二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語【完結】
日時: 2020/09/25 22:01
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: b92MFW9H)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1440

どうもです、灯焔です。
遂にキリのいい数字を迎えた逃走中#CR05。前回エクラが捕まったり道化師側で大きな動きがありそうだったりと波乱の展開を迎えたコネクトワールド。世界の行方はどうなる…?
今回の舞台は、2回目の舞台『渋谷』があった時代から約5000年後の世界『エデン』が舞台と言われている『セブンスドラゴン』『セブンスドラゴンⅢ』より『学都プレロマ』。数々の木々に生い茂られた廃墟と化した学術都市を舞台に、逃走者達とハンターによる5回目の逃走劇が今、幕を開ける―――!


遂に本格的に動き出したメフィスト率いる道化師達。本部を襲うだけでは飽き足らなかったのか、他の支部で暴動を起こし始めました。そして、本部の面子もメフィストを叩こうと本格的に動き始めます。
そんな中、道化師一味にも何か動きが。前々回から様子がおかしかった『あの人物』の記憶が…?さて、運命はどう転がるのでしょうか。

<ルール>
逃走エリア:『学徒プレロマ』
かつて隆盛を誇った古代文明の研究者である学士たちが集っていた学術都市。
技術力の高さは『エデン』の中でも群を抜いていたが、現在は魔物の巣窟になっており、廃墟と化している。かつてこの地で、13班の意志を継いだ者が『真竜』を退治した伝承が伝えられている。ゲームではドラゴンによって木々が生い茂っていたが、今回は木々が生い茂っている様子は無く、廃墟であること以外は広い逃走エリアだと思っていいだろう。
エリア紹介 >>1




逃走時間:90分

賞金:54万(1秒100円)

ハンター:初期4体(OPゲームで1体起動。ゲーム開始後に3体追加で起動)

自首方法:後程通知にて発表


<参加者>

【逃走中#CR01 成績優秀者】 (3人) 詳細>>2
エーデルガルト=フォン=フレスベルグ
芽兎めう
ミミ

【逃走中#CR02 成績優秀者】 (3人) 詳細>>3
七海千秋
キュベリア
タイマー

【逃走中#CR03 成績優秀者】 (3人) 詳細>>4
アルル・ナジャ
クレア・スチーブンソン
ジャック

【逃走中#CR04 成績優秀者】 (3人) 詳細>>5
天海蘭太郎
クリス
むらびと

【作者枠】 (4人) 詳細>>6
YUMA
ゆめひめ
おろさん
葉月

【作者推薦枠】 (4人) 詳細>>7
サタヌ
左右田和一
霜月凛
イヤミ


計20名


○逃走中#CR06 シード枠争奪アンケート実施中
※締め切りました

○逃走中#CR06 次回参加者募集中!
※締め切りました
次回参加者 >>105
作者枠発表 >>120

※『お手伝い』として参加してくださる方向けの案内※
 版権キャラ応募用紙 >>121 ※9/24(木) 20:00まで



◎AfterBreakTime

 ①『更に集う仲間たち』 >>8
 ②『赤色が抜けた景色』 >>33
 ③『折りに折られぬ心意気』 >>39
 ④『光と開く世界』 >>49
 ⑤『スーパースターは彗星の如く』 >>68
 ⑥『音無町の真実』 >>95-96
 ⑦『打ち上げ』 >>125-126 >>129-131



以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。

Re: 逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語 ( No.124 )
日時: 2020/09/23 22:16
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: .niDELNN)

どうもです。流石にキュベリアが憐れに思えてきた灯焔です。
作中の描写は無いですが、彼女普段から一応BEMANI支部の支部長として色々頑張っています。いたわってあげて。



>>ゆめひめ 様

どうもです。版権キャラのスペック記入ありがとうございます。
過去に同じような経験があるのか嫌がるのは目に見えてました。流石に次はいたわってあげてほしいと私は思います。どうなるか本当に分かりませんけれどね。
武器が無ければ殴ればいいじゃない。風花雪月でも同じこと言いそうな奴がいそうです。

ブレディにノワール!懐かしいなぁ。私が実際にプレイしていた時はノワールちゃんはマークくんと固定でSにしてたんですよねー。ブレディは色々コンビ組ませて遊んでました。
特に不備等ございませんので、こちらで受け付けさせていただきますね。ありがとうございます。



