二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼×緋色の欠片
- 日時: 2012/09/26 13:48
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
はい。
初めましてな方もそいうでない方もこんにちは。
またさくらが何か始めたで。と思っている方もいると思いますが
薄桜鬼、緋色の欠片好きの方には読んで頂きたいです
二つの有名な乙女ゲームですね
遊び感覚で書いていくので「なんやねん、これ」な心構えで読んでもらえると嬉しいです←ここ重要
二つの時代がコラボする感じです
あたたかい目で見守ってやって下さい
それではのんびり屋のさくらがお送りします^^
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- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.2 )
- 日時: 2012/09/28 18:16
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
夏の残暑も収まり、闇の帳が下りる時間が早くなり始めた九月。
夕刻を告げる鐘が涼やかな風に乗って聞こえてくる。
開け放たれた障子からは遊び終えたのだろう、子供たちの別れの挨拶も耳に入ってきた。
筆を走らせていた土方はふと顔を上げた。
差し込む夕日の赤さに目を細め、長時間机に向かっていたことに気づく。
嘆息まじりに息をつくと腰を浮かせた。
硬くなった体をほぐしながら、部屋を出て縁やまで足を伸ばす。暮れゆく夕日の見事な赤さにひとつ句が浮かんだ時、一つの足音が近づいて来た。
「あら、土方さんじゃありませんか」
「伊東さん」
まるで土方が部屋から出てきたのを見計らったように遭遇した。屯所を西本願寺に移動してからそれなりに敷地は広い。こうも鉢合わせしてしまうと他意があるのではないかと、伊東を疑ってしまう。
「最近寒くなって参りましたねぇ。道場で稽古なさっている暑苦しい隊士さん達を見ていれば体も温まると思ったのですけれど、やはり自分の体を動かしませんといけませんね」
「…俺に何か用でも?」
「いいえ、特に用なんてありませんのよ?ただ土方さんのお部屋の前を通っただけですわ」
失礼しますわ、とゆったりとした所作で土方の前を通り過ぎる。
伊東の気配が完全に遠のいたのを確認してから、土方は深いため息をこぼす。
「吐くならもっとましな嘘吐きやがれ」
最近。本当に時々だが伊東から監視されているような気がする。伊藤だけではない。伊東を慕う隊士からも時々似たようなものを感じるのだ。
何が目的でそのような怪しい行動を取っているのかは皆目検討もつかないが、気が抜けない相手であるのは事実だ。
「近藤さんはどうしてあんな人を招きいれたのか…」
伊東甲子太郎。藤堂と同じ北辰一刀流で師範だという彼は、江戸に隊士募集をかけていた近藤に連れられ、入隊。参謀の地位にいる。
尊王攘夷派である彼をよく受け入れたものだと隊士達が影で囁いているのを知っている土方も、同じ思いだった。
幾人かとともに入隊した伊藤達をここでは伊東派と呼んでいる。
「ちっ…胸くそ悪い」
何かよからぬ事が起こりそうな気配に、土方は頭を振る。脳裏に一瞬鋭い眼光の人———芹沢の姿がよぎった。
また新撰組が二手に割れ、対立し合うのかと思うと億劫になる。
「あ、土方さん。どこかにお出かけですか?」
夕餉の支度をしていたのだろう。かまどの火種である薪を裏から取って来た千鶴と出くわす。
細い腕にこぼれ落ちんばかりの薪が抱えられており、土方は何も言わずその腕から大半の薪を奪い取る。
「土方さん、あのっ」
「厨(くりや)に持って行くんだろ」
ごく自然に、当たり前のように薪を持っていかれた千鶴は目を瞬いた。
「ありがとうございます」
千鶴はすぐさま礼を述べる。その言葉に添えられた笑顔に何故か土方がはほっとした。
先ほど伊東の会話で陰うつにさせられた土方は、千鶴の屈託ない笑顔に気持ちが晴れたのだ。
厨に着くと同じく夕餉に取り掛かっている井上の姿があった。
「あぁ、ありがとう、雪村君。おや、土方君も手伝ってくれたのかい」
「良い匂いだな。今日は焼き魚か」
「旬の秋刀魚が安く手に入ったんです」
七輪の上に置かれた秋刀魚が香ばしい匂いを漂わせている。
井上が土方の持つ薪を受け取ると、突然声を上げた。
「しまった。醤油が切れてる」
「あ、それなら私が———」
「俺が行こう」
使いを申し出ようとした千鶴の声を土方が遮った。
「ちょうど外へ出ようと思ってたところだ。ついでに買ってくる」
「そんな、私が行って来ます、土方さん」
土方に使いに行かせるのは悪いと思ったのか千鶴は声を上げた。
