ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- マイナス ちょっとした番外編
- 日時: 2010/06/28 15:53
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
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まだまだ未熟者ですが、頑張ります。
登場人物>>2
お客様リスト
ユエ様 白兎様 神無月様 風水様
くれは様 結羽様 月兎様
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- Re: マイナス ( No.9 )
- 日時: 2010/06/01 18:33
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
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夜もブリッジを練習しているいろはは放っておいて。
ぼくは何もする事がないから、お風呂に水を張ろうと思います。
そう独り言を呟きながら、蛇口をひねる。
ボロいなーなんて文句は言えない。 一応、生活費の全部が仕送り制だからな。
田舎町の集団住宅街から少し離れた古いアパート。
外見も内装も古いから、家賃もそれなりに安い。
「人もあんまいねーし」
ぼくといろはにとっては、お手軽な感じだ。
まあ、いつまでも無職ってわけにはいかないだろうけど。
「夕衣、もう寝ようと思うんだけど」
「…………風呂は?」
「明日朝入るー♪ さあゆーちゃん! 寝ましょう!」
余談だけど、いろはは、ぼくが兄だと知らない。
いや、少し違うな。
知っているけど、受け入れられない、かな。
故にぼくは、保護者の 「夕衣」 としていろはと住んでいる。
傍から見れば付き合っているように見えるかもだけど、そんなやらしー事してないし。
「ダメ。 きちんと風呂入って寝ろ」
「えー。 面倒くさいな〜」
布団を敷こうとしているいろはを止め、風呂場に向かわせる。
「風呂、終わったら声かけろ。 ぼくは部屋に居るから」
「あいよー。 いろはピッカピカになるよーん」
軽口を叩いている彼女を無視し、部屋にあるテレビをつける。
ニュースにすると、政治やらエンタメやらの画面が映り、最後に殺人系のが流れた。
……人って、絶対毎日死んでるよな。 一日でも、人が死なない日なんて無いってくらいに。
「それほど多いって事かねー……」
だけど。 殺人の場合、どうしても殺さなければいけなかった場合って、あると思う。
例えば。
殺されそうになって殺したとか。
このままじゃ自分の身が危ないと判断してだとか。
そういうのは、罪になるのだろうか。
「………なるよな」
どんなに最悪な虫けらを殺しても。 人は人を殺してはいけないらしい。
どこぞのお偉いさんがそう法律で決めて、弱い立場の人はますます暮らしにくい世界になったよな。
「あちゃ。 また殺されてるよ」
ぼくにも、覚えがある。
殺したくて殺したんじゃない。 殺されたくなかったから、だけど。
- Re: マイナス ( No.10 )
- 日時: 2010/06/01 23:42
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
どうしても殺さなければならなかった・・・。
さらっと言いますねぇ、ゆーちゃん(笑
虫の名前だというお兄さんが気になります。
- Re: マイナス ( No.11 )
- 日時: 2010/06/02 15:43
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
独り言多しの夕衣です(-.-)
虫の名前のお兄さんは、後々に。
虫、って言っても、キレイな名前だと思われます。
- Re: マイナス ( No.12 )
- 日時: 2010/06/02 17:07
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
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何はともあれ。 この町にも殺人とかは起きるわけで。
あんまないけど。
ていうか、ここ最近ない。 ここ10年くらいは。
「夕衣、風呂あいた。 いろははもう寝ようと思いますっ」
「そう断言せずに、パジャマ着ろ」
ただ今セクシーショット、肌着姿。
「夕衣、なーに見てんの?」 「ん? ニュースだよ。 ただの」 「ふむふむ。 死んだんですな」
察しの良い子だな。
「この県じゃないけどね」 「あっそ」
淡白に返事をして、いろはがパジャマを着る。
お気に入りの花柄のパジャマ。
「どーでもいいよー。 夕衣さえ居てくれれば、ご飯食べれるし」
ぼくはどうやら、自動料理製造機らしい。 まあ、家事その他は通常の人より上らしい。 いろははモリモリ食べてくれる。
全然、太らないけど。
「夕衣夕衣夕衣、ゆーちゃんゆーちゃん」
「いろは、明日学校だろ? もう寝ろ」
「あいよー」
最近、いろはは、穏やかに眠る事が出来る。
10年前は、ギャアギャア泣き叫んでいたのに。 泣いて泣いて、ノドが裂けるほど。
まあ、実際に血は出ていたけれど。
「ゆーちゃん」 「ん?」 「明日も居てね」
いろはは、ぼくが一日制だと思っているらしい。
いつもく聞いてくる。 明日も居てね、と。
「当たり前だよ、いろは」
「なら良かった」
ホッとしたように、いろはは部屋から出て行った。
誰も居なくなったぼくの部屋。 テレビを消して、風呂に入るために風呂場に行く。
「……………」
鏡で自分を見て、かなりザラついた、砂のような感触が体中に走った。
何だろう。 何か、こう……、蛆虫が這ってくるような感じ。
「……………なんだよ」
途端に蒸し返してきた、壊れる思い出。
バラバラにしたいのに、できない。 壊したいのに、どうして子壊すことが出来ないんだろう。
壊せない、壊してはならない過去。
そしてそれは、いろはにとっても恐怖だけな、
遠い遠い昔の事。
- Re: マイナス ( No.13 )
- 日時: 2010/06/03 16:29
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
上げ
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