二次創作小説(新・総合)

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逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語【完結】
日時: 2020/09/25 22:01
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: b92MFW9H)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1440

どうもです、灯焔です。
遂にキリのいい数字を迎えた逃走中#CR05。前回エクラが捕まったり道化師側で大きな動きがありそうだったりと波乱の展開を迎えたコネクトワールド。世界の行方はどうなる…?
今回の舞台は、2回目の舞台『渋谷』があった時代から約5000年後の世界『エデン』が舞台と言われている『セブンスドラゴン』『セブンスドラゴンⅢ』より『学都プレロマ』。数々の木々に生い茂られた廃墟と化した学術都市を舞台に、逃走者達とハンターによる5回目の逃走劇が今、幕を開ける―――!


遂に本格的に動き出したメフィスト率いる道化師達。本部を襲うだけでは飽き足らなかったのか、他の支部で暴動を起こし始めました。そして、本部の面子もメフィストを叩こうと本格的に動き始めます。
そんな中、道化師一味にも何か動きが。前々回から様子がおかしかった『あの人物』の記憶が…?さて、運命はどう転がるのでしょうか。

<ルール>
逃走エリア:『学徒プレロマ』
かつて隆盛を誇った古代文明の研究者である学士たちが集っていた学術都市。
技術力の高さは『エデン』の中でも群を抜いていたが、現在は魔物の巣窟になっており、廃墟と化している。かつてこの地で、13班の意志を継いだ者が『真竜』を退治した伝承が伝えられている。ゲームではドラゴンによって木々が生い茂っていたが、今回は木々が生い茂っている様子は無く、廃墟であること以外は広い逃走エリアだと思っていいだろう。
エリア紹介 >>1




逃走時間:90分

賞金:54万(1秒100円)

ハンター:初期4体(OPゲームで1体起動。ゲーム開始後に3体追加で起動)

自首方法:後程通知にて発表


<参加者>

【逃走中#CR01 成績優秀者】 (3人) 詳細>>2
エーデルガルト=フォン=フレスベルグ
芽兎めう
ミミ

【逃走中#CR02 成績優秀者】 (3人) 詳細>>3
七海千秋
キュベリア
タイマー

【逃走中#CR03 成績優秀者】 (3人) 詳細>>4
アルル・ナジャ
クレア・スチーブンソン
ジャック

【逃走中#CR04 成績優秀者】 (3人) 詳細>>5
天海蘭太郎
クリス
むらびと

【作者枠】 (4人) 詳細>>6
YUMA
ゆめひめ
おろさん
葉月

【作者推薦枠】 (4人) 詳細>>7
サタヌ
左右田和一
霜月凛
イヤミ


計20名


○逃走中#CR06 シード枠争奪アンケート実施中
※締め切りました

○逃走中#CR06 次回参加者募集中!
※締め切りました
次回参加者 >>105
作者枠発表 >>120

※『お手伝い』として参加してくださる方向けの案内※
 版権キャラ応募用紙 >>121 ※9/24(木) 20:00まで



◎AfterBreakTime

 ①『更に集う仲間たち』 >>8
 ②『赤色が抜けた景色』 >>33
 ③『折りに折られぬ心意気』 >>39
 ④『光と開く世界』 >>49
 ⑤『スーパースターは彗星の如く』 >>68
 ⑥『音無町の真実』 >>95-96
 ⑦『打ち上げ』 >>125-126 >>129-131



以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。

Re: 逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語 ( No.29 )
日時: 2020/08/10 20:03
名前: YUMA (ID: 3NeFJuEp)

ユマです...

おい、ここでクレアがアウトに...

そしてここで通報部隊の出動...見た目道化師なのでスタッフ側も何らかの大作戦を実行するご様子で。

通報停止方法は6つのレバー、2つごとに1人停止ですか...制限時間もあるのでヒヤヒヤしながら閲覧することになりそうだ...

