二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼×緋色の欠片
- 日時: 2012/09/26 13:48
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
はい。
初めましてな方もそいうでない方もこんにちは。
またさくらが何か始めたで。と思っている方もいると思いますが
薄桜鬼、緋色の欠片好きの方には読んで頂きたいです
二つの有名な乙女ゲームですね
遊び感覚で書いていくので「なんやねん、これ」な心構えで読んでもらえると嬉しいです←ここ重要
二つの時代がコラボする感じです
あたたかい目で見守ってやって下さい
それではのんびり屋のさくらがお送りします^^
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- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.22 )
- 日時: 2012/10/25 18:06
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
紅 聖夜さん
ありがとうございます^^
ファンだなんて!
嬉しいです
更新頑張りますのでまた読んでやって下さい
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.23 )
- 日時: 2012/10/25 19:53
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
てきぱきと厨で朝餉の支度をする千鶴を追いかけて、珠紀は恐る恐る声をかけた。
「あの、私も何か手伝ってもいいですか?」
「え、そんな…さっきまであんな目にあ遭われたんですから無理せずに…」
「無理なんかじゃないですよ!私あぁいうのには慣れてるんで!」
珠紀が両腕を振って笑顔で答えた。
千鶴はしばらく逡巡した後、握っていた包丁をまな板に置くと珠紀に駆け寄った。
そしてそっと白い手で珠紀の額に触れる。
「熱は…ないようですね。どこか具合の悪いところはありませんか?」
「え?あぁ、もう大丈夫です」
「そうですか?では、無理の無い程度にお手伝いしてもよろしいですか?」
千鶴が願い出ると珠紀を大きく頷いた。
「じゃぁ私は何をすればいいですか?」
「そうですね…あ、お味噌汁の味噌、入れて頂いてもいいですか?」
「お味噌ね。味付けは任せて下さい」
珠紀ははりきってかまどの上で煮立っている鍋に向かう。千鶴はあらかじめ茹でておいたほうれん草の水を絞り、ざく切りに切っておひたしにしていく。
珠紀はふと何かを思い出したのか顔を上げた。
「そう言えば、私あなたに看病してもらったんですよね」
「はい。具合が良くなって安心しました」
「お礼まだでしたね。ありがとうございました」
珠紀が腰を曲げて千鶴に礼を述べる。突然のことに千鶴はつられて頭を下げた。
「いえ、私は何も…」
「あ、自己紹介まだでしたね、私春日珠紀です」
「雪村千鶴です」
「見たところ歳近いですよね?千鶴ちゃんって呼んでもいいですか?私は珠紀って呼んでください」
「珠紀…ちゃん」
千鶴は近い歳の少女にあまり知り合いが居ない。唯一いるとすれば最近町で出会ったお千くらいだ。そう言えば似たような会話をお千ともした気がする。
千鶴は近い年端の娘とこうやって話す機会も出会いもなかったためか、どこかこそばゆい気がしてつい頬を赤らめてしまう。
「近い歳なら敬語もやめませんか?」
「あ、そうだね。って千鶴ちゃんが敬語使ってるよ」
歳も近いことからあっという間に打ち解けた二人は、楽しげに朝餉の用意にとりかかった。
一方その頃広間では———
厨とは打って変わって重苦しい空気に包まれていた。
上座には鋭い眼光で鎮座する土方。その前には着替えを済ませた斎藤、沖田が向かい合うかたちで座っている。
ちょうど土方の正面上に拓磨、真弘が肩を並べて正座していた。
「なぁ…何でこんなに空気重いんだよ」
「俺たちがここで暴れたからじゃないっすか?」
こそこそと小声で耳打ちする二人は、張り詰めた空気の重さから正座を崩すことができないでいた。
