二次創作小説(紙ほか)

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艶恋短編集 「艶がーる」
日時: 2019/07/30 21:33
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)

はじめまして徒花桜といいます。小説は別のサイトをおかりして書かせていただいています。
ここでは幕末の時代に基づいた話を短く区切らせて書いていきます。
話の元になるのは艶がーるという話です。
簡単に艶がーるというものの説明をしていきます。

幕末を舞台にした女性向けのゲームでカメラで写した瞬間幕末にタイムスリップしてしまいそこで様々な幕末の志士たちと出会い恋をするというものです。

ここではタイムスリップしてしまうと言う話はなしにしてただ一人の少女の恋の話を書かせていただきます。物語の主人公はお団子屋の娘になります。

その恋の相手は幕末の志士。古高俊太郎と言う人になります。
ちなみにあくまでも作者の創作になりますので細かい間違いなどあったとしてもスルーをしてください。

Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.68 )
日時: 2019/08/26 22:23
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)

慶喜はるんるんいいながら島原に向かっていた。

そこには仁王立ちした鬼がまっていた。額に青筋が浮かんでいる。

「勝手に仕立て屋にいきはったんでっか」

思わず回れ右して帰ろうとしたのに耳を引っ張られていく。

「あ・・いたっ・・いたいよ・・・秋斉・・」

そのまま引きずられて部屋に押し込められて正座をさせられた。

「いやだって・・気になったから・・」

慶喜は下を向いて小言を聞いていた。口を挟まなければこのまま静かに終わるのに余計なことをいう。

「でも俺は彼らと話をするべきだと思うんだ」

一橋慶喜としていう。ふううとため息をつかれた。天井を仰ぎ見た。次には無になる。

「阿呆なことをいうな」

扇子が頭に直撃した。そのまま慶喜は畳につっぷした。それはもう、凶器だと思う。

「痛いよ」

頭を撫でながら体を起こす。

「ねぇ。知っている?扇子って意外と痛いんだよ」

「それがどうした」

なまりさえ消し去り凍える目で言われた。秋斉の怖いこと。

そして綺麗に笑うと扇子をひらひらさせていた。まだ閉じられていないだけましだ。

一度だけ見たことがあった。閉じた扇子で手の平をばしばしと叩く。その時ほど恐怖に震えたことはない。

「あの・・・」

「黙れ・・・愚か者」

びしいと閉じた扇子で突きつけられた。愚か・・・愚か者って・・・。



Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.69 )
日時: 2019/08/21 13:21
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)


確かに俺が悪かったのかもしれないけど弟に向かいそれはないと思う。

一度雪花に聞いて見ようかな。現実から逃げようとしていた。

ねぇ。秋。皆考えていることは同じことなんだよ。この国のために必死に闘っているんだ。楓たちを見ていてわかったことがある。

確かに彼らは過激だ。だが時にはそれも必要なことなんだよ。

だからこそ行きすぎないように彼らを止めたいんだ。

「雪花に頼んだらあきまへん」

俺の心を読んで先にくぎを刺してくる。

「でもあの子ならきっとうまく話をしてくれると思うよ」

「あかん」

どきっぱりいう。扇子がまたゆらゆらしている。

まるで感情をそれで隠すみたいに。いい傾向だと思う。今まで何も感じていなかった兄がここまで変わるとは。

俺は喜んでいた。

Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.70 )
日時: 2019/08/26 22:20
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)

