二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼×緋色の欠片
- 日時: 2012/09/26 13:48
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
はい。
初めましてな方もそいうでない方もこんにちは。
またさくらが何か始めたで。と思っている方もいると思いますが
薄桜鬼、緋色の欠片好きの方には読んで頂きたいです
二つの有名な乙女ゲームですね
遊び感覚で書いていくので「なんやねん、これ」な心構えで読んでもらえると嬉しいです←ここ重要
二つの時代がコラボする感じです
あたたかい目で見守ってやって下さい
それではのんびり屋のさくらがお送りします^^
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- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.112 )
- 日時: 2013/07/19 00:10
- 名前: さくら (ID: 4BMrUCe7)
アゲハさん
いつもありがとうございます^^
大蛇さんはいつもややこしい話をまとめてもらう役を担ってもらっています
いつも助かります笑
まだまだややこしい話は続いていくのでどうか温かい目で見てやってください
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.113 )
- 日時: 2013/07/19 00:13
- 名前: さくら (ID: 4BMrUCe7)
鳥の囀りが朝日が輝く空の遠くから聞こえてくる。少し早めの朝食を取ると、いつもの人数分より少ない膳の片付けも速く終わった。
千鶴は朝餉の片づけを終えると手持ち無沙汰になってしまった。洗濯物を片付けようと思ったが、先に山崎がそれを片付け終えたらしく、もう出来る家事は掃除ぐらいしかない。
千鶴は境内の掃除をしようかと思ったが、昨日自分がそれをしてしまったことを思い出す。
巡察について行こうにも隊長達がいないため、何をすべきか悩んでしまう。平隊士には言伝で巡察を取りやめて稽古をする日となったらしい。
久しぶりの自由な時間なのだからと井上は羽根を伸ばすように勧めてくれた。
「何をして過ごそうかな…」
今まで忙しい日々を送っていて千鶴にとって束の間の休息だ。だが、突然時間を与えられると何をすればいいのかわからなくなる。自分のために使う時間など今までなかったからだ。
困惑しつつ屯所内を歩き回る。誰の許可も得ずに外出するわけにもいかず、まだ知らない屯所の敷地構造を理解しようと散歩のついでに歩く。
眩しい朝日を背に受け、千鶴は静かな一人の時間を味わった。
今まで幹部連中に囲まれ騒々しい日々を送ってきた。それは決して嫌なものではなく、心地よい空間だった。だが急にその面々が居なくなると、静けさが耳につく。
今日中には戻ると聞いたが、それがいつかもわからない。ならば恐らく何も食べていない幹部達のために何か飯を作っておくべきか。
千鶴はそう思い、厨に足を向けようとしたときだ。
背後から声をかけられる。
「はい?」
「貴方、ここの隊士の方ですか?」
千鶴を呼び止めた声の主には見覚えがあった。
凛々しい顔立ちで、通った鼻筋が一層整った顔を引き立たせている。
一度見たら忘れられないその顔は昨日の昼間、土方の部屋に行く前に廊下ですれ違った人物だ。
優しい響きの声は千鶴から警戒心を奪う。伊東派の人物だと聞いて少し戸惑ったが、彼の顔には人の良さそうな笑みが浮かんでいた。それが余計に千鶴を油断させる。
「私、つい先日ここに入ったばかりで…朝の散歩と思って部屋を出たらここがどこだかわからなくなったんです」
「そうでしたか。この屯所は広いですからね」
「本当に。寺を改造したと聞きましたが、ここまで広いとは思いませんでした」
千鶴は彼の部屋の場所を尋ねてその部屋まで案内してやる。自然と並んで歩くこととなった千鶴は隣の青年を見上げた。原田と並んでも引けを取らないその長身、中世的な顔立ちに千鶴は見ほれてしまった。
長いまつ毛に、大きな黒目。そして透き通るような白い肌に目がいってしまう。彼は男であるはずなのに、千鶴は女である自分が恥ずかしいと思ったほどだ。
「そんなに見つめられると穴が開いてしまいます」
青年は恥ずかしそうに苦笑する。その仕草までも見惚れてしまうほど洗練されていた。
「す、すみません。あの、男の方にこんなことを言うのは失礼なんですけど…お綺麗ですね」
「本当ですか!?嬉しいっ。貴方みたいな可愛い方に言ってもらえるなんて光栄です」