ではここで失礼。

Re: 逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語 ( No.30 )
日時: 2020/08/10 21:57
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: dSN9v.nR)

どうもです。灯焔です。
先に言っておきますけど、別スレの内容のことをこちらや別スレに書いたりこちらの内容のことを別スレに書くのは絶対にやめてください。お願いします。



>>YUMA 様

どうもです。コメントありがとうございます。
前回に続きクレアたそが通報部隊の餌食に…。可愛い子は狙われる運命なんです。
通報部隊はエリアにたむろするメフィスト一味の道化師と衣装がよく似ている為、逃走者側からは見分けが中々つきません。クレアたそのように見つかってしまえば終わりです。

6つで3体同時消滅よりは温情があると思います。まだね。1つ目のミッションなんでね。

Re: 逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語 ( No.31 )
日時: 2020/08/10 22:00
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: dSN9v.nR)

【83:47】





~南東地区 竜の石像前~





葉月「あーあ。レバーらしき装置全然見つからないなぁ。2回目みたいに草が沢山生えてる訳じゃないし、これだけ見つからないってことはないと思うんだけどなぁ…」



 プレロマ塔前広場から行ける南東地区で、葉月はレバーを探していました。たまたまそこにいたからなのが一番の理由ですが、逃走者が一か所に固まっていてもまずいと自分のいるエリアにレバーが無いかと思っていたようです。
 しかし、辺り一帯を探してもそれらしき装置は見つかりません。確かに彼女の言う通り、2回目とは打って変わって開放的な場所が多いです。…まぁ、廃墟にはなっていますが造形はほぼそのままなので、どこかに隠れるように置いてある可能性も無きにしも非ずですが。



葉月「…あっ。その可能性を考えてなかったよ。ゲームの動き的にも簡単に消されちゃダメだろうし、分かりにくいところに隠すに決まってるよね!よーし、それっぽいところを探してみよう!」



 何を思ったかそう決意し、死角がありそうな場所を重点的に探すことを決めた葉月。早速ハンターから身を隠せそうな壁を見つけ、近付いてみます。すると……?




























エーデル「…あら。確か貴方は…葉月殿、だったかしら。もしかして貴方もここを重点的に探しているの?」

葉月「実はそうなんだよね。下ろさなきゃならないレバーが6つもあるし、もしかしたら見つかりにくいところに置いてあるんじゃないかと思って」

エーデル「そう、貴方も同じ考えだったのね。だけど残念だわ…。この辺りには何もなさそうよ」

葉月「えーっ?!このエリアで隠れられそうなのここくらいしかないよ?!」

エーデル「そこが問題なのよね。―――単に装置が置いてあるとは限らない…とすると、何か仕掛けを施しているに違いないわ」



 そこにいたのはエーデルガルト。彼女も南東地区のレバーを探していたようで、葉月の言葉を聞いて一緒に探そうと提案をしてきました。
 手分けはするべき、しかし人手は多い方がいいと判断した彼女はその話を承諾。しかし、隠れられそうな場所などこの壁以外にはどこにもなさそうです。
 となると、装置を見つける為に『何かの仕掛け』が施されているはずと発想を飛ばし、解決策を考えるエーデルガルト。考えを導き出している彼女に、ふと葉月がとある場所を指差してこう口にしました。



葉月「エーデルガルト、なんか向こうの暗闇だけやけに変じゃない?何か『物がかかっているように見える』んだよね」

エーデル「ん?どれかしら?……確かに変ね。背景に溶け込んでいるのは分かるんだけれど、どこか不自然ね。何かあるかもしれないわ。行ってみましょう」



 葉月が指を指したのは、先程葉月が歩いてきた竜の石像がある場所の反対側。黒い壁が伝っているエリアです。彼女はそこの一部が『どこか不自然だ』と言いました。
 彼女が指を指した場所をじっと見るエーデルガルト。確かに、よく見てみると一部が盛り上がっているように不自然に見えます。『何かあるかもしれない』。そう判断した彼女は、葉月を連れてその不自然な場所まで行ってみることにしました。













~南東地区 黒い壁付近~





エーデル「違和感が強い。まるで『何かを覆い隠しているような』感覚だわ」

葉月「何かを覆い隠している…。あっ。まさか!『布の様なもので何かを覆っている』とか?」

エーデル「そう考えれば…辻褄が合うわ。物は試しよ、壁に触れてみましょう」



 エーデルガルトの具体的な違和感を基に、葉月は『布で何かを覆い隠しているのではないか』と推論を立てます。彼女の考えに賛同したエーデルガルトは、早速『違和感のある壁』に手を触れてみました。すると…?

