二次創作小説(紙ほか)
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- 艶恋短編集 「艶がーる」
- 日時: 2019/07/30 21:33
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
はじめまして徒花桜といいます。小説は別のサイトをおかりして書かせていただいています。
ここでは幕末の時代に基づいた話を短く区切らせて書いていきます。
話の元になるのは艶がーるという話です。
簡単に艶がーるというものの説明をしていきます。
幕末を舞台にした女性向けのゲームでカメラで写した瞬間幕末にタイムスリップしてしまいそこで様々な幕末の志士たちと出会い恋をするというものです。
ここではタイムスリップしてしまうと言う話はなしにしてただ一人の少女の恋の話を書かせていただきます。物語の主人公はお団子屋の娘になります。
その恋の相手は幕末の志士。古高俊太郎と言う人になります。
ちなみにあくまでも作者の創作になりますので細かい間違いなどあったとしてもスルーをしてください。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.63 )
- 日時: 2019/08/06 22:01
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
その時店の奥にいた一人の武士が現れる。
「その必要はない。申し遅れた。薩摩の大久保という」
のれんをくぐり出てきた男は薩摩藩士を名乗る。
腰には刀を二本さしている。
流石に薩摩とことを構えることは得策ではない。そのくらい誰もが知っている。結果新選組は引きざるおえない。
一方こちらは仕立て屋の中。
男たちは楓の前に正座をさせられていた。
「何をしているの。間抜け」
男たちに向ける眼差しも言葉も冷たい。正座をしてうなだれていた。
「ここにはごまんといえるほど証拠が揃っているの。みつかればどうなるかくらい想像できるよね」
そのくらいわかっているよね。踏み込まれたらここにいる人たちは捕縛される。
「こうなったら仕方あらへん。文や書き付けは燃やしまひょ」
古高が締めくくる。その方がいい。騒ぎをおこして新選組に目をつけられて逃げてくるとは何事かと言いたい。楓の怒りは収まらない。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.64 )
- 日時: 2019/08/09 22:59
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
反抗的な視線を感じた。
「何?文句があるの・・それなら出ていってもらってもいいんだけど」
ここでは楓が全てだ。言いかえすことなど誰もできない。正論だから。
慌てて首をぶんぶんふるう。ここを追い出されたら行き場などない。
「生ぬるんだよ。やるなら徹底的にするの」
幕府とてバカではない。密偵もいるはずだ。この店も目をつけられたら終わりだ。
「命を粗末にしないでほしい」
楓はそこをいいたかった。はたりと男たちは面を上げた。
「悪かった。楓。次は気をつける」
「次なんてないんですよ。高杉さん。・・・もしあのまま捕縛をされていたらどうなっていたと思うのですか?」
同じ一秒なんてどこにもない。明日もここにいられる保証もない。慎重にはこばなくてはならない。
彼らはそんな危ない橋を渡っているのだ。一歩足をふみ間違えればそこから奈落の底に落ちていくだけだ。改めて皆が楓に謝罪をした。
「すまなかった」
「もう、いいですよ」
紫衣も一言だけ告げる。
「古高さんたちを責めてはいません。でも行動には気をつけて・・」
これにて解散だと席を立たせたらこの男が余計なことをいう。
「長州のなまりはつかわないようにしてください」
「ふむ・・・人を選ぶべきであったな」
「どういう意味だ」
彼らはいきり立つ。大久保は腕を組んで偉そうにふんぞり返る。
「すみません。通訳いたします。この人は口下手なもので・・・今は苦しい時期であろう。それでも耐えてくれ・・必ず私がなんとかいたそう」
その言葉に感激した。ジーンとしている。
「おい・・まて・・誰がそんなこといった」
楓に怒りをぶつけている。楓はその上をいく。ばしんとその口をふさぐと低い声を出した。その顔は
真顔だった。
「いい加減その口閉じないと針と糸で縫い付けますよ」
仕立て屋だけにうまいことをいう。大久保は楓が冗談で言ったのでないと知り押し黙った。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.65 )
- 日時: 2019/08/10 14:04