青年はそれは少女のように喜んだ。千鶴はこの人が本当に男なのか疑ってしまう。無邪気にはしゃぐその様を見て千鶴は胸に閊えていた疑心を消し去った。
「私剣術は苦手なんですけど、どうしてもここに入りたくって。それで伊東さんにお願いしたんです。やっと入れてよかった」
「どうしてですか?伊東さんの政の考え方に賛同したからですか?」
稀にこういう人間もいる。新撰組には少ないが、伊東派には伊東の考えに賛同して行動を共にする者もいるらしい。故に鞭撻は流暢でも剣術はからっきしだといことを永倉から聞いたことがあった。
首を傾げる千鶴に青年———清次郎は微笑んだ。
「私、玉依姫を探しているんです」
清次郎は笑顔を絶やさず続けた。
「ここにいるって聞いたんですけど。まだどこにいるかまでは…この屯所は広いですね」
「たま、よりひめ…?」
千鶴は更に首を傾げた。だが今度は記憶の片鱗が音をたててそれが何なのかを必死に考える。
そんな千鶴に構うことなく清次郎は続けた。
「どうしても彼女を探したくて…こちらに来てしまった以上私達が対処しなくてはいけないんです」
「対処?」
どこか不穏な響きを含んだ言葉に千鶴は足を止めた。それにつられて清次郎も足を止めて千鶴を見つめる。
「新撰組の方々も隙だらけですね。貴方を一人きりにさせてしまって…」
「え…?」
千鶴は目の前で微笑む青年が何を言わんとしているのか理解できなかった。ただ本能が警鐘を鳴らし始めたことに気がつく。こんなにも穏やかな朝に、こんなにも優しい笑みを浮かべる青年に千鶴は慄いた。
「貴方は少し特別な方のようですね。あぁ、まだ知らないんですね。じゃぁ私の口から言うのは無粋ですから、またの機会に。少し特殊である貴方にひとつお願いがあるんです」
清次郎は数歩離れた千鶴に向かって歩き始めた。僅かな距離だ。棒立ちになっている千鶴とすぐに距離が縮まった。そして背を屈め、視線を合わせる。
「大丈夫よ。怖くないわ。ただ少しだけ貴方の体を借りるだけだから。あ、今すぐじゃないわよ?もう少し先…そうね。それがいつかは私にもわからないのだけれど…」
優しい口調だがそこから紡がれる言葉は右から左へ聞き流せるものではなかった。耳を疑う千鶴の脳内では警鐘が鳴り響いている。
足が自然に後退しようとした千鶴を、清次郎は腕を掴んで制した。
千鶴の目を真っ直ぐに見つめながら清次郎は微笑む。
「痛くしないわ。ただ貴方に呪いをかけるだけ。あぁ、あと。私と今の会話は全て無かったことにするからね。また会いましょう」
どこまでも優しい声。慈愛さえ感じるその声音とは反対に伸ばされる腕に恐怖を覚える。千鶴は反射的に目を閉じた。
「可愛いお嬢さん。恨むなら私を恨んでね。小さな———————…」
最後に清次郎が何を言ったのか、水底に沈められたように視界が霞んだ千鶴には聞こえなかった。ただ最後まで優しい声音で青年が何かを言っている。それだけはわかった。
青年の顔も、視界も輪郭をなくし、深い海に落とされたように意識も薄らいでいった。
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.114 )
- 日時: 2013/07/19 07:22
- 名前: アゲハ (ID: T0oUPdRb)
ギャー!?
千鶴大丈夫なんですか!?
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.115 )
- 日時: 2013/07/21 16:52
- 名前: さくら (ID: 4BMrUCe7)
「無事に成功よ。正ちゃん」
部屋に戻るなり、清次郎は水盆に顔を向けていた正彦は微笑んだ。
「そうか。お疲れ、清」
「いいわよ。でもあんなか弱い女の子まで巻き込まなくても良かったんじゃない?私、少し良心が痛んだわ」
『良心などあってはならんぞ、清次郎。これは新撰組を探るためだ。小娘だろうがなんだろうが利用する価値があれば手玉にする。手段など選ぶ余地などない』
水盆からしゃがれた声が聞こえて、清次郎は畏まったように頭を垂れた。
「申し訳ありません、おじ様」
『正彦から全て聞いた。何やら新撰組は不吉なものを抱えているようだな』
「これからの行動はいかように?」
『詮索を続けよ。できるだけの情報を得て、玉依姫を奪取するのだ。璞玉なぞに玉依姫を渡してはならん』
「どうしたんですか、おじ様。俺達の任務は新撰組に潜入して玉依姫と守護者を探れ、という話じゃなかったんですか?」
正彦は遂行すべき任務目的が変わっていたことに口を挟んだ。
『お主らの報告もあったが、こちらにも変異があった。話は変わったのだ。璞玉の小娘め。小癪な手を打ちおって…』
