二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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薄桜鬼×緋色の欠片
日時: 2012/09/26 13:48
名前: さくら (ID: cPNADBfY)



はい。
初めましてな方もそいうでない方もこんにちは。
またさくらが何か始めたで。と思っている方もいると思いますが
薄桜鬼、緋色の欠片好きの方には読んで頂きたいです


二つの有名な乙女ゲームですね
遊び感覚で書いていくので「なんやねん、これ」な心構えで読んでもらえると嬉しいです←ここ重要


二つの時代がコラボする感じです
あたたかい目で見守ってやって下さい

それではのんびり屋のさくらがお送りします^^

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Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.77 )
日時: 2013/04/26 22:20
名前: 彩音 (ID: WRKciX17)

さくらさん。

読んでくれてありがとうございます(^-^)
さくらさんも[真弘先輩]が好きなんですか?
実は私もです(^_^)
一番好きな台詞は、
「オレの…女に…手ぇ出すんじゃぁねぇ…」
です☆
これからも最新待ってますので、頑張ってください!

ではでは…

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.78 )
日時: 2013/04/26 22:23
名前: さくら (ID: 1RG8a0Ta)

白みだした空を鳥が横切っていく。
冷え込む朝方に身を震わせ、箪笥から羽織を出して単の上に着た。
土方はそのまま文机の前に腰を下ろす。墨を作るために水を硯に入れていると、部屋の前に人の気配を感じた。

「…土方さん」
「千鶴か。入れ」

膝を折って障子を開けて入室した千鶴の手には湯飲みと急須があった。
墨を作っていた土方は手を止めて振り返る。

「どうした、こんな朝早くに…」
「いえ。今日は早くに目が覚めただけで…その時土方さんのお部屋に明かりが点いていたので…温かいお茶をお持ちしました」
「あぁ、すまねぇな」

千鶴から湯飲みを受け取ると土方はふっと微笑んだ。

「気を遣わせて悪いな。俺も目が覚めたついでに仕事を終わらせようと思ってな…」
「そうなんですか…」

千鶴は文机の上に置かれた書類の山を見つめて悲しげに呟く。彼女の瞳が揺れたことを土方は見逃さなかった。湯飲みを文机に置くと、土方は千鶴と正対する。

「どうした」
「いえ…」
「何もねぇならどうしてそんな顔しやがる。言え」

向かい合って座ると千鶴は更にばつが悪そうに視線を畳の上へと泳がせる。
しばらく躊躇していた千鶴は小さな声で語りだした。

「あの…政とか、私にはわからないんですけど…家茂公が崩御されて…世の中が大変になりつつあるのはわかっているんです…そのせいで土方さんのお仕事が増えているように思われて…」

土方は黙って千鶴の言い分に耳を傾ける。千鶴はそっと顔を上げて土方の顔を見た。
目元には黒いくまが出来上がり、少し痩せた気がする。食事の時間を惜しんでまで最近は仕事に追われているようだ。今も早朝から仕事に手をつけないと回らないらしい。
自分が心配したところで土方の仕事が減ることもないのはわかっている。
だが、言わずにはいられなかった。

「…世の中が大変だから新撰組が必要とされるのはわかっています。それは良いことだとも…でも、私、土方さんが心配で…」
「そんなことか」

最後まで千鶴の言葉を聞いていた土方はふっと溜息をついた。

「心配しなくても俺は大丈夫だ。体のつくりは丈夫な方だからな。そう簡単に倒れたりしねぇよ」
「…でも…今日くらい少し休んだほうが…」

心配と不安が入り混じった瞳が大きく揺れる。土方はその視線を真摯に受け止めて、それでも首を縦に振ることはなかった。

「…大丈夫だ。心配してくれて、ありがとな。けど俺にしかできないことがあるだ。隊士達が外で駆け回ってるのに、俺は何もしてないようじゃ副長の名が泣く。こんなときだからこそ、だ」
「土方さん…」