 葉月の推論通り、触り心地は絹のように柔らかい。『布』であることがハッキリしましたね!素早くその布を取り去った彼女。そこから現れたのは―――





葉月「レバーだ!!こんな風に隠されていたんだねー」

エーデル「2回目の時は草木で覆い隠されていたんだものね。でも今回はそんなものはない。細工をするならば『背景と同化』させるのも1つの方法ね。
     もしかしたら…他の装置もそうなのではないかしら?」

葉月「そんな推測している場合じゃないよwww 早くレバーを下ろそう!」



 光輝く銀色の装置。逃走者達の手が触れられる辺りの位置には赤いレバーが。間違いなく『通報部隊撃退用のレバー』ですね!
 他の装置もそうなのではないかと考えを巡らせるエーデルガルトに笑いながらツッコミを入れる葉月。ミッションの制限時間もありますし、考えるのはレバーを下ろしてからでもいいはずです。



エーデル「コ、コホン。それは失礼したわね…。私達への脅威は早めに排除するのが吉ね」(レバーを下ろす)

葉月「このままジャンジャンレバー下ろして通報部隊にはご退場願っちゃうよ!」(レバーを下ろす)







【82:53】

エーデルガルト レバー下降
葉月      レバー下降



 素早くレバーを下ろし、早速1つ目のレバーが解除!あと1つで1体目の通報部隊を消滅させることが出来ますね!








ピリリ ピリリ









クリス「通知だな。『エーデルガルト=フォン=フレスベルグ、葉月の活躍によって、『通報部隊撃退用のレバー』が1つ下ろされた。あと1つレバーが下ろされると、通報部隊が1体消滅する。全ての通報部隊を消滅させるまで、レバーは残り5つだ。』 お、早速レバーが下ろされたようだな」

ゆめひめ「エーデルガルトも葉月さんもやるじゃん!クリス、なんか変に不自然な場所あったからそこ行ってみよう!もしかしたら装置かもしれないし!」

左右田「行くって決めたはいいものの見つかんねーなー。あーあ、こんな時にソニアさんさえいれば…」



 レバーが1つ下ろされたことに歓喜する逃走者一同。しかし、通報部隊を消滅させるにはもう1つレバーを下ろさなくてはなりません。まだまだ油断大敵ですよ。









~南東地区 黒い壁付近~





葉月「よし、これで1つ目のレバーを下ろせたね!次々行こう!」

エーデル「あと1つで通報部隊が1体消滅するのよね。早い方がいいわ。行きましょう。それと…葉月殿。お願いしたことがあるのだけれど、いい?」

葉月「何かな?」

エーデル「貴方のメールを打つ速度を見込んで頼みがあるの。先程の装置にかかっていた布のように、残り5つの装置にも何かしら『逃走者から見えにくくする仕掛け』が施されていると思うのよね。もしかしたら、それを見落として探している逃走者もいるかもしれない。障害を取り除く必要があることを貴方から全員にメールで伝えてほしいの」

葉月「何を言うかと思ったら。勿論、任せてよ!ミッションの完全クリアには欠かせないことだからねー!」

エーデル「助かるわ。それじゃあ私は付近にハンターがいないか辺りを見て来るから…。『そこから動かないで頂戴』」

葉月「う、うん……?」




 エーデルガルトは葉月をその場に『メールを打たせる為』に残しました。そして、彼女を置いてその場から立ち去ってしまいました。『近くにハンターがいないか見て回る』とは言っていましたが、何か本当の言葉には聞こえません。
 ……彼女が何を考えて葉月から離れたのかは、次回分かります。

Re: 逃走中#CR05 はじまりの炎と紋章物語 ( No.32 )
日時: 2020/08/11 22:00
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: dSN9v.nR)

【82:47】





~南東地区 黒い壁付近~



葉月「……これでよし、と。タイムロスは少しは減らせそうだね。それにしてもエーデルガルト、なんで私を置いていくような真似をしたんだろう?確かに『孤独が似合いそうな』感じはするけどなぁ」



 エーデルガルトに言われた通り、装置に仕掛けがある可能性が高いことを逃走者達にメールで知らせた葉月。簡潔に文面を作成し、一斉送信をしました。
 送信ボタンを押し終えた後、彼女はぽつりとそんなことを言います。目的が解消出来たら即単独行動を好む性格なのかな、との考えが浮かびますが…。それならばエーデルガルトが自分にあんな頼みをするとは思えません。彼女に何か考えがあるのだろう。そう思い、エーデルガルトには別に『メールの送信が終わった』と連絡だけし、彼女はその場を離れたのでした。
 
