逃走者達は意地でもこのアラームを回避せねばなりません。さて、どう動く?





ミッション② 『自分のアラーム発動を回避せよ!』
残り時間65分から、ランダムに選ばれた逃走者2名のアラームのタイマーが起動する。残り時間55分を過ぎるとアラームが発動し、逃走者の位置情報がハンターに知られてしまう。それを阻止する為には、エリア内に2箇所設置されている『アラーム交代装置』に、アラームのタイマーが起動している逃走者の手を認証させる必要がある。認証が成功すると、認証させた逃走者のアラームは解除。ランダムで選ばれた別の逃走者のアラームのタイマーが発動する。アラームを完全に解除する方法は無い為、『アラームを他人に移すタイミング』をよく考えて行動すること。
アラームのタイマーが別の人物に移ったタイミングで通知が流れる為、活用すること。





めう「めう?!ってことはだりかが装置に触れたら他のだりかがまずいことになるめう?!」

ジャック「随分と意地の悪いミッションだな。考えた奴誰だよ…。でも、これくらい難易度がないと盛り上がらないってもんだよな」

ミミ「ジャックってば1人で盛り上がっちゃってー。でも、いつどこでアラームが他人に移るかは通知でしか分からないからね。しかも、書き方的に『誰のが誰に移ったか』が分からないみたいだし…。ここはわたしも心を鬼にしないといけないようだね!」

左右田「回避できますように…回避できますように…。こういう貧乏くじは大体俺が引くってオチが決まってんだよ…!」




 アラーム起動は誰だって嫌ですよね。逃走者達も各々動き始めます。さぁ、頑張ってくださーい!それで、アラームが起動した2人は一体誰なんでしょうか。


























おろさん「…あれ?アラームってこのピカピカ赤く光ってるやつ?もしかして…対象僕?!」

凛「まずいわ…。何故私のアラームが点滅しているの?このままでは滅びの顛末を見届けられなくなってしまうわ」



 アラームのタイマーが起動したのはおろさんと凛!彼らからの開始となります。さぁ、55分までアラーム擦り付けの攻防戦、いざスタート!












【64:21】






~中央広場 噴水前~





おろさん「うわぁ、まずいよ…。このまま放置しちゃえば僕が確実に捕まってしまう。とりあえず装置を探したいところだけど…」



 アラームのタイマーが起動してしまったおろさん。このまま55分を経過してしまえば確実に彼は確保となってしまいます。それを避ける為どうにかして装置に手を認証させたいところですが…。
 ちなみに、七海さんとはミッション①をクリアした後別れています。



おろさん「でもなぁ。僕がアラームを回避したとして、七海さんやめう、凛のが作動しても嫌だしなぁ。でも捕まりたくないからなぁ…」



 やはり良心が痛むのか、足が中々動きません。自分が動いたことによって知っている逃走者が被害を被って欲しくないと思っているのでしょう。しかし、動かなくては確実にハンターの魔の手は自分に降りかかってしまいます。



おろさん「…とにかく、行ってから考えよう。アラームが発動しちゃったら終わりだし…」



 そう思って足を動かしたその時でした。































ハンターEJ「…………!!」





ダッダッダッダッダ!!!!!





ROCK ON【OROSAN】





ピーーーーーーーーーーーー





おろさん「ってハンター?!アラーム関係なしに捕まるのも嫌なんだけど!!」




 装置を目指すおろさんにハンターが迫る…!まだ距離がある為撒ける可能性は十分にあります!どうなるおろさん!!今は逃げるんだ!!

Re: 逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語 ( No.43 )
日時: 2020/08/17 22:07
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: oKgfAMd9)

【63:18】






~東地区 通路~





おろさん「まずい。まずい。凄くまずい!!」



ハンターEJ「…………!!」





ダッダッダッダッダ!!!!!





