コメディ・ライト小説（新）
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- 噛ませ犬が愛しすぎてツラい
- 日時： 2021/12/31 02:54
- 名前： mono （ID: RO./bkAh）
醜いですが、どうぞ読んでみてください。
なんか見知らぬ間に賞をいただいていました…！
ありがとうございます。作者の多忙な時期が過ぎましたら、また再開するのでどうぞよろしくお願いします。
- Re: 噛ませ犬が愛しすぎてツラい ( No.57 )
- 日時： 2019/05/27 22:33
- 名前： mono （ID: RO./bkAh）
日南は瑛人の手を引いて、自分のマンションのフロントで部屋番号を押した。母親が先に帰宅していたので、ドアを開けようと部屋のボタンを押すと、そこのモニターには美青年が一緒に写っている。
「えー！部屋汚いんだけど！」
母親は仕事から帰ってきて、ヘアバンドで髪をオールバックにし、パジャマであった。
「うちの母親うるせーよ」
「緊張する」
エレベーターで8階まで上がると家のドアが開いている。
「ママ？」
日南は靴を脱いで颯爽と廊下を歩いている。お邪魔します、と瑛人は靴を揃えて日南のあとをついていった。日南の母親は着替えて、リビングの床に散らかった雑誌やお菓子のクズを拾ったりしている。
「あ、日南～おかえり～…そちらは？」
「自己紹介しろ」
え？何？恋人じゃなくて、手下か何かなの？日南の母親はますます慌てふためくと、瑛人が日南の隣に並んだ。これはとても素晴らしい青年である。清潔感と利発さ、全てにおいて整っている。背負っているリュックも…ヴィトン？え？
「日南さんと以前からお付き合いさせて頂いております。平賀瑛人と申します」
「あら～、ど、どうしてうちの子なんかに」
「…うるさい」
てっきり日南のお母さんも若いギャルだと思っていたが、バリバリ働いてそうな雰囲気がある。
「ご飯になったら呼ぶから、それまで日南のお部屋でゆっくりなさって？？」
2人は部屋に押し込められてしまった。日南の部屋は6畳ぐらいで、ベッド、テーブル、クローゼットがある。日南曰く、勉強机はいらないから売ったらしい。
「瑛人、ママに紹介するの早くない？」
「確かに」
「お前ん家行ったら一瞬で破門されそう」
「母なら話せばわかるよ」
日南が瑛人の隣に座った。日南はいつの間にかジャージ姿だった。
「パジャマ？」
「おう」
いきなり彼氏の前にパジャマ姿で現れて、日南は今更恥ずかしくなっている。
「何、赤くなってんの？」
「は？ちげーし、着替えてくる」
「やだ」
瑛人が不意に駄々っ子のように日南を抱き寄せたので、瑛人の肩に顎が乗ってしまった。日南も瑛人の背中に手を回している。日南の背中は小さくて細くて、何より可愛らしい。瑛人の背中は見かけによらずがっしりしている。
「瑛人、あったかい」
自然と笑みが零れたのも束の間、瑛人は日南の体を優しく離し、軽くキスをしていた。日南だって一応はまだキスはしたことがなかった。
「お前さ、女の子とキスしたことある？」
「うん」
は？死ねよ、日南は瞬間的に舌打ちをかましたが、瑛人は無邪気に笑っている。
「怒るなよ」
「キレてねーし」
わかりやすい怒り方をした日南は瑛人を睨みつけている。この顔に愛おしさすら覚える俺はもう末期だ。
- Re: 噛ませ犬が愛しすぎてツラい ( No.58 )
- 日時： 2019/05/05 12:13
- 名前： 通行人 （ID: n.VB6khs）
あのね トップ下の左サイド？ ﾌｫｰﾒｰｼｮﾝによるんやけど それインサイドハーフゆうねん
そしてなトップ下は ちょっと前なら10番が担うエースのﾎﾟｼﾞｼｮﾝやねん 助っ人がやるならチームが成立せえへんな
プロの下部チームのユースはな、組織内のシニアチーム選抜に落ちてジュニアで辞める子多いねんけど、それならって地元校のサッカー部に入っても 全国大会に出てこれる選手はあんまり居らん
やっぱり実力足らんねん
それでな アレは関西弁やねん。横入り悪しからずな。
- Re: 噛ませ犬が愛しすぎてツラい ( No.59 )
- 日時： 2019/05/27 22:08
- 名前： mono （ID: RO./bkAh）
ご指摘ありがとうございます。
サッカーのルールがよく分からないので適当に書いてしまいました、すみません。サッカーのルールは一般教養ですね。(作者は野球好きなので全くの無知の知でした)部員の設定もおっしゃる通りです。ユースの子もあまりいませんでした(ちょいと調べました)。謝った情報ですみませんでした。
