ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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 マイナス  ちょっとした番外編
日時: 2010/06/28 15:53
名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)

.



まだまだ未熟者ですが、頑張ります。

登場人物>>2


お客様リスト

     ユエ様  白兎様  神無月様  風水様
    くれは様  結羽様  月兎様

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Re:  マイナス  ( No.74 )
日時: 2010/06/17 21:02
名前: くれは ◆2nq4FqQmFc (ID: Rk/dP/2H)

おや…?最後の描写はいろはのものですかね?
何はともあれ。

どう言う展開になるのか楽しみです!
ひょこっと出てきたりするのかなーとか、何か大変な事に巻き込まれてるんじゃないのかなーとか…何だか第二の夕衣くんみたいになってます(=_=;)

頑張って下さい!

Re:  マイナス  ( No.75 )
日時: 2010/06/18 01:19
名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)


想出・・・健気ですね;;

いろはは見つかるのでしょうか・・・。

最後に一言。

「そこをなんとか」

Re:  マイナス  ( No.76 )
日時: 2010/06/18 16:18
名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)

夕衣も心配してます。 本人少しマイペースですけど、かなり焦ってます。
>風水さん


最後のはいろはです。
マイナスの最後はもう決めてますが、少し番外編も
やるつもりです^_^
>くれはさん


想出も、いろはを苛めた事を後悔してるんですなぁ。
ひょっこり帰ってきてほしいデス。 
おしまいに一言。

「却下です」

Re:  マイナス  ( No.77 )
日時: 2010/06/18 16:58
名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)

.                       





         第6章
       朝がきて、夜がくる





昔から、どうにも血が苦手だった。
あの赤く濃い色を見てると、嫌悪感を抱く。 怪我をして、血が流れているのを見ると、吐き気がした。

それが、あの10年前の一家悪食団らん争奪戦によって、苦手から、どうにもトラウマになってしまった。

血を見ると、吐く。 耳鳴りがする。 頭痛がする。

なんでだろ。 飲まされたから……かな。
蛍が殺されたとき、その額が割れて、血がトマトジュースみたいに流れるのを見た時、ぼくはある意味、いろはより悲鳴を上げていた。

心の中で。

「まだ見つからんのか」
「帰ってくると思ったんだけど」

いろはが居なくなって、一日たった。
夜、彼女は帰ってくるのかと思ってずっと起きてたわけだけど、それは無駄に終わった。

音音が心配して家(隣だけど)に来てくれて、ぼんやりとソファに座っている。

「……警察には言ったのか?」
「言ってない」
「親戚の奴には?」

叔母に言えるわけないだろ。

無言でいると、ぼくの答えを察したのか、音音もそれ以上何も言わなかった。

「てか、想出もどこに行ったのかな」

今日は学校が休みなわけだけど。 想出、あれから家に帰ったのか?

「おもいで? ……誰だそいつは」
「ただの独り言」

小学校の時いろはを苛めてて、泣かして。 今はいろはにベタ惚れの恥ずかしい奴です。
なーんて。

「なあ音音。 万が一いろはが死んでたら、どうする」

それは、至極当然のように口から出てきた質問だった。
音音が、驚いたようにぼくを見る。

「なんだよ」  「いや……小僧、お前は小娘命だとばかり思っていたから」

言って。
音音はふむ、と頷いた。

「小娘が死んでたら……泣きはしないな。 ただ、人がまた死んだなーと思うだけ。 毎日そうだろ? 誰かが死んで、それを悲しむ奴なんてごく一部だ」

………。
そう、だった。

いろはが死んだ事で、悲しむのはごく一部。
叔母……はないな。 語部はどうだろう。 想出は、過去を悔やんだりするかもしれない。


じゃあ、ぼくは?


ぼくは、いろはが死んだら、哀しいのか?

「小僧、お前は小娘が死んだら、泣くか?」

分からない。
でも、10年前からぼくは涙を流した事がない。
ましてや、誰かを想って泣くなんて。

ありえるのか?

普通から逸脱したぼくが。
ふははは。
ふははは。

「ありえねーだろ」

ありえない。
ありえない。
ありえない。

「くがっ」 「え?」

死んだら泣くだって? ぼくが? あるわけないだろ。 哀しいという感情すら、
沸かないようなぼくが。
いろは、いろは? いろはが死んだら?
泣くのかな。 泣けよ、ぼく。 泣いたらぼくは普通の人間だ。

だけど、こんなにも外れてるのに普通を求めてるぼくが、醜い。 どんなに足掻いたって。
無理、でしょうねぇ。

あれ? あれれれ?

音音さんどったの。 そんな慌てて。
なに? なんて言ってるんだよ。 聞こえねーよ。

「聞こえねーよッ!! 」

知るか。
うるさい。 世界が、うるさい。
あーこれかな。 これがいろはの言ってた、 「バカにする声」 なのかな。 

だとしたら、かなりうるさいな。 これ。
あーあーあーあーあーあーあー。

「あああああああああああああああああああああっ」

胃液が込み上げてきて、慌てて手で押さえる。
飲み込む。
うあ。

衝動がおさまって。
顔を上げる。

「大丈夫か? 小僧」

どう見ても十代中頃にしか見えない、顔立ち。
長い髪が肩から滑り落ちる。

「…………大丈夫」

あ、止んだ。
あれだけうるさかった音が。

「音音、ありがとう」
「………顔色、悪いぞ」

笑ってみようかと思った。 口角を上げて、少しだけやってみる。
ぺちっちと額を軽く叩かれた。

「無理、すんな」
「音音って、大人だよな」
「それ、前にも聞いた」

Re:  マイナス  ( No.78 )
日時: 2010/06/18 23:32
名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)


夕衣・・・;;

「バカにする声」っていうのは、とても残酷ですね。
その人だけにしか分からない苦しみ・・・。

夕衣が泣くことができるようになってほしいですね。

粘りますよ、一言。

「幸せにします」


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