湯飲みを口に運んで茶をすする。温かい緑茶が全身に染み渡るようだった。

「お前にも色々助けてもらってるよ。こうやって温かい茶を淹れてくれることとか…」

それでも千鶴は土方が心配でならない。新撰組の大きな柱である副長が倒れては、その損傷は大きなものだ。
千鶴の気遣いを痛いほど感じてはいるものの、それでも土方は休むことをしない。事務的な仕事から会談の予定、上からの命に対して返事を書くなど、土方の仕事は多岐にわたる。
休んでいる暇などない。
どう宥めてやればいいものかと悩んでいると部屋の前で声がした。

「土方さん」
「原田か。入れ」

原田が入室すると千鶴はさきほどまでの曇った表情を消して、微笑んだ。

「おかえりなさい、原田さん」
「おう。千鶴か…」
「あ、私お茶もう一杯淹れてきますね」

千鶴が退出すると、土方は大きな溜息をついた。

「どうしたんだよ、土方さん?」
「いや…千鶴が俺のことが心配だとか言って少し休めというんだがな…」
「まぁ、千鶴の気持ちもわからないまでもないけどなぁ…今度くらい休みをとればそう心配されることはないんじゃねぇか」
「そうするか…」

千鶴の不安を拭ってやるにはそれが一番なのだろうが、土方の頭には休息の文字はない。だが、少しだけでも休めば、彼女が安心するのは間違いないだろう。
土方はこの山済みになった仕事をどうやって片付ければ空き時間が作れるか考え込む。

「土方さん、それで今日の制札警護で…」
「あぁ、悪い。そうだったな」

現実に意識を引き戻して原田を見やる。原田がここに来た理由はそれ以外にない。
土方は真剣な表情で原田の報告を聞いた。

「浪士を何人か捕まえたんだ。多分あいつらが制札騒ぎの犯人だと思うぜ。捕縛して会津藩に引き渡してきたところだ」
「そうか、よくやった。ご苦労だったな。これで会津藩にも面目が立つ」

素直に喜んでいる土方とは違い、原田は暗い表情のままだ。浪士を捕まえた本人が一番喜んでいるのかと思いきや、そうではなかった。

「どうした。まだ何かあったのか?」
「いや…そうじゃねぇんだが…」

するとそこへ原田の茶を持ってきた千鶴が入ってきた。原田の横に茶を置く。

「どうぞ」
「あぁ…ありがとな」

原田は苦笑を浮かべて茶を口に運んだ。まるで千鶴と顔を合わせないように原田は曖昧な表情を浮かべている。
どうしたのかと言い募ろうとしたところへ、またも部屋の前に人の気配を感じた。

「あの、珠紀です」
「どうした」

障子をゆっくりと開けて、珠紀は部屋に入った。その後に入ってきた人物に土方と千鶴は目を瞬く。

「土方さんに報告しておかねぇとと思ってな」

珠紀は原田の横に腰を下ろし、その隣に祐一も膝を折った。

「えっと、こちら。私達が探していた…」
「狐邑祐一だ。珠紀達が世話になっている」

すっと頭を下げる祐一に土方は目を丸くした。

「お前達が探していたのは大蛇とかいう名前じゃなかったか」
「あ、いえ…その人も見つかったんですけど…今は松本先生のところでお世話になっているそうで…まだ私達探さなくちゃいけない人がいて」
「その内の一人が見つかったんだよ。ついさっきな」

原田が付け加えると土方は腕を組んだ。

「あの、私お茶淹れてきますね」
「あぁ、何度も悪いな」

千鶴は立ち上がるとそっと部屋を出て行った。しばらく祐一を一瞥していた土方は口を開く。

「俺は新撰組副長、土方歳三だ。珠紀の探し人というが…お前も先の世から来たのか」
「あぁ。蔵にいたはずなのに、気がつけばここにいた」

土方は祐一の瞳から目を逸らさない。嘘をひとつでも言えば、土方にはその目の動きだけでわかる。だが、嘘は揺るがない瞳から言っていないと判断した土方はふっと溜息をついた。