>>YUMA 様

どうもです。版権キャラのスペック記入ありがとうございます。
二度あることは三度あるとなるのか、三度目の正直となるのか。次回にかかっているぞキュベリア。頑張れ。
丁度規定人数ぴったりだったのでね。申し訳ないですが道化師関連のお話は当事者以外(※特に莉愛関連)全員無知前提としてお話を進めさせてください。色々不都合が起きても困りますので。

くんさんとリピカちゃんということで了解しました。一部ご希望に添えないものもありますが、あらかじめご了承をよろしくお願いいたします。受け付けさせていただきます。ありがとうございました。




さて、本日から打ち上げ編開始です。ターニングポイントを迎えたコネクトワールドではどんな出来事が待っているんでしょうか。どうぞ、余興をお楽しみください。

打ち上げ ① ( No.125 )
日時: 2020/09/23 22:28
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: .niDELNN)

サクヤ「それでは、以上を持ちまして次回逃走中に関しての発表を全て終了いたします。皆様、ご自由に打ち上げをお楽しみください!」



 MVPと作者陣の発表も無事終了!片付けるべき問題もちゃんと解決しましたし、盛大に打ち上げパーティを楽しみましょう!
 今回もコネクトワールドが誇る料理上手男3人による豪勢な料理がテーブルに並んでいます。…そういや本部に料理上手って男しかいない気がするんですが。―――女性で上手な方はいらっしゃらないのですか?



天海「東条さんはメイドさんですし、上手ですよ。もっとキッチンが大きくなればもっと手間暇かけられると思うんですがね」

東条「そこに関しては仕方ないと割り切っているわ。設備の拡張だってお金もかかるし、時間もかかるもの」

アクラル「流石に本部の予算を世界の調査に関わらないことに使っちゃったらまずいもんなー。アシッドとハタ坊の会社が協力してくれてから予算が跳ね上がったから『出来るかもしれない』けどよ」

アシッド「調理設備を増やしたいのか?言ってくれればそちらに資金を回すように会社に言っておくが」

ハタ坊「そうだジョー。ボクもカラ松くんの美味しい料理もっといっぱい食べたいジョー!」

チョロ松「そんな理由で金を動かすな。……今の設備でも別に充分だと思うけどなぁ。カラ松はどう思ってるのさ?」

カラ松「まぁ、本部に住み込みで働く奴らも少しずつ増えてるからな…。いずれは拡張する必要はあると思うが、今はその時じゃないと思ってる」

十四松「そっかー。でも性能の良い設備が整ったにーさんの作った料理、食べてみたい!」

東条「ふふっ。増えた暁には私も3人の仲間に入れて頂戴ね?メイドの知識をふんだんに使った料理をご馳走するわ」

カラ松「おお!それは楽しみだ。それに、料理話にもっと花が咲きそうだな!」

トド松「何だかんだ料理の話になるとカラ松兄さん多弁になるもんねー。ま、それだけ知識が深いって証拠なんだろうけど」

一松「カフェの新メニュー考える参考にしたいから、東条さんの料理の知識も少し蓄えておきたいな…」



 そんな楽しい話を続けている最中の話でした。ふと、アクラルが別のグループに混じって話をしているサクヤを発見します。何を話しているのか興味を持った彼は、天海くん達に断りを入れた後彼女のいるテーブルまで近づきました。
 …人で隠れて見えませんでしたが、どうやらリピカ、13班、莉愛と話をしているようですね。そのまま彼女の背中まで近づき、優しく肩を叩きました。



アクラル「なんだよサクヤー!久々に平和に逃走中終わったんだからお兄ちゃんとも話そうぜー!」

サクヤ「兄貴。それ以上戯言を申し上げるならば首ごとすっぱりと斬ります」

キョウカ「ナンパをするにしても初歩的に何かを間違っていると思うのだが…」

リピカ「そもそも『兄妹』にナンパは通用するのさ?」

アクラル「冗談だってサクヤ!!だから刀身をチラ見せするのやめろ!!!……ったく。お前は本当に冗談が通じないやつだな!」

サクヤ「それは失礼いたしましたね。生憎そういう性格ですので」

リピカ「で、アクラル。お前何しに来たのさ?まさか本当にサクヤに話しかけに来ただけ?」

アクラル「え?駄目?」

コハク「いや、駄目ってこたねェとは思うけどよ…。リピカの話からお前にも話伝わってると思ってたンだけどよォ」

アクラル「はい???」



 明るくサクヤに『話したい』と声をかけるも、いつもの溺愛っぷりが表に出てしまい彼女にはため息をつかれながら軽くあしらわれてしまいました。残念でしたね。
 何か大事な話をしていたようで、コハクは『サクヤから何も聞いていないのか』と逆に聞かれます。思い当たる節なんて見当たらない彼は首を傾げるだけ。すると、リピカはちょうどいいと逃走者から預かった『短刀』をサクヤ達双子に見せたのでした。



