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*43*
そして、いよいよ雄吾が帰ってくる日が来た
カルマ
「雄吾坊っちゃま、栄養のある食事を取れているでしょうか」
詩伍郎
「帰ったら美味しいものいっぱい用意しないとな」
カルマ
「しかし、いつもよりグレードが高いものを用意するには予算が足りません」
詩伍郎
「俺の方から払うよ、雄吾には秘密な」
カルマ
「かしこまりました、では2万円の請求を行います」
詩伍郎
「はい、雄吾をよろしく」
カルマ
「…………詩伍郎様、しばらく聞くのを忘れてましたが」
カルマ
「何故、父上ではなく貴方が雄吾坊っちゃまを育てていたのですか?」
詩伍郎
「え?ああ………昔は愛弓が女手1つで雄吾を育てていたんだ、その時はちょっと雄吾の顔を見る程度だったよ」
詩伍郎
「けど、3年前に病気で亡くなって………俺が引き取ることにしたんだ」
カルマ
「お父上は何を?」
詩伍郎
「………ここ数年、ずーーーーっと家に帰ってこないんだ、酷いもんだよね」
詩伍郎
「愛弓が亡くなって、雄吾と俺が一緒になって泣いててもメッセージすらないと来たもんだ」
詩伍郎
「薄情だよな………そんなに仕事が大切かーっての!」
カルマ
「…………」
詩伍郎
「あ、ごめん………確かカルマさんの上司だっけか」
カルマ
「いえ、お気になさらず」
詩伍郎
「………しかし、何してるんだろうなぁあいつ」
カルマ
「今でも研究をしているのかと」
詩伍郎
「研究〜?愛弓もよくもまぁあんなやつと………」
と、その時………テレビの電源がついて臨時ニュースの画面が
【臨時ニュースです!アンノイズの怪物が現れました!】
詩伍郎
「な………なんだと!?」
カルマ
「坊っちゃまは?」
詩伍郎
「栞を見る限りだとまだバスに乗ってる!街に到着してもいない!」
カルマ
「………では、どうするのですか?」
詩伍郎
「………俺がフォルテになる!」
カルマ
「不可能です、貴方にフォルテシステムは使えません」
詩伍郎
「うっ、そりゃ雄吾ほどの才能はないけどさ!」
詩伍郎
「俺は雄吾が安心して帰って来て欲しいんだ!!だから………誰かが街を守らなくちゃならないんだよ!!」
カルマ
「…………それで、何が出来ます?」
カルマ
「下手に動いてもまた骨が折れるだけですよ?」
詩伍郎
「うぐ………」