「それで…お前も鬼斬丸がどうとか、守護者がどうとか言うのか」
「俺は守護五家の一人だ。封印のことは知っているのか」
「珠紀から少し聞いただけだ。ということはお前も妙な力があるようだな」
祐一は首を縦にふった。また妙な者が集まると思うと土方は頭を痛めたが、真弘が昨日捕り物で力をふるったことを思い出してその考えを振り払った。

「それで…お前もここの隊士になるっていうのか」
「できればそうして欲しいんです」

珠紀が土方に願い出た。

「私達が今ここにこうやって集まったことには意味があると思っています。もしかすると、鬼斬丸の封印が解けてしまうかもしれない…私達がどうしてここに来たのか、それを見極めるまでここに置いてもらえませんか?」

懇願する珠紀の横にいる原田に目をやって土方は口を開く。

「お前はどう思う、原田。こいつを見つけたときお前も一緒だったんだろう」
「俺の意見なんかで良ければ…俺は拓磨や真弘がどんな力をもっているのかは知らねぇが、こいつは凄いと思うぜ。あくまで俺の意見だが…」

土方はその言葉を聞いて再び祐一に視線を戻す。外見から言わせてみれば特別な力を持っているようには見えない。身長はそこそこ、髪の色には驚くが、体も細くぼんやりとしているその表情からはとても考えられない。

「気になるというのなら、見せよう」

土方の怪訝な表情を見て、祐一は見せた方が話が早いと思ったのだろう。すっと手を持ち上げた。
すると突然何もなかった手から青い炎が燃え上がる。ゆらめくその炎を前に土方は絶句した。

「…な?土方さん。隊士にしても損はねぇと思うぜ?」
「そうだな…お前達は一体何者なんだ…」

呆然と呟く土方は我に返って祐一を見つめた。手の内の炎を消して、祐一も土方を見つめ返す。

「わかった。近藤さんには俺から伝えておこう。お前がどこの隊に入隊するかは追って沙汰する」

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.79 )
日時: 2013/04/28 01:16
名前: さくら (ID: 1RG8a0Ta)

彩音さん

大好きですよー^^
最初は「身長低いとか無理ー笑」
とか思ってたけど身長とかどうでもよくなるほどカッコ良かった!←

頑張って小説続けて下さい
私もぼちぼちやっていきます^^

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.80 )
日時: 2013/04/28 01:22
名前: さくら (ID: 1RG8a0Ta)

土方が話の区切りをつけたときだ。ふと何かを思い出したように顔を上げた。

「そういや、あの噂は結局何だったんだ」
「噂?」

珠紀が首を傾げると、土方は更に言葉を続ける。

「制札の周辺に火の玉が…」
「それは俺かもしれない」

祐一が静かに挙手した。その行動に一同が目を見張る。

「えっ、先輩がですか!?」
「そういやお前、火の玉が出せるんだったな…」
「どうして制札の周りに火の玉なんざ…」

口々に飛び交う声に祐一は動じることもなく淡々と答えた。

「ここは外灯がひとつもない。だから夜は火を出して、歩いていた。別に制札の周りだけに限ったことではない」

あっさりとした回答に、珠紀をはじめその場にいた者が全員拍子抜けした。
制札に人を寄り付かせないために流した噂か、または。と思っていたこともあって、それが人の仕業であったことに安堵したとも言える。

「あれは祐一先輩だったんですね。良かったぁ」
「よくわからないが、何か迷惑をかけたのか?」
「いや、正体がわかって安心しただけだよ。本当に火の玉だったら隊士の士気にも関わるしな」