リピカ「私がサクヤに話しかけたのはこれを渡したかったからなのさ。逃走者に『預かってくれ』って頼まれてな。正直私は武器の知識については頓珍漢でな…。これはサクヤに渡した方がいいと思って話しかけてたのさ」

サクヤ「これは…」

アクラル「あー。魔法の知識ならちょっとばかしあるけどよ、武器に関しては全くのからっきしなんだわ。武器の形状からしてこれ『刀』か?」

キョウカ「あぁ。単なる短剣ではない。それに…私の家にも代々受け継がれている刀があるからな。少々程度ではあるが、刀剣の知識については頭に入っているぞ」

ノア「キョウカの実家って由緒ある武家の系統だからなー。もしかしたらご先祖様が名のある武将だったりして?」

キョウカ「それはないと断言しておこう。だが…仕えていた長が名がある武将だったりしたことはあったかもしれないな」

莉愛「…話がずれてきてる気がするのはあたしだけ?」

サクヤ「おっとそうでした。それでリピカさん。この刀ですが―――私が預かりましょう。覚えがある刀なので」

リピカ「そうなの……って、サクヤ知ってるさ?!」

サクヤ「ええ。大分昔の話になりますが…。この短刀を実際に見たことがあります。確か…『前田藤四郎』という名前だったと思います」

アクラル「人の名前みたいな刀だな?!」

キョウカ「それはどの刀も同じだ。鎌倉時代の刀工である『粟田口吉光』により作られた短刀だからな。こいつは前田家の次男が所持していたことから『前田』の名がついている…んだが。何故そのような刀を逃走者が持っていたんだ?」

リピカ「逃走者曰く灼熱から預かったらしいんだけど…。灼熱も他の誰かから受け取ったみたいでな。そいつが『道端に落ちてたから拾った』って」

サクヤ「なんですかその適当な理由は…。そんな簡単に道端で落ちてていい代物ではないのですよ。まぁ、私の今使用している太刀も含めてこの短刀は『分霊』に当たりますのでいいのですが…」

キョウカ「『本霊』に当たるものは『現の世界』で大切に貯蔵されているはずだからな。まぁ、それは今はいいんだ。―――プレロマで次元の裂け目破壊を阻止したあの角の生えた男。サクヤ殿、貴方は彼を『鬼丸国綱』と言っていたな」

サクヤ「はい。どこかの異世界のように『この世界には』刀の付喪神を顕現させる力など存在しません。…ですが、実際に鬼丸さんは人の姿を取って我々に刀を向けた。―――私達の知らぬところで、想像以上に根深い問題が進行しているのでしょうか…」

アクラル「うーーん…。そこに関しては天界に通じる奴らに詳しく話聞かねーことにはな。だけど、メフィストの背後にいる奴らが『想像以上に強大だ』ってことだけはよーく分かる気がするぜ」



 サクヤとキョウカ曰く、リピカが預かった刀は『前田藤四郎』らしく。某乱舞ゲーでご存知の方も多いと思いますが、前田家の人間が使っていたことから『前田』の名がついています。前田藤四郎といえば、サクヤの持っている太刀の1つと関わりがあるのですが…。まぁ、今はその話は置いておきましょう。
 鬼丸が顕現してしまったことといい、自分達の身に起こった以上に根深い問題…そして、『強大な戦力』が自分達に牙をむいているのではないかと推測するサクヤ。
 その話は追々追っていくとして、彼女はリピカから『前田藤四郎』を受け取り懐に仕舞ったのでした。



サクヤ「(前田藤四郎以外にも短刀は存在していた記憶があるのですが…。何故この短刀だけが地上に?…どこから?
     それに…。『鬼丸国綱』があった、ということは―――『童子切安綱』もまさか神々が…?)」



