二次創作小説(紙ほか)
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- 艶恋短編集 「艶がーる」
- 日時: 2019/07/30 21:33
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
はじめまして徒花桜といいます。小説は別のサイトをおかりして書かせていただいています。
ここでは幕末の時代に基づいた話を短く区切らせて書いていきます。
話の元になるのは艶がーるという話です。
簡単に艶がーるというものの説明をしていきます。
幕末を舞台にした女性向けのゲームでカメラで写した瞬間幕末にタイムスリップしてしまいそこで様々な幕末の志士たちと出会い恋をするというものです。
ここではタイムスリップしてしまうと言う話はなしにしてただ一人の少女の恋の話を書かせていただきます。物語の主人公はお団子屋の娘になります。
その恋の相手は幕末の志士。古高俊太郎と言う人になります。
ちなみにあくまでも作者の創作になりますので細かい間違いなどあったとしてもスルーをしてください。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.28 )
- 日時: 2019/07/10 18:19
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
その後は入り口にへたりこんでいた。通行の邪魔だ。
「どう見てもつき合っていますね」
「相手が枡屋さんでは勝ち目がないね」
あきらめたよといい苦く笑う。大切な紙はなくさないようにしなくてはいけない。
仲間に届けるまでは。彼もまた激動の中を生きる一人の志士だった。
のちの世では彼は伊藤博文と呼ばれるかの人であった。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.29 )
- 日時: 2019/07/11 20:17
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
「時代の闇に咲く徒花」【第六話】
ここは島原の一つの部屋の中かでのこと。視点はとある新造から。
名前は雪花。名代として丁寧に挨拶をする。
「藍屋の雪花でございます」
彼は一人で酒を飲んでいた。こちらにと大人の雰囲気で誘うので困る。近くに座り酒を注いでいく。
そうしてちらりと隣にいる人をうかがってみた。商人だと聞いていた。はぶりのいい遊び人。
ここの常連だ。でも他の人と違うように見える。ここは様々な人がやってくる。訳アリの人が多い。
深くは追及してはならないのが教訓。目を伏せてただ酒を注いで話し相手になる。
「雪花はん。お願いがあるんやけど」
この人がそのようなことを言うとは珍しい。枡屋は皆が惚れるような色気があった。
雪花も困っていた。盃を持つ指先もただ座っているだけの仕草にも。目のやり場に困って視線をそらす。
「かいらしい」
ぽつんと零れる言葉にどきりとさせられる。かぁと赤くなるのを止められない。
私の動揺を感じ取り態度を改めてくれた。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.30 )
- 日時: 2019/07/11 21:13
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
「堪忍。お願いいうんはわてと外に出てもらえますか?」
大門の外に行きたいのだとしばらく思案した。湯川に頼まれたことはここになれること。
秋斉に許可が得れれるなら問題ないはずだ。
「秋斉さんにお許しが得られるなら大丈夫だと思います」
「そうやね」
にこりと枡屋は微笑んだ。そして土産の品を差し出された。
「これは・・・」
「へぇ常連になっとるんです」
食べて見てほしいとお団子を差し出されたので食べて見た。
そこにいるかわいい女の子がいるのだという。嬉しそうに話している。
年の近い友がいないとできたら友人になってほしいという。
彼は何者だろう。雪花は湯川に言われた。素性を探れと。私にはそんなことできない。
「どうして」
「どうしてやろか。舞華が寂しそうに見えたんや」
切なさを秘めた目をして枡屋が言う。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.31 )
- 日時: 2019/07/12 20:18
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
「その人が大切なのですね」
なんとなくとしか言えない。店のあちこちでは三味線や楽の音が響いていたがここはしんとしている。窓より風が入ってきていた。
枡屋は目を大きくさせて驚きを現わしていた。ふと笑う。
「そうやね。あんさんには伝えとかな。あかんな」
秘密どすぇ。としいと指を一本立てて耳元にささやく。
「わては舞華にほれとる」
まごうことなき枡屋の本心だった。お互いに目を合わした。次には笑う。
「すまへん。あんさんに逢いにきてますのに」
申し訳けないと口の端だけでいう。心ではそんなこと思っていないはずだ。
この人は嘘を平気で口にできる人だ。それでもいい。
「いいえ。大丈夫ですよ」
酒を注いでいくと彼は優雅に盃を傾けていた。
「あんさんも恋しとる。そう言う目してはります」
観察力が優れている。薄い笑みをたたえて私を見ている。ただの商人とは思えないほど敏い人だ。
「誰にとはいいまへん。そやけど難儀な恋をしとるんやね」
どうして気が付いてしまうのだろう。私は嘘がつけない。全てを見透かされていた。
この人には勝てない。こらえきれず涙が伝っていく。優しい枡屋さん。
嘘つきで優しくて大人な男の人だった。
『秋斉さん。私は貴方が好きですよ』
この想いは決して口にしてはならない。秘めた恋にしなくてはいけない。
心で思うなら許されますか。今宵月夜に願いを託す。そうしてこの夜はふけていく。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.32 )
- 日時: 2019/07/12 20:55
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
私は貴方をつなぎとめることはできない。
でも貴方は時を惜しむようにして一瞬一瞬を愛してくれる。
同じときは二度とやって来ないと知っている人だから。
そしてその時はすぐそこまでやってきていた。
古高としてはどうでも良かったのだ。
大切なことは舞華のことだけだったので島原に通うのは暇つぶしでもあり女の情報が得られる場所なだけだった。
雪花にあったのは偶然。この娘とは会うのは楽だった。
好きでもない女を抱かずにすむし雪花には好きな男がいる。
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