原田が微笑むと祐一は事情は把握できずとも、何か解決したように思った。
ちょうどそこへ盆に茶を乗せた千鶴が入室する。

「温かいお茶が入りました」

千鶴は微笑むと珠紀と祐一に淹れたての茶を手渡す。

「わぁ、ありがとう!ちょっと水に濡れて寒かったところなの!」
「…温まる」

その様子を見ていた原田は目を細めた。視線の先には千鶴がいる。

「まだ解決してないことはあるんだがな…」

その呟きは誰にも聞こえない。



その日の朝。広間に集まって朝餉をとっていた幹部たちの前に見知らぬ青年がいた。

「なぁ、新八っつぁん。あいつ誰?」
「さぁ…また新入りか?」

ぶつぶつと小声で詮索している藤堂と永倉に、今入ってきた土方が大きく咳払いをした。

「お前達に報告が二つある。まずひとつ。昨晩の制札警護で原田が不逞浪士を捕縛した」

その言葉に広間に集まった面々はどよめいたった。お上からの命を全うしたのだ。土方の隣で鎮座している近藤は実に嬉しそうに微笑んでいる。

「もうひとつは、祐一」

名を呼ばれて祐一は一同の顔を見渡した。

「昨晩、制札警護の際に見つけたらしい。珠紀の連れだ」
「何だ、まだ仲間がいるのか」
「予想が当たればまだもう一人こっちに来ているはずだけどな」

真弘の言葉に一同は首を傾げた。

「探し人は一人だけではなかったのか?」
「しかもその人松本先生のところにいたじゃん」

近藤と藤堂の問いに珠紀は真摯に頷いて答えた。

「はい。確かに見つかったんですが…最初にお話したことを覚えていますか?蔵で私達は掃除をしていたんです。そのときには私と五人、蔵にいたんです」
「ってことは君達三人と、松本先生のところにいる一人と、あともう一人がこっちに来るってこと?」

総司の見解に珠紀は大きく頷いた。

「これは悪まで私達の考えなんですけど…誰かが私達をここに呼んだとしか思えないんです」
「誰かって?」
「それがわかれば苦労はしねぇんだけどなぁ」

真弘はがっくりと肩を落として呟いた。その様子を見て一体何故ここに来たのか、皆目検討がついていないようだ。

「私達はここに来る前に必ずある一冊の書物を見ていました。その書物に何かヒントがあると思うんです」
「ひんと?ひんとって何だ?」

茶をすすっていた原田が声を上げた。珠紀はしまったと別の言葉を捜す。ここは江戸だ。自分達の時代とは百年以上違う。英語交じりの言葉遣いはここでは通用しない。

「えっと、手がかりがあると思うんです」
「ではその手がかりをどうやってこちらで探すのだ」

斎藤の鋭い質問には拓磨が答えた。

「たぶんこの時代の季封村に行けば…」
「季封村っていうのは俺達がいた村の名前な」
「今の玉依姫に聞くのが一番手っ取り早いんだが…俺達は京都を離れられない」
「何でだ?」

土方の問いに珠紀も同感だったらしく、拓磨を見つめた。
しまった、と今度は拓磨が失念した。鬼斬丸が京都にあるかもしれない、などと珠紀や幹部に一言も言っていない。言えば余計な心配を珠紀にかけ、多大な迷惑を新撰組に被るかもしれないという一抹の不安があったからだ。
墓穴を掘ったと愕然とする拓磨の横で真弘が慌てて言葉を繋ぐ。

「そ、そりゃぁ、拾ってもらった恩義があるし、隊務だってしねぇといけねぇだろ!?」

無理に作り笑うと気持ち悪い面相になる、と拓磨は一応は年上にあたる先輩に失礼なことを思った。

「まぁ、それは確かにそうだな。だが、俺達の隊務のせいで君達が元居た時代に帰れないのも否めないなぁ。トシ」
「あぁ、そうだな…少しの間なら外出許可を出しても…」
「いやっ!そんなのいいって!!こっから季封村までどれだけ時間がかかるかわからねぇし」
「あぁ」

