二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【復活しました!】わたしとあなた【ポケスペ】
- 日時: 2011/09/23 11:14
- 名前: 大庭 (ID: fa55u0nR)
おひさしぶりです大庭です。
はじめましての方、はじめまして!
以前ここで筆記していた大庭と申します。今後ともよろしくお願いします。
前にここで筆記をしていたのですが、スレが恐ろしい程何回も消えてしまう事件があり、しばらくは別の場所にいました。
えーと、それでは……ッ
クリックありがとうございます(`・ω・´)きりりっ
前回や、前々では
ポケノベでは1万HIT、カキコでも2万HIT本当にありがとうございます^^
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最低限のルールを守ってくれればいいです
オリキャラ逃げてな人は【戻る】連打
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第11章 >>79
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第181話 >>80
第182話 >>81
第183話 >>82
第184話 >>83
第185話 >>84
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>>101
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マイ >>102 コウ >>103 アヤ>>?? ユウユウ>>104
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- Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.70 )
- 日時: 2011/04/07 19:56
- 名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)
第172話 怪しき手紙
ミカンに渡した手紙は実は自分宛てだった、という奇妙は出来事が起こってしまった今では頭痛などは感じていなかった。
ゴールドに催促され手紙の内容を見て、首を傾げるマイ。
後ろに立っていたゴールドが手紙を覗き込むように内容を見て、同じように首を傾げる。
手紙の内容は次のように書かれていた。
拝啓マイさま
マイさま、あなたは私の存在を知っているでしょうか?
知っているならそれで良し、知らないならそれで良し、私のことはどうでもいいのです。
なぜならマイさまは私のことをほんの少ししか知らないのですから。
ゴールドは元気ですか?マイさまに迷惑をかけていませんか?
このような形でしか話せなくて申し訳ないですが、私はいつだってあなたとゴールドを見守っていますよ。たとえ形に無くても。
マイさまがここまでこれたのはあなたの力があるからです。
いいですか、敵はいつでも傍にいるものです。これからあなたはきっと「オアシス・オブ・ザ・シーズ」に乗るでしょうが、そこにはあなたの知らない敵が多く存在し、あなたを混乱へと導くでしょうが恐れずに立ち向かうのですよ。
それでは、ジム戦頑張ってください。
手紙を一通り読み終わってマイの頭には疑問符でいっぱいだった。
読み返してみてもよく意味がわからない。
「マイ、知ってるか?」
「ううん。わからない……」
心配そうな顔つきでゴールドが尋ねてもマイは首を振るだけである。
嫌な予感を覚えつつも心のどこかで好奇心が沸いているのに気づく。
「あ、あのねマイちゃん。私がここに来た理由はマイちゃんに言わなくちゃいけないことがあるからなの……」
「なぁに?」
言葉にすることが難しいのか、言いにくいだけなのかマイとゴールドには分からなかったけれど、ミカンの表情が固くなっている。
「私のお友達に……ポケモンなんだけどね"アカリ"ちゃんっていポケモンがいるの。それで、その子は——」
「……」
黙って聞くマイをチラリとゴールドが見ると、何時にない真剣な顔もちで話を聞いているではないか。話を端的にまとめると、こうゆうことだ。
アカリというポケモンが何やら元気が無く心配で全力でマイと戦うことは出来ない、その元気のない理由はわからないが、このシティの海の向こうにタンバシティがある、タンバシティには何でも治す万能の薬があり、それを飲ませれば治り、バトルが出来る。
しかし、そこに行くには"渦巻き島"があり今のレベルでは、タンバには行けない、それにミカンには勝てるレベルではないという。