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
「風花舞う中確かにそこにいた」【第十四話】
一橋慶喜は共を連れていない。一人でふらふらしていた。とある目的のために仕立て屋に向かっていた。
「邪魔するよ」
明るくそう声をかけると中より年の若い娘がやってきた。
「いらっしゃいませ」
丁寧にお客にたいする挨拶をしてくる。
とても新選組と争ったようにはみえない。普通の娘に見える。
それも演技なのか。見極めようとしていた。
・・・・。
楓としてはこの人のことは雪花に聞いて知っていた。確かとある店の若旦那だとか。
「これはこれは」
にこやかに微笑んだ。ただの客人として。
「俺のことは聞いていたのかな」
含みのある言い方をして笑っている。
「はい。雪花ちゃんに聞いていたんですよ」
慶喜はふーんと鼻で笑い楓は全てを隠して微笑んでいた。
・・・・・。
慶喜は紫衣に出されたお茶を飲んでいる。すぐに彼女は下がっていく。
ちらりと視線を奥にと投げかける。
「この間の武勇伝聞いたよ」
くすくす楽しそうに笑いながらも聞いてみた。
「武勇伝?」
はてなと思い当たる節はないという顔をしていた。楓と言う娘の顔をみた。
娘はこちらの目の中を覗き込んでくる。心の中をみすえるように真剣な眼差しだった。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.66 )
- 日時: 2019/08/20 13:06
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
「ほら、この間。新選組とやりあったと聞いてね」
ずずとお茶をすすり慶喜はことんと湯呑を畳の上に置いた。
「別にやりあったわけではありませんよ」
楓は微笑みながらも答えた。
「そういえば奥にいるのが紫衣だよね」
奥にと視線を向けながらも慶喜が言う。
「はい。そうですが彼女は人見知りなので無理ですよ」
楓は話はできないという。
・・・・・。
慶喜は奥に控えている紫衣のことも知っていた。彼女は奥にて針仕事をして接客を楓がしている。
嘘をついているのは誰だろうか。実は慶喜は新選組の副長に報告を受けていた。そこでこの仕立て屋を探って見たくなった。訳アリの人物が多く様々な身分のものがここを利用していると聞いた。
その時小さな声が聞こえた。
「失礼します」
紫衣が小皿にのせたお団子を手にしていた。客人にと無言で差し出した。楓が説明を加える。
「どうぞ。召しあがってください。ここのお団子は本当においしいのですよ」
三色に色分けされた団子。春は桃の色で夏は緑の色で冬は白の色であった。秋を色どるものはないのであきがない。あきないと商いがまじっているという。商売繁盛の言葉がまじっていた。
「ありがとう」
慶喜はそこに控えている娘にお礼をいう。頭を下げ下がっていく。
慶喜は団子を口にしていると気になる視線を感じた。中にと目を向けて見たが何も見えなかった。
- Re: 艶恋短編集 「艶がーる」 ( No.67 )
- 日時: 2019/08/26 21:47
- 名前: 徒花桜 (ID: 96w0qmMc)
慶喜はふと思いついたことを楓にいう。
「お前は雪花の友人と聞いていたが本当かな?」
「はい。よくしていただいています」
楓は表情一つ変えずに答えている。普通なら遊女と友にはならない。
不思議な娘だ。年はまだ十代。だが賢いのだとその目を見ればわかる。こちらを探るように見つめている。
「貴方は何者ですか?」
そういう楓は真っすぐにこちらを射抜いてくる。慶喜はその目に対して鋭く見返すも怯まず答えを待
ち続けていた。
「さぁてね。俺はただの遊び人だよ」
ゆるりと笑みを浮かべてそういう。全てを隠してこの顔を作る。
「貴方もそうなのですね」
やがてあきらめたように顔を背けて小さな声で呟いた。あまりにも小さな声のためよく聞こえなかった。聞き返すも何でもないと答えない。
・・・・・。
その後。
「知っていたのですか?」
楓が慶喜が帰ったあとそこに隠れていた男たちに問う。
「知らなかったのか」
久坂玄随は不思議そうにたずねた。あの男の正体は楓は知らない。
枡屋は一言口にする。
「おそらくわてらのことを探りにきたんやろ」
高杉は不意に笑いだす。
古高はいぶかしげにじろりと睨む。
「なんや。高杉はん」
「いいや・・くっくっ・・・か、楓の・・・武勇伝・・・だめだ・・」
こらえきれずに腹を抱え出す。古高は笑いごとかと手にしているキセルで頭を叩く。楓にお小言をこらったばかりだ。
「大丈夫でしょうか」
心配そうに口にしたのは吉田稔麿はいう。
「大丈夫だろう」
入江九一は証拠は燃やしたのだという。
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