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モノクロⅡ  完結
日時: 2010/08/28 09:04
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

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未熟者です(-_-)



お客様
      白兎様  ミコト様  神無月様
      くろうさぎ様  風水様 スペシャル様
      出雲様

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Re: モノクロⅡ ( No.66 )
日時: 2010/08/19 18:39
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

逃亡すな!!笑 シロを返し無さいっ
シロなんて持ってたら白くなりますよ!!
>ミコトさん


ヒース書いてて切ないっす。 もうあの子何って感じです(-_-)笑
うわ〜みんなキャラを持っていくから自分のが無い……アンソニーだけは抱きしめてます
>風水さん


ズバリ、紅玉さんのを採用してますね!!(おい)
魔物の王だもの、設定上仕方ないんだもの、いい名前が思い浮かばないんだものッ!!
ミリアムは赤髪でしたから……シロは白髪てどんな遺伝だよ笑
>神無月さん

Re: モノクロⅡ ( No.67 )
日時: 2010/08/19 19:07
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

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抱きしめあって、その心臓の音が伝わって、ああ王も生きているのだと思う。
目を、とじてみた。
すこしだけ、心地いい余韻に身を委ねる。

「あなたは……酷い人よ。 ソーヤさんを殺した、酷い人よ」

それはまるで、ヒースに言っているのではなく。
自分自身に言い聞かせているように聞こえた。

「この宗教深い国で人を殺すなんて大罪。 あなた、処刑されるわ」
「されないよ。 王だから」

反省の素振りを見せない彼に、リリーはムッとした表情を見せる。

「なんでもかんでも王だからといって許されるわけじゃないわ。 あなたは人殺しよ」
「ああでもしなきゃ、俺は逃げられなかったよ」
「もっと他に方法があったのに。 私があなたを助けてあげていたのにっ」

ヒースは少し驚いたように目を丸くさせた。
この少女が?
非力な魔術を持つこの娘が、自分を助ける?
助けられるはずがない。

「ありがとう。 でも、キミには無理だと思う」
「思わないっ」

リリーは王の胸倉を掴み、言い放つ。

「無理だなんて思わない。 私を誰だと思ってるの? あの父さまの子よ? 簡単に無理だと言わないで」
「……リリー、キミは本当に」

愛しい。

そう言おうとしたが、ヒースは素早くリリーを抱きかかえ、安楽椅子からのけ反った。
そこに閃光が突撃し、椅子が壊れる。

「子供を放せ」

崩れた屋敷の壁から、人影が覗く。
黒いマントに、黒髪。 やけに明るい翡翠の瞳が見えた。

「父さま……」
「早かったね。 さすがは黒の魔術師」

クーが目を細め、ヒースに近づく。 

「子供を放せ」 「黒の魔術師……いや、ハーデル王国国王、クー・トルバート。 あなたはリリーが本当に大切みたいですね」

サラリと頬を撫でられ、リリーが目を閉じる。

「そいつを離せ」
「それは……国王として? それとも、父親として?」

クーは一瞬、哀しげな顔をした。 
しかしすぐに険しい表情になり、 「父親としてだ」 そう言いきった。

「父さま………」 「父親として……ね」

クーは、分かっていた。
自分にそう言う資格など、どこにもないのだと。 
分かっていて、ヒースにそう言ったのだ。 

こんなに、苦しい嘘などないのに。

Re: モノクロⅡ ( No.68 )
日時: 2010/08/19 19:58
名前: ミコト (ID: 8hgpVngW)

>>59の「おいたがすぎるわ・・・ ・・・。リアナイトのぼうやっ!」って言ってるシロがかわいくてかわいくて


うぅ・・・うぅ・・・
クー・・・
シロは、もう私の物なんだよ、ゴメンね。(オイ!!)

シロと一緒に居れるなら白くなったって平気だいっっ
むしろ私黒いから、リリーと一緒の色だもん!!
ていうか、シロもリリーも取られたらクーが可哀想だから、クーも持っていくもん!!(クー持っていく)
アンソニーなんていらないもん!!!!
さらばっっっっ!!!!

p.s.勉強しなさい。(中学1年余裕の人より)
ていうか、アキラさん、高校生??中学生??