「そっかぁ」
「うん、ごめんね」
しばしマイが俯いていて表情が見えなかったが、哀れんでいる顔ではなかった。
逆にチャンスを掴んだみたいな明るい表情で
「じゃあ、この手紙に書いてあった船に乗ればいいんだね」
「ああ、この前テレビでやってたろ。オレの顔パスでいけるさ」
運命の悪戯か、見事にマイは困ることなくスムーズに旅を続けることが出来るみたいだ。
「船なら明日着く予定だから、今日はゆっくり休んでね」
「あ、はい! ありがとうございました」
「じゃあね」
手をひらひらと振り扉を閉めていくと、聞こえるのはパタパタと走り去る足音だけだった——
- Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.71 )
- 日時: 2011/04/07 19:56
- 名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)
第173話 彼の名前を覚えてみよう
——船なら明日着く予定だから
「えへへ、えへへ、えへへ〜」
「なんだ?笑っててよ」
ミカンの言葉を思い出して俯き<うつむ>自分で抑えて笑っているつもりなのだが、ゴールドにはお見通しのようだった。
嬉しそうに顔を上げればもうソコはポケモンセンターから外へ出る扉の前で、自動ドアがウィィンと機械独特の音で開く、第一歩——
「寒ッ」
「う〜確かに寒くなってきたな……秋だもんなァ」
「長袖にしてよかったよ。あ、ねえ」
外に出てみれば、冷たい秋風がマイとゴールドの肌に触れてくる。
身体を震わせて両腕を擦りながら、マイがゴールドに問う。
「えっと、その"オアシス・オブ・ザ・シーズ"って船に乗ればいいんだよね?」
「ああ、チケットはいらないしな。すっげぇぞ?」
「そうなんだあ、早く乗りたいなあー」
手紙の内容を思い出すように言い、内心照れながらゴールドを見つめる。
ゴールドもマイの目を見て言葉を紡ぐ。後半はマイに期待をさせるような言い方であった。
ポケモンセンターから程遠くない海を思い浮かべながら歩く、海の香りが風と共に誘ってくる。
「あ! 見えた!」
「おー。久しぶりだな……」
ほんの少しだけ歩いただけなのに、豪華客船——"オアシス・オブ・ザ・シーズ"は威風堂々と海の上に居座っていた。
船体には夏だったら目がチカチカするくらい眩い白で塗られていて、秋色の海にてかっている。
懐かしそうに目を細めるゴールドを余所に、手首を掴まれて転びそうになりながらも走らされる。
「いらっしゃいませ。どうぞ船の旅をお楽しみくださいませ」
「おっ! マイ、アイツならきっとなんとかしてくれる」
砂浜に足を取られながらもなんとか船の入り口まで来た。
オレンジと茶色を混ぜ合わせた髪を片方だけバックにしている好青年が黒く清潔なタキシードに身を包んでお客たちを向かいいれている、それを発見したゴールドの出した言葉が——
「イー・モノフェリア・コリッカ=ナイトじゃん! オレの事覚えてっか?」
「ああ、ゴールドさま。おひさしぶりでございます。そちらの方は?」
明らかに年上の彼にタメで話すゴールド、それ以前に彼の名前をスラスラというゴールドにマイはただ目を丸くするだけだった。
その彼——イー・モノフェリア・コリッカ=ナイトが会釈をしてマイに微笑をかけてきた。
耳まで紅潮しゴールドの後ろに隠れ、マイは混乱する。名前に
「え、えと。マイです……」
「僕の名前は「言わなくていい。混乱してるから」そうですね、すいません。ナイトと呼んでください」
「あ……う、な——ないとさん」
「はい」
まだ隠れているマイを気遣ってイー・モノフェリア……いや通称"ナイト"はしゃがみ込み、敵意はないことをしめした。
名前を呼ばれると首をかしげて微笑む。営業スマイルとは違う微笑みだった。
「ゴールドさまは乗船でしょうか?」
「ああ。タンバシティに用があってさ」
「そうですか。ゴールドさまはブラック会員ですのでチケットはいりませんから、お気軽で乗船してもらって構いませんよ」
「おう。あ、ナイトがオレとマイの世話係頼むな」
マイに最後の最後まで微笑みを持ったナイトは立ち上がるとまた会釈をしてゴールドと会話をする。
世話係、という言葉にまた驚いたマイ。ナイトは、勿論でございます。とまた微笑んで船へと案内してくれた。
- Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.72 )
- 日時: 2011/04/07 19:57
- 名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)