 
 ……さて、エーデルガルトの様子を見に行きましょう。
















【82:35】





~南東地区 東地区側通路~





エーデルガルト「先程向こう側に何か人影の様なものが見えたのだけれど…。私の勘違いかしら。でれば別にいいのだけれど…。知らない間に通報部隊に見つかっていたりしたら、今までのことが水の泡よ」



 東地区に近い場所まで歩いてきたエーデルガルト。どうやら人影を見かけた為、葉月をその場に残し自分だけ様子を見に行ったようですね。孤高の印象を与える彼女ですが、実は仲間思いで感情豊かなんです。
 それは置いといて、その場所に来ても『見た』という人影は見当たりません。既に移動でもしてしまったのでしょうかね?



エーデル「そうであればいいのだけれど。こちらのエリアに近づけさせない、ということでも彼女を守り通したことになるわ」



 人影がハンターや通報部隊の可能性がある以上、近づけるのは危険ですものね。気持ちは分かります。改めて周りを確認し、誰もいないことを確認した彼女。すると、自分のスマホにメールの着信音が。誰からだろうとスマホを取り出し、メールアプリで確認してみると…。



------------------------

エーデルガルトへ

みんなへのメール、打ち終わったから連絡するね!

葉月

------------------------



エーデル「あら。案外礼儀正しいのね彼女。最初、イヤミ殿や左右田殿をからかっていたから軽い印象を持っていたわ」



 来たのは先程葉月がエーデルガルトに送ったメールでした。…まぁ真面目な時は真面目なんですが、きっとOPゲームでイヤミや左右田をいじっていた方が本性だとは思いますがね。



エーデル「メリハリがしっかりしている、と言い換えた方がいいかしら」



 多分それで合ってます。葉月のメールを確認した彼女は改めてスマホを仕舞い、歩き出そうとしました。









































ハンターEJ「…………!!」





ダッダッダッダッダ!!!!!





ROCK ON 【EDELGARD VON HRESVELG】





ピーーーーーーーーーーーー





エーデル「なっ…!近い…!」



 エーデルガルトの背後には既にハンターが近づいてきていました!彼女が確認した人影とは別のものでしょう。あららら…。
 既にハンターの手は彼女の背後に迫っています。今から逃げようとも彼女の脚力では引き離すことも不可能……。 








ポンッ







【82:29】
エーデルガルト=フォン=フレスベルグ 確保 残り17名





エーデル「背後に気が付けなかった…。こんなところで脱落なんて屈辱よ…」



 集中していれば気配に気付けたかもしれないと自らを悔やむエーデルガルト。しかし、ハンターは神出鬼没。彼女でも無理なものは無理なのです。








ピリリ ピリリ








葉月「あっ、通知。『エーデルガルト=フォン=フレスベルグ 確保 残り17名』 ちょっ?!様子を見に行った先で捕まるなんて言語道断でしょ?!ならせめて笑いを取ろうよ!」 ※笑いは取れません。

ゆめひめ「あぁ…!FEキャラが捕まっちゃったー!!しかもあのエーデルガルトが…?!」

めう「ミミミと一緒に逃走成功した人から先に捕まるなんて…。本当に今回の逃走中どうかしてるめうー!!」



 一同もまさかの逃走成功者の序盤確保に驚いている様子。今回の逃走中、それだけ難易度が高いのです。
 ですがめげてはいけません!犠牲者を増やさない為にも必ずミッションをクリアしましょう!










