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*180*
…………
「おじさん」
詩伍郎
「!」
カルマ
「………下がってください!」
雄吾
「…………!」
詩伍郎
「雄吾………!!」
雄吾
「帰って来てたんだ」
詩伍郎
「…………びっくりしたや、今もここに住んでいたなんて」
雄吾
「まぁ、僕の家だからね」
雄吾
「素敵なものがあれば生活に不備なんてないし、カルマさんに頼らなくてもなんでも出来るんだから」
雄吾
「むしろ、そっちより安上がりなんだよね」
詩伍郎
「何を!?カルマは雄吾の事を思って………」
カルマ
「いえ、良いです詩伍郎様………」
カルマ
「雄吾坊っちゃま………貴方はずっと私と同じ目をしていたのですね」
雄吾
「何?」
カルマ
「………素敵なもの、それに囚われて、それしか見えていなくて」
カルマ
「人として生きることもせず、ただ………欲望のままに動く存在」
カルマ
「私もまた、誰かに尽くし報酬を握ることでしか生きることが出来ませんでした」
カルマ
「しかし」
カルマ
「あの時、詩伍郎様が飲食店に連れ出したり………」
カルマ
「何かと、気にかけてくれたり………」
カルマ
「私の為に、人のために………」
カルマ
「詩伍郎様は私のヒーローでした」
カルマ
「あの人は私を人にしてくれました」
カルマ
「なのに、何故………‥なぜ貴方は人になれなかったのですか?」
雄吾
「人だよ」
雄吾
「僕は誰よりも人だ」
雄吾
「だって、こんなにも素敵なものが大好きで…………」
雄吾
「素敵なものが何より便利で使い勝手がいいって、分かっているから」
カルマ
「最初からそれが目当てだった、と」
雄吾
「そうだよ、だからはっきり言うねおじさん」
雄吾
「僕はずっとアンタが嫌いだった」
詩伍郎
「………………え?」
雄吾
「素敵なものを手に入っても、ドブに捨てるような真似をするし、全然集めてこないし」
雄吾
「挙句の果てには簡単に僕と同じ力を手に入れて、僕の素敵なものを奪う始末だ」
雄吾
「なんで、僕だけに素敵なものを握らせてくれなかったんだ」
雄吾
「なんでずっと夢だけ追い続けて無様に死んでくれなかったのか」
雄吾
「疑問なんだよ」
詩伍郎
「雄吾…………」