第174話 ひとつの街のよう
「うっわ〜ぁ」
「どうだマイ? すっげぇだろ」
「うん! すっごい!」
船体の中に入ったら入ったで凄いのなんの。例えるならひとつの街のようだった。
先頭をきって歩いているナイトの後ろのゴールド、その後ろに目を輝かせて歩いているマイの姿。
船の中はゴミはもちろんホコリすら見当たらないほど清潔で、靴を脱いで歩いた方が気持ちがよさそうだ。
「僕たちはこの部屋を"メインルーム"と呼んでいて、右手をごらんください。こちらは世界でも5本の指に入るといわれている料理人たちが作っているレストラン街。左手はお子様……マイさまにもピッタリだと思われる遊園地です」
どうやらここがメインルームらしい。
中央には木々が生えていて、それを囲むように大理石が床を埋め尽くしていて、レストラン街と遊園地側には三メートルくらいの幅の赤絨毯<じゅうたん>が敷かれていて、道のようになっていた。
お子様と呼ばれてしまったマイは内心、これがアメリカンジョークか。と思っている。これはアメリカンジョークではない。ただの茶目っ気を見せてくれただけだ。
「上をごらんください」
「上? わっ——」
真上を見上げたマイは言葉を失う。太陽の光に負けないくらいのシャンデリアがこれまた威風堂々と輝き放っている。天井はないと思う。あるとしてもかなり階数を登らないとサブルームみたいな場所には着かないだろう。
そして真上ではなく壁側の上を見れば、何階あるの? と疑問を持つくらいの階数に部屋数。本当に顔パスで入ってきちゃったんだ、とマイはただただ驚くだけで、ゴールドは慣れているのかナイトに、あれはどうなっただの、あれはあーなったんだな。と言っていた。
「こちらがゴールドさまとマイさまのお部屋となっております」
「おう。ありがとな、何かあったら呼ぶから、もう戻っていいぞ」
「はい、では船での旅を満喫くださいませ」
エレベータで5階まで上がり、降りてすぐの所でナイトが手で、こちらです、と示した。
カギを受け取り、ゴールドが扉を開けたらナイトがまた会釈。
マイが部屋を見て夢中になっている途中でナイトはまた仕事へ戻っていった。
「わー! すっご〜い! 海が全部見えるっ」
「全部じゃねーだろ……でもま、退屈はしねーだろうな」
ここで部屋を紹介しておこう。
広さは縦に百二十メートル、横に四十メートル、バルコニーやミニバー、シャワールーム、ダブルベット、テレビ、電話……どこぞの家か、とツッコミを入れたくなるほど完璧完備された部屋だった。
「バーって酒飲めぇし。いやマイなら`あ。お水ある、飲ーもう`とか言って飲む可能性が十分にありえる。よく言っておくか……おーいっマイ」
「なぁーに?」
バルコニーに出ていたマイがガラス製の扉を開けっ放しで出てきた、寒い風がいっきに入ってきた。
目で「閉めろ」と訴えかければ顔が蒼白になってマイがシュバッと"足"で閉めた。
「ま、いっか。あのなマイ」
「う、うん」
バー用の椅子に座りながらゴールドが"ジョウト酒"と書かれたボトルを手に取ってマイに渡した
「え、くれるの? お水?」
「やっぱり……ほら貸せって……ここ読んでみ?」
フタを開けようとしたマイを阻止したゴールドがそのままの手でボルトの注意書きを見せた
「20歳未満は飲まないでください? ふーん、バレなければいいんだよね?」
「ちっがーう! どうやったらそうゆう性格になっちまうんだよ!」
(ゴールドの影響だよ、なんて言ったらどうなるかな。リューくん出しておけばいいかな)
心のうちに黒い思考が舞い込んできたのを吐き出すようにエンジェルスマイルで「冗談だよ〜」と笑いながら言えば、あまり納得いかないようなゴールドの顔がある。
「あ、そういえば。ここオレらみたいな格好の奴等いないから着替えようぜ。着替えならナイトがなんとかしてくれるはずだしな」
椅子から降りるとベットの脇に設置してある電話でナイトの携帯にかける。
一秒も立たないうちにナイトが出てくれた。
『はい。こちらナイトでございます——あ、ゴールドさまですか』
「ああ。悪いんだけどよ、着替えくれねぇか」
『着替え、ですね。少々お待ちください』
その少々が少々ではないほど早かった。
受話器を置き、マイがゴールドのところまで歩み寄っている間に扉の外側から音がする。
「お待たせしました。こちらでよろしいでしょうか?」
「おうって……色々持ってきたな」
あはは、とナイトにしては珍しい苦笑いで数々の服をハンガーラックにぶら下げて部屋にはいってきた。
ゴールドに似合うかも分からない服や、マイに似合うわけもない服やら……
(こちらの中からお選びくださいませ)
(マイはどれにする?)