「璞玉ちゃんがどうかしたんですか?」
『正確な情報故まだ…いや、信じがたいこと故確証を得てからお主らにも伝えよう。今は憶測でしかない。確認をとるまでは玉依姫を見張り、決して璞玉と接触はさせるな。あの小娘は何かを企んでおる…』
「何ですか、それ。じゃぁ俺達は璞玉ちゃんが来るまで玉依姫を監視していればいいじゃないですか。どうして奪取しなくちゃいけないんです?」
辻褄が合わないことを語る老人に正彦は小首を傾げた。水面に映る老人は険しい表情で続ける。
『まだ確証がないと言っているだろう。その場に、新撰組の屯所に姫を置いていること事態危ぶまれるのだ』
「危険があるってことですか?確かに昨日は羅刹に襲われてましたけど…」
『そちらのことではない。“こちら”として都合が悪いと言っているのだ。璞玉の策略に従っていれば、小娘の思い通りになってしまう。それだけは避けなければならんのだ』
余裕をなくしているのか老人は歯噛みして眉根を寄せている。相当璞玉のとった行動に動揺したのだろう。珍しく老人は焦ったように若い二人に下知を飛ばす。
『これからは玉依姫の隙が生じたときに奪取せよ。そして私の元へ連れて来い』
「どんな手を使っても良いですか?」
『何か策があるのか、正彦』
「えぇ。とっても良い策が」
「何なの?正ちゃん」
正彦の隣で黙って聞いていた清次郎は尋ねた。
「まず姫を奪取しやすいように新撰組と守護者に不和を生み出させ…それはもう始まってるんですけどね。新撰組から孤立するように仕向けるんです。そして新撰組の目を掻い潜る…残る守護者は…こちらも良い策があります」
正彦は端整な顔を歪め、不気味な笑みを浮かべた。
「先日清次郎が良い情報を得てきました。それを利用して守護者を分裂させます。簡単ですよ。新撰組から孤立してしまえば、彼らも容易に瓦解するでしょう。そして残った玉依姫を難なく攫う…上策ですよ」
『…ふむ。お前は人の心を操る力に長けているからな…任せよう』
「期待には答えましょう」
正彦の言葉を最後に、水盆に波紋が広がったと思うと老人の姿はなくなっていた。
静寂が戻った部屋に座る正彦と清次郎はふっと息をつく。
「一体璞玉ちゃんが何をしたっていうのかしら…」
「さぁね。けどおじ様は璞玉を毛嫌いしているから、瑣末なことでも気に障るんじゃない?歳をとっても短気なんだから…」
毒づきながら正彦は煙管に葉煙草を詰めて火をつける。
「おじ様に何があったかは知らないけど…確か、璞玉の母親に痛い目を見たって聞いたなぁ。それで根に持ってるんじゃない?」
「まぁ、まだあんな小さい子に…?ちょっと、正ちゃん、煙草はほどほどにしないと」
「わかってる。少しだけいいだろ」
嘆息して清次郎の諌める声に抗議する。口から煙を吐き出しながら正彦は歪む口元を押さえた。
「楽しそうね。私はちっとも面白くないわ。こんなことまでして、璞玉ちゃんの邪魔をしなくたって良いのに…」
「そう?俺はそうでもないよ。おじ様のために動くのは面倒だけど、玉依姫を奪取することには賛成かな。どうも璞玉は良くないことを考えてるみたいだし…それにここに居ると飽きないしね」
意地の悪い笑みは煙って怪しく見えた。清次郎は少し焦燥を覚える。良からぬことが起こらなければいいが。
だが久しく会っていない姫巫女も同時に心配だった。あの小さな背中に今どれほどのものを背負っているのかなど、清次郎には想像できない。ただ、無茶をしないでほしいと願うばかりである。
「そういや、その女の子は?」
「術を施したあとは部屋に運んであげたわ。これで準備は整ったのかしら?」
「あぁ。けど驚いたな。こんなところに鬼に会うなんて…」
「鬼はもう滅んだって聞いていたけど…」
「生き残りだろうさ。まだいるかもしれないね。けど何で新撰組に…」
「それも調べる必要があるの?」
「そうだな。またあの倉に忍び込むか…」
煙草を吸い終わった正彦は灰を煙管から落とすと立ち上がった。
「さて、清。せっかく幹部がいないんだ。ちょっと偵察に行って来るよ」
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.116 )
- 日時: 2013/07/21 16:55
- 名前: さくら (ID: 4BMrUCe7)
アゲハさん
ふふふふ←
主人公にはとことん危ない目にあってもらいましょう^^
千鶴も巻き込まれてもっと皆には踊ってもらいます
さて、珠紀の次は千鶴
一体どうやって男たちは彼女を守っていくのか
見守ってくれたら幸いです
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