 サクヤの推測が本当でないことを祈りたいものですが―――。口にしてはならない、と自分で結論付け、彼女は話し合っていたメンバーを打ち上げパーティに戻したのでした。



















~天界 オリュンポス大神殿~



ゼウス「まずいことになったのう」

ヘラ「えぇ、本当ですわ…。まさか『アンラ・マンユ』がこんなに速く本格的に動いてくるとは」

ヘルメス「それ程攻める余裕が出てきた、ということでしょうね。肝心のアンラ本体はまだ出てきていないみたいですが」

ゼウス「それに…。『時の蔵』から奪った刀剣達を兵士として邪気を注ぎ込んでいたとは…。彼奴、神道にも背き始めたか」

ヘラ「刀剣全てが邪気に侵されてしまっている訳ではないのが幸いでした。老人が守った『天下五剣』の三振り。そしてアンラが邪気を注ぐ前に地上に落ちた一部の刀剣。―――そのすべてがあいつに渡ったと想像すると……恐ろしすぎますわ」



 ところかわって天界のオリュンポス大神殿。5回目の逃走中を天界から見届けていた彼らでしたが、次元の裂け目の攻防を見てから―――天界に大きな動きがあったことを知りました。どうやら彼らと敵対しているのは『アンラ・マンユ』という神。ゾロアスター教における『悪神』として有名ですね。
 そして、彼らの口から『刀剣がいまそいつの手にある』ということが明らかになりました。サクヤ達と一戦交えた鬼丸国綱も恐らくアンラの所蔵物。『邪気』と彼らが話していたことから、アンラが所持している刀剣全てに何かしらの邪な力が注がれているものと思われます。
 
 彼の手に刀剣が今何振りあるかは分かりませんが、それが全て人の形を取り地上を襲ったとなれば―――。十分な兵力になるでしょう。それだけは阻止せねばならぬ、と彼らは思っていました。



ゼウス「さて。どうするか。このままだといずれ…我々だけではなく、地上の平和も脅かされることとなるぞ」

ヘラ「地上の平和って。まぁ、現在もかなりギリギリの状態で均衡が保ち続けられているとは思いますけれど。―――相手方の動きを見ると、『攻めるタイミングを見計らっているよう』にも思えますわ」

ゼウス「ふーむ…。となると、かなり異端な戦力が揃っている上、一度道化師に目を付けられておる青龍達のところが危ないのう。どうにかわしが助けてやりたいが、地上に降りている間にこちら側が攻撃を受けては意味がない。どうするかのう…」

ヘルメス「ゼウス様。確かに彼女達の居場所を狙われる可能性は十分あります。ですがね。それ相応に強い神も揃っているのです。そう簡単にやられはしないのでは?」

ゼウス「…しかし。事情を知らぬまま我々の戦争に巻き込んでしまっては申し訳が立たない。じゃが、いずれ青龍達が巻き込まれるのは必然…。『運命』だと断言してしまっても良いじゃろう。

    ―――そういえば…。アンラは刀剣の付喪神を『呼び出す力』があるのか?」

ヘラ「確かにアンラの側に最近見慣れない人型が歩いている光景が増えましたが―――。まさか、アンラが無理矢理顕現させたのですか?」



 ゼウスは地上に被害が及ぶこと。そして、神々は必ず『サクヤ達を襲う』ことを予測していました。自分達の戦争に巻き込むことは申し訳なく思いながらも、彼らに助力することは無理だとも悟っていました。
 どうするか。そう考えていた途中……ふと、『アンラによって顕現された刀剣』のことを思い浮かべます。そして、『アンラに出来るのなら自分にも出来るのではないか』。そういう結論に思い至りました。



ゼウス「―――わしにも出来るかもしれん。戦争に巻き込むことが確定事項ならば、『付喪神』を顕現させることで彼らの力になるやもしれんぞ」

ヘラ「ですがゼウス様!やったこともないことをやられるのですか?!失敗して、地上の者達に被害が出たらどう責任を取るおつもりなんですの?!」

ゼウス「じゃが……そう言っている場合ではないのじゃ。急に顕現が成功したとして、意志と人の身体を持った刀はそうすんなりと要求を受け入れられるわけがないじゃろう。
    均衡状態にある『今』。イチかバチか、かけてみるならば今しかないのじゃ」



 ヘラの意見を押し通すように、ゼウスは自分の胸元に両手を出します。そして―――透き通った綺麗な光の弾を作り、それを地上へと次々に飛ばし始めたのです!