そんな状況が半刻ほど続いた。拓磨や真弘は短い時間だが一秒一秒が長く感じられた。
「あのよ…」
真弘がしびれを切らしてそっと手を上げた。
「何だ」
「いや、ちょっと顔でも洗いたいなぁ、みたいな…?」
土方の鋭利な視線に珍しく真弘もたじろぎながら用件を口にした。
「井戸ならここを出て左に曲がればすぐだ」
「んじゃちょっと行ってく———」
「ちょっと、先輩!俺をこんなところに置いて行くんすかっ」
広間を出ようとした真弘のズボンの裾を引っつかんで拓磨は睨んだ。
「すぐ行って帰ってくるから、んじゃ」
救いを求める拓磨の腕を振りほどくと、真弘は足早に広間を出て行った。拓磨は裏切られた思いで真弘が出て行った後を睨んでいた。
いつもそうだったが、真弘は肝心な時や面倒ごとは年下である拓磨になすりつけてどこかへ退散していく。今回も例に漏れなかった。
卑怯者と心の中で呪っていると、土方が声を上げた。
「何も取って食おうとしてるわけじゃねぇんだ。そう身構えるな」
「ってこんな状況でくつろげる訳ないだろ…」
鋭い眼光で黙している土方。目を閉じて時を待つ姿が近寄りがたい斎藤。そして怪しげな笑みを浮かべている沖田の三人を前に、身構えるなという方が無理だ。
拓磨は口を引きつぐんでそっと周りを見渡す。
板張りの床。障子で仕切られている。ここで多人数が集まっても何の問題もなさそうだ。土方との距離がだいぶあることから、まだこの広間に誰かが朝食をとりに来るに違いない。
三人の出で立ちをじっくりと観察していた拓磨は、ある一箇所に目が止まった。
「なぁに?これが気になるの?」
沖田がその視線に気が付いたのか、傍らに置いてあった刀を持ち上げた。
「いや…時代劇とかではよく見るけど…生では初めてなもんで…」
歳にそぐわず拓磨は時代劇が好きだった。おかげで学校の試験では日本史だけが唯一の得意教科だ。
特に江戸時代はドラマや映画でよく見ていた。だから沖田や斎藤が羽織っていた羽織には覚えがあった。
「ここってもしかして…」
拓磨が小さく呟いた。もしあの羽織があの有名な浪士組なら。ここは。
真弘は追いすがる拓磨を置いて、井戸に向かった。桶で水をくみ上げて、顔を洗おうとした刹那。
「ふあぁあ…眠ぃ…ん?」
「ん?」
寝ぼけ半分で部屋から出てきた藤堂と目が合った。
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.24 )
- 日時: 2012/10/27 10:32
- 名前: 鬼龍 (ID: zHMuS.n5)
きゃぁぁぁぁぁぁ!
続きがすっごく気になります!!!
おっもしろいです!!!更新ファイトですw
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.25 )
- 日時: 2012/11/01 00:35
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
鬼龍さん
コメントありがとうございます
心の励みになります^^
更新頑張りますね!
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.26 )
- 日時: 2012/11/01 11:44
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
藤堂には日課がある。それはたしたものではない。朝目覚めたら顔を洗って着替えて、朝餉を取る。といった朝の手順である。
それはこの歳まで物心がついた頃から繰り返してきたものだ。そう手順を簡単にひっくり返したり、なくしてしまうことはできない。
だから、目の前に立つ青年に少々苛立ちを覚えた。
井戸を先に使われている。それは構わない。だが、藤堂を目の前にして順番を譲らないことに苛立っていた。
新撰組とは縦社会である。
局長、副長、隊長格であれば共同で使うもの、井戸、厠などは平隊士が使用していようが先に使えるという暗黙の了解がある。
それは幹部が隊士から畏怖と尊敬を置かれている証拠でもあり、共同生活から組織というものを意識させているということだ。
だが、この目の前の青年は何だ。隊長格の藤堂を見ても平然と井戸の前に立っている。
どこの隊の隊士かは知らないが、ここは暗黙の了解で自然と場所を譲るのがここの筋だ。