(んー……これ)
- Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.73 )
- 日時: 2011/04/07 19:57
- 名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)
第175話 は、恥ずかしいね……
マイが選んだ服は落ち着いた感じで珍しい色を選んだ、黒色。
似合わないとは本人も思っているのか頬がさくらんぼのように染まる。
「ロングドレスですか、こちらのジャケットもどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
ロングドレスと言っても膝よりちょい上の長さのドレスで、白色でふわりと羽織れるドレス用のジャケットをナイトが渡してきた。
照れくさそうに礼をいうと次はゴールドがこんなことを言った。
「んじゃ、マイがそれなら——オレはこれな」
「タキシードですね、きっと似合いますよ」
こちらもタキシードに似たように服を選んだ。
白いYシャツに黒色で袖がなく短いジャケット式のタキシードでYシャツの袖が長いのが気に食わないのかにらめっこをする。
「ご試着なされますか?」
「ああ、そうするよ。マイは……」
「メイドにやらせますね」
ドレスをナイトが持ち、扉を開けてゴールドは部屋で着替えて、マイはメイドの控え室に行くことになるから、ナイトがまた案内をしてくれた。
控え室から、メイドの叫びが聞こえるまでそう時間はかからなかった。
「あらま〜可愛い子ですね。よしよし〜」
「あ、あの……」
「どこから来たの? ママは? パパは?」
「馬鹿ねぇ。デートかもしれないでしょ!」
「あ、う」
沢山のメイド達に囲まれ頭を撫でられ——困った顔をする。
その騒動を見終わるとナイトは部屋から出て行き、仕事に戻るのだった。
***
「お、おまたせ……」
「おー。待ったぞって早くこっち来いよ」
「う、うん……」
扉から顔だけ出して中々部屋に来ようとしないマイを催促しようと座っていたベットから立ち上がり扉を強引に開けるとマイがつまずいて、ふわっ、と甘い香りと共にマイがゴールドの胸に当たる。
「いてて、ごめんね。ゴールド——ごーるど?」
「あ、いや……なんでもねぇ」
上目遣いで謝るが、返事が遅く帰ってきた。
オレも悪かったな。と珍しくゴールドも謝ると、間近で互いの格好を見る。
どちらも顔が赤くなり、マイは顔を俯けてしまう。
「に、似合ってるね。ゴールド……かっこいい、よ」
「だろ? お、オレは何着ても似合うんだからな……マイだって可愛いじゃねェか」
そっぽを向いたゴールドの耳が赤くなりながらいうのが俯いたマイから見えた。
声もかなり震えている。
なんだ、どっちも恥ずかしがってるんだと分かると悪戯に笑い、レストランに行こっ!と腕を掴んで部屋から出るのであった。
(ボール持ったか?)
