ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- マイナス ちょっとした番外編
- 日時: 2010/06/28 15:53
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
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まだまだ未熟者ですが、頑張ります。
登場人物>>2
お客様リスト
ユエ様 白兎様 神無月様 風水様
くれは様 結羽様 月兎様
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- Re: マイナス ( No.54 )
- 日時: 2010/06/11 18:11
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
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ⅴ
「夕衣くんは、あまり笑いませんね」
蛍は、キレイに笑うね。
羨ましくなんかないけれど。
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- Re: マイナス ( No.55 )
- 日時: 2010/06/11 19:06
- 名前: くれは ◆2nq4FqQmFc (ID: Rk/dP/2H)
こんばんはー♪
琴葉ちゃんの心情が切ない><;
これからの展開が超気になります。
色影家が全員美形だったらすごいなぁ。
- Re: マイナス ( No.56 )
- 日時: 2010/06/11 21:57
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
こんばんわんこそばーちゃん。黙。
琴葉も色々考えてるんじゃないかなって思って、琴葉目線を入れました。
やっぱり………色々あるなぁ。
色影家は、全員整った顔をしてます。
母親方の血がそうさせてるんです。
- Re: マイナス ( No.57 )
- 日時: 2010/06/11 22:19
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
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ⅴ
「あまり、食べないんですね」
蛍が、ぼくのおさらをじっと見ている。
そんなにお腹すいてるのかな。 細いんだけど。
「いる?」 「いいんですか?」 「うん……ぼく、もういらない」
のこったほーれんそーを一口で食べてしまって、蛍が笑った。
「ありがとうございます」
「……ううん」
のこしたら、お母さんに怒られるからかな。
「蛍、いろは……遅いね」
大分前から、押し入れの中に入れられたっきり、うんともすんとも言わない。
なきさけんでいたけど、疲れてねむったのかな。
「たぶん、ねむってるんですよ」
蛍にとって、いろはは柔らかい光だ。
世界一好きな相手で。 大切な相手で。
「蛍は、いろはの事好き?」
「……直球に言われると、照れますね」
あまり表情を変えず、蛍が押し入れに目をやる。
かわいいな。 こうしてみると、蛍はかわいくなる。
「今日も、いじめられたらしいんです。 いろは」
「……泣いて、たね」
「うん。 泣いてた」
それがうるさくて、押し入れに押し込まれたんだもんね。
晩ご飯を食べていると、とおくから、お母さんの声がした。
なにか、どなってる。
「…………あ、れ?」
あれ?
金づちで、ガクンッて。 蛍? 蛍?
くずれた。
蛍がにんぎょうみたいに、くずれた。
「………え、あれ?」
ぼく。 つぎは、ぼく。
逃げなきゃ。
立ちあがって、押し入れをあける。 なかに、いろはが居た。
目を真っ赤にして、つめをかんでる。
こっちをみた。
「………おにい、ちゃ?」
「いろ、」
名前を呼ぶ前に、痛くなった。
あれ? あれ、あれ。 意味が、わかりません。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ」
いろは?
なにさけんでるの?
ぼくはちゃんと、ここにいるのに。
いろは?
いろは?
あ。
めのまえが、 まっしろ に、なった よ。
ぼくといろはが、壊れる前の話。
- Re: マイナス ( No.58 )
- 日時: 2010/06/12 10:29
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
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第5章
そして闇に呑まれて
ここまできたら、もうぼくらがどうしてこうなったのか、分からない人は居ないだろうな。
過去を消すのって、出来ないんだろうね。
あーそんな機会があるのなら、消し去りたいぼくの記憶。 過去。
リセットして、最初からやり直したらどうなるだろう。
……ダメだ。 最初から、変なんだ。
あの両親から生まれてきたから、ダメだったんだ。
もし、語部や、想出や、音音が、あの人らの子供だったら、どうなってただろう。
「…………って考えてみるんだけどね」
「ん? なにが?」
カレーを食べていたいろはが、顔を上げる。
つくづく思うけど、可愛いな。
「別に。 ただの独り言」
「独り言多いよ、夕衣。 ブツブツうるさい」
睨まれた。
大きい目で睨まれると、かなり威力がある。
「クセ、なんだ」
昔、必死でキミを犯した事を言い訳していたせいで。
「それに、いろはも寝言が凄く多い。 そして大きい。 喋ってるみたいにワーワーギャーギャー」
「ち、違うって。 そんな寝言言ってないし、いろは!」
うん。 寝言、ではないね。 あれは。
「ごめん。 嘘」
「……夕衣、絶対性格悪いよ」
いろははザクリと人参を刺し、口に運ぶ。
どこか呆れ顔のようだ。 参ったな、妹に呆れられちゃったよ。
いろはは、最近学校に行ってない。 家でぼくとのんびりダラダラ満喫中。
どこぞの受験生たちがセンター試験に向かっているのに、いろはは余裕のよっちゃんだ。
「いろは、苛められたりしてる?」
「そんな事したら、いろは怒る。 もう昔のいろはじゃないし」
自分が苛められていた事だけは覚えてるらしい。
「その時、ゆーちゃん助けてくれたよねー」
「そうだね」
だけど、蛍が助けてくれた事は、忘れてる。
全部、蛍がしてきた事が、ぼくに置き換えられている。
「苛めていた子……覚えてる?」
想出を思い浮かべながら、聞いてみた。
「知らないよ。 思い出したくもないし」
平然とそう言って、カレーを掬う。 食べる。
相変わらず、登場人物が曖昧で、モザイクがかかっている状態なんだな。
「いろははもう、昔みたいに泣かない。 泣くなんて、ありえない。 強くなったんだねー」
脆いんだよ。 だから、忘れて、守ってる。
「ブリッジはできないけどね」
「うるさいわい」
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