藤堂は朝に弱い上、目の前の青年に機嫌を損ねた。
「はいはい、ちょっとごめんね」
縁側から降りて藤堂は真弘を突き飛ばした。軽く手で押しのけられた程度だが、真弘は数歩後退した。
当然、真弘も怒りを覚える。
「いきなり何すんだよ」
負けじと真弘も藤堂を突き飛ばす。少し強めに力を込めて。
藤堂は目を剥いた。隊長格に平隊士が歯向かった。
真弘を勝手に平隊士と思い込んでいる藤堂は、またまた突き飛ばした。
「って!何すんだよ!」
「それはこっちの台詞だっての!隊長が来たら順番譲るのが常だろっ」
「はぁ?何わけわかんねぇこと言ってんだよ!使い終わるまで待ってろよ!何様のつもりだ、てめぇ」
真弘からすれば先に井戸を使用していたのだ。それを横取りするように現れた藤堂に、この上ない怒りを覚えた。
二人は同じ目線で睨みあう。掴みかかろうとした藤堂の手を取ったのは、背後から現れた長身の男だった。
「朝っぱらから何騒いでんだ、平助」
「左之さん。聞いてくれよ、こいつがさぁ!」
藤堂と同様に顔を洗いに現れた原田に、真弘は身構えた。おそらく長身の拓磨よりも背が高い。真弘は見上げるかたちで原田を睨んだ。
藤堂は原田にことの起こりを説明し終えると、真弘に向き直った。
「どこの隊だ?隊長は誰だ?」
「はぁ?隊?隊長?」
問いただす藤堂に真弘は小首を傾げた。何の話だ。
ムキになって喧嘩調子の藤堂と打って変わって、原田は真弘を鋭い視線で一瞥して目を瞬いた。
「お前、見ない顔だな。本当に新撰組の人間か?」
確かに最近は隊士が増えた。伊東派の人間も全員を把握しているわけではない。そのため知らない顔を屯所で見ることは多々ある。
だが、原田は全員の顔を覚えようと稽古をつけながら、記憶するようにしている。
目の前に立っている青年は本当に見たことがない。原田の記憶を探っても、結果は同じだった。
「え、もしかして侵入者か!?」
「あぁ、こらこら。その子は怪しい子じゃないぞ」
「あれ、近藤さん、帰ってたんですか?」
勝手な見解で身構える藤堂に待ったをかけたのは着替えを済ませた近藤だった。
数日前に出かけていた近藤に、原田はおかえりと声をかける。
「怪しい子じゃない?じゃぁ客人か何かかよ?」
「あー…んー…客人でもないんだが…」
近藤も真弘の処遇を知らない。ただ土方が侵入者を生かしておく訳もなく、ここに置いているのだから怪しい者ではないはずだ。
「とにかく。朝餉ができているはずだ。まずは広間に行って朝餉をとろう。話はそれからだ」
近藤は人の良い笑みを浮かべて三人の背中を押して広間へと向かう。
不服を唱える藤堂と真弘はまた睨みあっていた。
原田はただじっと真弘を観察する。見たこと無い顔。見たことが無いのはその格好もだ。
原田はこれから何か只ならぬことが起こる予感がした。
広間に着くとそこには土方、沖田、斎藤が既に待っていた。
だが、一人見知らぬ男の存在に原田と藤堂は首を傾げた。
「土方さん、こいつ等は一体…」
「後で説明するから、そこに座れ」
土方に指示され、二人は渋々腰を下ろす。近藤は土方の隣に座り、出掛け先での出来事を土方と話し合う。
「なぁ、総司。こいつら誰なんだよ」
「さぁ?僕たちもあんまりよくわかってないんだよね」
先に広間にいた沖田なら知っていると思ったが、そうではないらしい。
藤堂はさらに首を傾げた。
「遅いですよ、先輩」
「あぁ悪い悪い。ちょっと色々あってよ…」
真弘の帰りを心待ちににしていた拓磨は声を上げた。今まで真弘をこんなに必要としたことはない。拓磨はそんな事実に少し抵抗を覚えたが、今一人でいるより誰かといた方がいい。拓磨はそう思った。
「失礼します」
千鶴が膳を手に、しずしずと入ってくる。
運び込まれる朝餉を黙って見ていた真弘はぽつりと呟いた。
「肉がない…」
「先輩、聞こえますよ!」
膳には麦飯に味噌汁、お浸しと小さな焼き魚が二匹といった質素なものだった。
膳とともに入ってきた珠紀は拓磨と真弘の間に腰を下ろした。
「あれ?新八さんは?」
「朝稽古してから来るって言ってたが…」
「まぁ先に頂くことにしよう。お三方も遠慮せずに食べてくれ」
近藤の声で皆が箸を手にとった。
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