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*9*
その翌日の事、教室はいつになくざわついていた
雄吾
「…………ふう」
男
「やぁやぁ、ヒーローの天才くん」
雄吾
「またそれかい?」
女
「いいよねぇ、ベルトさえあればそんな才能を手に入れるんだから」
雄吾
「…………どうしてそれを?」
昨日の男
「………わ、悪い、雄吾………俺がちょっと呟いてたのが聞こえてたみたいだ」
雄吾
「ええ?」
男
「俺にもそれ使わせてくれよぉ、そうすれば俺も合唱コンクールでお前みたいに歌えるようになるんだしさぁ」
昨日の男
「別にそのベルトのおかげと決まったわけじゃないだろ、やめてやれよ」
雄吾
「いいよ気にしなくて」
雄吾
「このベルトはたしかに凄い力を持つけど、別に使用者を天才にする力は持ってないよ」
雄吾
「そもそも日本政府は、これの変身者に相応しい存在として音楽の才能のある人を選んでいたわけだし」
教師
「そういうことだ!雄吾は日本政府に選ばれるほどの天才だからヒーローになれたのだ!お前達ももっと勉強しろ!」
男
「はーい…………ちぇっ」
昨日の男
「昨日はごめんな雄吾、俺ももっと頑張るから」
教師
「まずは体力作りだ!全員体操着に着替えなさい!」
雄吾
(…………やっぱり警察の前で変身するのはまずかったかな?)
………
言いがかり付けてきた男
「なんだよ………才能って………ベルト付けるだけでヒーローになれるくせに………」
言いがかり付けてきた男
「俺も………ベルトがあれば、悪いやつを倒したり、日本に認められる天才として………ん?」
今朝、雄吾に突っかかってきた男は体操服入れにベルトがはみ出しているのが見えた
男
「…………コレだ!!これさえあれば、俺は!!」
………
そして、体育の授業が終わって、着替えの時間になった時………流石の雄吾も違和感に気づいた
雄吾
「…………ベルトがない?」
昨日の男
「えっ!?それまずくないか!?」
雄吾
「おかしいなぁ、ちゃんと入れたのに」
教師
「雄吾、〇〇を見ていないか?」
雄吾
「え?知りませんけど何か?」
教師
「あいつ、授業が終わったあとすぐ飛び出して行ってな」
昨日の男
「おいおい…………何してるんだあいつは」
と、その時………またテレビが勝手について美しい警報を鳴らす
【臨時ニュースです、街………(ザザっ)騒音(ザザザッ)】
雄吾
「アンノイズ……!?どうすれば!!」
昨日の男
「おい見ろ雄吾!テレビテレビ!!」
雄吾
「………え?」