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*34*
宮田はしょんぼりした顔で雄吾の家から出ていった
詩伍郎
「………宮田くん、なんとかならないかなぁ」
雄吾
「僕も不安なんだよね」
詩伍郎
「あ、分かる?」
雄吾
「いやそうじゃなくて、僕、誰かに音楽を教えたことがないからさ」
詩伍郎
「え?」
雄吾
「ずっと弾きたいから、好きだから、素敵なものの為だからと一人で弾いてきた」
雄吾
「集まろうと思っても、自然と1人になってた」
雄吾
「そんな僕が、誰かを教えられるかな?」
詩伍郎
「…………」
カルマ
「雄吾坊っちゃま、覚悟を決めてください」
雄吾
「え?でも、もう」
カルマ
「彼はこんなことで諦めるような方ではありません、落ち込んではいましたがあの少年の瞳に諦めはありませんでした」
ピンポーン
「雄吾さん!雄吾さん!」
詩伍郎
「ま、まさか…………」
………
宮田は戻ってきた………袋を持って
袋の中にはくしゃくしゃのお札と小銭
宮田
「これ、何年も貯めてきた僕の貯金………これでも、3万円とちょっとしか、ないけど………これで、お願いします!」
雄吾
「ほんとに持ってきた…………」
カルマ
「………確かに頂きます、ピアノ室はあちらとなっております」
カルマは袋を取って扉を開ける
雄吾
「カルマさん!?」
カルマ
「今回の事は為になります、貴方にとっても彼にとっても」
カルマ
「2人分の勉強代として預からせていただきます」
雄吾
「…………う、こうなったらやるよ!僕も覚悟を決める!」
詩伍郎
「頑張ってな雄吾!おじさん頃合いを見て飲み物持ってくる!」
………
詩伍郎
「カルマさん」
カルマ
「はい」
詩伍郎
「君、まさかこの為に分かっててそんな真似を?」
カルマ
「坊っちゃまの為に尽くすのが私の役目ですから」
詩伍郎
「そっか、ありがとう」
………
雄吾
「まず、ピアノを弾く時はこうして………こう」ポロロロ
宮田
「あの、こうですかね?」ピロンピロン
雄吾
「うーん、なんか違うなぁ、もっとこうこんな」スソソソソソソ
宮田
「う、うわぁ!?………す、すごい動き!?」
雄吾
「………あっ、ごめん!自然とこうなっちゃって………」