(うん! ジャケットの中だよ。あ、アイスあるかな〜)
(……はぁ。今は秋だぜ?)
- Re: ポケスペ わたしとあなた 修正中のためコメは控えてください; ( No.74 )
- 日時: 2011/04/07 19:58
- 名前: 大庭 (ID: BkSc4LvP)
第176話 ふー&あーん
「オレ、サーロインステーキ」
「わたしはねー、トリュフ入り和風シチューとドリンクバー」
「あ、オレもそれ追加ね」
メニューを指差さしてマイが言い、ゴールドは運ばれてきたお冷を飲みながら横目で言う。
オーダーを取りに来たシェフの名は、ナイト同様長ったらしい名前でマイはまた覚えることが出来なかった。
「いや〜空いててよかったな。ここ結構人気ある料理店らしいぜ?」
「ふえー。あ、これも頼めばよかったなぁ……」
「また後で頼めばいいだろ。っておいまじかよ、それ……」
ガラス製のコップから氷の弾ける音がすると一緒にテーブルに置く音、さらにそれと同時進行で椅子を傾けて、店名を指差す。
興味がないのか薄い反い。今興味津々なのはメニューのようだ。
どれだ? と椅子を元の位置に戻して未だに持っているマイのメニューを手に取り、うげっと苦い顔をする。
「えー。おいしそーじゃない? このチョコミントアイスのイチゴ盛」
「女子高校生か……いや、時期になるもんな」
「へんなゴールド——」
***
「わーい! おいしそ〜」
「おー。早かったな」
器用に片手で割り箸をわるゴールドに、両手で割るマイ。ここで性格は別れるらしい。
ゴールドとマイは満足気に運ばれてきた料理を一通り眺めてから、一口に食べた。
満足気にゴールドは次々と口に含んでいき、マイはというと、最初の一口で終わっている。
「おい……マイ?」
「ん〜ッ」
両手で口元を押さえて、ふるふると顔を横に振る。
目じりにはうっすらと涙する見える。
「なんだ!? どうしたんだよ!」
「ん〜ッん〜ッみ、みひゅっみひゅちょーらい!」
蒼白したゴールドが席から立ち上がって傍まで走り寄る。
足を小さくバタつかせて"みひゅ"をゴールドに要求するが"みひゅ"? と首をかしげる。
ぷるぷるとかなり振るわせた手を伸ばし、先にあったものは"水"
「あー"水"な」
「んくっんくっ……っふは」
ひと段落したので席につくと料理を食べ始めると思いきや、
料理そっちのけでマイが面白いのか肩肘をついてじっくりと見る。
顔がりんごのように染まっているマイが口元に水滴を少しつけて言った。
「わたし猫舌なんだよね」
「猫舌〜? 知らなかったぞオレ……いや、知ってたかもしれねえ」
旅に出る前に何度もゴールドの家で食事を共にしていた者同士だからこそ分かること。
思い出し笑いされて恥ずかしいのかシチューをスプーンで軽くすくって、にらめっこする。
「ふーふーすればいいんじゃねーの?」
「ふーふー?」
「んだよ、知らねぇの? こーすんだよ。貸してみ」
笑いをこらえながら言っているのかちょっとだけ声に振るえがある。
その声でマイは知らない単語を言われて疑問符が浮かび、ゴールドは言葉の通りスプーンを手に取って、ふーふーしてやる。
口が開いたままのマイ。かなり驚いていて顔までまた赤くさせた。
「これがふーふーなんだぁ」
「ああ。次食べる時やってみ。ほらよ、あーん」
「あーん。んぐんぐ……あ、熱くない」
ナチュナルにあーんをさせれ恥ずかしがるのもどうかと思ったのか平然と受け取る。
熱くない。と衝撃的だったのか思わず感想を述べてしまった。
(やっぱり見てて飽きないなあ、マイって)
(ほえ? なんか言った?)
(なんでもねーよ。これ食ったあと、何すんの?)
(探検っ)
(ですよねー)
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