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モノクロⅡ  完結
日時: 2010/08/28 09:04
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

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未熟者です(-_-)



お客様
      白兎様  ミコト様  神無月様
      くろうさぎ様  風水様 スペシャル様
      出雲様

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Re: モノクロⅡ ( No.131 )
日時: 2010/08/27 08:04
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://yaplog.jp/akirahayate/

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        †第5章†
        動き出す闇



深い闇の中、目を覚ます。
誰かに呼ばれたような気がしたから。

だけど、いつも通りの自分の部屋で。

リリーはホッと息をつく。 安心した。
誰も、いない。

「……っ」

しかし、少し溢れ出る魔力と人の気配で、身を起こす。

「誰っ!?」 リリーは魔法陣を発動させ、構えた。 寝込みを襲うなど、敵しかいない。

魔法陣の明かりで周囲は見えやすくなり、そこにいたのは。

「ヒース?」 
「物騒なものを、向けるんだね」

どうして。 何故。 
闇の王がトルバートの城の、リリーの自室にいるのだ。 今まで気づかなかった事に、リリーは身震いした。

「何故あなたがここにいるの」
「……キミに会いたかったんだけど。 何か怒ってるのかな」
「当然よっ。 リアナイトの人を殺したんですって? 聞いたわ」

ヒースは少し寂しそうな顔になった。
まるで幼い子供のような表情に、リリーにも得体の知れない感情が沸きあがる。

「……っ、ハーデル王国第一王女として命じます。 闇に還りなさいっ」

それを押し殺し、魔法陣を大きくして威嚇する。
リリーとて女性だが、偉大な魔術師であるクーの娘なのだ。

「……俺は闇の王でなく、一人の人間としてキミに会いに来たんだけれど」

言って。
ヒースはいつのまにか、リリーのすぐ目の前にいた。

「っ」 「ねえリリー。 俺と一緒に、こんな所から出て闇で生きてみない?」

それは、つまり。

「私にこの国を捨てろというの」
「……シロが、いるだろ」
「ふざけないで」

魔法陣が強くなる。 怒りという彼女の感情を読み取ったのだ。

「……ごめん、もう言わないから。 怒らないで」
「一つ聞きたいのだけれど」
「俺の屋敷でも、そう言ったね」
「トルバートに復讐するのは、どうして?」

ヒースを無視して。 リリーはずっと思っていた事をたずねた。

「トルバートに復讐すると言いながら、私にはこうやって優しい。 もしかして、油断させてその後にザックリ殺すつもりかしら」
「そんな事しないよ」

リリーの頬を撫でると、ほんの少しだけ彼女は震えた。
愛しい
愛しい
愛しい

「キミは本当に、なにも知らないんだね」
「なにを? なにがあったの? トルバートとあなたの間に一体なにがっ」

そこまできたとき。
バタンッと扉が勢いよく開かれ、寝巻のシロが部屋に入ってきた。

「母さま?」

シロは視界の中にヒースを捕らえると、歯ぎしりをして怒鳴る。

「リリーから離れなさいな、リアナイトのぼうや」
「……ひどいな、シロ」

ヒースは憂いげな瞳でシロを見つめた。
しかし、その瞳にハッキリと映る、殺意。

「どういうこと? ヒースと母さまは、知り合いなの?」

一人状況が呑めないリリーに、シロは一瞬だけとても悲しい顔をしたが。
もう、隠しきれない。 隠す道理もない。
寝巻から、ナイフを取り出して。 シロは全てを覚悟した。

彼に、殺されることを。

「そんな物騒なものを出して、俺を殺そうというの? つくづく酷い人だ、あなたは」

言って。
ヒースはこう続けた。




「母さん」

Re: モノクロⅡ ( No.132 )
日時: 2010/08/27 08:17
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://yaplog.jp/akirahayate/

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          † 




それは、とても酷く辛い決断だった。

「どういうことかしら」

安楽椅子に座って。 シロは遥々訪れたリアナイト家のソーヤを、きつく睨んでいた。

「ですから……あなたの双子の子供のどちらかを、リアナイト家の養子として迎えたいのです」

一週間前、シロは双子の子供を出産した。
男と女。 二人とも可愛らしい子供で、それが双子とあってクーと喜んでいた。

「……私の子供を? なぜかしら。 理由を聞くわ」
「……………」

ソーヤは黙り、今にも泣きそうな顔で俯いた。
その傍らで、アンソニーもソーヤに対して怒りのこもった目でいた。
やがて意を決したのか、ソーヤは続ける。

「我がリアナイトに代々、王として君臨なさっている、闇の王の器が……必要なのです」

それを聞いて、シロとアンソニーは絶句した。
闇の王の存在は、シロとて知っていた。 

リアナイトの鎖に繋がれている、人間性のない 「力」。 闇の王。

「私の子供に、闇の王の器になれというのですかっ」
「今器の人間が、寿命で死にそうなのです! 一刻も新しい器を見つけ、王を移動させないと、彼は解き放たれてしまいますっ」

アンソニーも黙ってはおらず、 

「ならば、あなたの子供を器に使えばいいでしょうっ」
「……っアレイシーも女子。 私は体が弱く、子供を身籠る術がないのです」

アレイシーを、闇の王の器にすればいいのではないか。
そうシロは思ったが、口には出さなかった。
アレイシーは今年4歳。 闇の王の力と同化させるには、年をとり過ぎている。

「………私の、子供を」
「無礼を承知でございますっ。 ですが、王の器が必要なのですっ」

愛しい我が子のどちらかを、獰猛な闇の王にくれてやらなければならない。

「……クーと、考えさせて」

あまりにも、酷すぎる。
その後、帰宅したクーに全てを話し、そして、


三カ月後、リアナイトに一人の男児が養子としてやってきたのだった。

Re: モノクロⅡ ( No.133 )
日時: 2010/08/27 08:36
名前: 水妖 (ID: 8hgpVngW)

そ・・・そんな・・・
ヒースが・・・
彼がシロとクーの実の息子だと仰るのですか!?
となると、ヒースはクーに似たのかな?
・・・じゃなくてっ!!
仮にもっ仮にも!!シロの子供をあんなに怒鳴ってしまった・・・
ま、許さんけど・・・。

シロを救えるのなら、この手でヒースを・・・
抱きしめてあげようじゃないか!!

Re: モノクロⅡ ( No.134 )
日時: 2010/08/27 12:09
名前: スペシャル ◆XHKDIsPEFA (ID: 3L0NyJ0C)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

はうぅ〜 か、かかか、かぁいいよぅ☆
グジャ←クーがやられた音
はぅ〜 お持ち帰り〜〜〜!!!!!

そして、クー以外全員お持ち帰りされたとさ

Re: モノクロⅡ ( No.135 )
日時: 2010/08/27 12:59
名前: 水妖 (ID: 8hgpVngW)

クーがぁぁぁぁぁぁぁぁ
おまっ・・・何やってんだよ!!

言っとくけどシロは俺のだかんな!!
そこは絶対だ!!
アキラさんだって認めてんだぞ!!
俺は姑だかんな!!

アキラさん!!
いいえっヒースくん!!
彼をやってしまいなさい!!


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