二次創作小説(紙ほか)

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艶恋短編集 「艶がーる」
日時: 2019/07/30 21:33
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)

はじめまして徒花桜といいます。小説は別のサイトをおかりして書かせていただいています。
ここでは幕末の時代に基づいた話を短く区切らせて書いていきます。
話の元になるのは艶がーるという話です。
簡単に艶がーるというものの説明をしていきます。

幕末を舞台にした女性向けのゲームでカメラで写した瞬間幕末にタイムスリップしてしまいそこで様々な幕末の志士たちと出会い恋をするというものです。

ここではタイムスリップしてしまうと言う話はなしにしてただ一人の少女の恋の話を書かせていただきます。物語の主人公はお団子屋の娘になります。

その恋の相手は幕末の志士。古高俊太郎と言う人になります。
ちなみにあくまでも作者の創作になりますので細かい間違いなどあったとしてもスルーをしてください。

Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.73 )
日時: 2019/08/31 13:02
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)

楓は新選組と押し問答をしていた。

「ここを通すわけにはいかないんです」

両手を広げ土方を押し返していた。

「俺たちも引くわけにはいけねぇんだよ。ここに入っていく怪しい人影を見たって言うやつがいる」

「ここにはお客様が寝泊まりしているんです」

引かないと睨み合いをしていた。楓はなんとしてもここより先にいかせるわけにいかないと言葉巧みに誘導していく。
「前からここは怪しいとふんでんだ・・・そこをどきやがれ」

刀に手をかける。楓は余裕の態度でいた。

「一派市民にまで新選組は刀を向けるのですね」

冷たくものをいう。ぎりぎり眉を吊り上げていた。土方にしてみれば

どこの世の中に刀を向けられても怯えない一市民がいるというのか。

「もう一度だけ言う・・・」

低く脅すために土方は構える。

「そこをどけ・・・さもなくば斬る」

本物の殺意を向けるも怯まない。すらりと抜いて刃を鼻先に押しつけても微動だにしない。ただたんたんと土方を見ている。

なんてガキだ。やりずらくてたまらねぇ。

「いいえ。どきません」

楓は全てを隠して鮮やかに笑う。脅しには屈しないというように。

そこまで隠すのだ。ただの仕立て屋なわけがない。やましいことがあるに決まっている。

Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.74 )
日時: 2019/09/09 21:47
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)


「薩摩のお方に幕府のお方もお使いになっています。文句がおありなら許可を得てからにしてください」

さぁてどうしますかと楓は挑発をしていた。新選組がここに踏み込めないと読んでいのことだ。

「名前をあげていきますか?」

その言葉で土方の部下が怯えた。僅かに後ろに下がる。土方ははったりか真実か見極めようとした。

「あとは・・・宮家の・・・」

「ちくしょう・・・ひけぇ」

土方は良い判断をした。

「首が飛ぶのは俺たちのほうか・・へたをすれば・・会津の方まで飛び火する」

楓は新選組がいなくなるまで確認をしてから扉を閉める。流石に楓とてあせっていた。

「見事だね。楓の交渉術は」

「褒めても何もでてきやしませんよ。佐伯さん」

佐伯は楓の後ろに立っていた。その手には刀が握られている。いざとなればいつでも斬りかかれるようにしていた。

「半分は嘘で半分は本当です」

そんな佐伯の心を読んでふっと口元を緩ませる。疲れたというようにへたり込む。

「あちらはどうなりましたか?」

そのまま鋭い目つきとなり相手を見た。

「無事に終わったようだよ」

佐伯は一度二階にと視線を投げてお疲れさまといい彼は自分の部屋にと去っていく。楓も自分の部屋に戻っていった。






Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.75 )
日時: 2019/09/09 22:08
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)


二階の部屋では。枡屋としてではなく古高として舞華と向き合っていた。

「これでわかりましたやろ。わてはおたずねものなんや」

だからといい彼女をつきはなそうとしていた。頼むから俺から逃げてくれ。

本当ならこのような血なまぐさいことになんて関わらずにすむはずだ。

・・・・。

彼の言葉で手拭を洗っていた手が止まる。ばしゃりと水が跳ねる。どこまでも私を突き放そうとしていた。悲しくなる。

「無理なことを言われます」

その時すいと流れるように襖が開いて静かに中にと入ってきた。紫衣だ。手当てをするために薬を用意してくれていた。

「貴方は巻き込めないと言われるのでしょう。しかしここまできたら同じこと・・・引き返せません」

酒をどんと畳の上におく。古高は「?」と不思議そうな顔をした。紫衣は乱暴なしぐさで酒の口を開け古高の腕に消毒としてぶっかける。

あまりの痛さに飛び上がった。

「いっつぅ・・!?」

もう一度傷の様子をみて包帯で傷を巻いていく。汚れた手拭をおけに戻すと水で洗い始めた。もくもくと作業をして紫衣は出ていった。二人だけとなる室内。

Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.76 )
日時: 2019/09/19 12:26
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)

舞華は枡屋の頬を両手で包み込む。

「貴方が何者であろうと構いません。それでいいのです」

泣き出しそうな顔をしていただろう。彼はとても悲しそうな目をしていた。

「古高・・・」

ぼそりといった。よく聞こえず聞き返した。

「え?」

視線をそらしながらも改めて舞華を見つめこういう。

「古高俊太郎」

名前を名乗り我に返って口元をおおう。

はっとした。まるでつい口にしてしまったというような仕草だった。

「わて・・どないして本当の名前をいうてしもうたんやろ」

小さな声でそんなことまでいっている。

「俊太郎さま?」

こてんと首を傾げそっと唇にその名前をのせてみた。まん丸になった目でもう一度とせがまれる。

「もう一度いって?」

そのとうりにみてみた。

「俊太郎さま」

するとどうであろう。この人は子供のように嬉しそうな顔をした。

後になり知った。その名前こそが彼の本当の名前だと。



Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.77 )
日時: 2019/10/15 15:07
名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)

「貴方は近くて遠い人」【第十六話】

私はどうしても彼に言いたい言葉があった。限りある時間の中の逢瀬。だからこそ今しかないと思った。

「私・・・わたし・・・」

口を開いたら彼に止められてしまう。鋭い声だ。

「言うな」

びくっと飛び跳ねる。怯えたことに気が付いた彼が雰囲気を優しいものに変化させた。その瞳は切なく揺れていた。感のいい人だ。私が何を言うつもりなのかすぐに気が付いた。

「すまない。俺は嘘しか吐けないんだ。今は何も言えない。許してほしい」

私は彼の言葉に涙をこぼしていく。

「すまない。泣かないで・・・」

悲しい涙を優しいこの人は払い落としていく。

貴方は想いを告げることすら許してくれないのだ。

「それだけは駄目だ」

京のなまりを消して真剣に伝えてくれた。ここは仕立て屋の二階で一階では楓と紫衣は忙しく仕事をしていた。

「私には貴方だけなのです」

「いつか、偽ることせず本当の俺とあってくれますか?」

本当の姿で貴方と過ごしたい。それは俺の夢でもあった。

全てを捨てて貴方と暮らすことは許されないそれが現実だった。

悲しみのこもった瞳に私は彼の手を両手で包み込む。

「はい。必ず・・・そうしてください。私はいつまでもまっていますから」









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