「構わねぇよ。どうせついでだ。それに、お前じゃまだ近くの店まで一人で行けないだろ」
「…こう見えて近くの八百屋さんくらい一人で行けます」
馬鹿にされた千鶴は頬を膨らませ抗議した。土方は時々千鶴を子ども扱いする節がある。
「すまないねぇ。今晩醤油がないと秋刀魚が食べられないって永倉君や平助が怒り狂うところだったよ」
夕食時のあの食いしん坊二人が言いそうだと土方も苦笑した。
土方はそのまま玄関に向かい、草鞋を履くと近くの店に足を向けた時だった。
「土方さんっ」
後ろから千鶴が追いかけてきた。
「どうした。まだ何か足りないものでもあったか」
「いえ、あの。私もお供します。お店までの道順を覚えたいんです」
「お前、食事当番だろ。源さん一人にしていいのか」
「あとは秋刀魚を焼くだけなので、行っておいでと井上さんがすすめてくれたんです」
なるほど、と納得した土方は歩調を少し緩めた。
「あの、土方さん。外に出かける用事があるんですよね?もし私お邪魔でしたら、お店の場所さえ教えてもらえれば———」
「いや、特に用はねぇよ」
赤い夕日が闇を呼ぶ。辺りは夕焼けの色を残し、空には星が輝き始めた。家路に向かう人や出店を片付ける人が点在し、大通りは昼間ほどの活気はない。
「少し外の空気を吸いたかっただけだ。長時間仕事するのも体に良くねぇしな」
秋の涼風が土方の長髪をもてあそぶ。しばらく大通りを歩き、ある角で足を止めた。
「ここを曲がれば店はすぐだ。どうだ、簡単だろ?」
「…土方さん。今いくつの辻を通ってきたんでしたっけ?」
屯所をでてすぐにある店の距離にもかかわらず、千鶴はそんな質問をした。
「お前記憶力がねぇのか」
「記憶力というより京の地形はどこも似ているんです!」
くすくすと苦笑する土方に、千鶴はまたもや声を上げた。これ以上馬鹿にされるのは心外だ。
穏やかに流れていた二人の会話を突然———
「きゃぁぁあぁああっ」
女の悲鳴が遮った。
土方は目を細めて、声がした方向を睨んだ。
そうしてすぐに駆け出す。千鶴もそれにならって走り出した。
そして駆けつけた場所に居たのは————
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.3 )
- 日時: 2012/09/28 18:35
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
きっきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!
…はっ。ゴメンさくら。興奮してた…
最強の乙ゲー物語、ここにありっ!!だね。
更新待ってます!……私も銀魂以外で「×薄」やろうかな…?
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.4 )
- 日時: 2012/10/01 08:49
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
桜舞姫ちゃん
まだどれをどうしようかとか色々悩んでるところもあるんだけどねぇ
難しいね
江戸時代と現代って違うことがいっぱいあるからそれをどうしようかと悩みまくってる汗
読んでくれてありがとう
もっと興奮させられるよう頑張ります!←
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.5 )
- 日時: 2012/10/01 10:26
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
表通りから裏路地へ。悲鳴が上がった場所へと土方は駆ける。
そうして土方は目を丸くした。
「何だ?」
狭い裏路地の先からこちらに向かって走ってくる女の姿がある。その後ろに目を走らせれば複数の男が追いかけている。
おそらく攘夷志士かどこかの不逞浪士が女を追剥か、同伴を命じたのだろうが女は断ったに違いない。
京都では稀に起こる光景だ。
土方が目を丸くしたのはそこではない。
その女の姿であった。
歳は千鶴とそう変わらない、十代だろう。生娘である年端にしてはやけに裾が短い衣服を着ている。走っていることもあり、露出した太ももが限界まで見え隠れしていた。
よく見れば女の格好は異様だった。髪は茶色がかっており、通例であれば世間の女は御髪を結っているが、その女は結っていない。長髪を自然のまま伸ばしているといった様子だ。
「待て女ぁっ!!俺たち浪士様の相手を拒むのかっ」
「もうっ!しつこいってば!!追いかけてこないでよっ!!」
女は背後に迫る男たちに叫び続ける。だが息巻く浪士達は追い続ける。
女が意を決したように足を突然止め、迫りくる男達と正対した。
「普通の人には使いたくないけど…おーちゃん!!!」