【82:14】





~北西地区 音楽室付近~





ミミ「見てジャック!なんか変な黒い布がある!これって葉月さんのメールにあった『装置を隠す仕掛け』なんじゃない?」

ジャック「確かに布っぽいものがかかってるな。それにしてもなんでこんな回りくどいことを…」

ミミ「そんなのどうでもいいよ!わたし達がクリアすれば確実に通報部隊は1体減らせるんだし!3体もうろうろしてたら前半戦で逃走者が半分になっちゃう、とか最悪の展開ありえるよ!」

ジャック「―――はぁー。考えても仕方がない。布を取り去ろう」



 北西エリアで逃走を続けていたミミとジャックも黒い布に覆われた装置を発見!こちらも壁と同色の布で覆われており、見つけにくい仕掛けが施されていました。
 なんでこんな回りくどいことをするんだとジャックがブツブツ文句を垂れていますが、口にしてても仕方がありません。ミッションクリアが先だとミミがせかし、目の前にある黒い布を取り去りました。
 
 思惑通り、そこから現れたのは銀色の装置。『通報部隊撃退用のレバー』です。



ミミ「これで危険度はちょっと下がるよね!それいけーっ!」(レバーを下ろす)

ジャック「(この布…。ハンターを退けるのに使えないか?無理か…)」(レバーを下ろす)







【82:06】

ミミ    レバー下降
ジャック  レバー下降



 レバーを下ろしました!これで2つ目!通報部隊が1体消滅します!










~中央広場~





通報部隊A「…………?」






 淡い光と共に、通報部隊が1体エリアから消え去りました。








ピリリ ピリリ









タイマー「また通知だ。誰か捕まったのかな?『ミミ、ジャックの活躍によって、『通報部隊撃退用のレバー』が1つ下ろされた。合計2つ下ろされたので、通報部隊を1体消滅させた。全ての通報部隊を消滅させるまで、レバーは残り4つだ。』 さっすがミミちゃん!さっすがジャックくん!やってくれると僕信じてたよ!」

凛「通報部隊が1体消滅したのね…。滅びる姿をこの目で見たかったわ…」

おろさん「七海さん、あれあやしくない?機械的っていうか物理っぽいっていうか」

七海「行ってみよう。1体減ったからちょっと余裕出たと思うし…」




 ミミとジャック、お手柄です!通報部隊が1体消滅したことによって、少し動きやすくなりましたね!しかし、ハンターは4体ともうろついています。通報部隊も2体います。気を付けてレバーをどんどん下げちゃいましょう!

ABT②『赤色が抜けた景色』 ( No.33 )
日時: 2020/08/11 22:08
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: dSN9v.nR)

サクヤの指示で学都プレロマへ突入した運営本部と協力者の面々。
そんな中、兄を追う五つ子は何を思うのか…。

------------------------



~学都プレロマ~



一松「どこもかしこも廃墟だらけなんだけど…。ヒヒッ、おれ達最終的にこんなところで野垂れ死ぬ運命なのかもしれないかもね」

チョロ松「オイコラ一松!!不穏な事言うな!!…全く。一松もトド松も危険だから本部で待機しててって言ったよね僕?!なんでついてくるの?!」

トド松「当たり前じゃん!おそ松兄さんがここにいるってんなら猶更だよ!僕達は腐っても『松野家』なんだからさ!」

十四松「一松にーさんもトド松も戦えないけど、ぼくが守ります!ふんぬーー!!」

カラ松「だが、用心しないとな。道化師の監視が多すぎて中々思うように動けないな!」



 学都プレロマに突入した運営本部の面々は、各々数人でチームを組んで各個進軍を始めていました。今回2つ目的があるので、まとまって動いて道化師に強烈な一撃を喰らわされてしまっては意味がありません。そこで、少人数で多数のチームを作り、最終地点であるメフィストがいるであろう場所で1つにまとまろうと作戦を立てたのです。
 そのうちの1チームである松野家の五つ子は、おそ松を探しながらも道化師に愚弄されていました。



チョロ松「どこもかしこも道化師だらけだよ…。エクラさんってそんなに凄い神様なの?」

カラ松「そこに関しては俺も知らない。神様にカーストがあることは最初に聞いたがそれっきりだもんな…。あの中だとアシッドさんが一番強い神様なのは分かるんだが」

一松「え、あの人神様だったの?」

十四松「そーだよー!なんかね、地上のいろんなものに興味を持って会社はじめたんだって!すっげーよねー!」

トド松「いやそれ『凄い』の一言で済ませて大丈夫な事案なの?!興味本位で会社立ち上げるなんて普通あり得ないでしょ?!…いや、うちのオーナーも似たようなもんだから驚かないけどさ」