方言に関しては、実際に地元の方が見て不快になられたのではと改めて思います。瑛人の設定を変えずに、方言とソースを調べて描写していくことにします。
最後に、閲覧して下さりありがとうございます。これからも読んでいただけると嬉しいです。
- Re: 噛ませ犬が愛しすぎてツラい ( No.60 )
- 日時： 2019/05/27 22:55
- 名前： mono （ID: RO./bkAh）
かれこれ日南と瑛人付き合ってから半年が経ち、2人は進級した。日南は髪を赤茶にしてからずっと赤茶のままだし、瑛人は予備校に通い始めて日南とは夜の九時からか予備校のない土日と金曜日しか会えなくなってしまった。
「ついに瑛人くんも受験生じゃん」
「それな、学校以外で座学とか考えられないわ」
千夏と日南はお弁当とスマホを片手に昼休みを過ごしている。
「あ、ねぇ、礼どうかした？」
「具合悪いから休むって」
「インフル？」
「わからん」
礼は3日間学校に来ていない。礼とクラスが離れ、千夏と日南が固まった。
「日南ちゃん、さっき清水が日南ちゃんのこと探してたよ」
「だる、後で行くわ。ありがと」
クラスの女子にさりげなく話かけられても、最近になって日南は物理攻撃をかましたり睨みつけたりしなくなった。千夏は内心ホッとしていると同時に「礼と離れたから和やかになった」とも見て取れていた。ぶっちゃけ、千夏はそれを周りの女子と話していたのもある。日南は「話してみたら案外かわいいよね、ケバいけど」と思われているらしく、千夏も日南のことは嫌いではないしむしろ好きである。
「礼と離れてから、なんか雰囲気変わったよね」
「それな！礼はガチでやばいやつだから」
「わかるぅ、だって、稜が日南のこと好きなのに無理やり奪ったって」
「実里も学校来れなくなってたし」
「ほんとやばぁい」
千夏がほかの女子に話題を切り出しただけでこのザマ。女子にモテる千夏はひしひしと礼に対する悪口を聞いていた。だけど、日南は本気で礼を心配している。
「放課後、駅まで行く人ー？」
千夏が日南に向かって点呼しただけなのに、周りの数名の女子が手を挙げた。
「まじ今日南に聞いたんだけど」
「ひどいー」
「別に何人いても良くね」
「ほらぁ、日南ちゃんも言ってるし」
ひ、日南が周りと打ち解けてる！！瑛人くんまじあざ！
- Re: 噛ませ犬が愛しすぎてツラい ( No.61 )
- 日時： 2019/05/28 01:36
- 名前： mono （ID: RO./bkAh）
「うるさい！うるさい！」
ついに、礼は母親を突き飛ばした。母親は床に倒れた。
「お前ほんっと汚いんだよ、醜いんだよ」
テーブルに敷かれた白い布を力いっぱい握って体を震わせている。
「あ、あんた、あたし、のこと殺す気でしょ？」
今まで見たことの無い礼の顔に母親は恐怖を覚えている。礼は泣き叫びながらも、しっかりと母親を見つめていて、椅子を蹴りあげた。
「あたしの体返してよ！」
「あんたが…ちゃんと、ことわれないからっ」
「いい加減にしろ…通報する」
何を向き直ったのか家電の受話器を取り耳に当てた。母親はまた思い立ったように、礼の髪の毛をひっぱり受話器と固定電話ごとなぎ倒した。
「悲劇のヒロインぶるのいい加減にしなさいよ？お母さんの言うこと聞けないの？」
「…ら聞く」
「は？」
いつも通り、礼が母親を床から睨みつけている状態になった。礼はゆっくりと立ちあがった。肩で息をしながら
「お父さんの言うことなら…聞く…」
パパ、会いたいよ。
「お父さんなら絶対、私のこと守ってくれるから…」
「会いに行けるもんなら会いに行きなさいよ？」
母親は礼を鼻で笑っていて、さっきの怯えた姿はどこかへ行ってしまった。あ、こういう時に、使うのかもしれない。稜が護身用って持たせてくれたカッター。6cmの小さいヤツ。
「それ、どーすんのよ」
「…私の大事な人がくれたの」
へぇ、死ねるもんなら死ねば？母親が言ったのも束の間、礼は手首に当てて血がちょっと滲んできたのを見ると思い切りスライドさせた。
「ちょ、なにしてんのよぉ！！あ、あなた？！あなた助けてぇ」
綺麗なカーペットに血が滲んでいく。母親は仕事で留守の今の旦那の名前を呼びながら、娘を亡くした母親としてパニックになるのではなく、目の前の惨状を誰かに訴えるように叫んでいた。ただグロテスクなことを伝えたいだけの、野次馬である。
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