ひたすら首を横に振る真弘と拓磨に珠紀は疑念を抱く。祐一も二人の様子がおかしいことに気が付いた。

「先輩?何か隠してますね」
「いや、だから、そのぉ…」
「真弘。下手な嘘は吐かない方が良い。何を隠している」

祐一の鋭い視線と、幹部のいぶかしむ顔に見つめられ、真弘と拓磨は観念したように渋々語りだした。

「ここに鬼斬丸があるかもしれねぇんだよ…だから京都を離れるのは得策じゃねぇと思ったんだ…」
「鬼斬丸?何だね、それは?」

土方以外、珠紀たちが何者なのかを知らない。初耳の単語に一同は首を傾げる。拓磨と真弘はぶっきらぼうに説明を続けた。

「俺達が代々守ってきた刀だ。その刀が盗まれたんだ。多分」
「ちょっと先輩!私そんなの聞いてませんよ!?」
「お前は心配するから言ってなかっただけだよ」

拓磨が宥めるように珠紀に優しく言った。いくら自分のためとは言え、大事なことを隠されていては困る。気付かなかった自分にも非はあるだろうが、それでもまた守られているだけのように感じられて珠紀は少しだけ寂しくなった。

「えっとつまり…お前らが守ってた刀がその村から盗まれて…それが京にあるっていうのか…?」
「確証はないけどな」

藤堂が真弘に確認するように話を整理する。

「確かに…ここはやけに妖やカミが多いな…」

ここに来たばかりのとき。祐一は早々に性質の悪い妖に遭遇した。害のない妖やカミから、人に危険を及ぼす悪質な妖までが跳梁跋扈している。そのことに疑問を抱いていた祐一は納得した。

「けど、どの道その村に行かないことには話が進まないんでしょ?だったら行っておいでよ」

沖田の言葉にも頷けた。鬼斬丸が仮にこちらにあったとしても、玉依姫と守護者に接触しなければ戻る方法すらわからない。

「だけどここを離れるわけにもいかない…」
「何故だ?どうしてそこまで頑なになる」

斎藤の問いに拓磨と真弘と祐一は表情を固くした。

「鬼斬丸はあまり良い刀ではない。封印され、本来ならば元あった場所で収めるべきだ」
「それが、今誰かに盗まれた。ってことは鬼斬丸を利用しようと企んでいる誰かがいるってことだ」
「その犯人探しもしなくちゃならない」

三人の真剣な面持ちに幹部達はそれが嘘ではないと見て取れた。

「そんなに良くない刀なのか?何だ?妖刀か何かか?」

永倉が冗談半分で言ったが、珠紀達は是と頷いた。

「妖刀よりもっと性質が悪い…封印が解けたらこの世が終わる、と言われている…」

祐一の淡々とした声が広間に響いた。その場にいた一同は一瞬口を噤んだが、永倉と藤堂が一笑する。

「そんなの、迷信か何かだろ?」
「大げさだよなぁ。そんな危険なものなら誰でも知ってるはずだって」

だが祐一は首を横に振った。その反応に一同は半信半疑になりながらも、言葉を待つ。

「迷信ではない…人に知られていないのも当然だ。季封村はこの時代であれば地図にすら載っていない…人々に鬼斬丸の存在が知れ渡らないよう、村で封鎖してきた」

とうとうその場は水を打ったように静まり返った。信じられないと藤堂と永倉は目を瞬く。目を閉じて聞き入っていた斎藤と土方は黙したままだ。近藤は何かを考えているのか腕を組んで渋い顔をしている。

「うむ…事情は相分かった。だが、その村に手がかりがあるのも事実だろう。誰か人をやって…」
「あのぅ…」

それまで黙って聞いていた珠紀が小さく挙手した。一同は珠紀の言葉の先を黙って待つ。

「ん?どうしたんだ?春日君」
「あの…信じてもらえるかどうかわかりませんけど…夢を見たんです」
「夢?」

隣に座っていた拓磨が眉根を寄せる。珠紀が見る夢にはいつも意味があった。それは遥か昔の記憶であったり、誰かの記憶であったり。珠紀の夢には真実が宿るときもある。

「私、今の時代の玉依姫に会ったんです」

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.81 )
日時: 2013/04/28 07:27
名前: 彩音 (ID: WRKciX17)

今の時代の玉依姫の夢!?
気になります!更新、頑張ってくださいね〜(^-^)


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