 慌てて東地区まで移動してきたおろさん。しかし、ハンターは少しずつ彼に迫っています!幸い距離がある為まだ走って逃げられていますが…。



おろさん「走ってるだけじゃいつか追い付かれるし、どこか隠れられる場所があればいいんだけど…」



 そう思いながら走りますが、逃げてきたエリアは死角が1箇所の障害物が少ない場所。彼の思い通りに事が進みません。考えながら走っている最中にもハンターとは少しずつ距離が縮まっていきます。



おろさん「とにかく、いちかばちか別の場所に移動した方がいいよね。ここで立ち止まれば絶対に捕まるし…」



 おろさんはとりあえず別の場所に移動してハンターをやり過ごす作戦に出ました。となると、とにかくこのエリアから脱さなければなりません。ハンターとの距離を確認しながら次のエリアへの道をひた走って行きます。



おろさん「この道を真っ直ぐ行けば確か南東エリアに…あれ?」



 後ろを見ながら走っていたおろさんでしたが、ふと足音が聞こえなくなりました。振り向いて確認してみると、自分を追っていたハンターの姿が見当たりません。一体どこに行ってしまったのでしょう?不思議に思いつつも、近くにハンターがいることを危惧し彼は南東エリアへと走って行ったのでした。
 …ハンター、どこに行ったんでしょうね?





































【62:44】






~東地区 隠れ場所~





葉月「なんかハンターの足音が聞こえてきてたけど…。誰か追われてたのかな?」



 エーデルガルトと見つけた隠れ場所に隠れていた葉月。おろさんが逃げていたハンターの足音を聞き、一旦隠れる選択に出たようです。しかし、何か足音が近づいてきているような…?



葉月「ここから出た方がいいかも?いや、でも…」



 ここから出るか否か迷っています。ハンターが迫っているか分からない状況で出たくはない。しかし、隠れていることでハンターに見つからない確証はありません。迷いに迷った結果、出てみる選択をしました。


























葉月「大丈夫…大丈夫。だいじょ……」



ハンターEJ「…………!!」








ポンッ







【62:36】
葉月 確保 残り15名





葉月「…そんな終わり方ってあり?!」



 おろさんを追っていたハンター、実は隠れていた葉月を視界に捉えていました!近付いてくる足音はハンターが葉月を確保する為に動いていた証でした!ありゃりゃ。確保されるなら前回のように笑いながら確保されたかったと後に呟いた彼女なのでした…。








ピリリ ピリリ








ミミ「うわ~!通知だー!『葉月 確保 残り15名』 えーっ?!作者さんが半分に減っちゃったんですけどー?!」

おろさん「ハンター、多分葉月さんを見つけて追いかけて行ったんだ…。擦り付けちゃったみたいでごめんね…」

アルル「作者さんにも容赦ないよ今回…!流石はスペシャル回だなぁ」



 作者陣から2人目の確保情報を受け、各々反応を見せる逃走者達。しかし、油断はしていられません。気を抜けばハンターの餌食になってしまうのですから。
 
 南東エリアに移動したおろさん。もう少し彼の様子を見てみましょう。















【62:29】





~南東エリア 広場~





おろさん「こっちも広い場所だ…。ハンターに追いかけられてたままだったら逃げ切れなかったかもなぁ」



 南東地区にやってきたおろさん。改めてエリアの開放感を目の当たりにし、ハンターの恐怖を感じました。
 ハンターの回避が出来たら、次はアラームの回避ですよね。どうするんです?



おろさん「装置を探したいところだけどここにあるかなぁ」



 試しにきょろきょろと見回してみると…地区の端っこにこの場には明らかに似つかわしくない機械的なデザインの立体物が。近付いてみると…。



おろさん「手形認証装置?ってことは…これが『アラーム交代装置』ってことか!」



 手が届くくらいの位置に透明の板が。そこには手のひらのマークが記されています。もしかしなくても『アラーム交代装置』ですね!おろさんがここに手をかざせば、おろさんのアラームは停止し、他の逃走者のアラームのタイマーが起動します。



おろさん「知っている人にアラームを擦り付けたくはないけど…。ええい、ここは時の運だ!自分が確保されるわけにはいかないからね!」



 意を決し装置に手を認証させるおろさん。少々の待ち時間の後、目の前にあるモニターに『認証成功』の文字が。それと同時に、彼の腰にぶら下がっている赤く点滅するタイマーは止まりました。



おろさん「ふぅ…。これで一旦は回避できたってことだよね。でも…誰に移っちゃったんだろう?」








ピリリ ピリリ









ゆめひめ「えっ?また誰か捕まったの?!違うみたい。『アラームのタイマーが起動している逃走者が『アラーム交代装置』の手形認証を成功させた。その為、別の逃走者のアラームのタイマーが起動する。』 装置見つけた人いたんだ!」

ミミ「わたし…じゃ、ないみたいだけど。誰が引っかかっちゃったんだろう?」

むらびと「(ぶるぶると震えている)」




 おろさんが回避した代わりにアラームのタイマーが起動してしまった逃走者は…?凛も確保回避の為遂に動きます!


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27