カラ松「人間だったらそうかもしれないが彼らは『神』なんだろう?ならあり得る話じゃないか!」

チョロ松「なに当然の如く喋ってんだよお前。あ、そっか。厨二病がまた戻って来てるんだな!」

カラ松「なんですぐお前はそうやってオレがかっこいいと思っているところを全否定するんだチョロ松~~~~」(号泣)

一松「(カッコいいとは思ってるんだ)」



 チョロ松とトド松のツッコミを受けながらも五つ子は目的を果たす為前に進みます。入った当初は道化師の監視が邪魔をしていたものの、少しずつ歩みを進めていくと…。逃走者が尽力してくれているのか、ちょっとずつではありますが道化師の数が減っているように感じました。
 ―――ある程度歩みを進めると、ふと十四松がとある空中の一点を指差します。



十四松「にーさん!見てあれ!おそ松にーさん!!」

カラ松「本当だ。メフィストもいるな…。何をやっているんだ?」

チョロ松「僕達がプレロマに入ったことは既に知っているはずだし、僕達の様子見て嘲笑ってでもいるんじゃないの?アイツそういう性格みたいだし」

トド松「うっわ、性格悪いな~!優しくて可愛い僕とは大違いだよね!」

チョロ松「どの口が言うんだよ。お前も『一部は』メフィストと同類だよ!」

トド松「えーっ?!僕そこまで残忍じゃないもん!チョロ松兄さんひっどーい!!」

一松「ここで喧嘩は控えた方がいいじゃないの…?あの2人、セットで行動してるみたいだね」

カラ松「そりゃおそ松はメフィストに悪魔にされたからなぁ。『心まで凍り付いてる』なら、あいつに付き従ってても何もおかしくはないだろう。
    …エクラさんはいないんだな」

トド松「そんな~。『邪神』だっけ?そんなヤバい奴にする為に動かすわけないって~。どこかに監禁でもしてるんでしょ」

カラ松「と、なると…。逃げ出さないように監視がいるはずだよな。…『彼女』は。べリアが監視を担当しているんだろうか」

一松「ん?…カラ松、道化師にでも何か心当たりあんの?」



 五つ子が見つけたのは、空中に浮かぶメフィストとそれに付き従うおそ松の背中でした。運営本部が動いている情報は既に届いているはず。ならば、彼らは何をしているのでしょうか。性格上彼らが進軍しているのを見て嘲笑っているのではないか、とチョロ松が推論を立てます。
 チョロ松とトド松の小競り合いで賑やかな五つ子が進む中、ふとカラ松がぽつりとべリアについて零します。その言葉に違和感を覚えた一松がそのことについて問うと、カラ松は少し考えた後こう返しました。



カラ松「2回目にあの帝竜を倒した後の様子が引っかかってな。ずっと気にかかっていたんだ」

トド松「何それ、もしかしてカラ松兄さん道化師に恋したの~?イッタイなぁ!!」

カラ松「そうじゃない!…彼女、もしかしたらあの後ずっと悩んでいるんじゃないかと思ってな。3回目に神様とソティスを捕まえた時も、4回目の時に塔を崩した時も。全員が無事に助かった、なんてラッキー程度で済むと思うか?道化師側で誰かが何かをけしかけたとしか思えないんだ」

十四松「カラ松にーさんはそれが『べリア』って道化師なんじゃないかとおもってるの?」

一松「お前騙そうとしてるだけかもよ。ヒヒッ、実際騙されやすいじゃん」

カラ松「ぐっ…そこまで言われると反論は出来ない…。だが、もし悩んでいるなら助けてあげたいんだ!もし騙されているとしてもだ!見捨てるなんて…今のオレにはできないよ」



 カラ松が口にしたのはべリアのことでした。2回目に彼女と関わって以降、心のどこかで彼女のことを気にしていました。『恋』とかそういう意味ではありません。何かに悩んでいるような、何かに苦しんでいるような。そんな気さえ思い起こさせるようでした。
 いつにもまして真面目にそんなことを語るカラ松に一つ大きなため息をついた彼は、じーっと彼を見つめてこう切り返しました。



チョロ松「あのさ。前も言ったと思うけど、『お前のその優しさはいずれ自分の身を滅ぼす』こと自覚してよ?そのせいであんな事変なんて起こっちゃったんだよ?もしお前がべリアを助けたとして、それが演技だったらどうするの?不意を突かれてお前まで悪魔にされたら俺、今度こそ多分耐えられないよ…」