Re: モノクロⅡ ( No.69 )
日時: 2010/08/20 07:27
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

シロ、あれは少し本気で怒ってます。

そうか……もうシロはミコトさんのモノなんですね。
娘が結婚していく父親のような心境です(-_-)笑
いいんですか? 若くても白髪になりますよ??
クーも持っていかれるんですね……ああああ〜。
アンソニー……かわいそうだな、おい!!笑
哀れな……っ

中学3年の受験生デス(-_-)笑
いいじゃないか〜パソコンくらい……。 くらい。

Re: モノクロⅡ ( No.70 )
日時: 2010/08/20 08:08
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

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「トルバートの子を返しなよ〜。 このままじゃ王女攫った事になんだよ? 相手はまだガキだけど」

屋敷の一階で、“蒼の魔術師” であるロゼと、モーゼスが対峙していた。

「ボクの結界を破るなんて、さすが王。 感服したよ。 でもまさか、お前まで王の手下だとは気付かなかった」
「ロゼさんも勘が鈍ってきてるんじゃないんですカ?」
「ナメないでよねぇ」

ロゼが手の平から閃光を放つ。
ロゼとて、クーと共に仕事をした事もある魔術師だ。 モーゼス相手に引けは取らない。

「私は、あなたと殺り合う気はないんですがネェ」
「そう言うなってぇ。 こっちはあるんだからさ」

ロゼがそう言った途端、上から何か崩れる音がした。

「なんだ?」
「ボク一人でここに来るわけないんだぁ」
「……黒の魔術師ですネ」
「黒のぼうやはやるよ。 あいつはかなりの魔力を持ってるから」

モーゼスは失態だ、と呟いて。

「我が王も、なかなかですヨ」 「そんなの、知ってる!」

ロゼが青白い閃光を放ち、それで魔法陣を描く。

「結界魔法……それで私を捕らえるつもりですカ?」
「そろそろ黙んない?」

魔法陣がモーゼスの体に纏わりつく。 通常の魔物なら、これで動きは封じられる。
しかし。

「甘いですね、ロゼさん」
「…………………」

簡単に魔法陣は打ち消された。 
それをロゼは、特別うろたえもせず眺める。 魔法が消されるなど、予想の範囲だった。

「王がリリー嬢と話し終えたら、丁重にお返ししますけド♪」
「魔物の言う事なんて、信じられるはずないじゃん」
「なら、ちょっと大人しくしてなさい」

モーゼスが手を左右に振った瞬間、ロゼの軽い体が浮き、壁に直撃した。
壁にヒビが入り、吐血する。

「か……はっ……!」

いつの間にかモーゼスの目の前にいて、ガッチリと腕を固定される。
しまった。 自分は子供の体だったのだ。 大人の男相手に、勝てるわけがない。

「キレイな顔が台無しですヨ」 「ははっ……お世辞はよしなよ」

どこか自嘲気味にロゼが笑う。 唾を吐くと、血の色だった。

「このまま、壊れてしまうのですカ? キミは、キミのまま」
「灰のむすめを解放しろと、我が主となったアレイシーが命令したんだ。 ソーヤが死んだ今、あのむすめがボクの主人だから」

ソーヤが死んだ事に、同情はしない。
いままで、ずっと。
人が死ぬのに慣れてきたのだから。

(たぶん、アイツも)

黒の魔術師も、それは一緒だろう。

「なら、壊れなさい」
「っ!」

もう終わる。 サヨナラ。
だけど、違った。
壊されなかった。

「モーゼス」 「っ」

ロゼの額まで伸びていた手が、クッと止まる。 

「ヒース……」
「その魔術師を離して、モーゼス」
「……リリー嬢と、黒の魔術師はどうしたんデスか?」
「すぐ外でその魔術師を待ってる。 今日はリリーと話す事だけで良かったし……」

どこか不満げなモーゼスだが、はいはいとロゼの体を離す。
激しく咳き込みながら、ヒースを睨みつける。

「あなたも帰るといい。 主人を殺して、悪かったね」
「…………性悪が」

一言悪態をつき、ロゼはその場から立ち去った。
今すぐにでも、闇の王を殺したい欲求に裂かれながら。


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