二次創作小説(紙ほか)
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- 艶恋短編集 「艶がーる」
- 日時: 2019/07/30 21:33
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
はじめまして徒花桜といいます。小説は別のサイトをおかりして書かせていただいています。
ここでは幕末の時代に基づいた話を短く区切らせて書いていきます。
話の元になるのは艶がーるという話です。
簡単に艶がーるというものの説明をしていきます。
幕末を舞台にした女性向けのゲームでカメラで写した瞬間幕末にタイムスリップしてしまいそこで様々な幕末の志士たちと出会い恋をするというものです。
ここではタイムスリップしてしまうと言う話はなしにしてただ一人の少女の恋の話を書かせていただきます。物語の主人公はお団子屋の娘になります。
その恋の相手は幕末の志士。古高俊太郎と言う人になります。
ちなみにあくまでも作者の創作になりますので細かい間違いなどあったとしてもスルーをしてください。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.58 )
- 日時: 2019/08/01 22:22
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
いつだったか彼がそう言い憤りをぶつけていた。
「すまへん。辛いんは桂はんも同じやいうんに」
声を荒げたことを恥じているようにいう。
「いいえ。古高殿気にしないでください。この地にいて潰れることなくいてくださる。それだけで十分ですよ」
「十年後百年後どうなっとるんでしょうか」
遠い未来へと想いをはせている。
・・・・・。
紫衣と佐伯は例のお団子屋に立ち寄った。はしゃいだ声を彼女はあげている。舞華と友人だった。
椅子に腰をかける。中には入らない。すると隣に座る人物がいた。古高だ。
流れるように袖から文を渡される。すぐにしまい他人のふりをしていた。くすりと笑う男がいた。横目でその男をとらえる。
「なんか・・ようどすか?」
京の女のふりをして流し目をする。そして耳に髪の毛をかき上げる。
「綺麗な人やね」
「・・・・・」
口説くつもりか。口をへの字に曲げる。うっとりとした目で男に答える。
「それはどうも・・・」
つーんと顔をすましていると目があの娘と合う。目をまん丸にさせている。隣にいる娘も同じ顔をしていた。
「くっは・・」
吹き出す音がしてそっちをみると肩を震わせて笑っている古高がいた。
「堪忍」
笑いをこらえようと必死になっている。よほどおかしいのか。目に涙までにじませている。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.59 )
- 日時: 2019/08/02 22:20
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
それにしても何がおかしいのだ。まさか閃いた。
「あんさん。あの人らをからこうたんどすか」
本心を探るつもりで問う。
「いいや・・・そないなつもり・・なかったんやけど」
くすくすと楽しそうに笑い続けている。あきれた佐伯は席を立つ。
古高は笑いを収めると二人をこちらに呼んだ。
舞華は戸惑いを隠せないと言う目をしていた。
「紫衣はんはしっとんたんやね」
古高が目で問いかけると無言で頷いている。古高は低い声を出していう。
「同じ志をもった仲間とだけいうときまひょ」
ぽかんとしている二人に片方の目を閉じた。古高は紫衣を送ることになる。
「いいのですか」
小さな声だ。そっと耳を傾ける。あまり話は得意ではないようだ。
「舞華のことどすか?」
振り返り尋ねたらこくりとした。意外に強い眼をしていた。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.60 )
- 日時: 2019/08/04 14:34
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
古高が気が付くと距離が開いていた。彼女が追いつくまで待つ。
「舞華のことならえいんや。きっと現世では添い遂げられへん」
その時の俺はどんな顔だったのだろう。
情けない顔をしていたに違いない。彼女は何か言いたそうにしているが結局何も言わない。
「紫衣はん。もし・・来世というもんがありましたらあんさん。どうします?」
どうしてそんなことをいってしまったかわからない。
「来世ですか?そう、ですね・・もし・・来世があったならもう一度皆さんに会いです」
最後にそんなことを言い分かれる。
俺は・・もし来世と言うものがあったら・・どうするのだろうか。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.61 )
- 日時: 2019/08/05 15:16
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
「明日を信じて今日も願う」【第十三話】
ここは仕立て屋。いきなり新選組がやってきて尋問をうけることになった。
「これで全員か?」
その男は偉そうに顎をしゃくる。
「そうです」
男たちはいきりたっていた。今にも刀に手がかかりそうになっている。
気の弱い舞華と紫衣は店の奥に隠れている。店の前で立たされている。
手配書を見比べてここにいないのかを見分している。
名前の知れている男らは隠れて様子を見ている。もしものときはと
刀に手をかけている。
「怪しいな」
その男はいう。店の中も調べようと動き始める。楓はとっさに前に出た。
「怪しいとは心外ですね。ここは皆さま。身元がしっかりとされた方たちしかおりませんよ」
楓は仕立て屋に誇りを持っているのだと宣言した。
「それにここには新選組の人たちも来ていただいてますよ」
ねぇと楓は藤堂をみた。いっせいに視線を集める。
「常連だったのかよ」
仲間につっこまれた。藤堂は実は斬り合いなどで着物の袖をダメにする。
こちらは洗濯もきちんとして返すので融通されていた。きちんと縫い目もわからない丁寧な仕上がりなのだ。
「情けないね。平助」
皆の声を代弁したのは猫のように目を細めた沖田総司。
腹の中は黒いもので埋め尽くされているだろう。
「近藤さんの顔に泥をぬるなんて」後で覚えておきな。心の声が聞こえた。藤堂はびくっとして後退していく。
沖田は甘党で舞華の店に団子を買いにも来ていた。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.62 )
- 日時: 2019/08/05 22:03
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
何がなんでもここを通すわけにはいかない理由があった。
仕立て屋は表向きなのだ。
裏では浪士たちの隠れ家としても使っている。
楓はどうしたものかと思案する。相手が沖田とあれば面倒なのだ。見た目にそぐわぬ頭もいい。
「どうしても調べたいというなら・・そうしてください。ですが調べても何も出てこなかったら・・・・」
「出てこなかったらどうするのかな?」
沖田は面白がっていた。腰に手をかけていた。いつでも抜けると言う意味だ。緊張が走る。
楓は沖田の目を見ながら首を指し示す。
「こちらも命をかけるのです。そちらも命をかけてください」
いいきってやる。実際ははったりだ。
本当に調べられたら困るのはこっちなのだ。しかし彼らを守らなくてはいけない。
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