ヘルメス「人の姿を取ったことで、地上に悪影響が及ぶ可能性は考えないのでしょうか?」

ゼウス「それは後じゃ!―――大丈夫じゃ。刀は持ち主に影響されることもあるからのう。『持ち主が正しい心を持っていれば』、きっと応えてくれるはずじゃ」

ヘラ「…………」



 地上に降り注ぐ綺麗な光を見守りながら、ゼウスは祈ります。




ゼウス「青龍よ。我々の戦いに巻き込んでしまう事を詫びよう。どうか我らの準備が整うまで―――。『力』と『心』。双方の戦力を整えるのじゃ」




 せめて、彼女達への被害が少なくなりますように…。ゼウスは光りを飛ばしながら、そう祈ったそうな。
 ―――なんだかまたコネクトワールドに新しい『ジャンル』が増えそうな予感ですね?

打ち上げ ② ( No.126 )
日時: 2020/09/23 22:35
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: .niDELNN)

~運営本部 打ち上げ会場~



めう「りんりんせんせー!折角だからめうとりんりんせんせーの『にこきゅっぴん』をみんなにも見せてあげるめう!ほら!さあさあさあ!」

凛「な、なにを言っているのはんこ屋。もうあんな屈辱的な目に遭うのはごめんだわ…!」

おろさん「(自転車のベルがいつの間にか元通りになってる…)」



 天界で結構大変なことになっているのもつゆ知らず。打ち上げ会場では各々パーティを楽しむ参加者の声が木霊していました。
 …それを出入口近くのテーブルから見守る青龍と朱雀の兄妹。―――そんな中、ふとサクヤが出入口へと足を向けます。どうしたのかとアクラルが聞くと、サクヤは真面目な顔を崩さずにこう返しました。



サクヤ「太刀の手入れをしに自室に戻ろうと思います。今回結構使ってしまったので、早めに処置を行わないと時間がかかってしまいますので」

アクラル「打ち上げ後でもよくねーか、それ?サクヤがいなくなって困んじゃねーの?」

サクヤ「そうですかねぇ?1回目、2回目と席を一時的に外したこともありましたし。それでも大きな問題等は起きませんでしたでしょう?」

アクラル「カオス軍団の襲撃は『大きな問題』じゃないんだな」

サクヤ「まぁ…私達が受けてきた仕打ちに比べれば赤子の様なものです。…兄貴も来ます?私の自室を教えているなんて兄貴くらいですし」

アクラル「んー…。まぁ、お前の刀に興味が無いわけでもないし…。結局ゼウスのジジイに話を聞くってなってもメインサーバか俺かサクヤの自室じゃないと上手く念話できねーかんな。ついてく」

サクヤ「そうですか。……正しくは『私の刀』ではないのですけれど」

アクラル「ん?何か言ったか?」

サクヤ「なんでもありません。―――さて、決めたのならば即行動です。向かいましょう」



 どうやらサクヤ、腰に下げている二振の太刀の手入れをしようとしていた様子。某乱舞ゲーをご存知の方であれば分かると思いますが、サクヤが今持っている刀、相当時間がかかるタイプのようで。早めに動いた方がいいと判断したのでしょう。
 アクラルもゼウスに話を聞きたいとのことで同行することに。双子は一度パーティ会場を見回した後、サクヤの自室に向かう為その場を後にしたのでした。














~運営本部 住居区 寄宿エリア~



アクラル「サクヤの部屋って本部の奴らには見えねーんだよな、確か」

サクヤ「はい。部屋自体が『神域』ですので…。私が許可した者しか入れません」

アクラル「だからこそあのジジイと連絡が取れるんだけどな。今持ってる二振とか人間が触ったらヤバい代物とか置いてあるのは分かるんだけどよ…。本部でも噂になってるぜ?『お前がどこで寝てるのか分からない』って」

サクヤ「もしかしたら龍の姿で屋根裏にでも眠っているのもしれませんね?」

アクラル「は?!初耳なんだけ『冗談です』冗談かよ…」



 他愛ない会話を続けながら、サクヤの自室があるであろう場所まで向かう双子。会話中にも出てきましたが、サクヤの部屋『だけ』は普段は彼女の力でアクラル以外誰も見えないようになっています。何か事情がある場合のみ、サクヤが『許可をした』人物のみ中に通すことが出来るという訳ですね。
 しばらく歩いていると、不自然に壁が続く場所へとやってきました。その真ん中にサクヤは立ち、壁に手を当てます。すると…?
 壁は和風の戸へと姿を変えました。ここが『サクヤの自室』ということになるわけですね。