女が誰かを呼んだかと思うと、彼女の影から青い閃光が飛び出した。
その光は浪士めがけて瞬く速さで閃き、次々に浪士の隙を突いて倒していく。
「くそっ!舐めやがって!!」
それでも必死に追撃しようと浪士達は立ち上がり、女に食らいつく。
青い閃光はまたもや浪士の行く手を阻もうと突撃していく。
女が追っ手から逃れるため、また走り出そうとした刹那、温かいものに全身を包まれて息を呑んだ。
「厄介な奴に手を出したもんだ」
土方は女の肩を抱いて、流れるような所作で抜刀すると襲い来る浪士に刀を向けた。
「お、お前!まさか…し、新撰組の鬼副長、土方歳三かっ…!!」
「何だ、知ってるなら話は早ぇ。とっとと身を引いた方がお前達のためだ。俺が刀を振るう前に、失せろ」
池田屋の一件から新撰組幹部の顔はたちまち知れ渡った。そのおかげもあって、下位の浪士達は隊長格の顔を見ただけで尻尾を巻いて退散していく者が多かった。
「く、くそっ!おい、お前等、逃げるぞ———って、あ?」
周りを見渡せば首謀者である男以外、地面に突っ伏していた。青い閃光は女の影に戻ってくる。
「厄介な女に手を出したな。仲間を連れて引き上げろ」
悪い相手に手を出したのは、浪士達の方であった。返り討ちにされ、少し浪士に同情の念を抱いた土方は、浪士達が怪我を慮って退散していく背中を最後まで見送っていた。
そうして浪士達の影が完全に消えたことを確認して、土方はすぐさま女から身を引いた。
「あ、あの助けていただいてありがとうございました」
「勘違いするな」
土方は手に持つ刀を今度は女に向けた。
女が息を呑んだ。
もしさっきの場面で土方が手を出さずとも、女はあの状況を打開出来ただろう。女が一人、複数の男相手に太刀打ちできたのだ。そんな女などそうそういない。武芸をたしなんでいる江戸の武家の娘ならまだしも、京の女にそんな芸当が出来る者など聞いたことがない。
土方は警戒の色濃くして、女にきつい口調で問うた。
「お前は何者だ?どこかの間者か。さっきの技は何だ?」
土方の警戒心を感じ取り、女は身を硬くした。女の足元、影が青く発光したかと思うと、鼠より少し大きく狐のような小動物が女の肩にまでよじ登ってくる。まるで女を守るかのように威嚇するその小動物も見たことがなかった。
土方は一層警戒心を濃くする。
「お前を屯所に連行する」
「ま、待って下さい!!」
騒ぎの邪魔をしてはいけない、と離れていた所で事態を見守っていた千鶴が前に出てきた。
一部始終見ていた千鶴は何故か土方の前に立ち塞がった。
「いきなり、それも女の子に刀を向けるのはどうかと…」
「だが、こいつはおかしな技を使いやがる。忍で間者かも知れねぇんだ。そこをどけ」
「でも、いきなり刀を向けられては怖くて喋れませんし、その、可愛そうです!」
千鶴の言葉で、ふと思い出す。千鶴と土方が始めて会ったとき。そのときも同じように刀を向けて千鶴を屯所へ連行した。今思えば凄まじい出会いかただった。
その時のことを彼女が言っているのだとしたら、土方はどこか居たたまれなくなった。
千鶴の言葉にも一理あるとして、少し反省した土方は渋々刀を納めた。
怪しいからと言って易々と刀を向けるのは確かに間違っている。
あの時の千鶴にも怖い思いをさせたのかと思うと、今目の前にいる女にも———
「おい、どうした!」
千鶴の後ろに視線を向ければ、女の姿がなかった。否、土方の目線に女がいなくなっただけで、事実女は地面に倒れていた。
「大丈夫ですか!?どこかお怪我でもっ…」
二人が口論している間に女はぐったりと地面に伏していた。
外傷は見受けられず、土方はそっと女の頬に触れてみた。
「熱い…」
「こんな体で走り回っていたんですか…!?」
女の息は浅いが、全身が熱く火照っていた。そう言えば先ほど女を庇ったとき、体温がやけに熱い奴だとふと思考のどこかで思ったことを思い出す。
「…とにかくこいつを屯所に運ぶか。いろいろ事情も聞きてぇしな」
土方がそっと女を抱きかかえると、その後ろをあの小動物が心配そうに追いかけてきた。
「千鶴、先に帰って部屋と布団の用意だ。あと、山崎にも連絡してくれ」
千鶴は大きく頷くと屯所を目指して走り出した。
土方はそっと女の顔を盗み見た。その瞳は硬く閉ざされ、つらそうだった。
「全く…厄介な女に会ったもんだ」
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.6 )
- 日時: 2012/10/01 10:16
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
おぉ!何かすごい展開に…!!
あのあの、もしかして!土方さんがお相手に…!?
きゃーーーーーーーー!!!
更新ガンバ♪
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