「凍てつきし心を溶かし者」【第十伍話】

古高俊太郎と言う男はいくつ顔をもっているのだろう。

昼は枡屋の若旦那、夜は島原に通ういきな遊び人その裏側で間者の元締めとしての仕事をしていた。

その日は雨が降っていた。舞華は色鮮やかな傘をさして町の中を歩いて

いた。甲高い笛の音がして思わず耳をふさぐ。ぴーと鳴るその音に驚く。

『なぁに?なんの騒ぎ?あれは・・浅黄色の羽織』

舞華の着物は色鮮やかな色で刺繍は藤の柄。思わず番傘で顔を隠す。

雨は降り続いている。土方が叫ぶ。

「腕に傷のある男だ。その上この雨だ・・・そう遠くにはいけないはずだ・・探せ」

追跡の指示を出してそれぞれに散っていく。ばらばらと。

舞華はその時地面に落ちている血の後に気が付く。その血の跡を目で追いかけていく。視線を移すとその人はいた。

「なして気が付いてしまうんや・・・舞華」

下を向き左の腕を押さえつけている。枡屋は左の手からは血が流れて地面を濡らしていた。おまけにこの雨だ。ひどく体を凍えさせていた。

商人の姿とは違い貴族のようないでたちでいる彼の姿に惚けていた。

「枡屋さん?」

背後では人の気配が近くに来ていることを伝えていた。とっさに彼を抱きしめる。

その背中はやはり冷たい。手にしている番傘を捨てて着物を同じように雨に濡らす。着物を肌蹴させる。



Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.71 )
日時: 2019/08/28 11:47
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)

舞華はあえて後ろにいる人へと妖艶な眼差しを向ける。

「ようやくおとした人なんや。邪魔せんといてください」

流し目を送ると男は赤い顔になる。震える指を隠して枡屋を腕に抱きしめている。

しばらくして男はいなくなる。すぐさまひきはなされた。その目はひどく冷たい眼をしていた。怒っているように見える。

「無茶をしよる」

こんなこと二度とするなとくぎをさされた。

落ちている傘を拾い肌蹴ている着物の襟も元に戻される。

彼を支えて歩き始める。ここにいてはいけないと仕立て屋にと向かっていた。

・・・・。

どんどん扉を叩いた。近くに彼を残して舞華は一人でそこにいた。

「お願いします。ここを開けてください」

しばらくして扉が薄く開いた。すぐに楓に説明をしていく。

「なにがあったの?」

「枡屋さんが怪我をして・・・」

がらっと扉が大きく開いた。

「入って」

そこにいた楓と紫衣は寝間着姿だった。雨により舞華と枡屋は濡れていた。

「2人は二階に」

「私道具を持ってくる」

心得ているようにすぐさま行動に移した。舞華と枡屋と紫衣は二階に上がっていく。楓はその背中を眺め次に扉につっかえ棒をした。

「さてここからが勝負」

楓は自分の部屋に戻り布団に入る。

Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.72 )
日時: 2019/08/31 12:47
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)

二階に行き紫衣は舞華に着替えを渡した。

「皆さんは部屋に戻っていてください」

そこには心配をして集った人たちがいた。男たちはもしものときは一戦交えるつもりでいた。

佐伯はそこに立ったままでいた。紫衣は佐伯に着物を渡す。

「枡屋さんに着替えを渡してください」

がらと襖を開けると濡れた着物のまま窓側に座っていた。

「枡屋さん。着物の替えだそうです」

佐伯が枡屋に声をかけた。外を気にしていた枡屋がふとこちらを見てきた。紫衣はきになる怪我の具合をたずねる。

「枡屋さん。傷の具合はどうですか?」

そのとき着替えをすませた舞華もやってきた。

枡屋は何を想ったか。寝れた着物を脱ぎ新しい着物に取りかえていたのだが上半身裸のまま腕をみせた。ぎょっとした舞華は背中を向けて紫衣は両手で顔を隠した。耳が赤い。

ぽかんとした。目を枡屋と佐伯は目を丸くしたが次には我に返り着物の袖を通す。

「かんにん」

一応止血はしてある。適当に手拭でまいていた。桂はくすりと笑う。

「佐伯さん」

むうと頬をふくらませる。

「失礼・・ごっほん・・君たちは本当に面白いね。彼は刀で斬られているのに怖がらず・・男の裸には驚くのかい?」

「佐伯さん。ふざけている場合じゃないです」

紫衣は珍しくも眉を吊り上げていた。そしてその背中をぐいぐいと廊下におしだしている。

紫衣にもやらなくてはならないことがある。




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