サクヤ「さ、入りましょう。兄貴には既に場所教えてあるのでいつでも入れるはずですよ」

アクラル「おう。入ったらちょっとばかし『念話』強化の道具使わせてもらうからな。ジジイと連絡取ってみる」

サクヤ「ありがとうございます」



 戸を開き、中に入ると―――。そこに広がっていたのは、落ち着いた空間の和室でした。床には畳が敷かれており、壁掛けには青い龍と稲妻が描かれておりどことなく古風な雰囲気を醸し出しています。
 『おじゃまします』と軽く挨拶をした後、アクラルは早速棚から目的の道具を借り、ゼウスと連絡を取り始めました。それを見守っていたサクヤは、自分の目的を果たす為に刀掛台に向かって進んでいき、腰紐で支えていた2振の太刀を台に収めたのでした。



サクヤ「今回は…貴方がたの力がなければ、あの棘を破壊することは出来ませんでした。感謝申し上げます。どちらも少々強く使ってしまったので、手入れの資材が少し多く必要そうですね…。今持ってきます」



 サクヤは正座をし、刀に優しく語りかけるようにそう口にしました。まるで『生きている人間に話しかけるか』のように。
 自分の言いたいことを言い終わった後、彼女はアクラルの方へと向き直ります。彼もゼウスとの連絡が取れたようで、丁度道具を棚に戻すところでした。



アクラル「おー。終わったのか?」

サクヤ「これから手入れ用の資材を取りに向かうところです。兄貴も連絡終わったのですか?」

アクラル「おう。ジジイったら切羽詰まりながら説明はしてくれたんだけどよ…。想像以上に天界がやべーことになってるらしい。ジジイと敵対してる神が『刀を依代にして付喪神顕現させて兵力にしたり』、後はメフィスト連れてった理由も『兵力増やす為』だったっぽい」

サクヤ「まさか…鬼丸さんを顕現させたのは…メフィストを連れ去った『長』?ゼウス様の他に『全知全能』が存在した…?」

アクラル「命持たぬ物の『付喪神』を顕現させるくらいには力持ってんだろうな…。今兵力集めてるってことは、後々どっかに戦争仕掛けるつもりなんじゃねーか?」

サクヤ「そんなことが天界で起きていたなんて…。私達にも助力できることはないでしょうか」

アクラル「それも聞いたんだけどよ、『お主等はお主等に出来ることをせい』とだけ言われて念話切れちゃってな…。詳しくは分からずじまいだぜ」

サクヤ「そうですか。神々の情勢が少しでも知れれば、こちらでも対策が出来たのですが…」



 ゼウスは自分が見たことをアクラルに話してはいたようです。しかし、大切なところをはぐらかしていた為『詳しく教えたくないんじゃないか』と自分の推論をサクヤにぶつけました。
 あまり深く掘っても隠されるだけでは意味がありません。これ以上の追及は無駄だと判断し、アクラルを連れて自室を後にしました。その後、彼と共に手入れ用の資材を取ってくる為倉庫へと向かって去っていったのでした。










 ―――彼女達が部屋を去った後。誰もいなくなった部屋の中に、2つの淡い光が太刀に向かって飛んでいきました。ふよふよと浮かぶそれは、2振の太刀に入り込み『何かを呼び起こさせる』ように光を増幅させます。
 …もう少しで刀が視認できなくなる、というところで。部屋にもう一つの『黒い光』が。これも2振に向かって飛んでいたのですが、当たったのは下に置いてあった太刀だけでした。もう1つの黒い光は何かに弾かれ消し飛びます。



 ―――『黒い光』が当たらなかった方の太刀は、徐々に光を強め、その『圧』で刀身が床へと落ちました。それと同時に―――光は人型を取り始めたのです。
 光は徐々に弱まり、その『人型』が視認できる頃には―――。部屋に、『1人の男性』がもたれかかっていたのです。

























サクヤ「…兄貴。私は手入れの資材を取って来たかっただけで、それは必要ないと思ったのですが」

アクラル「なんでだよー!俺にも何か仕事振れ!折角兄妹になったんだから!」

サクヤ「はいはい。太刀が傷付いたままでは次使う時にも困るので、早く部屋に戻りましょう」



 部屋でとんでもないことが起こっていたことを全く知らない双子。コント染みたやりとりを繰り返しつつ、サクヤの自室へと戻っていました。
 再び彼女の力で戸を出現させ、目的を果たす為2人は部屋に足を踏み入れた、のですが…。