カラ松「…………」

十四松「でも、にーさんのいうこと凄く分かるっす。ぼくもあの人を助けられるなら…何かに悩んで苦しんでいるのなら、その苦しみから助けてあげたい。チョロ松にーさんもそうは言うけど、そう思ってるんでしょ?」

チョロ松「…………。カラ松は嘘つけない人間なのは僕が一番よく知ってるからね。もし彼女を助けることが出来るなら…僕も助けたい」

トド松「3人共お人好しなんだからー!でも、道化師とはいえ女の子の悲しい顔なんて見たくないしね!僕も出来るところまでなら手伝うよ!あ、流石に戦闘とかはやだよ?僕戦えないし~」

一松「みんなが行くなら…おれも…」

カラ松「みんな…ありがとう。よーし。まずはおそ松の目を覚まさせて、べリアの苦しみも解き放つぞ!!」



 各々理由は言いつつも、カラ松の意見に賛同してくれました。この男、カッコつけずに自分の気持ちを素直に言うようになってから兄弟からのあたりが嘘のように消えました。これも、あの時松野家が異世界のゲートを壊さなければ起こり得なかった現実なのかもしれませんね。
 弟達の気持ちを受け取ったカラ松は、改めて『おそ松を助ける。そして、べリアも助けたい』と気持ちを新たに前へ進むのでした。





 ―――ずんずんと歩みを進め、彼らは中央広場までやってきました……が。目線の先に広がる『暗闇』に表情を失います。



チョロ松「なんだよアレ。前が見えないじゃん…!」

十四松「ぼく達に見せたくないものでもあるのかな?うちわみたいに仰いだら吹き飛んだりする?」

一松「吹き飛んだりするようなものじゃないと思う…。十四松、多分触っちゃ駄目なヤツ」

十四松「え?でもでもー、やわらかそうっすよ?」

トド松「なら手を触れる前に、適当に何か物を投げ入れればいいんじゃない?誰かハンカチとか持ってる?」

チョロ松「頑なにお前のは差し出さないんだな」

トド松「当たり前じゃん!僕が使ってるのは僕のお気に入りなの!誰が差し出すもんですか!」

カラ松「…尻ポケットにティッシュがあった。これを入れてみよう」

一松「何もないといいけどね…」



 目の前の暗闇を祓ってみようかと提案する十四松でしたが、一松に止められます。普段から闇っぽく振る舞っているので、何となく目の前の暗闇が何なのかを察しました。
 それでも触ろうとする十四松に、トド松は『物を投げ入れてみればいい』と提案。カラ松が尻ポケットからティッシュを取り出し、それを投げ入れてみようと提案します。
 彼が弟達に少し離れていてほしいと頼み、四つ子が動いたのを確認した後。彼はティッシュを暗闇の中に投げ入れてみました。すると……。






ジュッ……。





 カラ松が投げ入れたティッシュは、暗闇に触れた場所から焼け焦げて、灰になって消えてしまいました。もしこれが人間の手や足、身体であったならば…。想像するだに恐ろしいですね。
 十四松も事の重大さをやっと理解したのか、伸ばしていた手を引っ込めました。



トド松「や、焼けた?!」

一松「手入れたらヤバい奴じゃん…」

十四松「ひょえー…。真っ先に手を突っ込んでたらヤケドじゃすまなかったっすね!これは触らない方がいいね!」

チョロ松「十四松が理解してくれてよかった…。でも、人体に影響がありそうな暗闇で場所を覆うなんて…。僕達に邪魔されたくないことを向こうでしているのは確実っぽいね」

カラ松「あぁ。一応サクヤさんにも連絡を入れておこう。不用意に触る奴は本部にはいないと思うが…」

十四松「ヴァリスさんとかさわりそうじゃない?」

チョロ松「リサさんが止めてくれるから大丈夫だと思うよ?」




 人体に影響がある暗闇といい、道化師の目的が見えてきません。本気なのだけは伝わってきますが。もしエクラが邪神化してしまった影響が世界に及ぶならば…。絶対に止めなくてはならない事象です。
 道化師、そして彼らの背後にいる『神』の尻尾を掴めればいいのですが。そう簡単にはいかないと思った方が良さそうですね。


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