サクヤ「…………!!」

アクラル「???」



 目に入って来た『光景』に、サクヤは目を見開きます。対照的にアクラルは首をかしげるばかり。
 2人が目にしたものは―――『人』でした。


 柔らかな黒い髪。所々破れた灰色の服。伏せられた瞳を持つ顔には眉がありません。端から見ても足が長いことから、相当背が高い男性なのだと2人は認識しました。
 服が傷付いているのと、見えた腕や足に切り傷があることから怪我をしているようですね。



アクラル「おい、誰かに教えたりしてないってお前言ってたじゃねーか?!」

サクヤ「…………」



 言葉が届いていないのか、彼女は上の空で目の前にもたれている男性を見つめていました。
 ―――沈黙が続く中。男性の瞳が揺れました。



『―――ん、ぅ……?』



 ゆっくりと開かれた深紅の目。その『瞳』が2人を視認した瞬間でした。





サクヤ「ぐっ……?!」

アクラル「なんだよっ…これ…?!」





 彼から流れ出る『力の圧』。それは一瞬で運営本部中を覆い、重たい空気を纏います。
 わけが分からず混乱している兄に、妹は叫びます。






サクヤ『兄貴!すぐに人避けをお願いします!!』

アクラル「は?何言って―――『彼を何とかしなければ、本部が破壊されます!!早く!!!』 …………後でちゃんと説明しろよなっ!!」



 切羽詰まった彼女の表情に、ただ事ではないことを察知するアクラル。すぐに戸を閉め、向こうから迫ってくる足音に対して構えます。



アクラル「ったく…。こういう『非常事態』だけは察しが早いんだもんな…」





 戸が閉まったのを確認したサクヤは、そこ自体に封をします。『彼』の力の影響を部屋だけに留まらせる為に。
 目の前の男性は混乱していました。―――その表情は、『この世の何もかもに恐怖』している。サクヤにはそんな風に感じ取っていました。

Re: 逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語 ( No.127 )
日時: 2020/09/24 12:59
名前: 葉月 (ID: QQmxnDsv)

灯焔さんどうも葉月です。抽選は落ちましたが致し方ないですね(´・ω・`)
一瞬アンラ・マンユをアンリ・マユと空目しましたwww 調べてみたら同一人物らしいんですけどねwww(おい
サクヤさん達と対立するのはハデスでもオーディンでもなくアンラ・マンユなんですね。確かに天下五剣が全てアンラ側に手に渡ったらと思うとおそろしいですね。
運営本部はサクヤさんとアクラル以外は入れないはずの謎の男がいるようですが、目を見たら圧が来た、と。
サクヤさん以外の本部はこのことを知らないし、アクラルは他の本部に避難するよう言いに言ったんですね。
前田君以外の刀剣がないって……ずずまるとおじいちゃんとおでんはサクヤさんが持ってるからいいけど、鬼丸はアンラ側なんですか。今後は鬼丸と戦うことに(´・ω・`)
審神者をやってる私からすれば刀剣同士が敵対する展開はしんどいです(´・ω・`)

話が変わりますが、お手伝いはYUMAさんとゆめひめさんになりましたね。音ゲーマーとFEプレイヤー繋がりの作者がきましたね。(?
次回の逃走中もどうなるのかきになります。

今回はこれで失礼します。

Re: 逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語 ( No.128 )
日時: 2020/09/24 22:23
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: .niDELNN)

どうもです。灯焔です。
本日推しの供給過多で無事昇天しました。バンワドちゃんかわいい…かわいい…。



>>葉月 様

どうもです。コメントありがとうございます。
そうですね、条件的に葉月様は連続出場となってしまいますので…。申し訳ございません。
ゾロアスター教の有名な悪を司る神様である『アンラ・マンユ』。ゼウスに迫る力を持っているような感じがしますが、その正体は謎に包まれています。
双子が発見した男性の正体は?男性が放ったと思われる『圧』はどうなってしまうのか?刀剣の行方は今どこに?謎が謎をまた呼んで参りましたね。

お手伝いの応募も丁度お二人だったのでね。こちらに応募していれば参加できたかもしれませんね…。




さて、打ち上げ編はまだまだ続きます。どうか物語の最後までお付き合いの程、よろしくお願いいたします。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27